Fallout:Stray Ranger   作:文月蛇

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ちょっと遊びました。

実験的なものですので、ご感想あればお願いします
















十四話 Investigation of cases

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にすみませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

ドゲザ、それはモハビ・ウェイストランドでは全く知られていない謝罪の作法である。実はNCRには日系アメリカ人の子孫が多数おり、NCR領内のアジア系は日系がおおくいた。その、アイデンティティ故に孤立するコミュニティーも存在し、ヤクザなどがウェイストランドに現存する所以でもある。そのような文化が存在するゆえか謝罪を最上位の作法として歪曲する(間違っていないかもしれないが)事実が存在し、なぜかその文化を良く知っていたウリエルと、なぜか知っていた運び屋は丁寧に正座をして件の人物へ謝罪を行う。

 

 

 

 

 

 

 

その人物とはプリムの保安官の補佐であるビーグル保安官代理であった。もし、カジノに籠っていたプリムの住人とコンタクトを取れていれば、ビーグルが人質になっているという事実が分かったはずであったが、籠城によって入口が塞がれたことによって運び屋は脱獄囚を一掃してからコンタクトするという流れとなったのだ。ビーグルについては「知らなかった」こと、全治一か月の大けがで幸運にも収まったことでプリム他住民は理解を示した。だが、ダイナマイトで生き埋めになりかけた本人からしてみれば怒ることも無理はない。

 

 

 

 

 

 

 

死ぬよりマシだろ、と言う読者もいるかもしれないが、爆発に生き延びて生き埋めになって飢死するより、一息に死なせてくれと思う方が寧ろ慈悲があると言える。そんな苦しみを味わう寸前、ウリエルが形だけの現場検証で彼を見つけたのだから僥倖と言うほかない。

 

 

 

 

 

 

そして、プラチナチップの行方をしる人を知っているのがビーグルであるとの事で、媚びを売らなければならない。脅してもいいかもしれないが、運び屋にとってそれは悪手である。もし、モハビ・エクスプレスの支社長のジョンソン・ナッシュの機嫌を損ねればどうなるか分かった物じゃないからだ。

 

 

 

 

 

「ビーグル、お前さんにも責任があるぞ。こんな騒動になったのは保安官補佐のお前さんの責任でもある。土下座するのは彼でなく、お前だぞ」

 

 

 

 

 

「うっ………だけども……」

 

 

 

 

保安官代理や補佐を努める能力があるが保安官の器ではない。プリムの運営は彼がトップであれば、NCRに吸収されるだろう。だが彼以上の統率力と周りの意見を纏める頭脳であれば、プリムは丸く収まるであろう。

 

 

 

 

 

「(speech:30)なら、保安官候補を見繕ってプリムの皆に認められればいいんだよな?それなら奴らの情報を教えてくれるな?」

 

 

 

 

「(成功)……ああ、それならいいよ。俺が補佐に値する保安官であればいいのだが」

 

 

 

 

 

ビーグルもプリムの人々に引け目があることから運び屋に強く言えない。運び屋と一緒にいるウリエルのお陰で生きているのだ。彼らのせいでという意味も確かにあるが、彼らのお陰でプリムの脱獄囚を排除できたのだ。NCRに属さない運び屋だからこそ出来る芸当であり、NCRに併合されることを良く思わないプリムの住人からすれば、感謝をしてしかるべきだ。保安官が居なくなったら流石に困る。だが、保安官補佐が死んでも、似たような人材なら保安官以上の数が存在するだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「(science:100+speech:70+Barter:50)では、私がご紹介します!我らの代表であり、プリムの保安官の登場です!!さぁ、Cowboy!щ(゚Д゚щ)カモーン」

 

 

 

 

 

 

ウリエルの手招きと共に現れたのは、ピッキ&バンスカジノの案内役であったプロテクトロン。そのテンションの高いカウボーイはプリムの住人からは煩いと評判だ。それは、煩さ120%増しの騒がしさと共にアームを回転させながら、飛び跳ねるように動きまくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャッハー!!モハビぃは地獄だぜぇ!!!悪人共は皆吊るし首じゃぁ!!!!我はプリムの保安官!ピッキ&バンスカジノの案内役にして空前絶後の神に愛されたロボットだ!法を破る奴は容赦しねぇ~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、この糞アサルトロン。なぜウザいキャラクターにしたんだよ」

 

 

 

 

 

 

その答えは聞く必要はなかった。

 

 

 

 

 

「いや、なんとなくです。面白そうだったし」

 

 

 

 

 

 

 

囚人から押収したNCRCFの刻印があった警棒で思いっきり頭を叩く。プリムの住人はニューベガスのコントかと頭を抱えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、プリムの西。

 

 

 

 

 

 

 

デスバレーに通じる道。戦前には米核戦略軍が管轄下にあるホープヴィル弾道ミサイル基地の緊急避難通路兼職員隠蔽通勤路として利用されたそこには一人の男が立っていた。

 

 

 

 

 

 

戦前、弾道ミサイルサイロの担当職員や情報将校を特定されないために、一般人に扮して非常避難通路から通勤する将校が多くいた。戦争直前には、ホープヴィルミサイル基地周辺には平和団体が数多く来ており、戦略核弾頭の使用を辞めるようにデモを繰り広げていたためである。職員は正門から入れば身分がばれ、最悪の場合自称平和団体によって私刑に晒されてしまう。そのため、核弾頭管理担当官や航空管制官などは隠れて基地に通勤する必要があった。

 

 

 

 

 

 

 

戦争後には、その入り口はバスの瓦礫によって封印された。核の冬とデスバレーの気圧の変化によって、倒壊したバスやトラックが積み重なった。冬の後もそこは閉鎖され、忘れ去られた軍事施設。小高い丘に見えた入口に件の人物はモハビの夕焼けと惨事を物語る黒煙がプリム大空に登っている。

 

 

 

 

 

「“多くは奪われたが、残されたものも多い”………。」

 

 

 

 

 

イギリスの詩人、テニスンの著した「ユリシーズ」の一節。

 

 

 

 

 

色の濃い肌には数々の戦いによって傷跡が多く、プリムの黒煙を見る眼孔は獰猛な肉食獣のような鋭さがあった。

 

 

 

 

 

 

「運び屋、モハビに飲み込まれる事を選ぶか………それとも………エンクレイヴの友人を得てモハビを燃やすか……見ものだな」

 

 

 

 

 

 

彼の近くにはエンクレイヴが遺していった偵察用ロボットが一機浮遊する。キャピタルウェイストランドでは多く偵察用として利用されてきたそれは、量産機ではなくカスタマイズされた試作運用機として改良されたタイプであった。スピーカーから機械音のビープ音が響き、会話のように鳴る。まるで、飼い主に懐く犬のようであった。

 

 

 

 

 

「アルフレット、心配ない。運び屋は強欲なベガスに喰われなかった。奴は生き延びるだろう………。最後に奴はここに来る………。必ずな………」

 

 

 

 

 

 

 

男はモハビに背を向けてデスバレー核都市跡、『ディバイド』へと歩いていく。彼の背には嘗てこの大陸を支配した旧世界の旗が描かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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