元人間のスライムがドラクエの世界で必死に生き抜くそうです   作:スライムのカケラ

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コウモリもどきの恐怖

スライムだったからか、あんな高いところから落ちたのにあまりダメージは減っていない。

周りを見渡してみる。

周りには結晶のようなものが沢山ある、この世界の人間にとっては多分喉から手が出るほど欲しいものなのだろうが俺はスライム、こんな結晶なんてただ邪魔なだけだ。

俺の後ろには冒険者の遺品だろうか?槍の先っぽの部分だけある物が置いてある。

槍の先っぽなんて怖くて持てないので置いておくことにした。

 

 

「誰かいませんかー?」俺は呼びかけてみた。

 

 

勿論返答は無い。

つまり前マッドが言っていたここに来たレベル1のモンスター達はやられた可能性が高い。

 

 

「先に進むしかないのか……」誰かがいれば2人で行動できるのに、そう思った。

「待ってても何も起きないし先に進むか……」俺は洞窟の先に行くことにした。

俺はこの姿について1つ気づいたことがある、それはこの姿だと腹が空かないと言うことだ。

つまり腹が空かないと言うことは食料を自給自足しないで済むと言うことだ。

この姿になって良かったことの1つだ。

 

 

洞窟の奥をただひたすら歩いていると「何か」の声が聞こえた。

勇者だったら殺されてしまうのですぐに結晶の裏に身を潜める。

 

 

「……ラ!……メ…!……」何かの呪文を唱えてるようだがその「何か」の声がガサガサ過ぎて全然聞き取れない。

 

 

「何か」がその呪文のようなものを唱えるたびにフライパンで目玉焼きを焼いたかのような音がする。

多分、炎で攻撃する呪文なんだろう。

……って冷静になってる場合じゃない!

速く、速くこの場から逃げないと!

恐る恐る結晶の裏から出て、辺りを見渡す。

 

 

--上への階段はあの「何か」の後ろにあることが分かった。

 

 

「やってらんねぇ………」心でそう呟いた。

取り敢えず「何か」が呪文を唱えてるうちに後ろを通って逃げよう、それしか方法は無い。

 

 

にゅ……にゅ……にゅ……

スライムだと一々歩くのに少し音がなって辛い。

 

 

 

 

「何か」の後ろにまわり、階段を上がろうとしたその時だった。

階段を上がった瞬間、「何か」に聞こえてしまった。

にゅ……にゅ……と言う音を。

 

 

俺はすぐさま階段を上がるが、時すでに遅し、階段にはもう火がついていた。

後ろを振り返る、「何か」は攻撃しようとしている。

 

何故か身体が動かなかった、そのまま攻撃に当たる。

その瞬間に前に数字と文字が出る。

「スライムに3のダメージ」と。

そして俺の斜め前に「HP11/14,MP0/0」と。

 

 

え?これやばくね?、俺はそう感じていた。

取り敢えず俺は突進してみることにした。

勿論当たらなかった。

そして突進して振り返った直後に「何か」は攻撃してきた、今回は結晶にぶつかった反動で跳ね返り相手の攻撃をかわすことが出来た。

 

 

「何か」について分かった事がある。

「何か」はコウモリのような姿をしていて俺みたいな目をしている。

「何か」は常ににやけた口をしていて非常にうざい。

俺は「何か」を「コウモリもどき」と呼ぶことにした

 

 

取り敢えずこいつには勝てない。

飛んでる奴に勝てるスライムがいるだろうか?

取り敢えず逃げまくる、階段方向に行くとさっきあった炎で多分死んでしまうので今まで来た道を戻る。

さっきから「しかしまわりこまれた!」と言うメッセージが前に出てくるが気にしない。

 

 

 

 

さっき俺が落ちたところまで来る、これ以上先には壁があるので行けない。

コウモリもどきも後ろから来ている。

 

 

「どうしよう……このままじゃ俺……死ぬ……」コウモリもどきが俺のところまで来た時に俺は思い出した。

ここら辺に槍の先っぽのようなものがあったことを

 

 

コウモリもどきは何やら呪文のようなものを唱えている。

 

 

「あっ!あった!」俺はすぐさまコウモリもどきに自分の体をしねらせ投げる。

 

 

「メラ!」コウモリもどきは呪文を唱え終わったらしい。

炎の火球が飛んでくる、しかし呪文の使い方が下手だったからなのか炎の火球は俺の頭上を通って壁にあたり消えた。

 

 

炎の火球を見送った後振り返る、コウモリもどきは下に落ちている。

どうやら槍の先っぽ攻撃は当たったらしい。

 

 

下に落ちてる間俺は踏みつけまくる。

 

 

「ドラキーに1ダメージ!ドラキーに1ダメージ!……」そう言うメッセージが流れる中で俺はある事に気づく。

 

 

--こいつの名前ドラキーって言うんだ……と

 


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