とある魔術の仮想世界[2]   作:小仏トンネル

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第61話 忘れられぬ日

 

パチパチパチパチパチパチ!!!

 

「や、どーもどーも…」

 

 

壇上に上がった上条を迎えたのは会場にいる約300人からの熱烈なまでの拍手だった。上条が舞台の中心に立つと、頭上の照明が彼にスポットライトを当てた

 

 

「ほら上条、コップとマイク」

 

「あ、サンキューリズ…てか久しぶりだな。こんなとこで会えるなんてビックリっつーか…」

 

「はいはい!そういうのは後よ後!早くなさいよみんな待ちくたびれてるわよ!」

 

「い、いやでも上条さん本当にこういうことやったことないから何をどうしたらいいか分からないんでせうが…」

 

「んなもん適当でいいのよ。さ!シャキッとなさい!頼むわよ!」

 

「・・・マジか…」

 

 

上条は半ば自暴自棄になりかけながらも決意を固めると、喉を鳴らしてリズに手渡されたマイクをスタンドに付け、口を開いた

 

 

『えーー…たった今紹介いただきました上条当麻です…』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!

 

「ヒューヒュー!」「待ってましたー!」「シャキッとしろー!」「一発頼むぞー!」

 

『ははは…実を言うとこの段取りとか全く聞いてなくて本当に無茶振りもいいとこで…すっげぇ緊張してます…』

 

『でも折角の友人の気遣いもあるんで、俺もその期待に応えたいと思います』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!

 

『ありがとうございます。それじゃあ一言だけ…』

 

『・・・俺たちは、あのデスゲームから生きて帰りました。SAOで過ごした約2年間は…みんな人それぞれだと思います』

 

『勇敢に武器を取って最前線で戦い続けた人、いつかは最前線で戦うことを夢見て中層のダンジョンを攻略し続けた人、安全圏内の街に留まった人、鍛冶屋や道具屋を営んで多くのプレイヤーを手助けした人…本当に色んな人がいると思います』

 

『俺は、もしこの中の誰か1人でも欠けてたら、あのゲームはクリア出来てなかったんじゃないかって…そう思う』

 

『俺はゲームクリアの立役者なんかじゃない。ゲームをクリアしたのは、あの2年間を一丸になって生き延びたここにいるみんなと、死んでいったみんなの力と願いなんだ!』

 

『俺たちは忘れちゃダメなんだ!あの仮想世界で過ごした2年間は紛れもなく!俺たちにとってもう一つの現実だったんだ!』

 

『だから…仮想世界で俺たちが強く生きたように、これから先の現実でも強く生きよう!死んでいった仲間の分も含めて…精一杯生きていこう!』

 

『俺は…みんなと一緒に戦えたことを、一生忘れず、誇りに思う』

 

『今日は今まで続いた2年間の!最も忘れられない思い出の日にしよう!』

 

『みんな…本当にありがとう!』

 

 

 

 

『かんぱーーーい!!!!!!』

 

 

 

 

 

「「「かんぱーーーい!!!」」」

 

ガチャガチャガチン!キンキンキン!

 

 

上条が右手にもったグラスを高く掲げると、その乾杯の音頭を皮切りに会場の人々のグラスがぶつかり合う音があっという間に会場中で反響し、喉を潤す音が会場を包んだ

 

 

「ぷはぁー!」「美味ぇー!」「さぁ飯だ飯ー!」「食うぞー!」

 

ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ…

 

 

 

「だぁー…死ぬかと思った…水だ水…ゴクッ……げっ…これシャンパンじゃねぇか…不っ味いな…」

 

 

無茶振りを終えた上条は安心と共に全身を脱力させ、舞台袖にはけながらグラスに注がれたシャンパンを飲んだ

 

 

「お疲れ様上条。名演説をどうもね」

 

「おおリズ…ありがとよ…でもあんなの二度とゴメンだ…」

 

「もぉー、しっかりなさいよ。こっちの世界じゃリズベットじゃなくて篠崎里香なんだから」

 

「あ、そうか…じゃあ…えっと…」

 

「『里香』でいいわよ面倒だし。今さら呼ばれ方なんて気にする歳じゃないわよ」

 

「そっか…じゃあ里香。改めて久しぶりだな。会えて嬉しいぜ。最初に司会で名乗ってない時は誰か分かんなかったけど」

 

「私の方こそまたアンタに会えて嬉しいわよ。そうね…まあSAOじゃ髪の色がピンクだったし分かんなくて当然っちゃ当然よ。ほら!そんなことよりさっさと下降りましょうよ!美味しい料理とみんなが待ってるわよ!」

 

ガシッ!ダッ!

 

「おわっ!?ちょっリズ!そんな引っ張るなって!」

 

「だから里香!いい加減覚えなさいって!」

 

 

そう言って里香は上条の手を強引に引っ張り、舞台袖の階段を駆け下りると、パーティー会場を自由に回り始めた

 

 

「えっと…上条、アンタ誰かツレとか連れてきたの?」

 

「え?あー、ツレって訳じゃないんだけど…ここまで来るのに途中で合流した美琴が…」

 

「あ、いたいた!おーい!リズー!」

 

「へ?あー!!ミコトー!!」

 

 

上条と里香から少し離れたところから手を振りながら美琴が走って来た。そして里香と再会するなり両手を繋ぎ再会を喜んだ

 

 

「もー!ビックリしたわよリズー!いるかいないかってことを考えてたらいきなり舞台に司会で出て来るんだから!あ、ここでリズは失礼よね。改めて会えて嬉しいわ里香!」

 

「私も会えて嬉しいわよ美琴!覚えててくれてありがとう!」

 

「もぉー!心配しなくたって里香みたいな破天荒なヤツ忘れようとしても忘れられないわよー!」

 

「それ褒めてないわよね!?」

 

「やれやれ、とりあえず合流したか…さて、他に会いたいヤツもいるにはいるんだが…果たして上条さんが会いたいヤツはこの会場にいるもんなんですかね…」

 

「上やんさん!」

 

「ん?あっ!!ひょっとして…シリカか!?」

 

「はい!お久しぶりです!SAOではピナと一緒にお世話になりました!」

 

 

上条は自分が声をかけられた方向に振り向いた。するとそこには第47層の思い出の丘で共に冒険した少女であるシリカこと綾野珪子がいた

 

 

「懐かしいなー!あれから元気にしてたか!?」

 

「はい!何もかも上やんさんのおかげです!」

 

「いやいや、俺は何もしてないよ。えーっと…確か名前は……あぁぁぁ〜…」

 

「えっ!?ひょっとして覚えてくれてないんですか!?私は上やんさんの名前覚えてますよ!?上条さんですよね!?」

 

「あ、あー大丈夫だ思い出すから!えーっと…」

 

「綾野珪子よ。上条」

 

 

必死に頭を捻り、思い出を掘り返す上条にリズがシリカの本名を告げ、助け舟を出した

 

 

「あっ!あーそうだそうだ思い出した!…ってあれ?なんでリズがシリカの名前を…」

 

「私たちは学校で知り合ったのよ」

 

「学校?ああ、学校に通えなかったSAO生還者達の為に学園都市に新しく作られたっていうあれか?」

 

「そ。第七学区に新しく学校を建設して、日本中のSAOに参加していた学生が通う学校よ。私と珪子は元は学園都市の学生じゃなかったけど、その学校に通うようになって知り合ったのよ。とりあえず通えば高校卒業資格くれるってんだから儲けもんよね。まぁどうせ学園都市に来たなら能力開発の一つぐらい受けてみたかった気持ちもなくはないけど…贅沢は言えたもんじゃないわね」

 

「いーのいーの能力開発なんて。そんなもん受けたところでどーせロクな人間になりゃしないんだから」

 

「その理屈でいくと、みこっちゃんもロクな人間じゃないってことになるナ」

 

「あぁ!?何ですって!?てか一体誰よそこのチビ!」

 

「おーおー、ひどいじゃないかみこっちゃん。みこっちゃんに忘れられるなんてオネーサン悲しくて泣いちゃうゾ?」

 

「!?そ、その呼び方…それに無駄に神経を逆撫でするムカつく口調と喋り方…!アンタまさか…アルゴ!?」

 

「ご名答。流石は血盟騎士団副団長様であり学園都市序列第3位の『超電磁砲』だな、みこっちゃん」

 

 

4人の輪にいる美琴の背後から声をかけたどこか大人びた雰囲気を醸し出す彼女は、SAOではその確かな情報網と腕前で個人の情報屋を営んでいた「鼠のアルゴ」だった

 

 

「アンタ…SAOじゃずっとローブにフードだったから分かんなかったけど…現実じゃそんなナリしてたのね…」

 

「まぁオレっちはSAOじゃ素顔を全部晒したことはなかったからナ。やぁ上やん、元気にしてたカ?」

 

「よおアルゴ。SAOじゃ随分と世話になったな。再会出来て嬉しいぜ」

 

「上やんの方も相変わらず元気そうで何よりだヨ。どうやら仮想世界でも現実世界でも相変わらず女の子をはべらせているみたいだナ」

 

「その表現はなんか語弊があるんだが!?…あれ?でも俺そう言えばアルゴの本名知らねーんだけど…」

 

「まぁそこはオネーサンのプライベートだからナ。極秘中の極秘ダ。おそらく私の本当の名前を知ってる人間はここには誰もいないヨ。それよりホラ。面白いのを連れて来てやったゾ?」

 

「あ?面白いのって…」

 

「よぉ!上やん!ミコト!」

 

「おーっす!上の字!そして淑女の諸君!」

 

「あー!エギルじゃねーか!それとその隣にいるダッサいバンダナと野武士面の冴えないオッサンはクラインだよな!?」

 

「なんか俺登場しただけでめっちゃディスられてねぇ!?」

 

「つーか『淑女の諸君』って言葉の意味が相反してるからな…バカ丸出しだぞクライン」

 

「まー細けえこたぁ気にしなくていーんだよエギル!」

 

 

アルゴが後ろ指で刺した先から来たのはSAO時代で上条が度々世話になっていたエギルと、上条の悪友であり、攻略ギルド風林火山のリーダーのクラインだった

 

 

「いやー!お前らもパーティー会場ここだったのか!こうしてまた会えて嬉しいぜ!」

 

「なに、お前の方こそいい演説だったぞ。クラインなんていい歳こいて感動して泣いてたからな」

 

「ちょーっ!?エギルそれ言うんじゃねーって!」

 

「あっはっは!相変わらずだな。そうだ、まだ2人の名前聞いてねぇや。なんてんだ?」

 

「あぁ、俺は『アンドリュー・ギルバート・ミルズ』だ」

 

「俺は『壷井 遼太郎』ってんだ。淑女の皆様、以後お見知りおきを」

 

「あーー…やっぱお前らは面倒だからエギルとクラインでいーや…」

 

「ひでぇな!?」

 

「ははは、まぁ俺の場合は仕方ねーな。改めてよろしくな上条」

 

「おう、よろしくなエギル。クラインも」

 

「それはそーと上の字!オメーはミコトという存在がありながらなんでこんなたくさんの女子に囲まれてんだよ!?」

 

「はぁ?別に上条さんだって好きでこうしてる訳じゃねーよ。それに美琴というものって言ってもお前な、美琴は別に俺の物じゃねーし、俺も別に美琴の物じゃねーっての」

 

「問答無用だぁ!オメェももう大学生だろ!酒の味の一つや二つぐらい覚えろ!こっから先オメェは男だらけの酒飲み大会だ!!」

 

「ほら!行くぞ上条!まぁ男同士仲良くやろーや!」

 

「えっ!?ちょっ!?男だらけて!?嫌だあぁぁぁ!!だったら上条さん女の子と一緒にいたいぃぃぃ!!うわあああぁぁぁ!!!」

 

ズルズルズルズル…

 

 

2人のおっさんに引きずられながら、上条の断末魔はやがてパーティー会場の喧騒の中に消えていき、後には4人の女性陣が残された

 

 

「全く…本当男ってバカばっか…」

 

「まぁいいじゃないのよ美琴!きっとアイツらだって再会が嬉しいのよ!」

 

「そうですよ!さぁ!私たちもじゃんじゃん飲んで食べましょう!」

 

「そうだぞみこっちゃん。早くしないとゲコ太チョコなくなっちゃうゾ?」

 

「ええっ!?ゲコ太チョコ!?どこどこ!?」

 

「・・・みこっちゃんはファンシー物好きだって情報は本当だったのカ」

 

「はっ!?べ、別に違うわよ!てかアンタそれどこで知ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

「上やんから500コルで」

 

「アイッツゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「うぇ…気持ち悪ぃ…クラインのやつ…未成年に大人の自分が酔うまで酒に付き合わせるかよ普通…」

 

 

あれからクラインとエギルとともにまだ法律上飲むことを許されない酒に付き合わされた上条は、酔いを覚まそうと風に当たる為にパーティー会場からバルコニーへと出ていた

 

 

「うううぅぅぅ…気持ち悪ぃ…」

 

「・・・あァ?」

 

「・・・えぇ?……あっ…」

 

「酔っ払いのクソ野郎が舞い込んできたかと思えば…ヒーローじゃねェか」

 

「一方…通行…?」

 

 

バルコニーの柵に寄りかかってうなだれる上条に声をかけたのは、缶コーヒーを片手にベンチに腰掛けていた学園都市第1位の能力者、一方通行だった

 

 

「こんなとこで何してんだよ?パーティー会場入んねぇのか?」

 

「あァ?バカかオマエ?俺がああいう場所に溶け込めるツラに見えンのかよ?第一ここに来たのだって不本意だ。家主とクソガキが強引に俺を家から叩き出したンだよォ」

 

「・・・そうか…とりあえずは礼を言うよ。SAOでは俺たちと一緒に戦ってくれてありがとな。現実でまた会えて…って言ってもまぁ…お前は元から学園都市の住人だからな…まぁこうしてまた現実で会えて嬉しいよ」

 

「ハッ…死ぬまで言ってろ。言っとくが俺は礼なンて言わねェぞ。大体…」

 

「あっ!いたいた。ちょっとアンタ!一体こんなとこで何…して…」

 

「あ……美琴……」

 

「一方通行…」

 

「・・・オリジナルか」

 

 

上条の居場所を探していたのであろう美琴が会場からバルコニーへと出て来た。そして彼女は一方通行の顔を見るなり複雑な表情になり、三人を包む空気にしばしの沈黙が流れた

 

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・え、えーっと…い、いいお天気ですねー…なんて…」

 

「黙っとけ。酒臭ェンだよ酔っ払いが。第一オマエまだ未成年だろォが。ヒーローが犯罪なンてやらかしてンじゃn…」

 

「なら、クローンを一万人殺すのは犯罪にならないって?」

 

「・・・・・」

 

「お、おい美琴…」

 

「アンタは黙ってて」

 

 

そう言われ上条は固唾を飲んで2人を見守ることにした。彼の目に移る2人の表情はどちらも無表情であり、その表情の奥に隠されている感情を読み取ることが出来なかった

 

 

「・・・あァそうだ。俺は平気な顔で罪を犯すヤツだ。俺はそこの酔っ払いと違って『ヒーロー』じゃねェ。別に誰を殺そうが俺は…」

 

「許してないわよ」

 

「・・・・・」

 

「私、許してないから。アンタのこと。これから先も…アンタだけは許すことはないと思う」

 

「・・・・・」

 

「でも、一つだけ分かったことがある」

 

「あァ?」

 

「アンタは…あの子達を殺したことを罪だと認めて、罪を償おうとしてる。それが自己満足だって自分に言い聞かせてるけど、あの時は間違いなく、私を守る為に必死になって戦ってくれた」

 

「・・・・・」

 

「だから…許す訳じゃない。でも、アンタが背負い込んでる罪と罪悪感に…ほんの少しでも私の分が含まれてるなら…その罪と罪悪感は、もう背負ってくれなくていい」

 

「・・・・・」

 

「だから…これだけは言っておくわ。あの75層の最後の戦いで…私と一緒に戦ってくれて…私のことを守ってくれて…ありがとう」

 

 

そう礼を言って美琴はほんの数秒だけ頭を下げ、髪をかきあげながら頭を上げると、再び一方通行の顔に視線を戻した

 

 

「・・・ったく、ここには聖人しかいねェのかよ…辛気臭ェったらねェな」

 

「・・・・・」

 

「言っとくが、俺は別にオマエの為に戦った訳じゃねェ。ただお守りの面倒くせェクソガキと訳分かンねぇ花女とかその辺のヤツと面倒な約束をしただけだ。言ってみりゃオマエはオマケだ。オマケ」

 

「ふっ…あっそ…じゃ、そういうことにしといてあげるわ」

 

「あァ?そういうことにしとくも何もそういうことでしかねェだろうが」

 

「はーいはい分かった分かった。私も自分が素直じゃないって自覚はしてるつもりだけど…アンタも相当ね。その気持ち分からなくもないから安心なさい」

 

「・・・チッ…どいつもこいつも…」

 

 

そう言って一方通行はガシガシと頭を乱暴に掻き毟り、右手で杖を掴むとベンチから立ち上がった

 

 

「え?どこ行くんだよ一方通行」

 

「帰ンだよ。見て分かンねェのか」

 

「いいのか?少しぐらいみんなと話しても…」

 

「いいっつってンだろ。俺は別に飯にたかりに来たわけでもねェし、再会を喜ぶ相手なンていねェよ」

 

「そっか…」

 

「・・・だけどまァ…」

 

「?」

 

「・・・一番見てェ顔が見れた。それだけで充分だ。もうここに用はねェ」

 

「あばよ…上条当麻。御坂美琴」

 

「「!?!?!?」」

 

「・・・チッ。あああぁぁぁダリィ…最低の気分だクソが…帰ってコーヒーでも飲み直すかなァ…」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

 

 

そう最後に悪態を吐くと、一方通行は杖をつきながら歩き始め、バルコニーから姿を消した。そんな見えなくなった彼の後ろ姿を、上条当麻と御坂美琴はしばらく見つめ続けていた

 

 

「・・・全く…あいつも本当に素直じゃないわね…」

 

「本当だな…でも、アレが一方通行なりの優しさなんだよ。きっと」

 

「・・・そうね」

 

 

美琴は上条の言葉に静かに頷くと、そっと目を閉じて微かにその頬を綻ばさせた

 

 

「ちょっとー!探しに行った人が戻らないでどうすんのよ美琴ー!!」

 

「あーごめーん!すぐ戻るからー!」

 

「独り占めなんて感心しないゾー」

 

「言っておきますけどー!私も上条さんのことは譲らないですからねー!美琴さーん!」

 

「うるっさい早よ戻らんかい!///」

 

「はは、みんな元気一杯だな」

 

「本当…誰のせいなんだか…」

 

「え?誰のせいってなんだ?」

 

「何でもないわよ。ほら、さっさと戻るわよ。ほら、アンタのツレも呼んでるわよ」

 

「え………」

 

「うぇ〜〜い上の字ー!?まだまだ酒は有り余ってんぞ〜!今度は女性陣の前で飲み比べだ〜負けねぇぞ〜!?」

 

「ほら来い上条!現役バーテンダーの俺が特別にバーボンのロックを入れてやるぞ!」

 

「い、嫌だ…もう酒はいい…」

 

「ほら、早く行くわよ!今日を一番忘れられない日にするんでしょ!?」

 

「酒の飲み過ぎで全部忘れちまいますよーーーー!?あーもーーー!!!」

 

 

 

「不幸ーーーだーーー!!!!!」

 

 

 

こうして美琴に引きずられながら上条はパーティー会場に戻され宴の続きを楽しんだ。その後、夜更けまで続いたパーティーは上条当麻にとっても、同じSAOで生きた仲間達にとっても、決して忘れられぬ日となった

 

 

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