チュンチュン
「気持ちいい朝だね、ハナコ。」
4月とはいえまだ肌寒い朝だが愛犬との散歩は私、渋谷凛の日課。
私が話しかけると愛犬もワンッとこちらを向いてくれる。今日も可愛いなぁ…。
親バカっぽいけど、もし自分に子供ができたらもっと親バカになるのでは?なんて思っていると、散歩コースの折り返し地点である公園に着いた。
この公園を来るといつもアイドル仲間であり、親友の女の子と、ちょっと目付きの悪いプロデューサーを思い出す。私がアイドルになるきっかけ…あれから1ヶ月も経ってないけどね。
そんなことを思い出していると、急にハナコが駆け出した。いつも大人しい子だからつい気を抜いていた。手からリードが離れてしまったのである。
「ちょっ!待って!…ハナコッ!」
私の呼びかけにも応じず一目散に公園を走る。賢い子だから、誰かに噛み付くとは思えないが万が一の時がある。私も全速力で追いかける。
5分程追いかけっこが続き、ハナコが公園の曲がり角を曲がった。それに続くと、ハナコが見知らぬ男の人に抱き抱えられていた。
「おお…、どうしたお前?迷子か?」
私が角を曲がった時に男の人がハナコに話しかけていた。
男の人はタオルを頭に巻いて、ジャージ姿だったのであの人も散歩中かランニング中だろうか。
とにかく謝らなきゃ!
「すみません!うちの犬なんです!…お怪我はありませんか?」
「ああ、大丈夫ッスよ。ペロペロされただけで噛み付かれたりはしてないんで。」
男の人がハナコを撫でると、我が愛犬がすごく気持ち良さそうに目を細めている。…ちょっとデレ過ぎじゃない?
「もうご主人様に心配かけんなよ?」
ハナコのリードを渡してもらうと、ハナコも男の人の言葉にワンッ!ワン!と応える。いや私の時よりいい返事なんだけど…。
「本当にありがとうございました。普段こんなことないんだけど…。」
「元気な犬ッスねー。俺何故か動物に懐かれやすいんでそのせいかもしれないッスね。」
笑いながら言う男の人を改めて見てみた。身長は私より10センチくらい大きくて、体格もガッチリしている。髪型はタオルに隠れて分からないけど、襟足が少し茶色がかっていたので茶髪だろうか。
少しヤンキーみたいな見た目だけど、笑った顔は少し可愛いかも。
なんて初対面の人に失礼か。
「私の名前は渋谷凛です。よろしければお名前を教えてくれませんか?」
「俺の名前は浅村毅(アサムラタケシ)です!よろしく渋谷さん。」
「何かお礼したいんですが、お急ぎですか?」
お礼は何がいいかな?なんて考えてると、浅村さんが少し申し訳無さそうに言ってきた。
「…あぁー、それじゃお願いがあるんスけど…」
「私にできることなら何でも言ってください。」
「…帰り道を教えてください。」
「…へっ?」
彼との初対面はこんな朝だった。
どうも姫川友紀担当です。
小説って書くの本当に難しいですね泣
なるべく多くのアイドルを登場させたいですが、自分にそんな文章力がないので、まだどうなるかわかりません。