私生活で色々ありまして投稿する時間も気持ちも削がれてしまっていて、それでも時間があれば何とかちょこっとずつ書いていたので、今回は大量投下致します。
誤字脱字ありますが、何かあれば感想欄にてご意見お寄せいただければ幸いです
レンジャー記念碑はNCRのレンジャーとデザートレンジャーの同盟と合併の場所を記念して建てられた。双方の歴史は非常に深い。そのルーツは大戦前に遡る。元々は「レンジャー」と言う名称は騎兵隊の名称として知られ、そこからイギリス軍コマンド部隊の技術を受け継ぎ、第二次世界大戦時のレンジャー第一大隊、ベトナム戦争のレンジャー大隊。2000年代に創設された第七十五レンジャー連隊。そして、2050年代には西海岸で勃発する新型インフルエンザに伴って暴動が多発。これにより、軍警察とロサンゼルス警察に暴動鎮圧のプロフェッショナルであるレンジャー
NCR建国に携わったタンディを支持したレンジャーは米陸軍第75レンジャー連隊やロサンゼルス警察の暴動鎮圧部隊の生存者、グール若しくは子孫であった。
デザートレンジャーはホープヴィル弾道ミサイル基地周辺の都市で発生する暴動を鎮圧するため、米陸軍から派遣された軍警察部隊の生存者である。殆どはデザートレンジャーとして旧軍施設に集落を築いた。彼らはネバダを中心に荒廃したウェイストランドの秩序を求め、悪逆を尽くすレイダーやギャング・部族の殲滅や紛争状態の集落の仲介を行うなどした。
そしてNCRレンジャーとネバダのデザートレンジャーはルーツも同じであったこともあり、同盟終結後、NCRレンジャーの一員として活躍を続けるに至る。
運び屋とウリエルはその巨大な像に目を奪われ、粗雑な作りであったにしても、これほどまでにデカい象を見たのは初めてだった。いや、彼の記憶にないだけなのだろう。
「あのレンジャーの頭にライトがありますね。灯台代わりでしょうね」
レンジャーハットの上にはランプがついており、全方位に光が当たる。それは海岸沿いに建設される灯台のようで、旅人の方向を指し示すうえで必要なシンボルだった。
「たぶんな・・・・・ここ、車だとキツイよな」
2人の目の前には、隅に寄せられた大戦争で損傷した車両が幾つも隅に置かれ、ある程度通行できる幅があった。しかし、その斜面は急斜面過ぎる。戦争前のアメリカ人がここを通ったとは考えられないほどの急斜面がそこにはあった。
「大戦争の時に地殻変動でズレたんでしょう。それとも神のいたずらとか?」
「いたずらにしちゃ笑えんよ。よく、ここをNCRの車輌が下れたな」
運び屋は良く道路を見ると、通りやすいように土嚢を道の大きな裂け目に埋め込んでいたり、緩やかな坂になるよう土嚢を積み重ねている道を見つける。歩道と区切られた薄汚い道を登山するかのような坂道を登っていく。炎天下のなか、運び屋は水筒の水を口に含み、後ろの仲間に渡そうとするが、その仲間はロボットだったことに気が付いた。
「私は飲めませんよ」
「ついついな・・・・・・俺に仲間がいたらこうしていたんだろうさ」
殆どの記憶を失った運び屋にとって一緒に居てくれるウリエルは手放したくない存在であった。依存という言葉は適していないかもしれないが、彼女がダメと言えば、彼もそれに従いかねない雰囲気があった。
身元の分からない男と付き従うロボット。運び屋は未だ坂の真ん中であるためか、口を開く。
「ウリエルはさ、なんで俺と行動を共にするんだ?」
「一緒に旅をするのに理由なんて必要なんですか?」
「いや・・・・そうじゃなくて、何故俺と行動に……」
「じゃ~・・・エクスプレス支社に置かれたエンクレイヴ・アイボッドと共に行くってことですか?」
ウリエルは遥か彼方に旅立ったエンクレイヴ・アイボットの事を挙げた。
プリム解放後、ウリエルと運び屋はジョンソン・ナッシュの事務所で食料品や鹵獲したNCRCFの警棒・ライフルの売却作業を行っていた。パウダーギャングのライフル類は両手でも抱えきれないような武器弾薬の数々であり、店のキャップに加え、NCRドルの束で売却する。その資金源から水や弾薬、食糧を買い込む店頭カウンターには商品ではない丸い球体が転がっていた。
サッカーボールには見えないそれは装甲板と電波アンテナがあり、超電導体装置が剥き出しの偵察メカと思しきものは幾つもの改修を隔ててポンコツ機械にしか見えなくなっていた。補助装甲板の代わりに車のナンバープレートが溶接されている様はまさにそうであり、ジャンクパーツの組み合わせに見えない其れを運び屋とウリエルは指で突いていた。
何も反応しないそれを運び屋は多々ただ見続けたが、ウリエルは何やら赤い光線をだし、ジョンソン・ナッシュが44口径マグナムを出すところで中断された。
『スキャナーで調べてます・・…攻撃用レーザーじゃないですよ』
一通り調べたウリエルは自身のコンピューターコアに繋がれたコードを取り出すと、アイボットの検査用ソケットに装着する。
『データスキャン開始・…中枢部分は機能していますけど、サブシステムと外装板、飛行制御装置、レーザーが壊れてますね。バイパスを分岐させて動けるようにしましょう。メモリーを復旧させて、スリープモードからオペレーティングシステム起動っと』
『何言ってるか分からんのう』
ジョンソン・ナッシュの言い分に運び屋は頷く。すると、息を吹き返したように受付カウンターから離陸すると、まるでカサドレスのような勢いか、または戦前に生きていたらしい蝶の舞の如く、舞い上がった。それはまるで嬉しそうにクルクルと回転し、電子音を出しながら天井すれすれを飛行した。
『ED-Eって言うらしいですね……ははぁ~ん。どうやら戦前の子供向けドラマが好きな人物が開発したみたいですね』
『全くわからんのう』
『俺もだよ』
訝しげに機械と機械が会話し始めるが、核戦争後に生まれた人類の二人は何が行われているか分からず、ただただ頭を傾げる。
すると、ED-Eはモハビ支社の窓を突き抜けて大空へと突き進んでいった。爆ぜる窓ガラスに補強のために沿え付けてあった添え木は吹き飛び、あたりに部品と埃が散乱する。唖然とする運び屋と「いってらっしゃい」と手をふるウリエル。
そんな彼らに待っていたのはこんな一言だった。
『弁償じゃ・・・・・締めて200キャップじゃ』
ジョンソン・ナッシュへ支払ったキャップによって彼の財布は寂しいものになってしまった。前哨基地でキャラバン商人から補給品を買おうとしても、路銀の足しにはならないだろう。僅かに残っていたパウダーギャングから奪った数艇のショットガンと防弾ベストなどは高値で売れるが、もしかしたらNCR軍が「軍の物」といって奪おうとするかもしれないから注意をしなければならない。
「あいつは何処に行ったんだ?」
「ええ、彼にナヴァロの場所教えてと頼まれました」
「ナヴァロか……」
ナバァロ補給基地
NCR兵士ならだれでも知っているエンクレイヴにおける共和国が軍事力で唯一勝利した戦いの一つだった。ナヴァロ補給基地はポセイドンオイル基地に偽装されて建設されていた巨大な地下基地であり、現在でもNCR陸軍の規制エリアとして許可なく立ち入ることは出来ない。
ポセイドンオイル崩壊後、NCRが行った軍事作戦。「壊れた
エンクレイヴの活動方針としてポセイドンオイルや外界からシャットダウンできる場所を拠点とする為、他の場所を前哨基地と呼称する。ただ、ポセイドンオイルガソリンスタンドに偽装されたそれは前哨基地としてではなく、周辺に派遣されたベルチバードを補給するための補給基地だった。
補給の他にも兵の娯楽や居住、簡易的生産設備などを多く取りそろえたエンクレイヴの飛び地とも言える存在であり、既に数十名の民間人が入植のための準備を進めていたのだ。だが、オイルリグ崩壊後、これに乗じてNCR軍は先の前哨基地を攻撃し、一気にナヴァロに接近した。
一部の航空部隊やその家族など脱出出来たものの、残されたエンクレイヴ兵士や民間人は恐怖心によってかき乱されたNCR兵によって虐殺された。高性能なパワーアーマーやレーザーライフルを用いても人海戦術と物量によって押し負かされ、民間人はその犠牲となった。
「ナヴァロの
と呼ばれるそれはNCR軍にとって勝利と言えるが、その制圧した場所には多くのエンクレイヴ市民が戦火の犠牲になっており、その技術力はNCR政府を震撼させた。もし、ポセイドンオイル基地が選ばれし者に倒されていなければどうなっていただろうかと。
間違いなく、エンクレイヴによる侵略が行われ、植民地化。民主主義的な統治ではなく、奴隷的制度によって統治されてしまうことは分かっていた。隔絶した科学技術。NCRは国を守るために科学技術を欲し、BOSと衝突するキッカケとなった。
今、ED-Eがナヴァロ前哨基地に行ったとしてもNCR陸軍部隊によって撃ち落とされるか、技術開発省によって隅々まで解析されて、スクラップにされるのがおちだ。
「でも大丈夫ですよ。彼にはNCRの支配下になっていると伝えましたし、私の仲間が一緒ですから」
「お前の仲間……そう言えばお前の目的を聞いてなかったな」
運び屋は疑問を滲ませた目で彼女を見る。顔はいつもの優しい表情ではなく、笑顔であっても目は笑ってはいない。もし、本気でウリエルが戦闘状態にあれば、ホルスターからハイパワーを抜き取り、カメラを撃ち抜く自身が彼にはあった。
なりゆきで一緒に旅をしているが、信頼を置いているわけではない。信用を置いてはいても、彼女が何故一緒に居るのか、意図が分からないためだ。成り行きで旅をした記憶は無いが、彼の性格から相棒を伴った旅はあまりしていないはずだ。
「そんな怖い顔でこちらを見ないでくださいよ」
「お前は一体どこの勢力なんだ?BOSではないだろ・・・・だが・・・」
「NCR政府が私を送り込んではいない・・・・でしょ?」
運び屋が続けると思われる文言をウリエルは勝手につきたす。だが、テクノロジーを嫌うレギオンのロボット兵ではないだろう。彼らはロボットを使用しないだろうから、ウリエルが彼らの一因ではないことは明白だった。ならば・・・・
(・・・・もしかしてMr.ハウスの差し金か・・・・・なら・・・・まあいいか・・・)
依頼主であるMr.ハウスの差し金であれば話は変わって来る。もし、奴の手先であれば荷物の安全のため、奪還のために運び屋を支援する。それなら問題ない。
「まあいい、そんなこと言ってる間に着いたな」
巨大な二体の像の足元を歩きつつ、モハビ前哨基地を見やる。辺りには完全武装のNCR軍兵士が巡回し、ハイウェイ両端には土嚢と共に機関銃陣地と軍用犬の存在があった。運び屋は犬には近づきたくないという表情を浮かべており、ウリエルはちょっかい出そうかと思考回路に選択肢が現れるが、基地の入口で煙草を吹かす人物が二人へ手を振っており、その選択肢は潰えた。
「お~い!」
「なんか叫んでるぞ、アイツ。構ってやれよ」
「嫌ですよ、私のデータにはあんな死亡フラグの立つ人知りません」
「お前酷くね!?」
明らかに失礼な事を言うウリエルであったが、その謎の人物の一言によって運び屋は彼と話すことになった。
「六番!無事だったか!NCRCFの脱獄囚が暴れまわっていると聞いてどうなったかと思ってたぞ!それにしても早いお帰りだな!Mr.ハウスに会えたか?会えてないで例のセキュリトロンに荷物を託したのなら、賭けは俺の勝ちだな!」
「あ~、えっとそうだな・・・・・・・・・・・・」
運び屋は彼が六番と呼ぶのには心当たりがあった。運び屋に宛がわれた六番目の荷物とされるプラチナチップ。本命であった彼の荷物はベニーとカーンズのギャング共に奪われてしまっている。彼が六番と呼ぶ男はモハビエクスプレスの社員であることに間違いはない。そして、そこからであるが、聞かねばならないことが二つあった。一つ目は・・・・・・・・・・・・・・
「すまん・・・・・・・・・・・・・・おまえだれだっけ?」
身を案じていた同業者の男は親しみながらも六番と呼んでいたこともあり、基地中に驚愕の声を上げ、注目を集めることになるのであった。
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(作戦開始まで………3………2…………1………)
(Prison Break作戦開始、各部隊は攻撃を開始せよ!)
「よし!合図が出た!撃てぇ!!」
小隊指揮官の合図と共に砲弾手は手に持っていた迫撃砲弾の発射剤を起動させ、砲身へ落す。底の発破針が発射剤を起爆させ、砲弾はその爆発によって破裂音と共に空へと舞い上がった。独特な音と共に、放物線上に砲弾は飛んでいく。
そして、目標であったパウダーギャングの支配するNCRCF内に着弾した。
「右2度修正、炸薬2修正射!」
北と南に迫撃砲陣地を築いたNCRの攻撃部隊は二方向からの迫撃砲による砲撃により、収容所広場にいた囚人を引き裂いた。
そして、西と東からNCRの装甲車部隊と随伴歩兵が突入を開始した。虎の子の装甲車や自動車を持ってきたことにパウダーギャングの囚人達は驚いたものの、広場や独房の陰に隠れて砲撃が止み、車両が来るのを待った。
「あのアーミーの糞共にこれを食らわせてやる」
一人の囚人の手に握られていたのは、手製の粘着爆弾だった。靴下の中に爆薬を入れて、真っ黒なグリースを塗りたくり、導火線を付けたもので、爆発すれば、装甲車の車輪は吹き飛ぶと考えたのだ。
NCRの装甲車は機動性や防弾性能はそこそこあるが、こうしたダイナマイトなど指向性爆薬は脅威であった。それこそ投げて近くに落とせば、爆発によって随伴歩兵も巻き添えを食らう。
しかし、囚人の読みは外れ、彼の視界の彼方から飛来する弾丸によって意識は刈られてしまった。既に導火線には火がつけられており、近くにいた仲間の囚人は逃げる間もなく、爆発に巻き込まれた。
「enemy down!nice kill!」
狙撃を見届けた観測手は800m離れた囚人の頭部に命中し、持っていた爆弾によって二次被害をもたらしたことを褒める。NCRCFの周囲にはNCR歩兵の他に高性能狙撃銃を構えたレイヴンクロウ警備保障の傭兵が狙撃位置についており、物陰に隠れて手製の粘着爆弾を投げようとする囚人を一人づく葬っていく。鉄条網を張り巡らせたフェンスに張り付いたNCR工兵はC4とミニニュークを組み合わせた爆弾を取り付け、「爆発するぞ!」と叫び、起爆スイッチを押した。
ガンバレル式超小型核弾頭は爆発し、一瞬にしてキノコ雲が立ち上り、鉄条網を吹き飛ばす。それと同時に穴をあけた近くに停車した装甲車の陰から銃剣を装着し、勢いよく突撃するNCR歩兵の姿があった!
「For the republic!(共和国のために)」
「突撃ぃ!」
鬨の声を上げ、怒涛の勢いで囚人達を制圧していく。彼らNCR兵士達は人を効率よく殺すために作り上げられた殺人マシーンとして動くよう訓練を受けている。NCR領内で重犯罪を犯した犯罪者とは違い、技術も意気込みも全く違っていた。その声に恐怖を覚え逃げようとするが既に遅い。歩兵を援護するため、装甲車上部の機関銃座に設置された12.7mmを発射するM2機関銃は逃亡する囚人へ発砲し、肉片へと変えていった。
そして、戦車にも似た車輌。IFVと呼ばれる歩兵戦闘車は57mm滑空砲を囚人達の指揮所と見られる旧管理棟に照準を合わせた。
「弾種は榴弾!目標敵戦闘指揮所!撃ぇ!」
車長の命令と共に射手は発射トリガーを引いた。先程までとは比べ物にならない砲撃音は周囲を響かせ、管理棟は爆発と共にあっけなく崩れていった。NCRCFはNCR軍の本気の鎮圧によって完全制圧され、周囲の治安維持のための補給基地として運用されることになった。
「こちらスネーク1-2、HQ!熊が猛襲を掛け、火薬庫は炎上。熊は多くの熊と共に火薬庫を押さえました、どうぞ!」
(こちらHQ了解した。では行動規定34-12より、撤退命令を遂行せよ)
NCRCFの攻撃を見ていた何者かは暗号化無線で報告を行い、直ぐに姿を消していなくなる。その姿を見た者は誰も居なかった