ありふれた転生者の異世界巡り   作:折れたサンティの槍

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この小説、"筆者が書きたいと思っている話"の都合で、"とある地点"から一気に時間が飛びます。
黒幕にはサクッと逝ってもらいます。

上の文を分かる人には分かる風に例えると、
第一特異点修復後から、一気に終局特異点の黒幕辺りまで飛びます。
黒幕には(『晩鐘EX Lv10』使用後の『死告天使』くらったラフム並みに)サクッと逝ってもらいます。



……だってマジで《ありふれた〜》の全話分書こうと思ったら、1年は書き続けなきゃいけなくなるだろうし、そうすると書きたい話書ける様になるまで遠いし、"ある地点"以降のオリ主の動きを考えるのがぶっちゃけめんどくさい。
《佐々木小次郎もどき》も書いてるし、他の妄想も書きたい。

この小説を読み続けるのならその点を注意して下さい、よろしくお願いします。

もう少し剣式のマテリアルを読んでおけば良かったなと思った午前2時。
ついさっきマテリアル読んだら書きたいと思った事が少し増えたので、自分が最初考えていた展開よりも、もう少し面白くなるかも。
本文の二人の会話部分を加筆修正。
後書きにも加筆。

本文を少し修正&後書きを大きく修正。
今後の展開に大きな変更はありません。

サブタイトル変更……馴れ初めで合ってるな、うん。


プロローグ2 『南雲ハジメの"馴れ初め回想"』

side ハジメ

 

 

僕と《彼女》との奇妙な関係が始まったのは何週間か前、家から自転車で大体10分程の場所にあり様々な店や食事処が各階に存在するビル、の中にあるそこそこ広めの本屋、の中のライトノベルコーナーでのとある出来事からだ………その時まではまだ、少なくとも自分は彼女に関しては、"珍しい服装で学校に来る女子生徒"くらいにしか思っていなかった。

 

その日は確か自分が良く読んでいるラノベの新刊発売日だった。

新刊が売り切れている事無くホクホク顔でレジに並びに行こうと思いながら、何となしに他のラノベが置いてある棚の方を向いてみたら……なんと《彼女》がいた。

こんな場所でも周りの視線に構う事なく着物を着て、うーんと唸りながらラノベの棚を物色している《彼女》を見て思わず

 

「ヒョッ!?」

 

という声が出た。

 

《彼女》の名前は《両儀四季》といい、学校で女神と呼ばれている女子の一人にして、自分が殺気の込められた視線を浴びる一因となってしまっている女子生徒だ。

 

いつも高そうな車で登下校をしており、制服着用が義務づけられている僕らの学校で、両儀さんは体育の授業以外では常に着物(後に本人から聞いた事だが、アレは正式な着物ではなく、浴衣の様な単衣の着物らしい)を着て授業を受けている。

最近は女子の体育着である赤いジャージを、上着として羽織っている。

学校側は両儀家から金銭的支援をしてもらっているからか、それを黙認している。

 

両儀さんは外見も内面も物凄く綺麗だ。

それこそ女神と呼ばれるほどに。

もちろん男子たちは放って置く事は無く、ちょっかいをかける者もいれば、告白した勇気ある者もいる。

しかし、他人に興味無さげな彼女はそれらをやんわりと躱し、断っている。

……一度、剣道部の部長が気の迷いからか「俺が勝ったら付き合って貰う!」などと言って、廊下で歩いていた両儀さんに対して竹刀防具フル装備で勝負を仕掛けたけど、一瞬で近づいた両儀さんの「物騒な話ね」という一言と共に放たれた掌底が部長の側頭部にぶつけられ、あえなく撃沈したなんて事もあったが、つよい(小並感)。

 

『どこか浮世離れした様な空気感を纏い、アンニュイでありながら、"少女的な活発さを持つ白崎さん"とは違う"大人の女性的な穏やかさ"を持つ(しかしやる時はやる)和服美女』というのが、学校にいる人間から見た彼女の姿だ。

 

僕もそんな風に思っていたからこそ驚き戸惑ったのだ。

『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』という言葉を体現したかの様なあの(・・)両儀さんが、何故ライトノベルコーナーを物色しているのか、と。

 

「?……あら」

 

僕の『《狂戦士の魂》でオーバーキルされた虫野郎』みたいな奇声が聞こえてしまったのか、彼女はこちらに振り返り、僕を見つけてしまった。

 

「こんにちは、えっと、確かナグモくん……で良かったかしら」

「あ、はい、えっと、こ、こんにちは、両儀さん」

 

うわっ、僕の返答気持ち悪すぎ……?

と思いながら固まっていると、彼女が僕の持っているラノベを指差しながら言った。

 

「ナグモくんの持っているその本って、その……ライトノベル、よね?」

「え、あ、ああうん、そうだよ」

 

手先も綺麗だなぁと思いながらも答える……幸い僕が持っていたのは表紙がいかがわしくないものだった。

良くやった、さっきまでの僕。

 

「……ナグモくんって、こういうの、結構知っている方?」

「うん、まぁ、結構?」

 

何故か疑問形で答えた自分を、次の瞬間呪った。

うわあああなんで正直に答えちゃうかなこんな風に答えたら両儀さんにもキモオタとか思われちゃうよ引かれたら僕もう学校行かずに両親の仕事現場で働くんだ……。

 

なんて思った次の瞬間、

 

 

 

 

 

花が咲いたかの様に笑う"少女"が、僕の手を両手で包み込む様に握り、顔を近づけてきた。

 

「そうなの?良かった!実はこういう本に少し興味があって、でもどれが良いのか分からなかったの。ナグモくんのお勧めがあったら教えてくれないかしら」

 

両儀さん以外と掌硬いんですね、スポーツか何かやっていらっしゃるのですか?

あとそんな風に笑えるんですね、瞳がキラキラ輝いていてとっても可愛いらしいです。

あと顔と体が近い近い近い綺麗近い近いなんか良い香りがする近い!

 

「う、うん、良いよ。とりあえず、僕のお勧めは___」

 

両儀さんを自分から離しながらなんとかそう返し、彼女を連れながら歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから僕と彼女の不思議な関係が始まった。

 

学校では、周りの生徒たちの僕の扱いを理解してくれていたからか不干渉でいてくれて、

学校が終わった後や休日に、僕の家に迎い入れて一緒にアニメを観たり、彼女の家にお邪魔して着物や剣術を見せて貰ったりして。

最初は僕を警戒していたらしい彼女の家族は彼女と話している僕を見て、僕が彼女を無理矢理襲ったり出来ないヘタレだと知ったからか歓迎してくれる様になった。

 

彼女と話す様になってからいろんな彼女を見てきた。

綺麗な着物を着た、大人の女性の様な綺麗な彼女も。

アニメやラノベを見る時に目を輝かせる、幼い女の子みたいな可愛いらしい彼女も。

物憂げな表情で自分の事を語った彼女も。

 

だからこそ僕は彼女の事を本当に好きになった。

まあでも僕なんかじゃ彼女にはふさわしくないし、何より彼女にとって僕は、良くて"友達"止まりだろうからもう諦めているけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……だからご家族の皆様、歓迎してくれる時に「娘の婿候補が来てくれたぜ……!」みたいな期待のこもった凶暴な笑みを向けてくるのはやめて下さい(プレッシャーで潰れて)死んでしまいます。




型月作品がこの世界に無い事を知ったオリ主が、「しょうがないから他に面白そうなラノベとか無いかなぁ」と思いながらラノベ棚をウロウロしていたものの本気でどれが良いのか分からなかった時に偶然、普段から学校で"キモオタ"と馬鹿にされていたハジメに遭遇。
ラノベの事とか良く知っていそうなのと、オリ主が個人的にハジメに気になっていたのもあって接触してみた……というのがオリ主にとっての、ハジメとの友好関係の始まり。

その後も付き合いが長いのは、言葉を交わした事でハジメが"良い人・優しい人"だと分かったから。

オリ主がハジメを家に招待していたりする理由は、そうしても良いと思った程ハジメに危険を感じなかったから。
今世での初めての友だちでテンションが舞い上がっていたのもある。



次回予告
・光輝がウザいというよりキモい
・両儀さんに負けない様にがんばる! by白崎香織
・日常崩壊

そんな感じ

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