とある魔術の仮想世界[2]   作:小仏トンネル

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第53話 打開策

 

「でやあああああああっっっ!!!」

 

ズバァァァァンッ!!

 

「おらあああああああっっっ!!!」

 

バキィィィィィッ!!

 

 

世界樹の中はまさに激戦の最中であった。ドーム内のどこかでは常にガーディアン撃破時の白いエンドフレイムが発生しており、その煙を掻き分けながらキリトと上条は死にものぐるいで天蓋のゲートを目指していた

 

 

ヒュンッ!!!

 

「キリト!!」

 

「ッ!?しまっt…!」

 

「þeir slíta fimm grǿnn vindr!」

 

ビュオオオオオオッ!!!ドォンッ!

 

 

一体のガーディアンがキリトの背後から弓矢を放ち、上条はそれにいち早く気づきキリトに注意を促したが、キリトが対応するよりも早くリーファが真空攻撃魔法を発動し、風のブーメランが弓矢を弾き飛ばし、そのまま風の刃がガーディアンを切り裂いた

 

 

「助かったよスグ!」

 

「どういたしまして!」

 

「まだまだ!気合入れてくぞ!」

 

「ダメッ!上やん君!後ろ!」

 

「ゴガアアアア!!!」

 

「ッ!?クソッ!?」

 

ズバァンッッッ!!!!!

 

「ぐああああああっ!!!」

 

「上やん!無事か!?一旦俺が前に出る!下がって回復ポーションを!」

 

「す、すまん!んぐっ…ごくっ…!」

 

 

上条の背後から一体のガーディアンが迫っていたのをアスナが指摘したが、回避が間に合わず上条の身体を白銀の剣が切り裂き、傷口に赤いライトエフェクトと激痛が走った。その激痛に止むを得ず上条は前線を一旦キリトに託し、ベルトポーチから回復ポーションを取り出してHPを回復した

 

 

「もう…!上やん君にも補助魔法と回復魔法が使えれば…!」

 

ギランッ!ギランッ!

 

 

不意に二体のガーディアンが後衛にいるはずのリーファとアスナをその仮面越しに緑の眼光で睨みつけた。それはリーファとアスナを標的にしたことを意味していた

 

 

「ちょっ!?な、なんで後衛のあたし達までターゲットされてるの!?」

 

「多分、このモンスターは外のモンスターとは違うアルゴリズムが与えられてるのよ!これじゃ前衛と後衛に分ける意味が…!」

 

ガシッ!!

 

「おおおおおらあああああああああああああああああっっっ!!!!!!」

 

ブオオオオンッ!!!

 

「「!?!?」」

 

ドガアアアアアァァァァァン!!!

 

「か、上やん君!?」

 

「な、なんつー荒技を…!」

 

 

回復し、戦線に復帰した上条はリーファとアスナが標的にされたのに気づくと、最も自分の手近にいたガーディアンの首根っこを掴むと、雄叫びと共に力任せに投げ飛ばした。そのガーディアンを二体のガーディアンに正面衝突させ、三体もろとも撃墜した

 

 

「大丈夫か2人とも!?」

 

「う、うん!ありがとう!でも私たちは大丈夫だから!標的にされた分には自分たちで何とかするから!上やん君は早く上に…!」

 

「すまん!そうしてくれると助かる!それなら俺は上に…ッ!?」

 

「か、上やん…アレ………」

 

 

うじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ………

 

 

「・・・流石に冗談抜きで気色悪いぜ…」

 

 

ひたすらに上を目指すキリトと上条が目の当たりにしたのは、天蓋へと続く道を覆い尽くさんばかりのガーディアンだった。もはやそれは壁と称するべき物だった。純白の鎧が幾重にも重なり、もはや天蓋に付けられたドーム内を照らすライトの光さえも届かず、上条達の周囲は不気味なほどに薄暗くなっていた

 

 

「こ、こんなの…こんなのもうどうしようもないじゃない…」

 

「で、でもここで諦める訳には…!」

 

「で、でも!一体全体この状況でなにをどうしろって言うんですかアスナさん!?ただでさえここは室内で一本しか道はないのに!あんな風に一面埋めつくされたらどんな凄い勢いでぶつかっても途中で勢いが殺され…ッ!?」

 

 

眼前に広がる光景に絶望し、アスナの励ましがもはや気休め程度にしか感じなかったリーファは捲したてるように言葉を放ったが、その途中で何かに気づいて驚いたような顔で口を噤んだ

 

 

「・・・リーファ…ちゃん?」

 

「・・・この一本道を進むしかない以上はどうしてもあの壁に阻まれる…要するにあの壁に突っ込む以上もう勢いしか突破口がない…でも、それは裏を返せば勢いさえあれば…!」

 

 

最初はその顔を俯かせていたリーファだったが、口に手を当て様々な思考を巡らせ、まるで呪文のように次々に何かを呟いた。そしてその呟き収束していくにつれ、俯いた顔が段々と上を向いていき、完全に顔を上げた彼女の中で何かが閃いた

 

 

「お兄ちゃん!上やん君!一旦下がって!考えがあるの!」

 

「分かった!すぐ行く!」

 

「えっ!?お、おう分かった!」

 

「アスナさん!火属性系の魔法スキル上げてますか!?」

 

「え?ま、まぁサラマンダーほどの威力は出せないけどそれなりには…」

 

「・・・よし、もうそれしかない…」

 

ヒュンッ!

 

「来たぜリーファ!」

 

「スグ!考えってのは一体どんなのだ!?」

 

「それは…」

 

 

リーファの傍に集まった4人は彼女の考えた作戦を聞く為に背中合わせで密着した。そして目の前に迫ったガーディアンだけを倒しながら、リーファは自分の考えた作戦を口早に説明した

 

 

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