TS主人公がロリコン仮面と出会ったら~ 作:バウよりカッコいいMSはいない
そして二つ、後悔はしていない。
赤き単眼の魔物(3倍の速度で動くロリコン)
『……こち……ア……さ
……返……願……』
私はただ、全て無音と漆黒に閉ざされた世界に放り出されていた。
その世界とは、重力という錘を抜けた先にある、ただただ広がる可能性の世界──宇宙。
何も聞こえず何も見えない、その暗闇の宇宙の中を鉄の
『き……しろ!……っ!
……む…………は!』
鉄の腹の中ではいまも、こちらに呼び掛けているだろう『彼』の声と、酸素残量……つまり私の余命を告げるアラートが休むことなくなり続ける。
声すら出せないのに、クスりと口元を歪めたのはきっと、『彼』の必死さと私の短命さ、そのどちらにも向けたものだった。
『聞こえているのなら返事をするんだ!
アズハ!』
すぐそばにきていたその声が一際大きく聞こえて、漆黒の中でも一等の輝きと赤の光沢をもった、『彼』の人形が私にも見える。
人形──MSはその不自由な漆黒の海の中を、今もなおこちらにむけて光を焚いている。
あんなにも遠くに離れていたはずなのに、そんな中で私を見つけられたのはその能力故のものなのか……それとも?
……まあなんにせよ、こうして『物語』は私という異物を受け入れたようだ。
決して交わることの無かった世界が目の前にあって、決して触れることの無かった彼らと出会って、きっと奇跡の上になりたったこの瞬間に、静かに目元を雫が伝う。そして無重力の翼を受けて弾けた涙が、冷たいコックピットを漂い私に寄り添う。
そんな今この瞬間でしか見ることの出来ない美しさに目を奪われ、とうとう画面のむこう、目の前にある人形にむけて手のひらを向ける。
『っ!ここにいたのか
少し揺れる、母艦まで我慢するんだ』
鉄の壁を介してなお、感じてしまったその暖かさは、間違いなく彼のものである。心配が直接心に伝わってくるのだから、それは疑う余地のない優しさで。
どうやら私は寂しかったようだ。心の中でじわりじわりと広がっていくそれは、きっと安心と呼べるもの。
それはきっとこの世界で初めて感じたものだ。
涙を流しながら、それでもたった今崩壊した哀の物語をふっと回想し、手を伸ばす赤き単眼の魔物を視界におさめ、私はこう考えた。
ああ──
(ロリ体型でよかった……)
──そうこれはっっ!
元男で現ロリのツンデレ?主人公と、金髪ロリコン仮面男が織り成す、宇宙世紀百年にわたる源氏物語……ではなく、ただただ生き延びることを目標とした、不運な彼女の歴史である。
『弱っているアズハ……いいものだな』
「○ね」
(いったいなにナブルさんなんだ!)
文章力は次から頑張る。きっと。
ありがとうごめんなさいました。