最近仕事内容が変わってしまい、話の筋を考える時間が減ってしまいました。
それでも、ネタが思いついたら、いくつか執筆しておきつつ、1週間に1話はあげようと思います。
では、お楽しみ下さい。
渋谷さんとの2度目の遭遇を果たし、一夜明けた日曜日。マスターは今日帰ってくるらしいが、本日も店は休み。そんなわけで今日はゆっくり過ごす予定だ。
とりあえず今は――
「眠い」
まだベッドの中。春眠暁を覚えずっていうじゃないか?
ん? 暦の上では夏? 細かいことはいいんだよ。
バイトの時は目覚まし時計6部合唱で起きてるけど、今日は目覚まし時計たちもお休み。俺もお休み。
そんなわけで今日は――
ピンポーン
穏やかなひとときを突如破る騒音。
はい、居留守ですよ~。
ピンポーン
新聞は間に合ってますよ~。
ピンポーン、ピンポーンピピピピンポーン
はぁ~……
なんとか起きて渋々玄関に向かう。その間もチャイムは鳴り続ける。
「はぁい、どちらさまd」
ドアを開けたその瞬間、俺は衝撃を受けて吹き飛びフローリングに頭を打った。
「いってぇ……何事だ?」
俺を吹き飛ばした元凶は俺の膝にしがみつき、頭を擦りつけている。
「お兄ちゃ~ん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん。」
「え!? 未希……なのか?」
「ウェヘヘ、久しぶり、お兄ちゃん」
未希は俺の妹。今は小学4年生になったんだっけか?最後に会ったのが冬休みだからそうだったかもしれない。
とにかく、超がつくほどのブラコンで、こっちに進学のために越してひとり暮らしするって言ったときは、かなり泣き付かれて、その後1週間は口をきいてくれなかった。あの時は大変だった。
背は少し伸びたのだろうか。髪は伸びているな。前はミニツインだったのが、今は立派なツインテールだ。
閑話休題
「あ、母さん? 今未希が来たんだけど?」
『やっぱり?昨日春樹さんから連絡あってね。旅行でお店お休みだって聞いたみたい。朝から出かけて行ったからもしかしたらと思ったんだけど……』
やっぱり叔父さんからの情報か。
「とりあえず、夕方までには帰すようにするから」
『そう。悪いけどお願いね』
「ん。じゃーね」
電話を切る。
「お母さんなんだって?」
通話中、俺の腕にしがみつき頬ずりしていたが尋ねる。
「お前、母さんに行き先伝えなかっただろ?」
「ギクッ!」
「母さんに心配かけるなよ?」
「はぁい」
未希の頭にたれ耳が見えた気がする。
「まぁ、なかなか帰らない俺も悪いけど……。
今日は一日……とは言えないが、言うこと聞いてやるから。」
「えっ!?ホント!?」
おっ、今度は尻尾が見えた気がする。
「じゃあ、じゃあ……お買い物行こ!!」
満面の笑み。尻尾があるならブンブン振ってるとこだろうな。
ポムッ
「ふぁ!?な、何?」
「いや、なんとなく」
頭を撫でてやると
「ウェヘヘへへ」
特徴的な笑い方とだらしない笑顔。
うん、相変わらず子犬っぽい。
「お兄ちゃ~ん。こっちこっち!」
準備を終えて、未希と2人でショッピングモールに来ている。俺は二日連続だが、内緒だ。
しかし――
「お兄ちゃん!早く早く」
元気である。子守というよりは――
「子犬にリードを引っ張られながら付いていく飼い主か」
「なにが?」
「ん?なんでもないぞ」
「何か誤魔化してない?」
ジト目でこちらを見る。
「なんでもないぞ。なんでも」
「何か引っかかるなぁ」
「未希……服買ってやろう。」
ニッコリと
「ホント!? なんでもいいの!? わぁーい!!」
スキップして先を行く未希。
ハハハ。ATMさん!お金の力お借りします。
「ふぅ、満足満足」
満面の笑みを浮かべる未希。増える洋服、サヨナラ諭吉。いらっしゃい英世。
「しかし、こんなに買って、帰りは大丈夫なのか?」
「Suicaに残高あるし、大丈夫だよ。」
「帰り賃じゃなくて、荷物」
「あー……考えてなかった」
えへへと笑って誤魔化す未希。
ハァとため息ひとつ。
「とりあえず、持って帰るやつ選んで袋に分けろ。残りは宅配便で送るから」
「えー。お兄ちゃん持ってきてくれないの?」
不満そうに頬を膨らませる。その頬を押すと間抜けな音が出た。
「夏休みあたりになるかもしれないからな。それでもいいなら構わんが」
「むむぅ、分かったよ。じゃあ、休憩しながら分けよう」
そう言ってフードコートへ向けて歩き出した。
「ところでお兄ちゃん。彼女さんの1人や2人出来た?」
ストローを咥えつつ未希が聞いてきた。
「なんだよ、藪から棒に。そもそも、彼女は1人だけでいい。2人もいて修羅場を作る趣味は俺にない」
「ん~、前だったらさ『服なんかなんでもいいだろ』スタイルだったお兄ちゃんが今日は服のアドバイスしてきたからなんかあったのかなぁって」
ストローをかじる未希。その癖、止めろって言ってるのになぁ。
「そうか?」
「だから、彼女さんでも出来たのかなぁって。または、女友達?」
おう、目をらんらんに輝かせてやがる。尻尾はブンブン振ってるだろうな。
「女友達……っていうより、まだ知り合いってとこだろうな。」
「ねぇねぇ、どんな人? カワイイ系? 美人系? 写真ある?」
「サイキンノコドモハ、マセテルナァ」
とりあえず、ずいずい乗り出してくる子犬の頭を抑えて、待てさせる。
「とりあえず、雰囲気どんな感じ?」
「うーん、カワイイ系かなぁ。森ガールってファッションが多いと思う」
「ふむふむ」
「あとは、優しくて、思いやりがあるな。あと、天然?」
「ほうほう」
「あとは笑顔がいいな」
「あれ? 惚気? 惚気なの?」
「あとは……」
「あ、CD買わなきゃなぁ(棒)」
逃げるように袋を持ってCDショップへ向かう未希。
俺は食器を返却し、後を追いかけるのだった。
「あれ?イベントやってる」
ショップの前に人だかりが出来ていた。
「あ、今日発売日なんだっけ。じゃあ、買っていこう」
「誰か来てるのか?」
「ポジパだよ。ポジパ」
ん?ポジパ?どこかで聞いたような・・・。
「お兄ちゃんも買って行きなよ。本人達来てるみたいだし。ホラ」
未希が指差した先には――
「ふぁっ!?」
ポジパ……ポジティブパッションの3人がいたのだった。
ザ座談会
「皆さんおはこんわ。ハマの珍人です」
「川嶋優也だ」
「そして今回は……」
「えっと……こんにちは? 川嶋未希です」
「はい、今回登場した子犬こと未希ちゃんです」
「ウェヘヘ、いつもお兄ちゃんがお世話になってます」ペコー
「こちらこそお世話になってます」
「なんか恥ずかしいものがあるな」
「さて、未希ちゃんですが、名前は、某特撮映画のサイキッカーから取ってます。」
「特撮?」
「特撮っていうと、ウルト○マンとか仮○ライダーとかですか?」
「そうそう。僕が最初に見た特撮映画でね。当時はスゴイ! って思ったんだ。」
「筆者は特撮オタだからな。」
「まぁね。実際は合間のつなぎ的な作品だったんだよね。有名な方とかも出てたんだけどなぁ。柄本さんとか斉藤洋介さんとか」
「しかし、何故サイキッカーからとったんだ?」
「劇中、サイキッカーが怪獣をコントロールしてたから、未希ちゃんが優也君を上手くコントロールしてくれたらなぁって」
「熱線、吐ける気がする」
「お兄ちゃん、それは無理だから」
「まぁ、いい。しかし、この笑い方は何とかなんないか?」
「正直キャラ付けしたくてさ。ウェヒヒだと、ちょっとなぁって」
「(未希が)頭おかしいみたいに思うんだが……」
「(作者の)頭がおかしいからね。」
「まぁまぁ」
「とりあえず、未希ちゃんには、次回と……夏辺りの話に出てもらう予定かな」
「なるほど」
「頑張ります!」
「えぇ子やぁ」
「やらんぞ?」
「「「では、次回もお楽しみに」」」