3,4か月ぶりの投稿になりますね。
書く時間が全く取れずチビチビと書いていたというのが言い訳です。
Side悠我―
《相棒、お前の兄が目を覚ましたようだぞ》
どうやら気絶していた兄さんが目を覚ましたらしい
「一生目を覚まさないとかになったらどうしようかと考えていたけど一安心だな」
《ほう、珍しい事もあるものだな、相棒が人の心配をするなんて。しかし相棒の権能が倒れた原因なのだから多少の心配は自然なことか》
失礼な!俺だって少しくらいは人の心配は出来るさ、でもヴェーダの言う通り今回は俺の不注意が原因としても考えられるからな
詳しい話は後で聞くとして、ヴェーダが言った限りでは外傷や記憶に異常は無いらしいのだが
《リンカーコアに異常が見られたらしい、他の5人同様にコアの委縮は共通しているのだが、原型を留めない程に砕けていると言うか不安定というか》
「つまりはよくわからない状況だと」
俺がそう纏めると、ヴェーダはそれを肯定した
そして兄さんのリンカーコアがそうなってしまったのは恐らくは、いや絶対に
《相棒の権能〈黄金郷の勝者(ブレイズ・オブ・チャンピオン)〉が原因だろうな》
「間違いなくね」
ヴェーダがそう言った様に、俺の権能が原因なのは確かだよな
そしてそれに関連する事として
「あの時、兄さんは確実に神速を使っていたのは間違いない、神もしくはその権能を奪ったカンピオーネしか使う事が出来ないはずの神速を兄さんは使っていた、そしてもう1つ別の能力も使っていた様にも見えた」
《だとするならば、さっき相棒が予測していた通り、ウルスラグナの剣が影響を与えたと考えられるな、だが何故神速なのだ?》
「前世に同じくウルスラグナを倒したカンピオーネの知り合いがいた、そいつはウルスラグナを討った事でカンピオーネとなった男で、俺と違いウルスラグナの10の化身全ての力を使う事が出来た、ちょうど今俺が持っている権能でシヴァと同じような感じでだ」
俺と同じ国のカンピオーネで神殺しとしては先輩に当たる男、そしてその男が使っていたウルスラグナの権能には神速を使う事が出来る化身が存在していた
「たぶん、予測の域を出ないのだが、あの剣を掴む事によってあの男が使っていた化身の能力を使えるようになるのではないかと思っている」
《もしその通りなら、この権能は汎用性が高いということになる、権能にこそ攻撃力が無いかもしれないが、相手の力を削いだり、味方に能力を付与する、言うだけなら戦術の幅は広がる、が》
問題がでてくる、今の兄さんの状態を見れば使用後にぶっ倒れリンカーコアが粉々になるというとデメリットが出ている
その部分をどうにか出来ないと現段階での実用は不可能だ
「兄さん達の戦力強化にどうかなぁってかんがえていたんだけど難しいか」
《そうだな・・・・いや待てよ相棒、可能かもしれないぞ?》
ヴェーダが何かを思い出したように声を張り上げてきた
《忘れたのか?相棒自身が言っていたじゃないか、原作ではこの後なのは達のデバイスを強化すると》
「おお!そう言えばそうだった忘れていたよ」
ヴェーダの言葉にポンッと手を打つ
このデバイス強化の流れに乗ってデバイス自体にウルスラグナの権能を制御しり出来る機能を追加してやれば、リスクを抑えられるかもしれない、今後戦力として充分に期待できる
「なら思い立ったが吉日ってなわけで、早速兄さんのお見舞いも兼ねて同じ病室に居るであろうクロノに提案してみよう!」
《それはいいが、あまりあの少年に負担はかけるなよ、ただでさえお前の起こした問題事件の後処理でいの調子を崩しているみたいだからな》
ヴェーダがなにか言っている様だが深くは聞かない
その方が俺が幸せと思うからね
*
そんなやり取りがあり、本局の何処かに居るであろうクロノを探すため、施設の中を上に下に右に左にと駆け足で廻っていると、「整備区画」という看板が垂れ下がっている廊下の奥にそれらしき人影を見つける事が出来た
姿を見つけ駆け足から全力ダッシュでクロノの元へと向う
「やぁクロノ!」
「げ!悠我!」
少しの爽やかと年頃の元気の良さを身体と声で表現しつつ近づいてみたのだが、あからさまに嫌な顔をされ手に持っていたファイルの様な書類の束で表情を隠した
「そう嫌な顔をしないで俺のお願を1つ聞いてくれよ」
「はぁ・・・・我々管理局は実現可能な範囲でキミの要望に応える、と言う決まりが出来たから不可能ではない限り要望を聞いてもいい」
クロノから向けられたいやな顔にもめげずに明るく言う、そしてクロノは短いため息と少しの間の後、営業スマイルとでも言うべきか、引きつった作り笑顔で答えてくれた、すごくギコチナイ
「それはありがたい、いま兄さん姉さんを始めとしたデバイスの修理をしていると思うのだけれど、本題はそこに1つ改造を施してほしいこと」
人差指を立て普段あまりしない真面目な顔で本題を切り出した
「どうしてキミがなのはや悠希達のデバイスが修理中なのを知ってるのかとはあえて聞かないが、改造に関してならもうすでに全てのデバイスから要求されている、フレームの強化や演算率の向上、そして一番はベr「CVK、ベルカ式カートリッジシステム」・・・・もう僕はなにがあっても驚かないし疑問も持たない」
持っていた書類をめくりながら、俺が被せた単語を聞いた瞬間めくっていた手が止まり、人生の半分も生きていな少年がいうには余りにも悟った言葉吐いた
「で、やって貰いたいのはそれとは少々違った改造で、体外から体内に入り込んでくる膨大な呪力・・・・ではなく魔力を制御するための装置かなにかを各デバイス施してほしい」
「外部から流れ込んでくる魔力を制御?そんな改造をして何になると言うんだ?」
俺が提示した改造案の必要性を聞いて来たので、
「認知しているかは知らないけれど、さきの戦闘で兄さんが倒れたのは俺の権能が影響している。《黄金郷の勝者(ブレイズオブチャンピオン)》で精製された剣を掴んで、剣から流れ込んでくる人間には過ぎた力を無理やりコントロールして戦ったため、今の状態になってしまった」
「つまりキミの権能を制御出来る様なシステムを組み込んでやれば今後戦闘についてなんらかのサポートになると考えているわけか」
顎に手を宛て考え込むように聞いていいたクロノが、俺より先に結論を言ってしまった
そしてそれならば話が早いと話を続けようとすると遮る様に
「悠我にしては珍しくまともな意見だ、しかしキミの持つ権能は神の力なのだろ?管理局が最高レベルの技術力を持っていても人間にそれが可能なのか、そこが今思いつく不安要素でもあるし、戦闘レコーダーを見せて貰っているからわかるが、悠希のアイアンハートが急場しのぎであるが流れ込む力を身体強化に回して制御に近い事をしていたが、悠希に沙紀になのはのデバイスはユーノが遺跡から発掘した5つのデバイスの中でも特にブラックボックスが大きいらしい、フェイトのバルディッシュも含め他のデバイスに同じような事が出来るか?いやまて・・・・」
顎に手を添えたまま早口言葉や呪文のようにブツブツとこのプランの問題点やらを挙げて行く、瞬時にそこまで頭が回転できるのは流石は執務官と言った感じなのだが、もはや違う世界に入り入り始めている様なので
「お、おいクロノそこまで悩むな、今回ばかりは俺も責任を取って協力するし、必要な物資があったら俺の《王の財宝(ゲートオブバビロン)》から取ってこれるから、そこまで深く考えるな、禿げるぞ?」
両肩に手を載せ励ます様に言ったら「禿げたらお前のせいだからな」とニヒル顔で返された
「それよりまずは、みんなの所に行こう、どうせ行っていないんだろ?改造の話も全部が全部明日からだ、今日はもう夜も遅いし事件の具体的な対策も話し合わなければならないからな」
「苦労をかけるねぇクロノさんや」
「そう思ってくれるなら、僕に厄介事を持ちこまないで貰いたいのだけどね」
時代劇によく登場する貧しい農民の様な口ぶりをすると、出会ってから初めて見せるかもしれない、懇願するような顔でツッコミを入れられた
*
ところ変わって医療区画のとある病室前
隣のクロノによるとどうやらここの部屋に兄さん達全員が担ぎ込まれているらしい
しかし、何故だろう?静かである事が当たり前である場所な筈なのだが、部屋の中からは妙に騒がしい声が聞こえてくる、隣に目をやると俺の時とはまた違ったニュアンスのため息が吐かれていた
「なんだ、思っていたよりは元気そうな声が聞こえてくるじゃん」
「僕も本当はそう思いたいのだけれど恐らく事実は少し違っているに違いないな」
覇気の全く感じらない声で隣の少年からは聞こえてくる
クロノ・ハラオウンと言う少年はこの歳にして悟りの境地でも開こうとしているのか?成程これが悟り世代と言うやつか
それから部屋に入った俺とクロノがまず最初にやった事は、喧嘩の仲裁だった
殴り合いの喧嘩でこそなかったものの、アリサと沙紀の2人が部屋の真ん中で大きな声を張り上げて言い争うそんな程度の喧嘩だった
そのため、周りで傍観者になっており、ベッドの上の兄さん、面会者用の椅子に座るなのは、すずか、フェイト、アリシアの4人に彼女達の足元に寝そべっている狼の姿のアルフが2人の喧嘩を半ば放置して会話に華を咲かせていた
「原因はなんだ?」
と執務官らしく事の解決に努めようと喧嘩をしていた当事者2名に理由を聞くクロノ
どうでもいい事かと思うが、俺とクロノとアリシア以外は全員が薄い水色の患者服だ
「別に大したことじゃないわ、ただ私が目覚めのキスを悠希にしようとしたらアリサが恥ずかしさで癇癪を起しただけよ」
「癇癪って何よ!大体ね!姉弟でキスをするって言う方が可笑しいだけでしょ!」
「あら、外国では家族にもキスをするわよ。それこそ、お早うやお休みのキスを、アリサならわかってくれると思っていたのに残念だわ」
「ここは日本よ!海外じゃない!」
「家族のスキンシップのやり方に国境はないわよ」
と言う様に、どうやら兄さんをめぐった単なる痴話喧嘩?いや微笑ましい良い争いだったらしい。しかし癇癪やら海外やら普通この年の小学生が使わないような単語をドヤ顔せずに会話に出してくる当たり、実年齢が数百歳の俺なんかよりよっぽど大人びている
それにしても姉さん、恥ずかしがり屋だった貴方がキスとは、この半年でかなり成長したみたいだね
結局は兄さんが2人を納得させて事を納めて、2人も「言いすぎた」と反省しているし何事も無く一件落着したのだが
イベントとは1つ終わればまた新しく生まれてくるものみたいだ
「で、悠我、今の今まで連絡の1つも寄こさないなんて、いったいどういう事かしら?」
「別に心配していたわけじゃないけど、手紙の1つくらいないと不安になるでしょ!」
仲直りしたとは言え、ついさっきまで喧嘩していたのがウソのように結託して俺にプレッシャーを与えてくる沙紀とアリサ
アリサはツンデレ宜しく顔を少し赤らめているが、沙紀は違うマジだ。流石に小学生の女の子が俺に悪寒を感じさせる程の威圧はでてはいないが、クロノも含めた周りの全員が、特にアリシアに至っては半ベソ浮かべて怯えていた
「何か弁明か言い訳はないのかしら?」
「言い訳はしない、ただ真実を言うと、忘れていただけだ。と答えておく」
この状況下で下手に長い言い訳を言ったりすると碌な目に遭わないのは生前からの経験でわかっている、ならばここは正直に事を話て、わかってもらえればよいと考えた
が、自覚がなかったため後からヴェーダに言われて気が付いた、俺達はカンピオーネだ、厄介事を引き寄せる存在だ、つまり俺の無自覚の言葉が争いの火種にならないなんて有り得なかったわけで
「へぇ、つまり悠我は私たちとの約束を忘れていたと言うのね、酷い弟ねぇ家族や友人と交流をすっぽかすなんて」
沙紀の履いている患者用のスリッパが床をコツコツと鳴らす、普通のスリッパでそんな硬い音が出るのか?と言う疑問はこの際置いておき、俺はこの後、片足から可視出来る程の魔力を出している沙紀に顎下を蹴られ空中でバク転を1回決めて倒れるわけなのだが
「EXランク」と言う計測不能数値の魔力を片足の一点に集約すれば小学生の女の子でも神殺しの頑丈な身体を蹴飛ばし軽い脳震盪を起こすことが出来るみたいだ
「姉さん、小学生にその色の下着は少しばかり早いのでは?」
「・・・・っふん!」
グラグラする頭を摩りながら倒れた身体をゆっくりを起こしながら、顎を蹴られた時に姉さんの患者服の足の隙間からチラリと見えた黒色の歳不相応の布について言うと
今度は後頭部に踵落としを決められ、今度は意識の全てを持って行かれた
【著クロノ・ハラオウン〈神殺しカンピオーネの生態〉より抜粋】
考察、油断している状態のカンピオーネに対し、人間離れした魔力量で身体強化された蹴りを頭の前後に強打すれば、意識だけならば人間でも刈り取れるのかもしれない。また魔法の行使をカンピオーネではなく自分自身にたしして使用したため魔法を打ち消されず成功出来たのではないだろうか。
誤字脱字意見感想等が有りましたらよろしくお願いたします。
感想でも以前から言われていましたが、やはり「アザトース」は止めるべきだったでしょうか?そこら辺をもう少し考えてみて、もしかしたら2月頃に書き直そうかなと考えています。