隠れ家喫茶ゆるふわ(凍結中)   作:ハマの珍人

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 皆の衆、ブラックコーヒーの貯蔵は十分か!?

これから挑むは糖分の極地、恐れずしてかかってこい!


バレンタイン特別編

 2月14日。この日付を見て何を思うだろうか?

単なる2月のうちの1日と言えばそうである。

 2月の半ばと答える人もいるだろう。

 しかし、多くの人はこう考えるのではないだろうか。

忌まわしき厄日(バレンタインデー)』と。

 実際に俺もそう考えていた。

『2月14日? ハッ! 単なる平日(または休日)だろう? バレンタインデー? ハハッ! お菓子業界に踊らされているんじゃないよ』

 

 と笑い飛ばしていた。

 では、今はどうかというと――

 

「お待たせいたしました。こちらフォンダンショコラとチョコレートパフェになります」

 

 お客様の注文に踊らされてます。

 

 いつもならランチタイム、ディナータイム以外は閑古鳥が鳴くか、アイドルが来るかのcloverもバレンタインフェアに入り、チョコ系の注文が入る入る。

 チョコレートケーキ、チョコレートパフェ、フォンダンショコラ、ガトーショコラ、ブラウニー、チョコタルト、ホットショコラといったところだろうか。

 

 さらに、

 

「バレンタインと言えば手作りチョコだよな?手作りチョコの教室でも開くか!」

 

 というマスターの思いつきにより、休日にチョコ教室を実施。20組限定だったが、2倍近い応募があった。

 急遽2日開くことになったが、好評だった。

お礼ということで、生徒さんからチョコを頂いてしまった。

 

 閑話休題

 

 さて、そんなわけで現在混雑している訳だが、よくよく見ると見たことある人物の姿がチラホラ。

 少し奥まった席に座っているのは、346の誇る暑がりパティシエールさん。

 ホットショコラとガトーショコラをご注文だったが、体が温まってきたのだろう。もはや変装してないよな?

 暑くなってきちゃったじゃありません! 脱ごうとするな! 服に手をかけるな!! お願いですから勘弁してください!!!

 

 さらにあそこに座っているのは、346のふくよかパティシエールさん。

……注文しすぎじゃないか? テーブルの上に乗り切るか!? 一人で全部食べる気か!? 美味しいから大丈夫だよ~……じゃありません!! マスター!! あそこの席追加オーダーキャンセルだ!!!

 

 とりあえず、誰かを通して聖さんに報告入れてもらおう。うん。アイドルなんだから。あなた1人の体じゃないんだからね。

 

 そしてカウンター席には――

 

「ねぇ。私のフォンダンショコラまだ?」

 

 生花店の娘さんが座ってらっしゃいます。

 

「お待たせいたしました。フォンダンショコラになります」

 

「ふーん……悪くないかな」

 

 といいながら、目がキラキラしてるんですけどね。

すかさずスマホで撮ってるよ。後でブログにあげるのかい?

 

「川嶋さん、今年はいくつチョコもらったの?」

 

 フォンダンショコラをフォークで食べ進めながら渋谷さんが尋ねてくる。

 

「……ノーコメントで」

 

「ふーん。数え切れないくらいもらったんだ」

 

 どうしてそうなる。

 

「まぁ、年少組は料理教室でお世話になってるからあげるって言ってたからともかくね……」

 

 

 この間の料理教室の時に、年少組からチョコもらったときは思わず泣きそうになったね。

 

「川嶋せんせぇ。いつもありがとうございまー!」

 

 と薫ちゃんが渡してくれたのを皮切りに年少組の子達が次々と渡してくれた。

 みんなそれぞれ個性があって、家に帰ってからしばらく鑑賞してたなぁ。大事に食べさせてもらってる。

 

 

「あとは、卯月に未央、美穂に響子。蘭子と飛鳥あたりもかな?」

 

 エスパーかよ!? 怖ぇーよ!!

二宮さんがくれたのはかなり意外だったけど。

 

「の……ノーコメントで」

 

 そこで渡りに船というのだろうか、注文が入ったので渋谷さんに一言断って離れた。

 

 

「お会計お願いしま~すっ」

 

 ほわ~とした声が響いた。レジの方を見ると、十時さんが立っていた。

 

「はい、ただいまお伺いします!」

 

 急ぎでレジへ向かう。

 

「あ、優也くん。お疲れさまです~」

 

 注文とりに行った時も言われたけどなぁ……。

 

「お疲れさまです。十時さんはこのあとイベントですか?」

 

 レジを操作しながら尋ねる。

 

「はい!このあとチョコのお渡しイベントがあるんですよぉ」

 

 あぁ、sweetches(スウィッチーズ)のイベントだったっけ。

 と、荷物をガサガサ探る十時さん。

 

「と、いうわけで……じゃじゃーん! 一足お先に優也くんにハッピーバレンタインで~す」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 普通に嬉しくて感謝しか出なかった。

 

「じゃあ、また来ますねぇ」

 

 手を振りながら店を出ようとする十時さん。って――

 

「お釣り忘れてますよ!」

 

「あれぇ~?」

 

 急いで戻って来た十時さんにお釣りを渡す。

 

「恥ずかしいです。暑くなってきちゃった」

 

「いや、店出たら外の空気で涼しくなるから! ここで脱ごうとしないで!」

 

 

「お疲れさま。川嶋くん」

 

「あ、三村さんもこのあとイベントですよね? お疲れさまです」

 

 冷や汗で寒くなってきちゃった~状態のところに伝票を持った三村さんが来た。伝票を見て――

 

「大丈夫なんですか? こんなに」

 

「お金はちゃんとあるよ?」

 

「そうじゃなくて……」

 

 キョトンとする三村さん。

 

「今からイベントですよね?」

 

「美味しかったから大丈夫だよ~」

 

 うん。そうだね~(諦観)

 

「あ、これ……ハッピーバレンタイン。トリュフチョコ、自信作だよ。味も保証するよ」

 

「ありがとうございます」

 

 味も保証……ね。

 

「味見しすぎて足りなくなった~ってことは……ないですよね?」

 

 ピシッと動きを止め、

 

「そ、そそ、そんなことは……ない、よ?」

 

 目がかなり泳いでる三村さん。

ねぇ、ミームラン、こっち向いて?

 

「大丈夫。聖さんには黙っておきます」

 

「はい……味見しすぎました」

 

 そっかぁ。仕方ないよね? 作った人の特権だもんね?

特権主張しちゃうよね? ん? 属性が違う?

こまけぇこたぁいいんだよ。

 

「実はこのあと、事務所に打ち合わせに行くんですよ」

 

「うんうん。ん?」

 

 不思議そうにする三村さん。

 

「麗さんにお伝えしておきますね」

 

「やめて-! お願い!」

 

 大丈夫、大丈夫。聖さん『には』黙っておくから。

 

 

 その後、『鬼!悪魔!』と言いながら三村さんは去って行った。ちひろさんよりはマシなんじゃないかな? よく知らないけど、P’s談。

 

「!」

 

 ふと気配を感じ、キッチンを見ると

 

「……」(=q=)ジー

 

 ▼マスター が ものほしそう な かおで こちらを みています どうしますか?

 

 無視

 

→見なかったことにする

 

 見なかったことにした。

 

 その後、お客さんが徐々に減りはじめ、最後に残ったのは――

 

「フォンダンショコラとホットショコラでずいぶん粘るのな」

 

 生花店の娘さんだけになりました。

 

「そんなこと言って、チョコを期待してるんでしょ?」

 

 ハッハッハ。打ち合わせに行って良いかな?

 

「まぁ、お世話になってるからね」

 

 と言って渋谷さんは伝票とチョコを渡してくる。

 

「ありがたく頂戴します」

 

「お返しは三倍返しね?」

 

 同じチョコを三倍の量作ればいいのかな?

 

「……」(=q=)ジー

 

「あ」

 

  マスターの顔を見てハッとする渋谷さん。どうやらマスターにもチョコをあげるつもりが、忘れてしまったらしい。

 後日、渋谷さんからもらった(クール宅急便)チョコを手に踊るマスターがいたとか。

 

 

 

「ん!?これウイスキーボンボンじゃないか!」

 

 事務所での打ち合わせが終わり、自宅にてもらったチョコを開封していた。

 事務所に行った際、様々なプロデューサーさんに呼び止められ、担当アイドルの方々から預かったチョコを渡された。それを段ボールに入れてもらい、さらにP.C.SのPさんに車で送ってもらった。

 帰り際にちひろさんに『スタドリ』なるものをもらったが、コレなんだろうな。

 

 今は、柊さんからいただいたチョコを食べていたのだが――

 

「未成年だけど、大丈夫なのだろうか?」

 

 チョコに使っているアルコールなら少ないと思うし、後は寝るだけだから大丈夫かな?

 

ピンポーン

 

「ん?」

 

 チャイムがなったので、玄関の覗き口を確認してドアを開ける。

 

「お疲れ様、藍子」

 

「こんばんは。それとお疲れ様です。優也くん」

 

 

 

「寒かっただろ?ココアでいいか?」

 

「はい!」

 

 藍子をリビングへ通し、ココアを準備する。

 

「今日はイベントと、夜からラジオの収録だったんだっけ?」

 

「はい。未央ちゃんと茜ちゃんとバレンタインイベントの後に、ゆるふわラジオの特別放送です」

 

「あぁ、そうだっけ。打ち合わせで聞けなかった。聞きたかったなぁ」

 

 残念だ。

でも、藍子はニコニコしている。どうしたんだ?

 

「そんな優也くんに朗報です!」

 

 なんだろう?

 

「はい!ハッピーバレンタイン!」

 

「本命チョコキター!(・∀・)」

 

 我ながら現金だが、愛しい人からもらえるチョコは格別である。

 

「食べていい!?」

 

「はい! どうぞ」

 

 ん?藍子の様子が少し変な気がする。ソワソワしているような……気のせいだろう。

 包装紙を丁寧にはがし、手作りチョコとご対面。かわいらしい小さなハートのチョコがいくつか並んでいる。

 その1つを手に取り、ほおばる。ほろ苦い。ビターかな?

 

「少し苦いな」

 

「ビターチョコにしてみました」

 

 ふむ。あまりビターを食べないけれど、悪くないかも。

 

「ビターチョコを甘くする方法、知ってますか?」

 

 藍子がチョコを一粒ほおばり尋ねる。

 

「いや、知らないな」

 

「こうするんですよ」

 

「んむ!」

 

ガバッと藍子が抱きついてきてキスをする。

 

「私が食べていたのはミルクチョコです。甘くなったでしょ?」

 

 顔を赤くして笑う藍子。してやられた。だからビターにしたのか。

 

「いたずらっ子め」

 

「ふふふふふ」

 

 顔を赤くして恥ずかしがる藍子。ん?しかしやけに赤くないか?

 

「優也く~ん。んふふふふふ」

 

 と、妖艶に笑いながら近づいてくる藍子。と――

 

「えーい」

 

 ドンと押し倒され、腹に跨がられた。

 

「もっともぉっとキスひちゃいまひょ~」

 

 呂律が回ってない!こんなこと前にも……あ!

――ウイスキーボンボンか!!

 

 藍子が来る前に食べたウイスキーボンボン。あれのアルコールが残っていたのか。そこまでアルコールに弱かったのか……

 

「藍子、ちょっと、ストッpんむ!」

 

「んふふふふ。んちゅ、んむ」

 

 俺の制止も虚しく文字通り口封じされてしまい、藍子が眠りにつくまでメチャクチャキスされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 2日でまとめたけど、コレが限界でした。すまない
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