うちの所は雪国なのですが、毎日除雪が大変で、雪を捨てる場所が無くなりつつあります。
そんな中、当小説は真逆の夏です。
では、お楽しみください。
神崎さんと二宮さんが来店された翌日の日曜日。
今日はオフという高森さんと、小日向さんとともに期末テストに向けての勉強会をすることになった。
2人ともアイドル活動のため、遅刻、早退、欠席などで授業が受けられないこともある。
クラスメイトにノートのコピーをもらったり、先生から課題をもらってやってはいるらしい。
ただ、事務所としては、『アイドルである前に学生! 』ということで、テストの日は可能な限りスケジュールを入れないらしい。
ともあれ、学年の違う高森さん、学校の違う小日向さんと勉強会をすることになった。俺の部屋で。
何故こうなったかというと、話はとりあえず昨夜にさかのぼる
回想
神崎さんとの意思疎通を図るために熊本弁を勉強することにした。そこで、知り合ったばかりの小日向さんにお願いしたんだけど……。
「さすがに無理があったかなぁ」
この間の島村さんの誕生会の時もあまり会話出来なかったし……。
「川嶋さん。お願いがあるんですけど……」
「ん? どうしたの高森さん」
「その……そろそろ期末テストがあるじゃないですか? 」
人差し指をツンツン合わせながら高森さんが言った。
「うん。あるね。高森さんは勉強できてる? 」
エヘヘと笑う高森さん。どうしたのさ?
「実は、不安なところがあるので教えていただきたいんです」
「え? でも、学年が違うし……」
「それはそうなんですけど……」
申し訳なさそうにしている。その後ろで自分の耳やら肩やらを触っている。ブロックサインか!? あのサインは……。ナンダアレ!?
俺が首をかしげると、
「どうしたんですか? 」
鏡合わせの様に首をかしげる高森さん。
「優也」
俺を呼びながら手招きする叔父さん。なにさ。
叔父さんの近くに行くと、肩を組まれた。本当になにさ!?
「優也~。高森ちゃんはアイドルなんだぞぉ~? テストで赤点採って追試やらなんやらでアイドル活動に支障きたすわけにはいかないだろぉ~? 」
小声で続ける。
「それにアイドルとテスト勉強出来るなんてめったにないぞぉ~? 分かってるよなぁ~? 」
ブブッ
「ん? 」
その時スマホにラインの通知が入った。送り先は……小日向さんだ。
『こんばんは
私でよければお受けします
ただ私も、川嶋さんにお願いしたいことがありまして……』
お願い? なんだろう? なんかデジャヴ。
「優也~。聞いてるかぁ~? 」
今日の叔父さんはなんか面倒くさいなぁ。とりあえずちょっと待ってと一言入れて、小日向さんにお願いの内容を聞く。
ブブッ
返信早いな。今時の女子高生ってスゴいな。
『もうすぐ期末テストがありまして、出来るなら勉強を教えて欲しいんです
本当はお友達にお願い出来ればいいんですけど、予定が合わないので……
川嶋さんさえよければお願いします』
おう、予想通りだった。
思わず頭を抱える。チラと見ると、高森さんも首をかしげている。
「高森さん……明日って何か予定ある? 」
「いえ、明日はオフです」
「じゃあ、明日でよければ、勉強会やろうか」
パァッと高森さんの顔が明るくなり、
「お願いします!」
と、勢いよく頭を下げた。
その後、小日向さんにも確認をとり、明日テスト勉強を行う運びとなった。
少し進んで今日の昼過ぎランチタイムが終了し、お客さんが引けた頃に高森さんが来た。これぞ常連のなせる技なのだろう。
「こんにちは~。今日はよろしくお願いします」
「まぁ、同じ学校だから範囲分かっていれば教えられると思うけど……期待はしないでね? 」
「頼りにしてます、川嶋先生! 」
やめて~、満面の笑みで言わないで~。カワイイけれど、プレッシャーがぁ~!
ちなみに高森さんの今日の服は白のワンピースに水色の薄手のカーディガン、髪を三つ編みにして右肩側に下ろしている。さらに伊達眼鏡。文学少女コーデだ。
「す、すみません! 遅くなりました! 」
遅れること10数分、小日向さんがやってきた。
黄色の7分袖のシャツにチェックのスカート。シャツの胸元に装飾があしらわれ、スカートにもリボンがついていた。そして伊達眼鏡。正統派? といったところなのだろうか。
「あ、小日向さん。いらっしゃい。急に来てもらってごめんなさい」
「いえ、私の方こそ。今日はよろしくお願いします」
頭を下げる小日向さん。俺も頭を下げる。
「川嶋先生~。俺にもモテる方法教えてくださいよ~」
キッチンの方からマスターのヤジが聞こえる。
「マスター。既婚者がモテてどうすんの? 」
「「えっ!? 」」
驚く2人。まぁ、普段の言動見たら既婚者とは思わないよね。
「しかも年の差婚」
「ええっ!?」
「それはお前……」
「姉さんさんにチクるよ? 」
「「姉さん!?」」
まぁ、実際は実の姉ではないんだけどね。
しかし、この2人の反応面白いなぁ。
「確かにそうだけどよぉ~。アイドルとお知り合いになれる男とかうらやましすぎるだろうよ~」
「マスター。マスターは俺を通してアイドルとお知り合いになってるじゃないか。ね? 」
「それもそうだな」
「「……え?」」
ふぅ。マスターが
何とか誤魔化せた。
「じゃあ、マスター。勉強会やるからお宅をお借りします」
言ってみたけどスゴいパワーワードだな。
まぁ、店でやるわけにも行かないし、昨日から言っていたことだった。はずだった。
「そのことなんだけどさ、壊れちった。エアコン」
……は? 今なんと言った?
「ゴメン、聞き間違えかな? もう一回言ってくれる? 」
チョイチョイっと手招きするマスター。近くまで行くと昨日の様に耳元で言った。
「エアコン、壊れた。使えるには使えるんだよ。暖房だけだけどな」
「どうすんの!? 店でやるわけにも行かないから叔父さんの家でやることにしたのに」
「まぁ、落ち着け。一カ所アテがある」
「何処だ!? 言え!? 」
マスターは俺を指差し――
「お前の部屋」
爆弾を投下した。
回想終了
結局マスターの『バレなきゃ大丈夫だよ~(裏声)』
の一言で押し切られてしまった。
「えっと……川嶋さんはここに住んでいるんですか? 」
「うん。そうだよ」
「スゴい以外の感想が出ません」
まぁ、そうだろう。普通の高校2年生がマンションでひとり暮らししていたら俺も驚く。
鍵でロックを解除してエントランスに入り、エレベーターのボタンを押す。
しばらくしてエレベーターが来て扉が開いた。
ボタンを押したまま2人を先にのせる。
「何階なんですか? 」
「15階ですよ」
ボタンを押し、扉が閉まる。
今気づいたけど、アイドル2人と密室にいるんだよな。
自然といい匂いするし……変態っぽいけど意識してしまう。早く、早くしろ! 間に合わなくなってしまうぞ!!
短い様で長い時間が過ぎ、家の鍵を開けて招き入れる。
「汚いところですがどうぞ」
「「お邪魔します」」
「好きなところに座ってね」
リビングに案内して、午○ティーをグラスに注ぎ持ってくる。
「買ったものだけど……ってどうしたの? 」
どこか落ち着かない2人。
「こんなお部屋に来たの初めてで……」
「それに、男の子の部屋に来たのも初めてで……」
あぁ、そういうことか。
「俺も初めてだわ、友達招いたの」
「そうなんですか? 」
小日向さんが聞いてきた。
「そもそも友達自体いなかったし」
「私は川嶋さんとお友達ですよ。」
「わ、私もお友達です。」
「ありがとう」
俺を受け入れてくれた2人に感謝した。
「さ、勉強会やろうか。」
「とりあえず、高森さんはテキスト解いてもらっていいかな? 分からないところあったらその都度聞いてくれれれば教えるから」
「分かりました」
「小日向さんはまず、ノートと教科書見せてもらっていいかな? 」
「分かりました」
「あとは……敬語。やめてもらっていいかな? 」
小日向さんは虚をつかれた顔をしていた。
「少しこそばゆくてね」
「分か……ったよ。よろしくね川嶋くん」
川嶋さんから川嶋くんにレベルアップした。
「で、教科書とノートを見て何か分かった? 」
「とりあえず、試験範囲とうちの高校との差異かな。小テストとかはあったりするかな? 」
「あるけど……はい」
「助かる。こういうテストでは理解力を見たりするから似た問題を出すこともあるから、覚えておいて損はない。後は、起こった現象の説明を求められることもあるからね」
「えっと……」
「例えば、生類憐れみの令を説明しなさいとか。ものによっては決められた言葉を使って説明するものもあるから『事柄↔内容』を覚えておけばいいかも」
「なるほど~」
おー、と納得する小日向さん。分かってもらえたかな?
「川嶋さ~ん。ここなんですが……」
「は~い? ここは……ほら、ここの公式を使って……」
「なるほど~」
「川嶋くん、ここは~? 」
「ここは~……で~……」
「川嶋さ~ん、ここは……」
「ここは~……が……で……」
一時間後
「あれ? 」
「どうしたんですか? 」
「小日向さんが寝てる」
「昨日は夜までお仕事だったみたいですし、お疲れなんですよ」
「うん」
それはいい。それはいいんだけれど……
「アレはいつものことなの? 」
「美穂ちゃんが寝ちゃうのは時々ありますよ」
「小日向さん本体じゃなくてアレ! 」
「えっ? えっ!? 」
高森さんもようやく異常に気づいたらしい。
小日向さんが寝息を立てる度に動いているのだ――アホ毛が――
小日向さんが息を吸えばまっすぐになり、吐けばへにゃへにゃとしながら頭にペタンと貼りつく。そしてまた吸えばピンと立つを繰り返していた。
「アレ、髪の毛なの? なにかの生命体がくっついてるってことは無いの? またはピ○ミン? 」
「えっと……どうします? 起こします? 」
高森さんも動揺しているようだ。
確かに気になって勉強どころじゃないんだよなぁ。
その時、悪魔のような考えが浮かんだ。
「ちょっと待ってて」
押し入れから薄めの敷き布団とタオルケットを持ってきて、隣の部屋に設置。
さらにススッと小日向さんの横に座り、肩を叩く。
「美穂、み~ほ。寝るなら隣のお部屋にお布団敷いたからそっちで寝なさい(裏声)」
「ん~……」
目を擦りながら小日向さんは立ち上がり、覚束ない足取りで布団に横になった。その後、タオルケットをかけてあげて、ドアを閉めた。
「知りませんよ? どうなっても」
ジト目の高森さんが苦言を呈す。
「まぁ、その時はその時かな。」
「ところで、いつ美穂ちゃんと知り合ったんですか? 」
「あー………うん。この間島村さんの誕生会をうちの店でやったときにね……。」
「誕生会やったんですか? へぇ~……」
口調は柔らかいけど。どこか棘がある。話題を反らさねば!
「高森さんの誕生日はいつなんですか? 」
「7月の25日です」
「お、間もなくですね」
「川嶋さんはいつなんですか? 」
……あ、これ詰んだ。
「……28日です」
「いつの? 」
「……5月です」
「過ぎてるじゃないですか! 」
「高森さん。今年の誕生日、お祝いさせてください」
「……楽しみにしてますよ? 」
「お任せください!」
スッと小指を立てて手を近づける高森さん。
「約束です」
「はい! 必ず」
俺も小指を立て、高森さんの小指に絡ませる
「「指切りげんまん 嘘ついたら針千本 飲~ます 指切った! 」」
「さて、帰りに手芸屋さんをはしごして針を買わなきゃいけませんね」
絶対約束守るわ! (切実)
その後、起きた小日向さんと高森さんを駅まで送っていった。
なお、イタズラがバレて小日向さんにポカポカ叩かれたのは言うまでも無い。
THE座談会
ハマ「本日はNGの渋谷凛ちゃんにお越しいただきました」
凛「どうも、渋谷凛です」
ハマ「言わずと知れたデレマスの顔、3代目シンデレラガールですね」
凛「褒めても何も出ないよ? 」
ハマ「いいんです。(もう恒常は)出なくてもいいんです。」
凛「どうしたの? 」
川「デレステで青刺繍(SS確定)からの渋谷さんが3回あったらしい」
凛「ふーん」
ハマ「その割に限定は出ないし」
川「とりあえず今回はなにするんだ? 」
ハマ「当小説での凛ちゃんの立ち位置についてかな」
凛「立ち位置? 」
ハマ「そう。最初は暴走するちゃんみおのストッパー役としての登場だったんだよね」
川「ありがてぇ」
凛「ちょ、泣かなくても」
ハマ「その後、チョコレート談議をしたことで急接近。でも、友人止まりかも」
凛「ふーん」
ハマ「今後の予定としては、夏祭り、バレンタインデーでは出演予定かな」
川「ところで渋谷さんのお願いって? 」
凛「お願い? 」
ハマ「高森さんと仲直りさせるかわりのお願い」
凛「名前、名前で呼んで欲しかったの! 」
川「今は無理でも、善処する」
凛「まぁ、それでいいよ」
ハマ「ニヤニヤ」
川「なんだよ!? 」
ハマ「べっつに~」
凛「では、次回の投稿でお会いしましょう! バイバイ」