魔法少女リリカルなのは〜転生してきた魔王〜   作:蒼天の天国

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初めに、前回のタイトル間違えていました!すいませんでした!

「降誕」と「誕生」をどうやったら間違えるか自分に聞きたい
修正しました


33話 魔王の降誕記〈中〉

羽田空港から3時間、ようやくギリシャの地に降り立てた

その日始発の便に乗ってやってきたが、空港であれやこれやとしていたら、昼近くになってしまっていた

 

「うむ、無事に到着したてござる、いやはや長かったでござるなぁ」

「ええ同感だわ、でも悠我は離陸してから寝ていたから私凄く退屈だったのよ」

「それはすまなかった」

 

イジケタ口ぶりで呟く祥子だが何処か楽しそうにも見える

白い編み上げサンダルに水色のグラデーションのマキシワンピースに肩にトートバックかけ、ずいぶんと涼しそうな格好だ

一方の俺は黒いハーフノチパンに白いワイシャツだけと相変わらずの適当な格好だが

 

それにしても日差しが暑い

燦然と降り注ぐ太陽の光をここまで鬱陶しく思えたのは今年が初めてかもしれない

 

「このままここで、立っているのも無駄に汗を掻くだけだし、父さんの元へ行こう」

「うん」

 

向かう先を地図を広げ確認しながら進む、タクシーやバス等の足を使えればいいのだが、なんせ言葉が通じないため使いたくても使えないのが現状だ

 

 

 

 

 

 

 

 

見知らぬ土地を2人で協力しながら歩く事、早40分父さんの居る博物館兼研究所施設になんとかたどり着く事が出来た

 

館内に入ると冷房が良く効いていて、外でで噴き出た汗が冷やされ逆に寒ささえ感じてしまう

入り口近くの受付の女性に父さんを呼んで貰おうとしたのだがギリシャ語を全く話せないので身振り手振りと万国共通であると信じている英語使い、15分かけてようやく意思伝達に成功する

ソファに座って暫く待っていると、置くの方から勢いよく中年の男が走ってくる

 

「おお!我が愛しき息子よ、よくぞここまで来てくれた」

「キモい、鬱陶しい、それから髭が痛い」

 

走って来た中年もとい父さんが勢いのままに俺に抱き、無精髭の生えた顔を俺にこすりつけてくる髭が頬を掻いてかなり痛い、さらに全身黒く日焼けした頭髪全てを剃り上げた頭に筋肉質の身長2メートルはある体がさらにキモさを際立たせている

いい加減に鬱陶しいので無理やり父さんの手を引きはがし、少し間合いを取る

 

「冷たい息子だ、久しぶりの再会をこうも無碍にするとは・・・・・そっちの子は?ッハ!まさか!」

「何がまさかかはあえて聞かないで置くけど、きっと想っている関係では無いからね」

「皇 祥子と申します」

「あぁ君の事は昨日セッちゃんから電話で聞いている」

 

セッちゃんの方から連絡は来てたのか、まぁそうだよね面識のない子供を外国に案内するのだ連絡の1つもするよな

 

「まぁここで立ち話も他人に迷惑だろう、2人ともついてきなさい」

 

急にまじめな顔になり、手招きでついてくる様に促してくる

初めてみる父親のまじめな顔に少し驚いたがこの顔も父の1つなのだと納得してしまう

 

父さんの背中を祥子と2人でおいながら、「関係者以外立ち入り禁止」と日本語で書かれた分厚い扉の中に案内された、扉の奥には父さんと同じく白衣の大人たちが難しい顔で古めかしい道具や資料と睨めっこしている

 

「悠我、持ってきた剣と『石板』はその辺に出して置いておいてくれ」

「へーい」

 

運んできた神具の入ったを指示された鉄製の大きい机の上に置く、木箱の蓋を開け中に入れられている十握剣と石板を取り出す

十握剣と違って初めて見た『石板』、A4サイズの白い石に浮彫で『鳥』『雷』『人』が描かれているみたいだが、風化しすぎて鳥の種類や人の表情までは判断できない

 

「どうだ凄いもんだろ、ここギリシャの海底で発見され一度日本に渡り再びこのギリシャに戻って来たものだ」

 

ドヤっとした顔の父さんの言葉を聞き流し、自分の持つ石板をずっと眺める

別に骨董品が好きだと言う事はないが、石板から溢れ出る不思議な雰囲気がそうさせているのかもしれない

 

 

 

 

 

 

その後、小一時間弱に渡りこの世界の真実とも言える情報の数々を、紙やプロジェクターを使って事細かに教えてくれた、もともとこれを機に話すつもりでいたらしい、母さんも知っているみたいだし、知らなかったのは俺だけか

結論だけ言えば、神々や魔術等々、元中二病患者だった俺にとっては再発しかねない危険な単語ばかりを聞かされる苦痛な時間だった

 

 

 

 

 

「危ない所だった」

「何が?」

 

父さんからの話を聞き、俺の中に封印されていた中二脳が解放されかけた事に対してだ

 

神具も届けた事でお役御免となった俺は祥子と共にアテネの街を観光してから帰る事にし、父さんから日本円で20万円近い軍資金を受け取り繰り出した

 

「大丈夫、何でもないから」

 

いかんいかん、今はある意味では夢にまで見たデートにも等しい状況なのだ、ここでエスコートをミスすれば今後の女性関係が躓く可能性が高まる、ここは気を引き締めて美少女との観光を楽しもう

 

「何処か行きたい所とかあったりする?あればそっちを優先するけど」

「いいえ、そう言っ場所は無いのだけれど、そうね強いて言えば少し喉が乾いてしまったわ」

「了解、では一番近くのカフェまでご案内いたします、お嬢様」

「悠我って面白いね」

 

落ち着いた口調は相変わらずに可笑しそうに口元に手をあて笑顔を見せてくれる

案外俺に対して抱く印象は悪くないのかもしれない

ガイドブックの地図を片手に店を探す

 

「悠我は神の存在を少しは信じるようになった?」

「ん?・・・・ああまぁ少しはね、まだ本物を見ていないから完全にではないけどね」

「見たら殺されるわ」

「話を聞く限りそうなんだろうね・・・・でも、もしかしたら殺される前に逃げる事が出来るかもしれない、もしかしたら殺される前に返り討ちに出来るかもしれない、だって人間でも神を殺せるんだろ?なら逃げることぐらい1/100000000ぐらいの確率で出来るんじゃないか?」

「それは運が良ければの話でしょ?そんな分の悪い賭けはしない方がいいわ」

「それなら大丈夫、俺には母さんが掛けてくれた幸運のお呪いがあるからね、悪運なら昔から良い方だよ」

 

俺の生まれた日に母さんが「我が子に幸あれ」と一生消えないお呪いをかけたと言っていた、数日前までは母さんの言っている事は冗談だと思っていたが今日の話であながち冗談ではないのではと思えて来ている

 

「人のかけた術が神にどの程度通じるは解りかねるけど、良いお母様ね」

「知っている」

 

ピースサインで祥子に応える

 

年頃の少年少女が話すな無いようでは無い事を話しているうちに目的のカフェが見える所まで来ていた

街道向きにテラスのある落ち着いた雰囲気の店をセレクトさせてもらった

 

外観だけならお洒落な所で我ながら良いセンスだと思う

 

「ここがその店だ祥子、うん混んでいないみたいだし調度いいかな」

「・・・・」

「どうした?」

 

テラスの方を見て黙る祥子

ただ呆然と立ち尽くす彼女に少し不安な気持ちを持ってしまい、肩を掴むとビクンと跳ねた後、俺の顔を申し訳なさそうに見て

 

「ごめんなさい」

「何故いきなり謝る?」

「ごめんなさい!」

「ちょちょっと!祥子!?」

 

今来た道を引き返すみたいにカフェから逃げる祥子

すぐに追いかけようとしたがサンダルとは思えない早さであっという間に見えなくなる

人通りが多い時間なのか、今の俺と祥子のやり取りをかなりの人に見られていた、その人たちから「お前、彼女の事追いかけないのか?男だろ」「女の子を泣かすなんてサイテー」「美少女とデートとは、貴様・・・・死ね!」とい聞こえる視線が俺のシャイな心を貫く

ああ、そうかいそうかい、追いかければ良いんだろ?追いかければ!

心の中で愚痴りながら追いかけようとしたら

 

「少し待ちな少年」

 

テラスの方から声が聞こえた、ふつうに声をかけられたのなら別に驚く事はないが、ここはギリシャだ日本では無い、そんな所で日本語で話しかけられたのだ、驚きもする

声のした方に顔を向けると2人の男が座っていて、1人が俺を手招きしている

 

「何でしょう?」

「まぁ座りたまえ少年、飲むかい」

「あ、いえいいです」

 

どうしようか一瞬だけ悩み招かれることにした

いって一番に赤ワインを勧められたが、一応は未成年なのでお断りした

改めて俺を呼んだ男たちを見る、俺に声をかけた方のオッサンは、白地に細い青いストライプの入った半袖ワイシャツを第二ボタンまで開け、年季の入った使い古されたジーパン、薄く白髪混じった短い髪をオールバックでまとめ、切り揃えられた口髭、見た目だけなら知的でダンディなオッサンだが話し始めるとテンションが高く明るい人だ

もう一人のオッサンは、色鮮やかなハイビスカスがプリントされた赤いアロハシャツにベージュの短パンとビーチサンダル、胸元まで伸ばされた白い顎髭、レンズの大きい黒のサングラス、大きめの麦わら帽子を被った、バカンスを楽しむオッサンと言うよりは妙齢の老人で先程からジョッキのビールを何杯も飲み続けている物静かな人だ

思った事が1つこの人たち服装の印象が真逆だ

 

「何だ少年?我々の顔に何かついているか?」

「いいえそうではなくて、どうして俺を呼んだんですか?」

「なに只の興味本意さ、あの少女は少年とはどういった関係だ、従者か恋人か?」

「なぞそこで従者って言葉が出てくるかはさて置き、そうですね関係だけ言えば「知り合い」程度ですね出会ってまだ二日程しか経っていませんし」

「それにしては、ただならぬ関係の男女に見えたが?」

「それは気のせいでは無いですか、この街を観光していたら嫌われた、ただそれだけですよ」

 

ため息を混ぜ大げさに肩をすくめて見せる

実際、観光していてここの店に入ろうとしたら謝罪の言葉と共に走り去られた、それだけだ

それを聞いたダンディなオッサンが大声を上げ笑いはじめた

 

「ハッハハハ!そうかそうかフラレタのか君は」

「振られてないですよ」

「まぁいい、それよりも少年は暇か?暇なら我々に付き合いたまえ」

 

言われて考える、確かに暇だ、祥子とフラレこの後は売るほど暇が出来てしまっている、オッサンの誘いに乗るのもいいが、母さんが知らない人に付いて行ってはいけませんと散々家を出る前に言っていたが、これも1つの経験として誘いを受けるのも一興か

 

「いいですけど、お酒は飲みませんよ」

「大丈夫大丈夫、これからナンパをするだけだから」

 

ワインの方に視線を向けてついさっき勧められたのを思い出しながら、前もって宣言したが、それに返す様に言われたのが、この問題発言だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ、そこの彼女これから・・・・」

 

俺は今パルテノン神殿の真前に来ている、アテネと言えばここ丘の上に建てられた神殿、グルリと周りを見渡せばアテネ町が一望できる、そんな素晴らしく神聖な場所なのに、俺の背後でダンディ(そう名乗られた)が観光客の女性に声をかけていた、国籍はアフリカ系の様に見えるが会話が成立している様に見えるところを見ると、ダンディってもしかして語学力が高いのか?とここに来てから早2時間計40人近い女性のナンパに成功しているが誰も彼も国籍が違う、これだけの人数の使う言語が同じと言うのはへんな話でそこから至ったのが、彼の語学力が高いと言う可能性だ

 

「ジジィ(こちらもそう名乗られた)は参加しないのですか?」

「いいや、むしろあの手の事は奴の専売特許とも言える仕事だ参加しない方が正解だ」

「専売特許ですか」

 

何時何処で買ったのかは知らないが缶ビールとワインそれからその摘みをここに来てからずっと飲食し続けている

酔わないのか?

 

そうした退屈なだけ時間が永遠に感じられる程続き、日が傾き始めた頃ようやく終了した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イエェェェェェェェイ!!!!!!」

「「「「「フー!!!!」」」」」

 

やけにテンションの高い声が部屋いっぱいに響く中、俺はオレンジジュースをチビチビと飲んでいた

日が暮れた後、ダンディに連れられやって来たのはアテネで1番値段が高い高級ホテル、入口には今日ナンパした女性全員が待っており、合流したところで大笑いしながら一緒にホテル内へ入っていた

流石高級と言っていただけの事はあり、室内は40人が入っても余裕のある程広く、ホテルの最上階に位置するこの部屋からの夜景は中々のものだ

そんな部屋でテンポのいい曲を大音量で流し、踊りながら酒や果物を飲み食いするダンディと女性陣、2人ほど部屋の隅の椅子で相変わらず酒を飲んでいるジジィの方へ行き、楽しそうに談笑していた

俺は同い年のアメリカ人の女の子とジジィとは反対側の隅で外を眺めながら共にソファに座っていた

 

「うーん会話がない、こう言う時に英語の授業はきちんと受けておけばよかったと後悔してしまう」

 

花のある会話も無く、これで何杯目かと数えるのも忘れたオレンジジュースを2人して飲み続け、いつの間にか寝てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静まりかえった部屋

昨晩の痕跡はそのままにこの騒ぎの中心人物であるダンディはパンツ一丁で大勢の女性に囲まれながら床で寝ていた、嗅ぐだけで酔いそうになる程の酒臭さが立ち込め、床にゴロゴロと転がる空き瓶の数々、中には下着姿で寝ている人もいて、はしゃぎ過ぎだと心の中で突っ込んでおく

 

「小僧、起きたか」

「ええ、限りなく最悪な場所での目覚めでしたが」

「ハハハそれは結構、飲むか?ああ大丈夫ただのコーヒーさね」

「それなら」

 

注がれた熱いコーヒーを温度を確かめるよう少しずつ飲む

ヨーロッパの朝をコーヒー片手に過ごすのが俺の憧れだった、それが今こうして叶ってる現実に少しの達成感がある

 

「ん?どうしのですか?人の顔を見てニヤけるなんて」

「お主が意外と良い眼をしていると思うての」

「眼?」

 

王道バトルマンガとかで仙人が若者に対してお決まりの様に吐くセリフをジジィが爽やかに微笑みながら向けてきた

 

「いい眼だ、決して諦めぬと言う強い意志と絶対に生き残ろうとする貪欲さがその眼には宿っておる、実に良き戦士の眼だ」

「戦士?選手ではなく?」

「うむ、今の世には珍しい戦士の眼じゃ」

 

この人の日本語、少し可笑しいぞw

声には出さないが、俺は結構諦めのいい人間でかつ自分の生にそんなに執着していない、このジジィは真逆を言っている

 

「ふふふ、なに自分を真に理解しているのが自分ではないと言う事だ小僧」

 

コーヒーを煽る様に飲みほして笑うジジィ

この人の言っている事が事実だとすれば俺は自分に対してツンデレにも似た思いを持っているのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

俺はエーゲ海沿いの道を特に理由も無くブラブラと歩ていた

青い空に白い雲、海の波立つ音が辺りに響き渡る、ギリシャ特有の白い外観の家が太陽の光にあたりさらに白く輝く、ハッキリ言おう眩しい

 

オッサン達とはホテルで別れた、2人は探し物をすると言っていた

変わった2人、いいや変わり過ぎの変人だったが、別れると物足りなくなる

 

「祥子を探さないと、いやその前に父さんの所にたどり着かないとだめだな」

 

昨日はぐれた祥子を探す、確かに大事だ、だがしかし俺の今最優先すべき急務は父さんの元へ無事にたどりつく事だ、簡単に言うと「迷子」である

見知らぬ土地で迷子かなり不味い、がこの状況を打破したらカッコイイのでは?と楽しんでいる俺もいる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在位置が何処か解らないのに地図を広げる事3時間、先程まで嫌気がさす程晴々としていた空が急に陰り出した

灰色の分厚い雨雲が空一面に広がり、視界が霞み雨粒が地面を叩く音意外何も聞こえないほどの大雨と木造の小屋が倒壊し重心を低くしてようやく立てるかどうかの強風、挙句に何処かに雷が落ちたらしく地面と空気が震えた

 

 

 

 

 

 

「あれ?不味い気象になってない?」

 

 

 




誤字脱字意見アドバイス等が有りましたらよろしくお願いいたします

次回で過去篇が終了します

再三書き直してこのレベル、呆れてしまいますね!
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