ということでifストーリーになります。本編とは関係ないです。
12月が始まり本格的に冬の足音が聞こえてきた。
道行く人達を見ると、皆寒さに身を縮めるようにして歩いている。
カップルと思われる男女を見ると手を繋いでポケットに入れていたり、腕を組んで身体を密着させていた。
別に羨ましいとは思いませんよ?あまりくっついて歩いていると危ねーし。…本当だぞ?
今俺は、駅前の噴水の前で人を待っている。時計を見ると時刻は18時50分を回ったところ。約束の時間まではあと10分ある。
しかし寒い…。こんな寒い中で待ち合わせするなら、せめて駅の中にあるファストフード店で良かったんじゃね?すごく帰りたいんだが!
と、心の中で悪態をついていると前方から待ち合わせの女の子が走ってきた。
未央「お待たせー!タケっち早いねぇー!」
毅「いや俺もさっき来たとこだ。」
未央「…おぉ!なんかカップルみたいだね!ありがとダーリン♪」
毅「ハニー…、俺たち終わりにしよう?」
未央「会ってすぐ破局!?」
毅「いいから早く行こうぜ。寒くて死にそうだ。」
未央「そうだね!じゃあ、あっためてあげる♪」
未央が俺の腕にくっついてきた。ちょ、未央さん?恥ずかしいからやめてくんない?
毅「ええい鬱陶しい!離れろ!」
未央「まあまあ、あったかいでしょ?」
いたずらっ子のような笑みを浮かべた未央が、くっつける力をさらに強める。…確かに暖かくなったが、それは未央の温度ではなく柔らかさのせいだとは言えなかった。
未央ってやっぱデカいなー…。
今日俺達がなぜ一緒に歩いているかと言うと、昨日の夜に遡る。
未央「もしもーし、タケっち?起きてる?」
毅「…今未央に起こされた。」
時刻は0時を過ぎたあたり。風呂から出た俺はすぐに布団に入り、眠りについていたら未央からの着信で目が覚めた。何の用だ?
未央「あぁっごめんね!?寝てたんだ…」
毅「別に構わねーよ。それで、何か用か?」
未央「ありがとね♪…明日、っていうか今日は何の日か知ってる?」
毅「ん?そーいや今日から12月か。月日が経つのは早ぇーな。」
未央「そうだねぇ、今年もあと1ヶ月で終わり…じゃなくて!」
毅「…誕生日おめでとう、未央。」
未央「そうそう!今日は未央ちゃんの誕生日…って知ってたの!?」
そりゃあ知ってるさ。だいぶ前に346プロのHPで未央のプロフィールを見た時に覚えたからな。ちなみに卯月の誕生日もそこで覚えた。
毅「友達の誕生日だ。覚えてるに決まってんだろ?」
未央「そっか…えへへ♪ありがとう!」
毅「じゃあ、おやすみ。」
未央「わー!待って待って!タケっち明日の夜はおヒマ?」
毅「夜は特に予定はないな。」
未央「ホント!?じゃあ一緒にご飯食べに行こ!焼肉!」
毅「せっかくの誕生日なのに家族や凛達じゃなくて、俺でいいのか?」
てか焼肉ってどうなのよ?まぁ未央らしいけど。
未央「皆んなには夜までに祝ってもらうからいーの!それにタケっちと一緒にいたいんだ♪」
未央の言葉に少しドキッとする。
不意打ちはやめろ。好きになっちゃうじゃねーか。
毅「…分かったよ。どこで待ち合わせだ?」
未央「やった!じゃあ駅前に7時ね!よろしく♪」
毅「了解。また連絡するわ。」
未央「はーい!おやすみ♪」
そして現在に至る。店までの道を未央と腕を組みながら歩いていた。
未央「いやー楽しみだね!焼肉!もうお腹ぺこぺこだよー」
毅「…情けないけど、俺あんま高すぎるのは払えねーよ?」
未央「ダーリンの甲斐性無し!」
毅「だから誰がダーリンだ!」
未央「でも心配ご無用!実は仕事先で今から行くお店の無料券貰ったんだ♪だから安心して!」
毅「愛してるぜハニー!」
どうやら財布の心配はしなくていいそうだ。…情けないがな。
焼肉屋で無料券ってスゲーな。さすが芸能界…!
ちゃんと礼を言おうと、隣の未央を見ると下を向いてボソボソと呟いている。え?やっぱハニー呼びはダメだった?
未央「…い、今愛してるって……愛してるって言われちゃった…!」
毅「おーい、未央?」
未央「は、はいっ!?何かね!?」
毅「どうした?気分でも悪くなったのか?」
未央「な…なんでもない!大丈夫!」
急に大人しくなった未央を心配していると、目的の店に着いたので俺達は店の中に入って行った。
未央「…はぁ〜、食べた食べた!余は満足じゃ♪」
毅「未央って結構食うんだな…。店の人もビビってたぞ?」
未央「アイドルは体力が大事だからね!…それと、そんな事女の子に言っちゃダメだぞ〜?」
毅「へいへい。時間も時間だしそろそろ出るか?」
未央「そだね!…じゃあ先行ってて!渡してくるから!」
毅「ありがとな。ご馳走さん。」
店から出た俺達は、駅に向かって歩いている。
しかしさっきの焼肉めっちゃ美味かったなぁ…。あんな美味い焼肉は初めて食ったぞ。未央には本当に感謝だ。
毅「未央、今日は本当にありがとうな。祝う側なのにご馳走になってすまなかった…。」
未央「いーのいーの!タケっちが来てくれただけで未央ちゃんは嬉しいよっ♪こっちこそありがとうね♪」
本田さん…エエ子や…。未央と友達で俺も嬉しいです…!
そこで、隣を歩いていた未央が突然俺の前に出た。
未央「ねぇ、タケっち…もう少し未央ちゃんに付き合ってくれる?行きたいとこあるんだ!」
毅「俺は大丈夫だ。でも未央は親が心配するんじゃないのか?」
未央「今日は遅くなるって言ったから大丈夫!帰りはタケっちがいるから安心だしね♪」
毅「ちゃんと家まで送るってやるよ。んで?どこ行くんだ?」
未央「それは着いてからのお楽しみ♪」
嬉しそうな顔をした未央が、また俺の腕にくっついてきた。
今日は未央の好きにさせよう。……俺も、この未央の柔らかさを味わえるのは満更でもない。
未央「ねぇ、見て見て!すっごいキレイだよ!」
毅「おぉ、これはスゲーな!」
目の前のライトアップされたイルミネーションの数々に、俺達は目を輝かせる。
未央に連れられて来たのはそこそこ大きな公園。この公園は冬の間だけイルミネーションのイベントが開催されている。今日はその初日だそうだ。
普段は何の変哲も無い樹木だが、今はクリスマスツリーの姿に変えていたり、ベンチや遊具も色鮮やかに装飾されていた。
周りには家族連れやカップルがその景色を楽しんでいる。その顔は柔らかな笑顔で溢れていた。
未央「タケっち!あっちの方にスゴいのあるらしいよ?早く行こう!」
毅「はいはい。あんまりはしゃいでると転ぶぞ?」
未央に引っ張られながら、俺達はイルミネーションを楽しんだ。
光の世界に夢中になっている未央のキラキラした瞳に、俺は釘付けになっていた。
未央「イルミネーションもここで終わりかぁ…なんか寂しいなー…。」
気付けば俺達は、公園の出口にある噴水の前まで来ていた。
噴水の周りもライトアップされていて、未央はそれを見ながら名残惜しそうに言った。
時刻は夜の11時を過ぎている。そろそろ帰らないと、未央の親御さんが心配するだろう。
並んで噴水を見ていた未央が噴水の前に近づいて、俺の方に振り向く。
未央「今日は本当にありがとね!…ステキな誕生日が送れたよ♪」
はにかみながら未央が言う。
周りを見渡すと人が誰も居ない。…ここで渡すか。
毅「…未央、目閉じてくれないか?」
未央「え?目を?…別にいいけど変なことしないでね?」
毅「しねーよ!ほら早く目閉じろ!」
未央「冗談だって♪…ん。」
目を閉じた未央に近づいた俺は、ポケットの中から小さな箱を取り出し中身を出す。
中から出てきたのは、チェーンの先に小さなオレンジのハートが着いたネックレス。それを未央にかけてやる。
首にネックレスをかけられた未央は「えっ…これって…」と呟いた。
毅「…よし、目開けていいぞ!」
未央がゆっくり目を開ける。自分の首元を確認すると口に手を押さえ、目に涙を浮かべた。
未央「嬉しい…すっごく嬉しい…!これ貰っていいの!?」
毅「未央へのプレゼントなんだから当たり前だろ?…改めて、誕生日おめでとう。未央。」
今日の待ち合わせ場所に行く前、ショッピングモールでプレゼントを買っていた。最初は、プレゼント選びに悪戦苦闘していたがそのネックレスを見た瞬間に、未央の顔が浮かんだ。
未央「…タケっち〜!ありがとう〜!」
未央が俺に抱きついてきた。いつもなら力づくで剥がすところだが、今の未央を見るとその体を受け止め、抱きしめた。
未央「ずっと大事にするから!絶対外さないからっ…!」
毅「そこまで喜んでくれると、俺も嬉しいわ。…似合ってるよ。」
未央「…えへへ♪」
公園を出た俺達は一緒に帰り道を歩く。隣の未央はネックレスを触りながら、ずっとニコニコしている。そんな未央を見ていると、未央が小声で呟いた。
未央「…0時が過ぎる前に、王子様から素敵なプレゼント貰っちゃった…///」
毅「…///」
誕生日おめでとう。シンデレラさん。
改めて未央誕生日おめでとう!
デレステの限定未央は50連爆死しました。