ボイロだらけの集い   作:ドルベ

2 / 3
後編です、よろしくお願いします。


ボイロだらけの百人一首 後編

「百人一首ですか、何で急にまた」

 

箱を開けつつ、ずん子が尋ねた。

 

「実は先日、生放送でネット百人一首をしたんです。百人一首なんて高校以来にやったんですが、久々にやったらこれが楽しくて。是非、皆さんともやりたいと思った次第です」

 

「百人一首か、なつかしいな。中学生の時に、授業でやったよな、葵」

 

「そうだね、お姉ちゃん。でも、久々過ぎて全然覚えて無いや」

 

「私は最近、小学校の授業でやったばかりですよ。ずん姉様と一緒にやったりもしました」

 

「きりたん、百人一首弱いよね」

 

「覚えにくいんですよ、カードゲームはテキストを一字一句間違える事なく暗記できるのに」

 

「うちはそっちの方が凄いと思うんですが、それは」

 

百人一首の話題で盛り上がる面々。

 

「では、早速始めましょうか」

 

「いいで、やりながら思いだせるだろうし」

 

少しワクワクした感じで茜が返事をした。

 

「おや茜ちゃん。随分乗り気ですね」

 

「実は中学の時、めっちゃ百人一首にハマってな。少しだけ自信があるんよ」

 

「お姉ちゃん、百人一首は本当に強かったんですよ」

 

「それは意外ですね。しかし、ゆかりさんもかなり強いですよ。先日の生放送では、50枚も取ってしまいましたからね!」

 

ドヤ顔で自慢するゆかり。

 

「ゆかりさん、凄いですね。私なんて小学校の授業で、最高で10枚くらいしか取れませんでしたよ」

 

「大丈夫だよきりたん。ゆっくり覚えていけばいいんだから」

 

「ありがとうございます、ずん姉様」

 

そんな話をしている間に、準備が終わった。

 

「では、ルールはこんな感じでやりましょうか」

 

ゆかりが提示したルールは、

 

1、お手つきをしたらその回は休み

2、同時に取った場合はじゃんけん

3、残り10枚になったら終了

 

以上の3つだ。

ちなみに、読み上げはじゃんけんの結果、きりたんがすることに。

 

「では、早速読み上げますね」

 

皆が一斉に真剣な顔になり、並べられた札を凝視する。

臨戦態勢になったのを確認し、きりたんは読み上げ始めた。

 

「ありあ…」

 

パァン!

 

上の句の読み上げとほぼ同時に、ゆかりの右手が札を叩いた。

 

「ゆかりさん、早過ぎじゃないですか。私、ほとんど読んで無いですよ」

 

あまりの早さに目を丸くして驚くきりたん。

 

「ふふん。だから言ったじゃないですか。私、百人一首は超強いんですよ。」

 

「今のは、うちもわかったんやけどな〜」

 

腕を若干伸ばした態勢の茜。その顔には悔しさが滲み出ていた。

 

「次は絶対、うちが取る!」

 

「そう簡単にはいきませんよ?なんてったって、ゆかりさんは超!強いですからね!」

 

互いにライバル視する二人。一方、

 

「葵ちゃん、私、札を取れる気がしないわ」

 

「大丈夫ですよ、ずん子さん。二人も全部の上の句を覚えてはいないはずです。チャンスはありますよ」

 

「きりたん、次読む札の下の句教えて」

 

「ずるはよくないですよ、ずん姉様」

 

そんなこんなで百人一首が始まった。

 

 

 

数分後…

 

 

「きみがため〜」

「「はい!」」

 

茜とゆかりが、同時に札を叩いた。

 

「む、同時ですか。茜ちゃん、中々やりますね」

 

「ゆかりさんもな。ほな、じゃんけんしようか」

 

「「じゃんけん、ポン!」」

 

茜はグー、ゆかりはパーを、出した。

 

「ああああぁぁぁ!ゆかりさんの連続記録がああああぁぁ!」

 

「やっと一枚取れたで…」

 

ここまで10枚連続で取り続けていたゆかりだったのだが、遂に、札を取られてしまった。

 

「おめでとう、お姉ちゃん」

 

「ありがとな葵。よっしゃ、こっから挽回するで!」

 

そこからは、白熱した百人一首となった。

ゆかりと茜だけでなく、葵とずん子も徐々に札に絡むようになるようになってきた。

 

「ちぎりきな〜」

 

「ハイ!」

 

「あきかぜに〜」

 

「「ハイ!」」

 

「だれをかも〜」

 

「「「「ハイ!」」」」

 

時には、4人同時に札を叩く場面もあった。

そして、丁度50枚目を読み上げた時、

 

「わたのはら〜」

 

「「ハイ」」

 

茜と葵が、同時に札を叩いた。しかし、それぞれが別々の札を叩いたのであった。

 

「ふふふ、葵。この上の句はこっちの札が正解やで」

 

「あれ、確か下の句は【人に】から初まるんじゃなかったっけ?」

 

頭にハテナを浮かべる葵。

 

「確かに、葵の言うとうりや。だけどな、【人に】で初まる下の句は、2つあるんや。葵が取った札の上の句は【何しをはば】やで」

 

得意げに説明する茜。

 

「茜ちゃんの言うとうりです。読み札を見てください」

 

きりたんが先ほど読み上げた札を見せる。確かに、茜の取った札が正解だった。

 

「流石お姉ちゃん、百人一首に、関してだけは凄いよね」

 

「はっはっは。もっと褒めるがい……ちょい待ち、いま【だけ】って言ったよな」

 

「それは気のせい、森の精」

 

「誤魔化さないで!もっとあるやろ!うちの凄いところは!」

 

「きりたん、次の札行こうか」

 

「葵ちゃん!お姉ちゃんを無視しないで!」

 

「ふくからに〜」

 

「きりたんも、何事もなかったかのように読み上げんといて!なんや、うちに味方はおらんのか!」

 

「「ハイ!」」

 

「そしてゆかりさんとずん子さんも、何食わぬ顔で札を取らないで!後、今のタイミングの【ハイ!】は悪意しか感じないんですが!」

 

「「ソンナコトナイヨー」」

 

「めっちゃ棒読みやん!」

 

このように、百人一首は大盛り上がりの様子を見せていた。

 

「盛り上がってない!うちがいじめられてるだけや!」

 

「お姉ちゃんうるさい、近所迷惑になるよ」

 

「誰のせいやあああああ!」

 

 

 

 

 

時間が経つのは早く、とうとう90枚目。

最後の札になった。

 

「ちはやふる〜」

 

「ハイ!」

 

そして、最後の札を取ったのはゆかりだった。

 

「今のでラストです。皆さん、お疲れ様でした」

 

「きりたんも読み上げお疲れ様」

 

「ありがとうございます、ずん姉様。それでは皆さん、取った札の枚数を数えて下さい」

 

 

 

1分後…

 

「それでは、順番に発表して下さい。先ずはずん姉様から」

 

「私は14枚だったよ、思ったよりは取れてよかったよ〜」

 

「それは何よりです。葵ちゃんは何枚でしたか?」

 

「16枚でした。ギリギリずん子さんに勝ちましたね」

 

「あー、負けちゃったか。葵ちゃん、おめでとう」

 

「ありがとうございます、ずん子さん。お姉ちゃんは何枚だった?」

 

「28枚や、結構忘れてるもんやな。もうちょっと取れると思ったんだけどな〜」

 

 

少し物足りない様子で、茜は言った。

 

「ずん姉様と茜ちゃん、葵ちゃんの札の合計は58枚。ということは」

 

皆が一斉にゆかりの方を見た。

 

「その通り!ゆかりさんの札の枚数は32枚。つまり、私の大勝利です!ユカリサンツヨイヤッター!」

 

満面の笑みで自分を褒め称えるゆかりの姿が、そこにはあった。

 

「もう一回や!リベンジや!次は負けないで、ゆかりさん!」

 

皆の札を回収し、またテーブルに並べながら茜は言った。

 

「じゃあ、次は私が読み手をするね」

 

そう言いながら、ずん子が読み札を手に取った。

 

「わかりました、ずん姉様の分も頑張りますね」

 

張り切るきりたん。

 

「私も、さっきので大分勘を取り戻したし、次はもっと取りたいな」

 

「お、やる気満々やな、葵も」

 

「負けっぱなしは嫌だからね」

 

「葵の言う通りやな、うちも次は絶対に勝つで」

 

闘志を燃やす琴葉姉妹。そして、

 

「何度でも相手になりましょう!」

 

余裕を見せるゆかり。

 

 

5人の百人一首はまだまだ続く……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。