TS転生したからロールプレイを愉しむ   作:ドスコイ

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皆さま明けましておめでとうございます、本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。



次章予告

 

━━十年と言う歳月は良かれ悪しかれ人を変えるには十分過ぎる時間だ━━

 

 

「――――大の男が情けないにも程があるね」

 

 空から聞こえた軽蔑しきった声に全員の視線が上を向く。

 建物の屋上、その縁に月光を背負い佇む影が一つ。

 

「これ以上の醜態を晒す前に腹を切る事をお勧めするよ」

 

 三人を庇うように影が降り立つ。

 フード付きの外套を纏っているせいでその表情は窺えないが、不快感を露わにしているのが分かる。

 

「ま、君らのような手合いに言葉は意味を成さないんだろうけど」

「誰だテメェ!?」

 

 憤る男達と突然の事で呆気に取られる少女達。

 そんな彼らの耳にキィン、と澄んだ音が響いたかと思うと――――

 

「んな!?」

 

 男達の得物、そして身に纏っていた防具や衣服がバラバラに切り刻まれたのだ。

 

「これは警告。次はその首を貰う」

 

 殺意が乗せられたその言葉に男達は一瞬唖然とし、直ぐに蜘蛛の子を散らしたようにこの場から逃げ去った。

 

「ふぅ。怪我は……うん、無いみたいだね」

「あ、ああはい。えっと、ありがとうございます!」

 

 一番早くに立ち直ったマリーが頭を下げると残る二人もそれに続く。

 

「どういたしまして――それより、マリー・スペーロさんって言うのは誰かな?」

「え? わ、私……ですけど、あなたは……?」

 

 エデに来てジャンヌとマリー以外の知己も増えたが、外套の彼に心当たりはない。

 声からして男――年齢は自分達と同じか少し上ぐらいだろうなと言うのは分かるが……やはり思い当たる人物はいない。

 

「ああ、これは失礼。先ずは名乗るのが礼儀だよね」

 

 少年がフードを外すと、三人は期せずして同時に息を呑んだ。

 黒髪黒目、整った顔立ち、物憂げな表情――陳腐な表現だが王子様のようだった。

 

「――――僕の名前はリーン・ジーバス」

 

 

━━だが、決して変わらないものもある。それが幸か不幸かは分からないが……━━

 

 

「何で――――何で、お姉ちゃんが弟を殺そうとするのよ!?」

 

 二人の間に横たわる過去をマリーは知らない。

 それでも、聞こえていた会話から二人が姉弟である事は理解出来た。

 だからこそ、理解出来ない。何故、姉が――弟や妹を護るはずの姉がこんな暴挙に出たのか。

 

「随分と恵まれたご家庭で育ったんだな、テメェは」

 

 涙目で自分を見上げるマリーにシンは嘲笑を浴びせかけた。

 

「家族を愛し愛される、それが当たり前――普通の事な訳だ。

他所様も当然、そうなんだって思ってるんだな。いやいや、めでてえ頭してやがる。

幸せな箱庭の中で育てばそうなるのか? ものを知らないにも程がある」

 

 血で血を洗う事しか、憎む事しか出来ない忌まわしい血の繋がりもこの世には存在している。

 いいや、むしろその方が多いのでは? 何せ何にも恵まれた王族皇族達ですらそうなのだから。

 

「私がものを知らないのは……確かだけど……」

 

 マリーにも何となく察せはする。

 自分を見下ろす彼女には家族を憎むだけの悲惨な何かがあった事ぐらいは察せる。

 だがそれでも、それでもだ。

 

「自分の不幸を”当たり前”みたいに語るな!!」

 

 マリーが赦せないのはそこだった。

 さも悲劇が罷り通るのがこの世界の真理だと言わんばかりの態度。

 それが癪に障ってしょうがない。何で、何でそれを良しとして受け入れる事が出来るのか。

 

「何だと……?」

「確かに、憎み合ったり傷付け合う事しか出来ない家族も居るんだろうね……」

 

 親だから、子供だから、無条件に肉親を愛せるとは限らない。

 マリーはそれを知っている。

 シンは彼女を恵まれたご家庭で育ったなどと揶揄したが、そんな事はない。

 親に捨てられた子供、このままでは殺されると親から逃げて来た子供達が居る。

 自らもまたその中の一人で、同じ痛みと悲しみを抱えている”キョウダイ”達を知っている。

 

「でも、それでも! それはおかしい事だ! 間違ってる事だ!!」

 

 家族は愛し合うのが、慈しみ合うのが正しい事で”普通”であって然るべきなのだ。

 自分達がそうではなかったからと言って在るべき姿を否定して良いのか? 違う、それは違うだろう。

 間違った形を許容しそれが当たり前なのだと受け入れてしまえば世界は本当にそんな形になってしまう。

 自分が不幸だから他人も不幸になれなんてみっともないにも程がある。

 

「黙れ!!」

「黙らない!!」

 

 マリーは決して綺麗事を言っている訳ではない。

 当たり前の事を当たり前だと。

 間違っている事を間違っていると――そう言っているだけ、ただそれだけなのだ。

 

「あなたにどんな事情があったかなんて知らないよ」

 

 知ったところで何が出来るとも思わない。

 

「でも一つだけ分かる事がある。あなたは逃げた……一番辛くて険しい道から逃げたんだ!!」

 

 

━━(えにし)の糸が複雑に絡み織りなす新たな物語、どうぞ御笑覧あれ!━━

 

 

「ふむ、このぐらいで良いか」

 

 シンちゃんも大好きな俺のビッグバストは見る影もなくペッタンコ。

 顔立ちや身体のラインを含め”女”ではなく”少女”のそれになっている。

 この状態でも身長は160に届くか届かないかぐらいはあるのがちょっと減点だが……まあ良い。

 今の俺の外見年齢は――多分、十二、三歳かそこらだろう。

 確か十四歳過ぎたあたりから胸やら尻やらに肉がつき始めた覚えがあるし。

 

「――――ルークス・ステラエじゅうさんさいです、キャハ☆」

 

 ブリっこポーズ&スマイルで声まで変えてみたのだが、我が事ながらキッツ!

 二千歳超えたババアがするこっちゃねえよ。

 見た目は若くても内面の加齢臭がプンプン漂ってんだよババアと唾を吐きたくなる。

 

 

 

 

 

 

※注意

 

今頭にある書こうかなと思ってる話の一場面を切り取って予告にしてみたので

本編を投稿した際には微妙に描写が変わったりするかもしれません。

まだ新章書き始められてないので……はい。

とりあえずなろうの方に序章を投稿し終えた翌日あたりから新章始められるよう頑張りたいと思います。




以前言っていたように、生存報告がてらなろうの方でも投稿を始めました。
https://ncode.syosetu.com/n2967em/

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