「キリトくーん!上やんくーん!」
「お兄ちゃーん!上やんくーん!」
「おっ、二人とも戻ってきたか」
スタッ!スタッ!
「パパ!お疲れ様です!とってもすごいデュエルでした!」
「ああ、ありがとう。ユイ」
「はい!」
「上やん君、お疲れ様」
「おう、ありがとよ…と言いたいところだけどアスナ、お前キリトの方に行かなくていいのかよ?」
「うん、大丈夫大丈夫、キリト君のところにはユイちゃんがいるし。そ・れ・よ・り……」
ズイッ!
アスナは恋人であるキリトの方ではなく、真っ先に上条の方へと労いの言葉をかけに行ったが、なにやら不気味な笑顔で上条の方へと詰め寄った
「あ、アスナさん?顔だけ笑っていて目が笑っていないんですが…い、一体なんでせう?」
「最後の『アレ』は一体なに?」
「・・・最後?ああ、俺の片手剣をキリトに投げ渡して二刀流で戦ってもらって俺が負けただけd…」
「嘘つくんじゃありません!私が言ってるのは上やん君が右腕を切られた時のことを言ってるの!どう考えてもあんな感覚は普通じゃありません!」
アスナの質問をどうにかはぐらかして誤魔化そうとする上条だったが、まるでアスナは小言を言う母親のように上条を問いただした
「い、いや別になんでも…」
「まぁまぁいいじゃないですかアスナさん。スキルの詮索はマナー違反ですよ?」
「それはそうかもしれないけど…」
「それにほら、後ろ後ろ」
「え?後ろって…」
「・・・・・」
「むーーー……」
「あ………」
リーファに言われ、アスナが自分の後ろに振り向くとその視線の先には複雑そうな表情をしたキリトと腕を組みながら頬をぷっくりと膨らませたユイがいた
「ママ!デュエルで頑張ったのは確かに上やんさんも一緒ですがそれでもパパを差し置いて上やんさんの方を優先するなんてダメです!」
「い、いやそれはねユイちゃん…別にママだって悪気があったわけじゃ…」
「それに!上やんさんに近づきすぎです!パパも嫉妬してます!」
「え?」
「ば、バカ!お、おかしなこと言うもんじゃないぞユイ!」
「き、キリト君…嫉妬してたの?」
「し、してない!それしきのことで嫉妬なんてしないってば!///」
「もぉ〜///それならそうと言ってくれればいいのに〜///そうすれば私だって上やん君の方より先にキリト君の方に行ってあげたのに〜///」
「だから違うんだってーー!!!」
「はいはい、2人ともごちそうさまごちそうさま。・・・はぁ〜…上やんさんもそんな風にイチャつける彼女がほしい…」
「えっ!?上やん君彼女いないの!?」
「いるわけねーだろ…もはやそんな一大イベントが来たこともねーよ…」
「へ、へぇ〜?そうなんだ〜?ふ〜ん…///」
上条の呟きを聞いて、その呟きに対してリーファが驚きとともにそんな疑問を投げた。そして彼女がいないと分かるとリーファは関心がなさそうに装いながらも、頬が赤く染まり、なにやら嬉しそうに髪の毛をいじっていた
「そうなんだもなにもそうだって言ってんだろ…不幸だ…」
「んっ!んっ!」
大学生になっても彼女いない歴=年齢という事実にがっくりと肩を落とした上条だったが、キリトが場を仕切り直そうと咳払いをした
「・・・さて、何はともあれだ。俺は今のデュエルで今自分が何をすべきなのかをしっかり見直すことが出来た。俺は…上やんと協力して世界樹を攻略する!」
「ああ、ありがとなキリト」
「えっと…それで…スグ…さっきのことなんだが…その…」
リーファに向けて言葉をかけようとするキリトだったが、そんな彼に向けてリーファは首を横に振った
「ううん、もう大丈夫だよお兄ちゃん。何も言わなくても分かるから…大丈夫」
「え?」
「あたしの方こそ…ごめんね。あんなにキツイこと言って…本当はちゃんと分かってたのに…あたしたちの関係は時間をかけてちゃんと考えたいって…そう思ってたのに…」
「スグ…」
「それなのに、あんな風に持て余した感情をただぶつけるためだけにお母さんにあたしが全部教えて貰ったことをお兄ちゃんに黙っててもらったわけじゃないのに…あたし…あんなに酷いことっ…!」
ギュッ…
自分の言ったことがどれだけ兄の心を傷つけただろうと想像したリーファの瞳から大粒の涙が溢れた。しかし、そんな彼女の身体をキリトが優しく抱きしめた
「ッ!!お兄…ちゃん…」
「もういい…もういいんだ。俺の方こそ…ごめんな。あの時からスグや家族のみんなを遠ざけてしまった…でも、SAOから戻ってきてスグの顔を見た時…素直に嬉しいと思った。数年かけて開いてしまった距離を…取り戻したいと思ったんだ…」
「だから…俺は…これからもスグと一緒に笑って…泣いて…どんな困難が立ちはだかっても、一緒に戦っていきたいと思った」
「だから…これからどんな世界でも変わらずに…俺の知ってる…俺の大好きな…どこまでも真っ直ぐなスグでいてくれ」
「うん…うん…!お兄ちゃん…大好きだよ…!」
リーファはキリトの腕の中で何度も頷くと、自分もキリトの身体に腕を回し互いに抱きしめ合った。そして変わらぬ幸せを願いながら、上条とアスナとユイの三人は抱き合う二人を温かく見守っていた