じっくりと、思考していた結果...
なんか思ったより時間がかかっていたので内心びっくりしました。
今回は前回の続きで、本当はLとリュークの対話しているシーンも書きたかったんですけど、少し長くなり過ぎたので..あえて切る形で書きました。
もっと短時間でスラスラ書けるよう修行中です。
第八章[ボストン]
次の日の朝
時刻は午前8時半をやや過ぎた頃....
茅ヶ崎は羽田空港にて、Lの到着を待っていた。
ー....遅いな..ー
空港のロビーの時計の針を見ながらため息をつく。自身の腕時計も何度か確認するが、針はちゃんと8時半過ぎをさしていた。
いっそ電話でもかけるか、と思った時、後ろからか細い声が茅ヶ崎の耳に入り込む。
「...おはようございます....茅ヶ崎君...」
まるで病人のようなLの声は、異様な空気を漂わせていた。
サイズの少し大きい長袖のTシャツにおそらくブランドものであろうジーンズをし、背中を少し丸めながら立っているLの姿は、よりその異様さを一層と引き立てていた。
「やっとか...L、一体どこでなにをしてた...?」
茅ヶ崎はLの姿に驚きもせずに話し出す。
「少し用事を済ませていただけです...なんの問題もありませんよ...」
Lはそう言った。...が、茅ヶ崎はその言葉に納得しかねた様子で反論する。
「あのなぁL、いま何時だと思ってる..?フライトの予定時刻は8時にしているのに...今はもう8時半過ぎだぞ...はぁ..こんな状況でどうやってアメリカまでいくんだ!?」
急な休暇届をだし、さらにはフライトの予定まで立てることになった茅ヶ崎は、睡眠不足によりかなりの疲れが溜まっていた。
「まぁそう声を荒げないでください。.....少し時間をオーバーしたことには謝ります。...しかし、私は別に「フライトの手続きを済ませておけ」とは言ってませんでしたよ?」
Lはポケットからチョコバーを取り出しつつもそう言う。
「はあ?...じゃどうやってアメリカまでいくんだよ?」
茅ヶ崎の言葉を聞き、Lはチョコバーをかじりながら答える。
「あぁ...言ってませんでしたか?....私の家にはプライベートジェットが何機かあるので、呼びさえすれば何処へでも行けるんですよ。...というわけなので、昨日のうちに私の...なんというんですかね?...右腕?..まあそんな感じの者である「ワタリ」にジェット機をよこすように頼んでますから...今日はそれに乗っていくとしましょう..」
Lの言葉に一瞬ついていけないようなそぶりをどうにか誤魔化しながら、
「そ、そういうことは....先に言えよな...」
と、茅ヶ崎は言った。
その後、搭乗手続きをしている中...茅ヶ崎の頭の中ではさまざまな疑問が浮かび上がっていた。
ー..なぜ、Lは俺と一緒にアメリカに行くことにしたんだ?...Lの言う例の組織にばれたくないのなら、こんなプライベートジェットなんかより、一般に出回っている飛行機の方が行きやすいし、身元が分かりずらくなるはず...何より単独行動の方が捜査しやすいはずだ。....何か別のことで協力してもらうために、俺はここにいるのか?...まさか....Lは何かを隠している..?ー
茅ヶ崎はロビーからジェット機に向かうLを見つめる。
ー...一体、Lは何を考えているんだ...ー
さまざまな思考を巡らせていた、その時だった。
「すみません..」
ふいに後ろから声がかかり、茅ヶ崎は振り返る。
少し老いたその声の主は、大分年を取っているかのような顔つきで、白髪でメガネをかけていた。
服装は黒のスーツに黒いネクタイをつけていて、文句ひとつない格好だった。
「あなたが茅ヶ崎様ですね。...話はLから聞いております。..どうぞ、私のことは「ワタリ」とお呼びください..」
そうワタリから言われ、茅ヶ崎は軽く頷くと、ジェット機の中へと入っていった。
Lの持つプライベートジェットの内装は、小型テレビや光輝くテーブル、高級感を存分に放つソファーなど、まるでファーストクラス並み...いや、それをはるかに越える設備が整っていた。
...そんな豪華なジェット機に乗り、L達は約12時間程度空の上にいた。(その間、茅ヶ崎は力尽き果てたかのように熟睡していた)
そして、なんの問題もなくボストンにたどり着き、一行は荷物を下ろした。
ホテルを取ってあるというLの言葉を聞きボストンの中心街までいくことになったのだが、その交通手段も一風変わっていた。
茅ヶ崎は今までにアメリカには何度か行った事があり、安っぽいタクシー等を利用しホテルまで行っていた。
だが、今回は安っぽい車などではなく、都会でまれに見かけるような黒く輝くリムジンに乗り、ホテルへとむかったのであった。
ボストンの町並みはとてもキラキラと輝いていて、数々のホテルやカジノ、映画館が建ち並んでいた。ネオンで彩られた多くの看板は夢のような感覚を味あわせる。
そしてリムジンはホテルの前で止まり、茅ヶ崎達はホテルの入口の奥へと進むのであった。
ホテルの中はやはり豪華な設備が整っており、息をのむほどの輝きを放っていた。
「...本当にここで寝泊まりするのか?..」
ロビーで口を開け立っている茅ヶ崎にホテルの使用人と話を終えたらしいワタリが、笑顔で茅ヶ崎に答える。
「そうでございます。...このホテルは、この町の中でもそこそこの評判を持つホテルだと顔見知りから聞き、少し調べましたところ、..まだ建てて間もないのにもかかわらず、かなりのお客様がご利用になったそうで...このようなホテルの密集している町には大変珍しいケースだと思いまして、私の方でご予約させていただきました。」
茅ヶ崎はワタリの言葉に耳を傾け、ホテルに対して感嘆の声を漏らしていたが、Lは全く興味がないといった様子で、エレベーターを使い先に部屋へと行ってしまった。
「それではごゆっくりお部屋の方でおくつろぎください。...あ、そうそう..コートはこちらでお預かりいたしますので....」
そう言われ、茅ヶ崎は着ていたコートを脱ぎ、ワタリにわたす。
...コートを手に取ったワタリは、
「....はい、ありがとうございます...」
と言い、そのままどこかへ去っていった。
その後、エレベーターを使い、赤いカーペットの上をしばらく歩き、茅ヶ崎は部屋へと着いた。
当然Lはなかにいて、一人でバナナを食べていた。
高そうな椅子に体操座りでいるLを見ながら茅ヶ崎は話始めた。
「...それじゃ、本題に入るか...L..」
茅ヶ崎の言葉に、Lはコクリと頷く。
「...そうですね。...睡眠は十分とれているようですし...分かりました。..それでは、今回の目的を...確認しましょうか」
Lはバナナを食べながらそう言った。
物音一つしない静かな空間に、Lの細い声が伝わる。
それと同時に...Lは口を少しにやけさせたのだが、
それを茅ヶ崎が気づく事はなかった。
...今回は誤字脱字がないか本当に心配です。
また、修正する部分があったら書き直していく予定なので、しっかりと読んでから投稿していきます。
次回は...またこの続きですね。
オリ作品執筆中なんで、そっちもなるはやで出していきたいです。