ふと、目を開けると、感動を覚えた。
「おぉ…」
目の前には、中世ヨーロッパの風景が広がっていた。人々の服装も俺の世界と異なる。それに、人以外の種族っぽい獣耳やエルフ耳をした住人達がいた。おっと、余りジロジロ見るもんじゃないよな‥うん。
「しかし、此処にずっと突っ立ていても始まらない。大体こういう世界ってラノベとかゲームだと、ギルドで冒険者とかになって依頼とか受けるんだが…どうしよ。」
少し悩んでると、近くを通った人の良さそうな老人に声を掛けられた。
「そこの覇気のない若いの。どうした?道端で考え込んで、見かけん顔じゃな?それに服も面妖な…」
ありゃりゃ不審がられてしまった。そして地味に気にしていることを…でも言葉が本当は大丈夫みたいだな。よし、ちょうど良い。聴いてみるか。
「あっ、すいません。道を塞いでしまって、あの俺、この此処に来たばかりなんですが、ギルドって何処にありますか?」
すると老人は簡単に道とこの町の事を説明してくれた。おお、わかりやすい。此処はアクセルというのか。
「有り難うございました。助かります。」
「何、構わんよ。ギルドに行きたいということは、冒険者になるのか?」
「はい。」
「そうか。まぁ、若い内は少し冒険しても良いじゃろう。では、ワシはそろそろ帰るかの。」
おっと少し話し過ぎたか。
「はい、ではお元気で。」
「まぁ、頑張りなさい。」
そう言い、老人は歩いて行った。いい人だったな。
「さて、行くか。」
ー冒険者ギルドー
おお、結構立派だな。
まぁ感慨にふけるのも程ほどに、よし行くぞ!
カラン♪チリーン♪
「いらっしゃいませ!お食事なら空いている席へどうぞ。お仕事依頼なら奥のカウンターへ!」
ショートカットの女性が両手いっぱいにジョッキを持ちながら軽く案内して去っていった。
「有り難うございます。さて、カウンターはあそこか。?一か所混んでるな‥何で?」
あぁ、あの綺麗な人目当てか、もう一人女性もいるけど、黒髪の人…なんかブツブツ言いながらカウンターでのの字書いてる…うーん。行くか。早く済ませたいし
「あのー、すいません。」
ブツブツブツ
「‥‥。」
相当客来なかったんだろうか。全然気づかん。うーん…音を鳴らしてみるか。マナーが悪い気がするが…。
コンコン
「!!?‥‥?…!!?」
スゲー、一度に二度驚いている。何だこの感じ。
「あ!えっ、えっと。どっ‥‥。」
あ、動揺している。まぁ来ると思ってなかったんだろうなぁ。あぁ、そんな事より
「あの、少し落ち着きましょう。さぁ、一回深呼吸しましょう。ゆっくりで良いですよ?」
すると受付の女性は一度動きを止め、ゆっくり深めの深呼吸をした。そして落ち着いたのか。冷静になったようだ。しかし
「ふぅ、取り乱してしまい申し訳ございません。本日はどのようなご用件で?」
耳赤ッ‥まぁ、触れねぇけど。
「冒険者になりたいんですが、どうしたら良いのでしょう?」
あ、ホッとしている。俺が合う女性みんな妙に可愛いな!
「それではまず、冒険者登録が必要です。初めに登録手数料がかかりますが、お持ちですか?」
そういえばエリスさんから幾らかお金を貰っていたな。どれどれ…金貨10枚銀貨5枚銅貨20枚って結構入ってる。エリス様。ありがトゥース!!
俺は袋から手数料を払った。
「有り難うございます。それでは登録について説明させていただきます。冒険者には、幾つかの職業があります。そしてこれが登録カード。こちらにどれだけモンスターを撃退したか、レベルやそれに合わせてスキルを覚えるためのポイントなどが表示されます。加算されたポイントは沢山貯めておいた方がお得かもしれませんね?頑張ってレベルを上げてください。」
なるほど、タイミングは考えた方がいいって事か
「それでは、此方書類に貴方の特徴を記入してください。」
身長178、体重73、黒髪ボサボサ、目に覇気がない‥‥くっ!
「はい…確かに。では、この水晶に手をかざしてください。貴方の適正を測ります。」
「はい。」
言われた通り手をかざすと、水晶の周りの仕掛けが動き出した。おお、これはファンタジー!!
「これで分かったステータスの数値に合った職業をお選びください。」
暫くすると、動きが止まった。
「お疲れ様でした。えっと、ジン・スグマさんですね。ステータスは…え、え!?す、凄いです。この数値!運は少々低めで知力が平凡ですが、その他の数値が平均値以上です!特に筋力と魔力が桁違い‥これなら魔法職は難しいですが、それ以外の上級職なら何でも…ん?何でしょうこの紋章?」
ん?何か褒められていたような気がしたけど、なんか不備があったのかな?
「どうしました?」
「い、いえ…あの、ルーンナイトの欄に不思議な紋章が。」
「見せてもらっても?」
「はい。どうぞ。」
うーん。あ、これ多分魔戒騎士の紋章だ。まぁ『牙狼』じゃないけど、だよね。
「じゃあ、これにします。何か縁を感じるので、お願いします。」
「は、はい。分かりました。ルーンナイトですね。それでは、私含めスタッフ一同。貴方のご活躍期待しています!」
おっ、初めて笑顔を見せた。綺麗だなぁ。さて、何だか結構いい出だしの様だ。そして俺はカウンターを後にしようとした。
「うーん。これからどうしたものかなぁー?」
うん?何だかあっちのテーブルに、この世界に不釣り合いの服を着た青年と凄く綺麗な女性が項垂れている。何となく、本当に何となくあの二人に声を掛けてみた。
だが、これが俺の今後の未来が大きく変わる事を…俺は知らなかった。
なかなか冒険できなくてすいません。次は、次は行きます。