久-Hisa- 大学編 ~もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら外伝~   作:神奈木直人

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2週間も空けてしまい申し訳ありません。1年生大会に出るキャラを考えてたら時間がかかってしまいました。


第6話 開幕

合宿が終わり、遂に1年生大会の全国大会が始まった。私達3人は開会式を終えて一回戦を行った。一回戦は先鋒の美穂子と中堅の私が他校と差を広げて、大将の風花が他校を飛ばして終局になった。

「なんだか、また私達の活躍が短くまとめられた気がします!」

「まぁ、そんなに言う事も無いしキャラ的な問題もあるしね。」

「だから二人とも、そういう発言は控えた方が・・・」

「あれ、福路さんに久じゃないか。」

後ろの方から聞き覚えのある声が聞こえた。私はその声が聞こえた方を向いた。するとそこには、高校三年の時に戦った加治木ゆみの姿があった。

「久しぶりじゃない。県予選に出てこないからもしかしたらって思ったけど、他県の学校に行ってたの?」

「あぁ、埼玉大学に通っているんだ。」

「へぇ、埼玉に行ったんだ。」

「あぁ、それにしても、やはり久達は全国まで来たか。」

「そちらこそ、やるじゃない。」

「いや、私の場合は仲間に恵まれただけで私は全然だ。」

「仲間って、そこの隣にいる二人かしら?」

「あぁ、冬室焦華と水蓮寺響(すいれんじひびき)の二人だ。」

「竹井久ちゃんと福路美穂子ちゃんはこの間高校の県大会であったからもう一人の子、はじめまして~。」

「はじめまして!七瀬風花と申します!」

「冬室焦華だよ~。」

「・・・・・・水蓮寺響。」

「よろしくです!」

「・・・」

「えっと、ねぇ久、私、この人怒らせちゃったのかな?」

「いや、違うんです七瀬さん、水蓮寺は凄い口下手で、喋るのが苦手なんです。別に怒ってる訳ではないんですよ。」

「まるで野依プロみたいね。」

「多分野依プロよりも口下手だと思うぞ、水蓮寺は。」

「えっ、そんなに!?」

「まぁでも、根はとっても優しいんだよ。」

「水蓮寺はとっても繊細な女の子だからね~。私の妹も似たような感じだからよく分かるよ~。」

「・・・」

「そんな調子で対局中は大丈夫なの?」

「そこは問題ない。そういう機械的な事ははっきりと言えるから。」

「へぇ、そうなんだ。」

「それどころか、水蓮寺はめちゃくちゃ強いんだよ~。」

「そうなんだ。」

「地区大会の風越大学の対局を見たけれど、七瀬さんでは水蓮寺には勝てないと思う。」

「えっ、どうしてですか?」

「実力、運、得点率、和了率、全てにおいて七瀬さんの方が劣っています。」

「そんな、やってみないと分からないじゃないですか!」

「まぁ、そうですね。でも、私達と対局する事になるであろう準決勝で分かると思いますよ。水蓮寺には絶対に勝てない事に。」

「それに~、風越大学が勝つのも多分無理だよ~。あの程度のレベルじゃ私達には到底敵わないはずだし~、準決勝で、いやもしかしたら二回戦で敗退って可能性もあるかもだね~。」

「随分と自信がおありのようで・・・」

「だって私達強いもん。君達みたいな仲良し3人組みたいな三流チームには負ける気がしないよ~。」

「そういう事だ。久、福路さん、私は去年までは二人と同じ土俵の上にいたかもしれない。けれど今は冬室と水蓮寺に出会ってかなり強くなった、二人では到底敵わないレベルまで。」

「いや、でもさっき、私は全然だって・・・」

「それは冬室と水蓮寺に比べたらという話だ。そもそも見ている世界が違ったって事だよ。」

「そう・・・」

「貴女、性格変わったわね・・・」

「まぁ、自信が付いたからな。さて、ここで話している時間は無いから行かせてもらうよ。」

「じゃあ、準決勝で会える事、期待してるね~。」

ゆみ達3人が去っていった。私達は何も言い返す事が出来ず、ただ呆然と立ち尽くすしか出来なかった。

「加治木さん、随分と変わってしまったわね。」

「ゆみ、どうしちゃったのよ・・・」

「えっと、二人とも!とりあえず今は私達も移動しましょう!考えるなら歩きながらでもできますし!」

風花が少しでも場を明るくしようと努めている。

「そうね、ホテルに移動しましょうか。」

「ええ、そうね。」

私達はホテルへと向かった。

 

 

~加治木ゆみside~

「ね~ね~加治木、どうしてあの二人に突然酷く接したの?友達だったんでしょ~?」

「あぁ、私はあの二人に負の感情は抱いていないよ。」

「じゃあなんで酷い事言ったの~?」

「それは、本気の二人と戦いたいからだよ。」

「本気?」

「あぁ、今会った時、二人は私に少しでも仲間意識を持っていた。その状態で準決勝に臨まれたら、その僅かな仲間意識が枷になって本気の対局が出来なくなる。だから、あからさまに敵対する事でそのリミッターを外してあげたのさ。」

「成る程~、だからあんな事言ってたんだ~。」

「えっ、冬室も言っていたから分かっているのかと思っていたのだが。」

「・・・冬室は素。」

「あっ、バレてた?」

「えっ、あれが素だったのか!?」

「だって私、頑張ってる人とか自信満々な人とか見てると色々と潰したくなっちゃう性格だから~。」

「なんて性格だ、そんな事してたらそのうち酷い目に逢うぞ・・・」

「何が来ようと麻雀でねじ伏せるから大丈夫だよ~。」

「まったく、自信満々はお前じゃないか。」

「・・・同族嫌悪。」

「そんなんじゃないよ~。私、自分の事は大好きだもん!」

「まぁ、そうだろうな。」

「・・・ナルシスト。」

「も~、そんな事より早く移動しようよ~!」

「そうだな。」

 

 

私達3人はホテルに着いた。そして、気になったので埼玉大学の対局を見る事にした。

「これ、凄いわね・・・」

「まさか、こんなに強いとは・・・」

彼女ら3人の埼玉大学は、先鋒の冬室焦華さんが開始時の10万点から212300まで稼いだ。そしてゆみは251500、大将の水蓮寺響さんは314900でそれぞれ終わらせた。その結果に私達は戦慄を覚えた。

「やっぱり冬室焦華さん、レベルが違う・・・」

「ゆみも4万くらい稼いでるわね。」

「水蓮寺さんもとっても強いですね。これは私達に勝てないと言っていた気持ちが分かりますね。」

「しかもこれ、優勝候補の白糸台大学は一回戦で294100で終わらせてるらしいわね。」

「じゃあ、白糸台よりも強いって事ですか!?」

「いや、対局相手が違っていたしどっちが強いかは分からないけど埼玉大学が強い事は確かだね。」

「それに比べて私達は17万ちょっとだったわね。」

「私、かなり大勝だと思っていましたけど、上には上がいますね・・・」

「まぁ、今は準決勝よりも二回戦を突破する事を考えましょう。」

「二回戦の相手はどこなんですか?」

「ええっと、新道寺大学と宮守大学と永水大学ね。」

「二回戦で永水大学と当たるんですか・・・」

「どの大学も去年のインハイで出てきた人達ばかりだけど、インハイと違うのは穴の無さね。」

「穴?」

「元々5人で1チームだったから他の人と比べて劣っている人がインハイには1人や2人いた。けど、この1年生大会は3人1チームで行われる。それに去年かなり活躍した人達ばかりがこの大会に出ている。だからまるで濃縮でもしたかのような感じね。」

「確かにそうね。新道寺はあの二人のコンボこそ無いものの、かなり強かった3人が出ているわね。」

「大将の白水さんは言わずもがなだけど先鋒の安河内さんも中堅の江崎さんもレベルが高いわね。」

「宮守は先鋒は小瀬川さんで中堅は臼沢さん、そして大将は姉帯さんね。」

「宮守もインハイで活躍した3人をビックアップして出場してるのね。とっても強そうね。」

「そして、問題の永水ね。先鋒の安定した打ち筋が持ち味の狩宿さん。中堅は北家になると四喜和を和了る薄墨さん。そして大将は絶一門状態にする事が出来る石戸さんの3人ね。」

「このチームはかなり手強いわね。特に石戸霞さんが危ないわね。」

「えっ、私は薄墨さんの方が怖い気がします。だって役満ですよ?」

「確かに役満は怖いけど、多分宮守の臼沢塞さんが彼女を止めてくれるからそこまで問題ないわ。」

「そうなんだ。」

「それに比べて石戸霞さんは風花がいるから危険度が上がっているのよ。」

「えっ、私ですか?」

「ええ、石戸さんの手牌は一種類の数牌と字牌で出来ているわ。そんな中、貴女が字牌を3枚持ったらどうなると思う?」

「あっ、数牌の数が増える!」

「そういう事、つまり石戸さんの手から不要な字牌が減って、手が完成するのが速くなる上に、清一が出来やすくなるって訳。」

「これはかなり厳しいわね・・・」

「どのチームもとっても強い。これ、もしかしたら冬室さんが言ってた事があながち間違いじゃなくなっちゃう可能性も・・・」

「えぇ、あるわね。二回戦、思っていた以上に厳しい試合になりそうね。」

私達は不安を残したまま、二回戦当日をむかえた。二回戦が始まる。




次は二回戦の先鋒戦です。因みにこの1年生大会もインターハイと同じく半荘二回ずつ行います。
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