「・・・やっぱり土御門が言ってたことは本当ってことなんだよな…SAOとほぼ同じサーバーを使ってるから俺のステータスもSAO当初の物に限りなく近いんだろうし…でも一体どこからどうやってこのデータが引っ張られて来たんだ?」
上条は自分のステータスウィンドウをじっくりと見つめながら様々な思考を巡らせていた
「まぁ、そこはこの際気にしなくていいか。原因究明は今すぐにやるべきことじゃないし…何よりみんなを助ける為にこの世界に来たならむしろ最初っからこのステータスは好都合だ」
「そういやこの世界での俺のアバターの容姿は結局どうなったんだ?アイテムに鏡かなんかがあれば……ってなんじゃこりゃ…」
上条が自分のアイテム欄を開くと、そこには「?????」と表記されたアイテムが数えきれないほどズラリと並んでいた
「えっと…こりゃ一体どういうことだ?最初にゲームを始めた時はみんなこうなってる…ってそんなわけないだろうし…アイテムだけじゃなくて装備も同じ始末か…まぁいいや、コイツも後回しだ」
「今の装備は…バリバリの初期装備だな…出来ればそれこそスキルだけじゃなくSAOの時の装備があって欲しかったんだが…まぁそれが普通だし贅沢は言えないな。今俺が背中に背負ってる武器も初期の片手剣って感じか…よし、OK」
そう言うと上条は多少投げやりになりながらも自分の現状を把握できたと踏み、自分のメニューを閉じた
「さて、と…なんだかんだでここがどの辺なのかは分からず終いだな…手っ取り早く済ますにはどっかのプレイヤーに話を聞くのがベストなんだが…こんな森の中にそう都合よく誰かがいるはずもないよn…」
ドゴオオオオォォォォン!!!!!
「のわっ!?なんだ!?爆発?」
上条から見て約100メートル先の北東の方向から爆発音が聞こえたかと思えば、黒煙がモクモクと地から天へと向かって狼煙のように上がっていた
「・・・ひょっとして誰かがあそこにいんのか?…よし、物は試しだ。いっちょ行ってるか」
そう行って上条当麻は煙の上がっている方向へ颯爽と駆け出した
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「ええい!もうしつこい!!!」
一方その頃、謎の煙が上がっていた現場では間一髪で爆発系魔法を回避した緑を基調とした風妖精『シルフ』の姿をした金髪の女の子のプレイヤーが、赤を基調とした火妖精族『サラマンダー』のプレイヤー三人を相手に奮闘していた
「しつこいのは君の方じゃないのかな?こっちは金と目ぼしいアイテムを置いていけば見逃してやるって言ってんのに」
「『死亡罰則』負うぐらいだったらそっちの方がよっぽど懸命だと思うぞ〜?」
サラマンダーの内の二人がシルフの女の子に向けて問いかけるが、シルフの女の子は鋭い目付きのままサラマンダーを睨みつけてこう言った
「却下!死亡罰則なんて別に惜しくない!レコンを殺ってくれた報復として最低でもあと1人道連れにしてやるから覚悟しなさい!」
「でも君、もう詰めじゃない?ほら、後ろ」
「ッ!!」
気がつけば、戦いながらも後退を続けていたシルフの女の子の後ろには大木がそびえ立っており、もう退路がなくなっていた
「へへへっ、悪く思うなよ嬢ちゃん?こっちの提案を聞き入れなかった君が悪いんだからな」
「さぁ、いい声で鳴いてくれよ〜?」
「くっ…!この変態サラマンダーども…!」
シルフの女の子は懸命に剣を三人のサラマンダーに向けて構えるが、サラマンダーは少女の剣など気にすることなく、じわじわと距離を詰めにじり寄ってくる。そして少女に向けて飛び交かろうとしたまさにその瞬間…
「どいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてくれー!!!!!!!」
「「「「え?」」」」
ゴッチィィィィィィン!!!〜☆
「のわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
何やらゴ○ブリ顔負けの素早さを誇る音速の黒い塊が何かを叫びながらサラマンダーの一人に激突した。サラマンダーは堪らずゆうに5メートルはぶっ飛ばされ、激突の現場では土煙が舞っており、土煙の中から人っぽい物がのらりくらりと立ち上がった
「痛ててててて…こ、こりゃ敏捷の上げすぎも考えモンだな…何よりまだゲームに慣れてないのにスピードなんて出しすぎていいモンじゃない…止まり方も満足に分かんねぇってのに…」
「おい!一体誰だテメー!」
「おぅ?」
「痛ってーじゃねーかそこのツンツン頭!俺様に向けて頭突きとはいい度胸だなぁ!?」
「い、いや違うんだって!俺はただプレイヤーがいたらゲームのことを教えてもらおうと思っt…んっ?えっ?待ってくれ、今なんて言った?ツンツン頭?」
「だからそれはテメーのことだ!このツンツン頭!」
ぶっ飛ばされたサラマンダーが槍の先端を上条に向けてブチ切れながら彼をツンツン頭だと揶揄した。それを聞くと上条は頭をガックリと落とした
「とほほ…ひょ、ひょっとして俺はまた現実と全く同じ容姿のプレイヤーになってんのか…俺は一体どれだけ見ず知らずの人にプライベートを晒せばいいんだ…不幸だ…」
「おい!訳分かんねーこと言ってんじゃねーぞ!邪魔するってんなら初心者と言えど容赦しねーぞ!」
「え?いや、邪魔って…そんなつもりは…」
サラマンダーの1人にそう言われて周りの状況をぐるりと見回す。1人の少女を木に追いやり、それを大の大人の男三人が取り囲む。それがどんな状況かを察するのは上条にとってそう難しいことではなかった
「なるほど、なるほど。状況はなんとな〜く分かりましたよ」
「何してるの!?早く逃げて!」
シルフの女の子が自分の身の心配よりも上条を心配して逃げるように促した。それだけ聞けば上条は自分がどうあるべきか心に決めていた
「いやいや、重戦士三人で女の子一人に襲いかかるとは…ちょっとカッコ悪いんじゃございませんのこと?」
「んだとぉテメエ!?」
「初心者が舐めた口聞きやがって!」
「女の子の盾になってカッコつけていい気になってんだったらテメエ切り刻むぞ!」
「バカか。カッコつけててもカッコつけなくても、今にも負けそうな女の子を守る側に立てりゃ、それで死んでもこっちは本望なんだよ」
「!!!!!」
そう言ってツンツン頭の少年は右手の拳を握りしめ、サラマンダー三人に向けて啖呵を切った