隠れ家喫茶ゆるふわ(凍結中)   作:ハマの珍人

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 上げた途端にお気に入りが減ると個人的に話題です。

注意 地の文多め、胸くそ、親父クソ。

 ご覧下さい。


雨降って……

 父の話ってしたことなかったよね?

まぁ、話題にしないようにしてた部分もあるんだけどさ。実は社長なんだよね。たぶん企業の名前を言えば誰でも分かると思うけど。

もっとも、今はどうでもいいんだけどね。

父って言いにくいな。親父……って呼ぶね。

 

 幼い頃の俺は、あまり親父の姿を見たことがなかった。

朝は俺が起きる前に仕事に行ってたし、夜は起きているうちに帰ることもほとんどなかった。土日も家にいなかった。むしろいることがあまりなかったかな。

 

 家には、母さんと、家政婦さん……未希はまだ生まれてなかったからね。後は運転手さんがいることもあったかな? たしか物心ついたばかりの頃は、運転手さんを親父、家政婦さんをお姉さん……親父はたまにいるオジサンぐらいに思ってたな。

 

 まぁ、社長だって知ったのは小学生になったあたりだったかな。会社の何十周年パーティーに行ったときに初めて知ったよ。

 華やかなパーティー会場、いろんな大人の人がいて、料理やら何やらあって……。

俺は母さんのドレスの裾をずっと握ってたっけ。

 親父が会社の人やら取引先の人やら連れてきて、俺と母さんを紹介して、挨拶して……。

 大の大人がガキの俺にペコペコ頭下げてさ……。

ワケの分からない集まりに困惑したのか、子供だから飽きたのか。まぁ、どっちもかな。

 

「母さん、帰ろうよ」

 

 って言ったんだよ。

母さんは困ったような笑顔を浮かべながら、

 

「ごめんね。もう少し待ってね」

 

 って何度か宥めてくれたっけ。

その間も親父は酒を飲んで、挨拶回りして、会話に華を咲かせて……。なんか俺と母さんだけが場違いな気がしたっけ。

 

 未希が生まれてしばらく経つと、急に習い事をやらされた。書道、空手、英会話、ピアノ、水泳、乗馬……。家庭教師も付けられて、俺の生活は激変した。

 友達と遊ぶ暇もなくなり、学校が終わったら運転手さんが迎えに来て、前回の授業の復習をする毎日。

 車中で寝てしまうこともあったが、運転手さんが黙認してくれたりもした。

 

 家に帰り、タイムスケジュールに沿ったレッスン。その合間の食事ですら、テーブルマナーのレッスン。レッスン中のトイレはロスタイムとして延長され、風呂ですら決められた時間しか入浴できない。

 

 レッスンが終わってから学校の宿題を終えて、毎晩ベッドに倒れ込むように寝る。

 余分など時間などなく、友達との話題にもついていけない。気づけば友達がいなくなっていた。

 

「なぁ、お坊ちゃまなんだろ? 金貸してくれよ」

 

 高学年になると、そういった冗談を言われることが多々あった。いや、冗談ならまだいい。本気で言ってくるヤツもいた。断ると、集団で殴りかかってくるヤツもいた。

 返り討ちにしたら、職員室に連行された。しばらくしたら、担任から連絡を受けたらしい、母さんが来て往復ビンタをされた。その時の母さんの泣いている顔が今でも忘れられない。

 ケガさせた相手の家に謝りに行ったが、門前払いされた。

 

「家の子にケガ負わせるなんて、出るとこ出てもいいんだぞ!」

 

 と、言われた。

日を改めて、翌日行くと、

 

「昨日は言い過ぎた。この件は水に流しましょう」

 

 と、態度を一変させていた。後に聞いた話だと、親父が秘書に指示して、金で黙らせたとか……。

 

 そのあたりから、俺と親父の溝が深まったのかもしれない。

 

 学業はトップが当たり前、とれなければ休みの日に軟禁状態で勉強させられた。コンクールや大会は入賞が最低条件。とれない場合はレッスンを1時間延長。

トドメは――

 

「今日から新しく運転手と家政婦を雇うことにした」

 

「えっ? ○○さんと××さんは?」

 

「アイツらはクビにした。アイツらといると、お前は気が緩むからな。それと、お前に専属秘書をつけるぞ」

 

 俺と仲のいい人を追い出し、専属秘書という名目で見張りをつけたのだ。

 

 ――こんな暴挙が罷り通るなんて間違っている。

親父に対しての反抗心が芽生えた。

 

 そして、中学生になったある日――

 

「優也、なんだ、この様は?俺に恥をかかせるのか?」

 

 中学生になって初めてのピアノのコンクール。俺は入賞することが出来なかった。

 

「この間の空手でも結果が残せなかったな。何か弁解はあるか?」

 

 久しぶりに口をきいたと思ったらこれだ。

 

「お前は我が社の次期社長候補なんだぞ!? このくらい出来なくてどうする! 私の顔に泥を塗るつもりか?」

 

 ――あぁ、もういいか。

 

「――のか?」

 

「何?」

 

「あなたにとって、俺は『次期社長』でしかないのか?」

 

 ――違うと言ってほしかった。

 

「まったく」

 

 ――その一言さえあれば

 

「何言ってるんだ」

 

 ――俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たり前じゃないか。他にどう思えと?」

 

 俺の中で何が壊れた。

 

 それ以降、親父との会話もなくなり、俺は習い事を全部辞めた。

 

 最初のうちは小言を言ってきた親父も何も言わなくなり、終いには存在すら忘れることにしたのだろう。

 

 おべっかを使っていた人たちも奇異な物を見るように俺を見てきた。

 

運転手や家政婦も腫れ物に触るような対応だった。

 

 家だけならまだ我慢出来たかもしれない。

でも、現実は非常だった。

 

 テストで1位を取れば、

 

「さすがだよな。社長の息子だから、将来は社長か?」

 

「金かけて家庭教師を何人も雇ってるんだろ!」

 

「いやいや、センコーを買収してるんだろうよ」

 

 と自分の力を認めてもらえず……。

 

「カラオケ行こうぜ! お前の奢りな?」

 

「ケチケチすんなよ。御曹司だろ?」

 

 と、ATMのように扱われた。

 

 異性からは呼び出され、

 

「あたしと付き合ってくれない?」

 

 と告白されることもあった。

同じクラスはもちろん、上級生、下級生からも告白されることがあった。

 

 理由を尋ねると、

 

「お金じゃない!」

 

「頭いい」

 

「かっこいい」

 

「スポーツ万能」

 

「何でも出来る完全超人」

 

 と、口を揃えて言った。誰も俺自身を見てなんかいなかったんだ……。

 

 そういう人たちの告白を断っていたら、

 

「チョーシのってる!」

 

「お高くとまってる!」

 

「所詮身分が違うってか!?」

 

 と、悪口を叩かれ、奇異の目に晒された。

 

 

 そんな折、両親が離婚した。

俺は親父に嫌気がさしていたけど、母さんも何か思うことがあったのだろう。

 

 それからは周りの態度が手のひらを返すように変わった。いや、根っこの部分は何も変わっていなかったのかもしれない。

 

『社長の息子』だったヤツが、今や自分たちと同等……いや、それ以下だと思い、偉ぶるヤツもいた。

 

 周りの好奇の目から逃げるように、俺は進学を機に上京して一人暮らしを始めた。

 

「まぁ、そんなこともあって、今の川嶋優也が出来ました」

 

 一人で長々と話し終え、ふぅ、とため息をつく。

藍子さんは俯いたままだから表情は窺えない。

 

 とりあえず、ドームの入口付近に腰を下ろす。

子供用遊具ってこともあり、微妙に低いんだよね。

 

「――ですか?」

 

 不意に藍子さんが呟いた。

 

「え?」

 

「優也さんを、好きになったら、迷惑ですか?」

 

 藍子さんの声は震えていた。

 

「私は『社長の息子』だった優也さんを知りません。完璧じゃなくてもいい、人のことを思いやることが出来て、自分の出来ることを一生懸命やって、鈍感で、寝起きが悪くて、料理が上手で、焦るとかわいい。そんな川嶋優也さんしか知りません」

 

 お、おう。褒められてるのか褒められてないのか分からないけど。

 

 ふらりと立ち上がり、俺の前に来る藍子さん。

 

「そんな優也さんを好きになってはいけませんか?」

 

「いや、いけなくはないけど、ただでさえ、藍子さんはアイドルで、俺とは釣りあw」

 

 ドン!

 

「ひゃっ」

 

 俺の顔の頭の両隣に藍子さんの手が伸びる。

所謂壁ドン状態だ。しかも伸ばした俺の脚を跨ぐように藍子さんがしゃがみ込んでいるわけで、完全ロック状態だ。

 

「釣り合ってなければ、付き合っちゃいけないんですか!」

 

 キッと藍子さんがこちらをにらむ。かなり真剣だ。

これは、こちらも真剣に答えなければいけないだろう。

 

「ハァー」

 

 熱を帯びた頭を冷静にするためにため息を一つつく。

 

「我慢してたんだけどなぁ……。ここまで言われたら黙っているワケにはいかないよね」

 

 藍子さんを見据える。顔が近い気がするけど、今はどうでもいい。

 

「俺も藍子さんが好きです。柔らかくて、お日様の様なのに、ときどき強引なところとかあったり、焼き餅さんだったり、ゆるゆるふわふわしてるけど、優しさの中に厳しさがあるっていうか……。でも、アイドルだから好きになってはいけないって思ってた。でも、あなたが好きです。付き合ってください」

 

「はい!」

 

 即答だった。そして、藍子さんの顔は泣き顔であり、笑顔だった。涙を流し、目は真っ赤、鼻も真っ赤だけど、美しい顔だった。

 

 

 

「おにいちゃんたち、なにしてるの?」

 

 そんな中で舌っ足らずな声が聞こえた。

 

「へあっ!?」

 

「ウルトラマン? ウルトラマンなの?」

 

「ちがうよ、けんくん。ふたりはこいびとさんなんだよ。ほら、なかよさそうでしょ?」

 

 女の子に指摘されて、現状を確認する。

 

俺の足に座るようにして、壁ドンしている藍子さん、しかも、顔は近く、キスする寸前にも見える。

俺たちは急いで離れる。

 

「おねえちゃんたち、こいびとさんなの?」

 

「ちゅーするの? ちゅー」

 

 子供というのは無垢であり、無垢故に残酷だった。

 

「うちのパパとママもなかよしなんだよ」

 

「ぼくのパパとママはけんかするけど、よるになるとあそんでるよ」

 

 おう……お父さん、お母さん。そういうことは子供が寝てからお願いします。

 

「おねえちゃんたち、こいびとさんなの?」

 

「うん、お姉ちゃんたちは恋人さんだよ。でも、お兄ちゃんがビビりでね……たえちゃんは?」

 

「わたしはすきなんだけど、けんくんがこどもでね」

 

「にいちゃんはウルトラマン、だれがすき?」

 

「セブンかなぁ。かっこいいよね。アイスラッガー」

 

「むすこのゼロもいいよね」

 

「「俺に限界はねぇ!」」

 

 

「「ばいばーい!」」

 

 あれからしばらく4人で遊んだ。小さい子はいいね。ロリコンじゃないぞ。

 

「藍子さん、誰がビビりだって?」

 

「優也さん以外に誰がいるんですか?」

 

「事実だけに言い返せない」

 

「ふっふ~ん」

 

 ――男らしく行かねば!

 

と、藍子さんの手が空いているのを見て、すかさず手をつなぐ。

 

「あ、いいですねぇ」

 

 ――なんか誘導された気がする。

 

 

 side 凛

 

「あ、来たよ」

 

遠目に2人が歩いて来るのが見える。

 

「ねぇ、あれって……」

 

 ――加蓮の言いたいことは分かる。手を繫いでいるね。

 

「初々しいというか、なんというか……」

 

 奈緒の言うとおり初々しいんだけど、さっきのアレからどうしてこうなったのかな?

とりあえず、コーヒーが飲みたくなった。

 

「マッ○行こうか。奈緒の奢りで」

 

「何でだよ!」

 

「ポテト♪ ポテト♪」

 

「さっき食べただろ!」

 

 奈緒の声が虚しくこだまする。

とりあえず、藍子。よかったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 THEざだんかい

「どうも、鼻が弱いハマ珍です」

「川嶋優也だ」

「リア充爆発しろ!」ポリタンク ポーイ

「いきなりなんだ!」ポリタンク ケリ

「告られて何人も斬って、アイドルに告られて一度はフる男とか、男の風上にも置けないな」

「書いたのお前だからな!?」

「では、久々の座談会、ゲストは――」

「こんにちは、五十嵐響子ですっ!」

「鳥取からお越しの家事万能アイドル、五十嵐響子ちゃんです」

「よろしくお願いします!」

「よろしくお願いします」

「まぁ、ご存じ、渋谷の凛ちゃんと同じ誕生日で、P.C.Sで活躍されてますね」

「15歳で家事をこなし、弟たちの面倒も見る優しいお姉ちゃん」

「そんな」テレテレ

「料理が得意な子は多々いますが、洗濯についても語る子は響子ちゃんくらいではないかと……あとは、川島さんかな?」

「ん?」←川『嶋』さん

「めんどくせぇ~(いえ、あなたじゃないです)」

「作者さん、逆、逆」

「さて、そんな響子ちゃんですが、本作品では……」

「お姉ちゃん属性を持つ妹系?」

「なんですか?」

「みんなのためにいろいろ気を配り、スタッフさんにも感謝を忘れない響子ちゃん。そんな響子ちゃんでも、しまむーとコッヒ、そして優也くんには甘えるという設定」

「えぇっ!?」カオマッカ

「あぁ、プライベートを撮影する企画もあったし、その機会もあるだろう」

「更に更に、誕生日回もあるし……あ、忘れてたわ」

「おい!」

「もう(準レギュラーでも)いいよね」

「あま、甘える……お兄ちゃん」

「「え?」」

「あ、な、なんでもないです!」

「まぁ、いいや。じゃ、今日はこのへんで」

「「「ばいばーいノシ」」」

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