隠れ家喫茶ゆるふわ(凍結中)   作:ハマの珍人

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 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いしますm(__)m
年明け早々、風邪を引いてしまいまして、投稿遅れてしまいました。ちまちまと書いていたのですが、かなり短めですみません。
 さて、日本列島を大寒波が襲う中、文化祭ですよっと。



culture festival

 文化祭。売り上げ競争を行ったり、後夜祭でキャンプファイヤーやったり、チークダンス踊ったり、人気の無いところで秘めたる想いを口にしたり……そんなこんなは物語の中でのお話。

実際は――

 

「これ3番テーブルね?」

 

「2名様ご来店です」

 

「「「いらっしゃいませ!!」」」

 

 バイトの時とやっていることは変わらないんだけどね。

強いて言うなら洗い物をしていないことと、人員が足りているため忙しさはそんなにないくらいだろうか。

 場所が教室ということもあり洗い物ができない。家庭科室なら可能だろうけど、そこまで行って洗って持ってくる手間や万が一割ってしまった場合の片づけなんかを考えると紙皿とかの方が楽だしね。……エコじゃないのと見映えが良くないのが難点だけど。

 それに忙しくないと言っても、それはいつもバイトでやってるシャトルランをやらなくて済むという話で、全く仕事がないわけでもない。

 

「客の入りは盛況なんだよなぁ」

 

 実際、全席満員というほどではないが、8割方は埋まっている。それはうちのクラスの特殊な運営方法に理由があった。

 

 他のクラスも出店を出して営業している。

一応イートインスペースが多少なりとも用意されているが席数はそんなに多くはない。大体がテイクアウトで食べ歩きをしている人を見かけたりもする。

 文化祭ということで他校の生徒はもちろん、地域の人も来る。子供を連れて来る人もいるわけで――

 

「やっぱり子供連れの来客が多いね」

 

「これは川嶋の読み通りだったな」

 

 子供を連れて長時間歩くのは親、子供、ともに辛いものがある。というわけでうちのクラスは1品注文して貰えば持ち込みOKにして喫茶店兼イートインスペースのような営業をしている。

 そのためメニューもコーヒーと紅茶、それにサンドイッチとパンケーキという簡素なものになっているのだが……。

 

 ――メニューを絞るのに難儀したし、どこかしらと被るんだろうからそれだったらイートインにしちゃえと思ったけど――

 

 子供っていうのは人が食べているのを見ると食べたくなるものだから、パンケーキだけでも飛ぶように売れている。

 

「それにしてもパッケージみたいにふっくらだよね」

 

「何かコツがあるの?」

 

 ふっくらと焼き上がるので気になったのだろう。

 

「まぁ、コツというか……使ったのはこれ」

 

 そう言ってあるものを取り出す。

 

「「マヨネーズ!?」」

 

 そう、サンドイッチに使っているマヨネーズだ。

 

「少し難しい話になるけど、パンケーキの生地が上手く膨らまないのは、生地に含まれるグルテンが固まってしまうから。

 で、マヨネーズに含まれる植物性油やお酢がうまい具合にグルテンを軟化させてくれるからふんわりするんだよ」

 

「「へぇ~」」

 

「しかも、大さじ1杯入れるだけだからマヨネーズの味はしないんだよ。あ、もしお子さん連れのお母さんに聞かれたら教えてあげてね?」

 

 子供っていうのは、一度気に入るとそれを食べたくなる。お店の物を食べて、家でも同じ物を食べたいと思ってお母さんに作ってもらうと、『これじゃない!!』って言って食べなかったりするんだよね。

 

 まぁ、別に企業秘密とかでもないし、マヨネーズ使わなくても俺はふんわり作れるからいいしね。

 

「川嶋~! 休憩はいっちゃって~!!」

 

「え? 別に入らなくてもいいよ。予定ないし」

 

 予定もないし、責任者ということもあり、休憩を拒否するも――

 

「そう言って無理してぶっ倒れられても困るしなぁ~」

 

「うっ」グサッ

 

「そもそも、責任者が休めるときに休まないと他に示しがつかないんだけどなぁ~」

 

「あっ」グサグサッ

 

「いざという時に使えなくなる責任者って~」

 

「……」グサグサグサッ

 

 むしろお小言によってダメージを受ける。

正論は優しくない。でも正しい。だからこそ正論なのだ。

 

「で? どうする?」

 

「……休憩……いただきます」チーン

 

「よろしい」

 

 正論によってボコボコに叩きのめされた俺は、調理スタッフの邪魔にならないように教室の隅に置かれた椅子に座り目を閉じる。

本当は空き教室で寝ていたいのだけど、何かあったときにすぐ対応するにはここの方が都合がいい。

 

「川嶋くん、本当に予定とかないの?」

 

「ん~。ないから、何かあったら起こして」

 

 女子が声をかけてくるも、うなりのような返事をして仮眠をとる。

 

 本当は()()()()()()()()()()()()()と言った方が正しい。

藍子と文化祭を廻る約束をしていたのが、ハロウィンのあたり。

 心配をかけてしまったこともあり、藍子の提案に二つ返事で承諾した。

最もそんなことがなくても廻るつもりでいた。

 

 しかし、藍子に急な仕事が入ってしまいその約束がおじゃんになってしまった。

藍子は申し訳なさそうにしていたが、あちらはアイドル。

 一人の都合で断れば、プロダクションはもちろん、相手側にも迷惑がかかる。

さらに、藍子自身の信頼にも及ぶ。仕方ないことだった。

 

 だからこそ自分ところの責任者としてしっかり野郎としたんだけどなぁ~。

 

 結果として必要な時になるまで邪魔しないようにしてろと言われた。

一人で廻ってもなぁ、と思いながらも意識を手放そうと――

 

「川嶋どこ行った!?」

 

「んぁ~? いきなりトラブルかぁ?」ムクリ

 

 割と早い出番だったな。さて、クレームか? 材料のストックが切れたか?

 

 焦って俺を呼びに来た池田に返事をする。

 

「おう! お前にしか対応できない緊急事態だ」

 

 

 その一言に、沈みかけていた意識を急浮上させる。

 

「とにかく来てくれ!」

 

 ともあれただならぬ様子を見るに、相当な事態に直面してしまったらしい。

 

「もしかして、営業停止レベルの失態を!?」

 

 もしそうだとすれば、地域ニュースはもちろん、全国ニュースになりかねないかもしれない。

 下手したら学校の偉い人の首を飛ばしてしまうかもしれない。

 腹をくくるしかないのか……

 

「いや、そこまではいかないんだ。お前に客なんだが……」

 

「……は?」

 

 描いていた最悪の事態は免れそうだが、落差が激しすぎて頭がついてこない。

 

「なんだよぉ~、焦らせんなよ~」ヘナヘナ

 

 緊張感が弛緩し、その場に座り込む。

 

「で? 客って誰なのさ?」

 

 俺に来る客はいないはず。唯一の可能性として藍子だけだが、仕事を抜け出してくるわけがない。

 

「うん、それなんだけどな……」

 

 どうも歯切れがわるい。なんなのだろうか?

 

「お前の姉って言ってるんだけど……」

 

 困惑しながら池田が告げた。

 

「は?」

 

 またも頭がこんがらがってきた。

俺に姉はいない。いるのは妹の未希だけだし、母さんが再婚するという話もないため、姉なんて……

 

「とにかく来てくれ」

 

 何度目かの催促とともに、先に池田がフロアに出た。

よく分からないが、まぁ、行けば言っていることが分かるだろう。

 

「いらっしゃいませ」

 

 あいさつをしながら、俺もフロアに――

 

「やっと来た。もぉ~、お姉ちゃんを待たせないでよ」

 

「やっほ、お兄ちゃん!」

 

「帰りてぇ……」

 

 俺を指名していた客は、妹の未希と姉を名乗る不届き者。相葉夕美だった。

 

「申し訳ございません、私には姉はいないのですが」

 

 営業スマイルを浮かべ、冷静に対応するも――

 

「ひどい! お姉ちゃんのことを忘れてしまったっていうの!? 思い出してよ! ゆうくん!!」

 

「泣かないで、ゆう姉ちゃん。お兄ちゃん! ゆう姉ちゃんに謝って!」

 

 両手で顔を覆い、泣き崩れるユウと肩を抱いて慰める未希。

 3文芝居なんだが、こうなると旗色が悪い。周りのお客様に騒がれても困るし。

俺はため息1つついた。

 

「あ、ユウお姉ちゃん。どうしたの?(棒)」

 

「今日はゆうくんの学校の文化祭って聞いたから、未希ちゃんと来たんだよ。ねー?」

 

「ねー?」

 

 にこやかに笑いあうユウと未希。

 

「あなた、アイドルとしての自覚あります?」

 

 ズイッと顔を近づけて小声で尋ねる。

 

「まぁ、姉弟なんだし問題ないよね?」

 

「ここまで似てない姉弟もいねぇよ」

 

「そこは、親同士の連れ子なんだし、似てないよね?」

 

 おう、何が何でも姉弟って設定にしたいらしい。

 

「それに、アイドルと付き合っちゃってる人に言われたくないかな~」

 

 フフンと笑うユウ。

悔しいが、事実なので言い返せない。せめてもの抵抗に額に軽くチョップを入れる。

 

「で? 2人で仲良く来たわけ?」

 

 わざわざ来てくれるのはありがたいが、女2人で何かあったらどうするのだろうか?

 

「? 2人じゃないよ?」

 

「それはどういう――」

 

 ユウの発言に疑問を抱くと――

 

「おぉう、悪ぃ。迷った」

 

「あ、やっと来た。遅かったね」

 

「屋台廻って食い物買ってたからな。あん? お前……優也か?」

 

 そこに現れたのは黒髪ストレートに、勝ち気な目、男勝りな言動ながら、体の一部で女性だと分かる人物。

 

「お久しぶりです。拓海姐さん」

 

 中学時代の俺を知っている数少ない人物で、俺をすくい上げてくれた向井拓海だった。

 

 




 久しぶり過ぎて何を書くのか分からなくなってしまいました。
 短いながらも少しずつ書いていこうと思います。
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