先輩、ATMはカルデアにありません!   作:れべるあっぷ

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ネタバレになったらすみません


先輩はバイト1日でクビになりました

 カルデアの外は年がら年中、冬です。

 

 猛吹雪で覆われています。

 

 というか、外の世界は滅亡していますが。

 

 まあ、寒いです。

 

 暖房器具は必須不可欠です。

 

 コタツとミカンが恋しくありませんか?

 

 そんな時はAMZOMESプライムでご検索してください。

 

 きっと、貴女が求める一品が見つかるはずです。

 

 というか、何故私が番宣しなくちゃならないのでしょうか、先輩。

 

 

 

 

☆―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 何故か先輩の指示によりAMZOMESプライムさんを追いかけることになりました。

 

「ごめんくださーい、AMZOMESプライムでーす! お荷物届けに来ましたー!」

「待ってました、マーちゃんのフィギュア!」

 

 はあ、やる気出ませんが記録していきましょうか。

 

 AMZOMESプライムのプレミアム会員No.1の常連客、刑部姫さんです。

 

 引きこもりさんです。

 

 今日も先輩のフィギュア頼んだんですか?

 

「月に一度に新作を出すダ・ヴィンチちゃんの傑作品をいち早くお客様へお届けするのがCEO! 仕事は選びません!」

 

 はい、それは良い心がけだと思います。

 

「今回のもクオリティが高いのよ~。首輪を付けたマーちゃんがカーミラさんの人間椅子とか誰得って感じー!」

 

 カーミラさん得って感じでしょうね。

 

 そんなこんなとAMZOMESプライムはお客様のご注文をお待ちしております。

 

 本当に私が取材する必要性が感じられませんが、先輩。

 

 次へ行ってみましょう。

 

「ごめんください、AMZOMESプライムです!」

 

 世界が滅亡しているのにAMZOMESプライムは稼働しています。

 

「今日も待っていました。いつも貴女は早いですね」

「それが我が社の強みでありますから! 品揃え豊富! 低価格だが良品質! そして、即日届け! はいここに、印鑑かサインお願いしまーす」

「せ・い・ひ・つ・の・ハサンと……」

「ありがとうございましたー! 次回もまたご利用ください! では!」

「ふふっ、マスターの隠し撮りコレクションがまた増えました」

 

 そんな物まで売ってるんですね。

 

 凄いですね、AMZOMESプライム。

 

 先輩には知られてはならない逸品です。

 

 今度、私も注文してみましょう。

 

 次、行ってみましょう。

 

「ちわーっす! お届け物でーす!」

「あらあらまあまあ、お待ちしておりましたよ。ささっ、どうぞ中へ。今日は一段と冷えますから……」

「いえ、ここで結構です! それよりも印鑑オナシャス!」

「はい。」

「あざーっす!」

「うふふっ、大人のオママゴトセット、マスターは喜んでくださるかしら」

 

 ………。

 

 現実から目を背けてはなりません。

 

 頼光さんはもう我が道を可能な限り突き進めばいいと思います。

 

 私は先輩のお父さん役で出演しましょう。きっと、カオスです。

 

 次です次!!

 

「AMZOMESプライムでーす!!」

「はいはい、今お開けしますね」

「マスターの脱ぎたてパンツをお届けに参りましたー! コレ、貴殿が盗んできた方が安上がりなんじゃないですかー!?」

「何をおっしゃるやら…お金をはたいて購入したモノに勝るものなどありません! 血印でいいです?」

「ありゃーしたっ!」

 

 先輩はよく入浴時に下着を盗まれます。

 

 清姫さん、貴女が盗んだ方が安上がり且つ鮮度も良いと思いますよ。

 

 口に出して言いませんが。

 

 いつもの三人衆はいつもこんなのばっかりでした。

 

「あ、1つ言い忘れてましたが、明日、野暮用で臨時休暇を取ろうかと思っております」

「そうなのですか?」

「ええ、その代わり明日1日私に代わって新入りのバイトを入れますんで何卒よろしくです」

「まあまあ、それはそれは楽しみですね。うふふ………」

 

 カルデアスタッフさん、忙しいのに、たいへんですね。

 

 そして、いろんな意味でショックを受けるんでしょうね。

 

 

 

 

☆―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 さて、翌日です。

 

 エルラルドのバーサーカーさんが臨時休暇を取りましたので、その代わりのバイトが配達するとのこと……心配なので様子を見に行くとしますか。

 

「三蔵法師さーん、いらっしゃいませんかー? 留守ですかー?」

 

 新入りさんを発見しました。

 

 元気のある、やる気の感じられる新人さんです。

 

 どこかで聞いたことのある声です。

 

 当然です。

 

 日々私達のバックアップをしてくださるカルデアスタッフの面々を忘れるはずがありません。

 

 わ、私はこの声の主をよーくわかっていますとも。

 

「いるよーいるいる! って、キミはなにしてんの?」

「社長が1日ボイコット宣言によって稼ぎ時だと踏み、1日アルバイトすることになったわたくし藤丸立香です!」

 

 おまえかーい!?

 

 いろんな意味で心配するわーい!!

 

 あ、いえ、失礼しました。

 

 ビックリしました。

 

 仰天しました。

 

 本当に何してるんですか先輩!

 

「キミ、私の弟子な癖して煩悩まみれだよね」

「日給1万です! つーか、前金で貰った」

「うん。前金で貰ったのに真面目に働いているだけでも偉い偉い。言ってて悲しくなるけど」

 

 こうやってちょっとずつ真人間になってくだされば私は何も言うこと無しです。

 

 言っていて悲しくなりますけど。

 

「一応聞くけど、その1万円の使い道は?」

「課金するに決まってるじゃん」

「キミ、さも当たり前なように言ってるけど、それおかしいから。課金で聖晶石が貰えるシステムなんて聞いたことないから」

「ふっ、三蔵ちゃんはまだこのカルデアの闇を知らないだけさね」

「なにそれ怖い!?」

 

 三蔵法師さん、カルデアの闇は深いですよー。

 

「まーなんでもいいや。ほら、荷物だ。判子」

「んー、まだ納得いってないけど仕方ないね。印鑑はちょっと待って、取りに行ってくるから」

「そういうのは先に用意しとけよバーロ」

「キー!! 弟子のクセに生意気……っ!!」

 

 お客さんに対しての態度もなっておりませんが。

 

 普通、印鑑用意していないお客さんにはペンを貸してあげるとか、気遣いが全然です。

 

「いや、ちょっと待って……」

「もーなにー? 次がつっかえてるんだからさー、スムーズに行こーぜ?」

「いや、ソレ!!」

「ん? コレ??」

「それ、荷物! どう見たって私が頼んだのと違うから! 大きさが違うもん!」

「中身も確認してないのにクレームかよ!? クレーマー法師かよ!? 言っててつまらんギャグだけど、中身はぎっしりコンパクトに詰まってるんだぜバーロ!!」

 

 先輩、中身確認してみた方がいいのでは?

 

 雲行きが怪しくなってきました。

 

「いやいや、中身を確認しなくても私にはわかる! 仏のご利益の欠片もないよね、それ!」

「ちっ、やっぱりあのデカブツが三蔵ちゃんのだったとはな、どうりで……」

「あっ、なんか言ったよね、今?」

「い、言ってねー……」

 

 ………。

 

 先輩、まさか………

 

「さ、三蔵ちゃんが頼んだのはコレだろ? 尾張で空前の大ブームになった『儂の名は?』のDVD12巻セットだろ?」

 

 それっ、絶対"お"から始まって"が"ど終わるヒトが頼んだやつですよ!

 

 パッケージがそう物語ってます。

 

「誰も見ないよそんなもの……っ!!」

 

 この場に本人がいなくてよかったです。

 

 事実ですが、聞かれていたらショックでふて寝していたでしょう。

 

「まー普通なら見ないよなー」

 

 先輩も、ソレを配達しておいて否定は駄目でしょうに。

 

「だが、よく考えてみるんだ。何故三蔵ちゃんに届いたのか、を……」

「それはキミが手配ミスをしたからでしょうに!」

「それは、本当にミスなのか……」

 

 いや、ミスですよね、確実に。

 

「そこに何か尾張なにがしなメッセージ性が隠されていないだろうか」

「………」

 

 先輩、往生際が悪過ぎます。

 

「まーアレだ。お前にとって今一番必要なのはお釈迦でも仏でもねー……ヒトの過ちを許せる心さ」

「ふーん」

「まー待て落ち着けその拳は納めろ暴力では何も解決しない。そうだろ?」

「キミがいらんことを言わず誠意をもって謝罪すれば何も問題なかっただろうね。どうせ、荷物重そうだからテキトーに違うやつ選んだんでしょ?」

「弊社はそんなテキトーなこと致しません! だけど今回のミスはなかったことに!」

「できるわけないでしょ! ちょっと中に入ってO・HA・NA・SHIをしましょうか!」

「そのネタも古いぜ三蔵ちゃん。そして、俺は悪に屈しない。負けない。へこたれない」

「オーケーわかった、10時間コースに延長だね」

「ま?」

 

 残りの配達は私が代わってあげますから、どうぞこってり絞られてきてください。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――☆

 

 

 

 

 さて、今回のオチはタイトルに書いていた通りなので、三蔵法師さんの荷物の行方がどうなったのか、そっちのオチが私気になります。

 

「沖田、何じゃこれはー?」

 

「えーと、革新的阿弥陀如来ホログラムEX……これであなたも極楽浄土へ一歩前進……って書いてありますよ」

 

「儂、こんなもん注文しとらんぞ?」

 

「これじゃノッブも安らかに成仏できませんよね」

 

「是非もないよね!」

 

「可愛く言っても駄目ですよー」

 

「儂が頼んだのは『儂の名は?』DVD12巻セットじゃがのう」

 

「マスターもドジですねー。あ、沖田さんの土方さんセットはちゃんと届いてるみたいですよ。よかったー」

 

「はしゃぎおって……いいのう…………」

 

「ノッブも抗議の電話入れてマスターにDVD持って来させたらいいんじゃないですか」

 

「いや、儂はもうコレでいいんじゃ。今度は極楽浄土へ行けるといいのう………」

 

「ありゃりゃ、この人スネちゃいましたよ」

 

「ところで、それは沖田が着るのか? ここに土方は呼べんだろうに」

 

「んなわけないじゃないですかー。ここカルデアは女性サーヴァントしか召喚できないんですから、土方さん来るのは諦めてますよーだ」

 

「儂らがマスターに内緒でガチャ回しても男性サーヴァント召喚できんしのう」

 

「なので、マスターに着させて土方さんごっこしてもらうんですよ」

 

「その手があったか!?」

 

 そんなプレイがあったとは盲点です!?

 

 後日、AMZOMESプライムは改めて短期バイトを募集するほどに忙しくなるのでした。

 

 まる。




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