が、その前にちょっとした注意が。
岡野さん他、原作で岡野のことを名前で呼んでいるキャラ(矢田、倉橋など)は、日向のことを創と呼びます。
理由は単純に『ヒナタ』だとどっちの事かわかりにくいということでお許しください。
基本的には
岡野→ひなた、ひなたちゃん
日向→創、創君
などという感じで呼ばれます。
4月の後半、そろそろ桜が散り始めるような、そんな日。
「失礼します」
今日も俺は、職員室を訪れていた。
でも、今回は殺せんせーに用事はない。
烏間先生から、ついに以前頼んでいたものが完成したと聞いたのだ。
「来たか、日向」
「はい」
正直、ワクワクが止まらない。
俺が中学からとはいえ、2年近く、一日も休むことなく続けていた剣道。
超中学級の剣道家の才能があるは思えないけど、それでも、暗殺の成功のための足掛かりにはなるはずだ。
「数日前に君が頼んでいたものが完成した」
そういって、烏間先生は足元のケースを開ける。
その中には一本の鞘に納まった刀。
「当然素材は対超生物用のナイフと同じものだ。ナイフよりもリーチが長いから、以前よりも取り回しも難しくなるぞ」
確かに、普通はナイフの方が使いやすいだろう。
でも、俺みたいに、それ以上の長さのものに慣れているなら、そっちの方が使いやすい。
「ありがとうございます」
「それと、これもだ」
「え?」
烏間先生は、無造作に何かを投げてきた。
とっさにそれをキャッチしてみると、小さな刀…いわゆる小太刀だった。
「烏間先生、この2本目の小太刀は一体……」
「それは俺が独断で追加したものだ。」
俺が頼んだものは刀1つ。
なんで烏間先生は独断で……?
「実践も交えて説明しよう。ついて来なさい」
「あ、はい!」
俺は、烏間先生に言われるがままに、外へ向かった。
グラウンド……
「では、日向!これより特別訓練を始める!」
「はい!」
グラウンドについてすぐに、烏間先生の指導は始まった。
「日向、かかってこい!」
烏間先生は対先生ナイフを片手に言う。
俺も、もらったばかりの対先生刀を構える。
すでにグラウンドに生徒はおらず、俺達だけが向き合う
「……」
「……」
烏間先生は強い。
間違いなく、今の俺では歯が立たないだろう。
だけど、こっちだって只やられるわけじゃない。
全力で……
「行きますっ!!」
勝ちに行く!!
「やああっ!」
正面から横に薙ぐ。
防具もなしに竹刀なら危険だが、この武器ならそれも可能だ。
「̪シッ!!」
烏間先生は、大きくバックステップでかわす。
「もらった!!」
上段から振り下ろす。
「甘い!!」
烏間先生は、刀身にナイフを添え……
「勝負ありだ」
「……はい」
そのまま懐に入られて、勝負ありとなった。
「このように、リーチの長い武器は一転して、懐に入られる危険性がある」
確かに。
殺せんせーも、刀を使った時に懐に入ってくる可能性はある。
「そのための小太刀…ですか」
「そうだ。仮に懐に入られても、小太刀で応戦することができれば、奴の不意もつけるだろう。」
渚が言ってたっけ。
殺せんせーは、意外と油断することが多い。
以前職員室で不意打ちをした時も、かわされたとはいえ殺せんせーは慌てていた。
「万が一の際にも自身を守るための2つ目の武器があるから、安心して刀を使うことができる」
第二の武器。
万が一の保険であり、伏兵。
殺せんせーのスキを突くにはぴったりだ。
「では、改めて訓練を再開する!懐に入られても、小太刀を抜けるようにしろ!」
「はい!」
烏間先生の厚意を蔑ろにはできない。
俺は、改めて刀を構えた。
烏間先生との訓練が終わり、帰り支度のために教室に戻ると、教室の一番前で力なく机に伏せている奴がいた。
そいつは、普段ならまずそうなることはない生徒だった。
俺は、そんな彼女が気になって、声をかけた。
「どうかしたのか?岡野」
「……あれ、創?」
『岡野ひなた』。
E組の女子の中で最も活発な少女が、珍しいことに沈み切っていた。
「どうしたんだ?お前がそんな風になるなんて」
「あはは…ちょっと、英語の補習がね」
「ああ…放課後の補習教室か」
殺せんせーが先週から始めた放課後の特別授業、『放課後ヌルヌル補習教室』。
小テストの成績が悪いと強制参加になるが、殺せんせーの授業はかなりわかりやすい。
多分、塾の特別講習とこっちとだと、こっちのほうがいいんじゃないだろうか?
「うん…内容はすごく解りやすいんだけど…」
「もともと英語は苦手だったんだけど……なんかもう、頭のなかがアルファベットでいっぱい……」
「英語か…俺も苦手だな」
俺も英語は得意ではない。
単純な単語やら文法だけならどうにかなるんだけど、長文になったり、複数の文法が組み合わさったりしていると全然わからなくなる。
「それで、やけになって暗殺しようとしたら、速攻でナイフ取られた上に『補習中の暗殺は禁止です!バツとしてもっと深く勉強しましょう!』って……」
うわぁ…。
確かに、岡野にとってはある意味罰かもしれない。
「私、昔から考えるよりも動くほうが好きだし、難しいこと考えると頭がごちゃごちゃしちゃって…」
岡野は確かに、殺せんせーの暗殺には積極的だ。
身のこなしも軽く、暗殺に積極的な女子の中ではやっぱり、岡野の姿をよく見る。
「もう…いっそ体育だけでいいのに……」
「いや、さすがにそれはダメだろ…」
活発な岡野にとって、机で座って行うものは相性が悪いらしい。
「でも、成績上げないと補習も続くし…ううぅ~……」
岡野はまた頭を抱えてうなり始めた。
「っっぁああぁ~っもう!考えるのはやめ!!」
バンッ!!と机をたたき岡野は叫んだ。
「こういう時は体を動かすに限る!!創も行くよ!!」
そう言って、岡野はカバンを引っ掴むと駆け出して行った。
って、俺も!?
「創、遅い!早く!!」
……今の岡野には逆らえる気がしない。
補習でだいぶイライラしてるみたいだったしな。
「ああ、今行く!!」
烏間先生の訓練で少し疲れているが、少し動く程度なら十分だろう。
俺もカバンを取り、ここ最近持ってきている竹刀袋に対先生刀と小太刀を入れ、岡野の後を追った。
「よし!とりあえずナイフ使う!創!相手よろしく!」
「あ、ああ!」
「殺せんせーにできなかった分も動くから、しっかり付き合ってよね!!」
……俺、明日筋肉痛になるんじゃないか?
ツウシンボが更新されました。
オカノ ヒナタ 1
非常に活発で、考えるよりまず行動!な女子。殺せんせーの暗殺にも積極的で、女子の中では切り込み隊長的な存在。
その分考えることは苦手な様で、放課後はよく補修を受けているようだ。
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新しく、矢田さんをリクエストする声がありました。回答ありがとうございます。
今後の予定(変更するかも)としては
中村 ツウシンボ→ビッチ先生回→矢田 ツウシンボ→中間テスト→不破 ツウシンボ→修学旅行(神崎さん ツウシンボ)
くらいに考えています。
倉橋と速水のツウシンボどこに入れよう……。