久-Hisa- 大学編 ~もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら外伝~ 作:神奈木直人
マホちゃんと咲が来てから、風花と美穂子が実力の差を見せ付けられた為か士気が上がっていた。
「夢乃マホさんと宮永咲さん、次に対局する事になった時は絶対に倒します!」
「えぇ、頑張りましょう。」
「はい!」
「まぁ、あの二人を倒せるのとか、部長くらいだと思うけどね。」
「む?呼んだ?」
「いや、部長じゃないとマホちゃんと咲には勝てないんじゃないかって話していたんですよ。」
「あぁ、成る程ね。でもさ、あの夢乃マホって子が、もし私の能力をコピーしたらそれは能力を消す私か、それとも人の能力を上回るコピーが出来るあの子か、どっちの能力が勝つと思う?」
「そうですね、マホちゃんは部長よりも強く消して来ると思うので部長の方が負けるような気がします。」
「ですが、夢乃さんのあのコピーを能力と考えると部長が消した時点でコピー出来ないですし、上回る事は出来ないんじゃないでしょうか?」
「うーん、どっちの意見もおかしくないんだよね~。この前来た時に私も対局して貰えば良かった。あのさ久、お願いがあるんだけど。」
「マホちゃんなら呼びませんよ?」
「そこをなんとか!」
「嫌ですよ。もうマホちゃんと対局するのは。」
「うーん、じゃあ分かった。今度の合宿で呼んで?」
「だから嫌ですって!」
「大丈夫、あんたらにはマホちゃんじゃなくて、面白い奴を付けてあげるから。」
「えっ、誰ですか?それ。」
「まっ、それは合宿をしてみてのお楽しみって事で、それじゃあ久、マホちゃんの事よろしく~。」
「はぁ、分かりましたよ、連れてくればいいんですね・・・」
「うん!」
その後、マホちゃんに連絡を取ると、二つ返事で了解してくれた。そして、風越大学の合宿が始まった。
「はい、じゃあ今日から4日間の合宿で、自分の改善すべき点を探しそこを強化して、更に自力も上げる事。そして今回はゲストとして清澄高校1年の夢乃マホさん、そして2年の宮永咲さんを呼んでいる。」
「「よろしくお願いします。」」
「彼女らは高校生だからといって侮っていたら直ぐに飛ばされてしまう程強い。折角呼んだんだから皆もこの二人と積極的に対局して自力の強化に努めるように。いいね?」
「「「「はい!」」」」
「それじゃあ、合宿を開始します!」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
合宿が始まると、部長が私と風花と美穂子の所に来た。
「3人とももう集まってるね。今日は皆が打って貰う相手の紹介をするね。と言っても、もう知ってるだろうけど、副部長で個人戦2位だった3年の藤堂若菜(とうどうわかな)だ。」
「皆さんこんにちは~。藤堂若菜で~す。今日はよろしくね~。」
「藤堂先輩!?」
風花が驚きの表情を浮かべた。
「風花、どうかしたの?」
「藤堂先輩はめちゃくちゃ強いんだよ。個人戦で対局したから。だから私達じゃ多分勝てないと思う・・・」
「そりゃあそうだ。私と若菜はうちのエースなんだからな。だから勝てなんて言わない。若菜と対局して、1回でも和了してみな。その代わり、1回和了するまでは昼食は無しだ。」
「えっ、1回でも和了すれば良いんですよね?」
「あぁ、そうだな。」
「私達、かなり下に見られてるわね。やってやりますよ。直ぐに昼食の権利を頂きますから!」
「意気込みは十分みたいだね。じゃあ後は若菜に任せるから。」
「は~い!任せて~。」
藤堂先輩が返事をすると部長は他の所に行った。一人一人アドバイスや練習方法などを教えたりしているらしい。
「静って凄いわよね~。」
「部長ですか?」
「うん、強いし皆の事凄く大切にしているし、アドバイスも教え方も何もかも的確で、私もそのお陰で強くなれた訳なんだよ~。やっぱり部長に相応しいわよね~。」
「そうですね。」
「だからさ~、そんな静に『3人に和了をさせないように全力で潰して。』って言われたから~、やるしかないよね!」
「よろしくお願いします。」
「うん!頑張るよ~。」
1回も和了させないなんてそう簡単に出来る訳無い。それに、部長がこの前、『部内成績2位の奴だって私が本気出せば負ける。』みたいな事言ってたし、さっさと和了って、あわよくばこの人に勝って、部長の見込みが甘かったって事を証明してみせるわ!
~場決め結果~
竹井久:東
福路美穂子:南
七瀬風花:西
藤堂若菜:北
~東一局~ 親:竹井久
竹井久 25000
福路美穂子 25000
七瀬風花 25000
藤堂若菜 25000
(さてと、静が言うには美穂子さんは守りが堅くて相手の手を読みながら和了るタイプだったわよね~。そして、風花さんは字牌で和了るとオーラスの配牌に2枚ずつ返ってくるんだったわよね~。後は久さんね~。彼女は単騎待ち、それも地獄単騎をすると和了り易くなるんだったわよね~。この3人を和了させないようにするのか~、頑張らないとね~。)
藤堂先輩、ここのナンバー2だったわよね。それに、個人戦でも2位だったし、とりあえず和了りましょうか。)
「それ、ロンです。3900です~。」
(3巡目!?速すぎじゃない!)
(何も出来ないまま和了られてしまいました。この感じ、個人戦の時と同じです・・・)
(部長が『私達はエース』って言ってました。という事は、副部長さんも部長までとは言わないものの、強いという事ですね。)
~東二局~ 親:福路美穂子
藤堂若菜 28900
福路美穂子 25000
七瀬風花 25000
竹井久 21100
~3巡目~
「ポンです。」
今度は鳴いてきた。一体何をする気なの?
(この人の特徴がまだ掴めないですね・・・)
~5巡目~
「ツモです。三暗刻対々。2000・4000です~。」
(またやられた・・・)
これは、ヤバいかもしれないわね・・・
(この調子なら大丈夫そうですね~。)
~東三局~ 親:七瀬風花
藤堂若菜 36900
七瀬風花 23000
福路美穂子 21000
竹井久 19100
(これくらいならもう少し火力を上げても大丈夫そうだね~。)
(おっ、これなら、いけそうです!)
~5巡目~
「リーチです。」
藤堂先輩がリーチを掛けてきた。これは、潰しにきてる・・・)
「ポンです!」
(ですが、今の風花さんのポンのお陰で一発は消されましたね。)
(うわぁ、一発消されただけならまだ良かったですけど、これは当たりそうですね~。)
「それ、ロンです!混一対々。12000です!」
(はぁ、やられてしまいましたね・・・まさか1回目でやられてしまうとは思いませんでした。)
「いやぁ、個人戦で対局した時とは全然違いますね~。おめでとうございます。風花さん、合格です~!」
「やったじゃない風花!」
「おめでとうございます。」
「やった!やりました!私、やりましたよー!」
「ちょっと何?もう合格者出ちゃったの!?」
「静、ごめんなさい。調子に乗って高い手を和了ろうと思ったらやられてしまいました~!」
「あらあら、しかも12000も直撃されて、負けないでしょうね?」
「安心して下さい。それはあり得ませんよ~。」
「えっ、今、あり得ないって・・・」
「それだけ、自信があるという事でしょうね。」
「私も負けません!」
~東三局一本場~ 親:七瀬風花
七瀬風花 35000
藤堂若菜 24900
福路美穂子 21000
竹井久 19100
(このまま負ける訳にはいかないね~。それに、このまま調子に乗らせておく訳にもいかないしね~。ここは心を鬼にして倒しに行くよ~!)
~7巡目~
「ツモです。四暗刻。8100・16100です~。」
「うわぁ!役満、和了られてしまいました!」
「ごめんね~、負けちゃうかな~って思ったから~。」
この人、怖いわね。12000和了られたら16000の親被りで返してくるなんて・・・
(これが、藤堂先輩の実力・・・)
~東四局~ 親:藤堂若菜
藤堂若菜 56900
七瀬風花 19000
福路美穂子 13000
竹井久 11100
「リーチだよ~。」
なっ、ダブリー!?おかしいでしょ!
(これが、本物ですか・・・)
(これで、1回目は終了だよ~。)
「ツモ。ダブリー一発ツモ清一一通で12000オールだよ~。」
(うわっ!ダブリーの上に三倍満!?)
私が飛んで終わっちゃったじゃない!
「これで1回目は終わりだね~。」
「はぁ、全っ然和了れなかったわね。」
「じゃあ、2回戦始めましょうか。」
「はい・・・」
それから地獄の対局が始まった。何回対局しても全然和了れず、昼食の時間になった。美穂子は4回目でやっと和了する事が出来た。風花は4回中2回和了っていた。しかし、私だけは1度も和了れていなかった。藤堂先輩、この人、何か能力があるって訳でも無いのに全然和了れない。どうしてなの・・・
「あれ、まだ終わってなかったの?」
「静~、私、頑張ってますよ~!」
「それは良いんだけど、そろそろ昼食の時間だから終わらせて欲しいんだけど・・・」
「駄目です。まだ和了っていないので昼食は食べません!」
「そう、なら仕方ないね。」
部長が藤堂先輩の後ろに回った。
「じゃあ、終わるまで見ててあげるよ。」
(あっ、この感じ、静に私の力が消されてしまいました~!でも、私も負けませんよ~!)
(よしっ、聴牌出来た。3面張だけど、やっぱり私は単騎待ちにする!)
「リーチ!」
(静が私の力だけ消すから先越されちゃったじゃん!)
(これで終わるでしょ。)
「ツモ。リーチ一発ツモタンヤオ・・・裏2。3200・6200。」
「よしっ、これで全員合格ね。じゃあ、お昼にしましょうか。」
今和了れたのは部長が藤堂先輩を止めてくれていたお陰。それが分からない程私は鈍くないわ。・・・悔しい!次に藤堂先輩と対局する時は絶対に勝つわ!
部のメンバー全員が昼食を食べた。食事が終わり、食器を片付けると、午後の練習の準備がされた。
「じゃあ、午後の練習を始めましょうか。」
「「「「はい!」」」」
「ね~ね~3人とも~。」
「はい、何でしょうか?」
「午後は他の皆と一緒になって練習してね~。」
「分かりました。」
「若菜、ちょっとこっち来て、午後は貴女の為の練習するよ。」
「は~い、分かりました~!」
「じゃあ、行きましょうか。」
「はい~!」
私、清水静は若菜を呼んで、とある部屋へ移動した。
「静~、誰と何をするんですか~?」
「誰とかは今から行けば分かるけど、何をするかはそりゃあ麻雀でしょう。」
「言われてみればそうですね~。」
「全く、若菜はいっつも何処か抜けてるよね。」
「えへへ~、そんな事無いですよ~。」
「ほらほら、着いたよ。」
「は~い!」
私が部屋を開けると、そこに待機させていた夢乃マホちゃんと宮永咲ちゃんがいた。
「あ~!宮永咲さんと夢乃マホさんだ~!」
「若菜、今からこの二人と私が若菜の相手するから。」
「そういう事ですか~!頑張ります~!」
「あぁ、安心して、私は何も干渉しないから。」
「あっ、そうですか。分かりました~!」
「それじゃあ、始めましょうか。」
「よろしくお願いします。」
「お願いしますです!」
「よろしくね~。」
宮永咲ちゃんと夢乃マホちゃん、私はなんとか勝つ事が出来たけど、若菜はどうだろうね。夢乃マホちゃんも宮永咲ちゃんも強いからね。これは楽しみだね。
(静は何も干渉しないって言ってましたから、相手は夢乃マホさんと宮永咲さんの二人ですね~。静に見直して貰うためにも、頑張っちゃいますよ~!)
さぁて、始めましょうか!