TS主人公がロリコン仮面と出会ったら~   作:バウよりカッコいいMSはいない

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………………ごめんなさい(小声)


第五話 始まりへと続く日常

 

 

 本日は快晴なり──というのはいささかデジャヴを感じるけど、地球の空は今日もご機嫌である。

 

 市街に降り注ぐ日の光が、街路樹の葉を透き通り時折揺れ、未だ昼時で無いのに溢れかえる人々はどれも忙しなく動き回る。

 それを見て、「この世界も同じだな」と笑みを溢した。

 

 (やっぱり自然の光って気持ちいいなあ……なんだろ、暖かいというか安らぐというか……

 とにかく、先生に外出許可をもらってよかった)

 

 

 そもそもそんなに大きな怪我はしていなかったものの、小なりとも怪我を負い、いいとこのお嬢様が事故に巻き込まれたということで、外出許可を取るのも一苦労だったのである。

 主に反対派は『家』の人間なのだが。

 

 (だいたい全員が全員過保護なんだよなあ……なんとか許可は出してもらったけどさ……それも条件付きだし)

 ちらりと隣を見ると、見上げるほどの大男がこちらを伺っていた。

 ひっ──と、小声を漏らしたのは仕方がないだろう。

 

 (いくらなんでもこんな大男が護衛なんて聞いてないぞ……それに……)

 

 視界にチラチラと映りこむ自身の髪の毛先が、風に煽られ太陽の日差しで宝石のように輝く。

 ……とまあ、自身の事ながら銀糸の糸とはたいへん目立つもののようで、先ほどからすれ違う人の足を止めてしまっている。

 

 許可を貰えたことで浮かれてたけど、このあたりも考慮すべきだったなあ……と、今さらに後悔している所だ。

 

 

 「はあ」

 

 (ため息をついていても仕方がないか……)

 

 「そういえば、野菜に魚、屋台にはお肉……結構揃ってるんだね」

 

 「港に近いってこともありますね……この辺りは特に流通に長けているので

 必要とあらば、我々がご用意いたしますが」

 

 隣を歩く男の返答を聞き、そんなものかと適当に相づちを返す。後半の問いはあえて返さないのが最近主流の対処法だ。

 

 それに、そんなことよりも遠くに見えるカジノに興味が……

 

「あの、お嬢様」

 

 顔を反らすように町並みに目を向けていると、男が神妙、心配ですというような顔を作り声を上げた。

 

 「ん、なに?」

 

 「当……いえ、本当に……そのご無事なのですか?」

 

 言い淀むその姿は何人もの姿と重なり、また、何人もの言葉をリピートさせるものだ。

 これまでにも何回とされたこの質問は、おそらく両親の死を指しているのだろう。

 直接言葉にしないのもそのせいだろう。

  

 (あー、またこの質問か。

 全然大丈夫と答えるのもなんだかなあ……かといって辛いなどと言おうものなら心配の嵐だし)

 

 ちなみにこれは、現在一番の悩みの種である『お嬢様は平気な顔をしておられるが、実は裏で泣いていたりしないだろうかああ心配だ』病である。

 

 文字通り心配で心配でしょうがない使用人達が、病室へとせっせと足を運び、毎日毎日顔を出しては問いかけてくるといったもので、私にとっては気の疲れる悩みの一つだった。

 

 (みんなホントに心配してくれているのは分かるんだけどね?『色』で嘘では無いことも読み取れるしさ)

 

 

 例えるならば『ほのかな緑』。

 

 包み込むようなあたたかな、人を思う気持ちに着色したような優しい色。

 それは私を心配する彼ら彼女らから発せられる光だ。

 

 これがかの『ニュータイプ能力』なのかは分からない。

 だけど、感じることはたしかだと思う。人によって大きさは違えど、誰しもから感じる色のようななにか。

 別に視認しているわけじゃない。ただ、なんとなく感じるもの。

 

 (まあ、少しずつ分かっていけばいいよね)

 

 あの伝説のエース、アムロ・レイですら最初から理解していたわけじゃない。

 抽象的な子供の絵を見せられた方がよっぽど伝わりやすいだろう。

 あの有名なセリフ、『人はそんなに便利にはなれない』だっけ?

 それがいまなら分かる。この力というにはいささか小さく、穏やかな感覚だからだ。

 

 「……それならばいいのですが」

 

 ──シュン

 そんな擬音の聞こえそうな顔で大きな男がうつむく。

 

 (いや、ホントに心配いらないからね?)

 

 落ち込む大男と、困ったように微笑む少女。

 端から見ればさぞやおかしな光景だとおもう。

 

 そんなふうに周囲の目を集めながら、二人の散歩は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「先輩、少し外出してきます」

 

 「おおう?珍しいじゃないか、兄ちゃんが街に行くなんて」

 

 「そうですね……何故か惹かれ……いえ、たまには気晴らしを、と思いまして」

 

 

 少女が小さな歩みを進める中、ここにも『感覚』を持つものが一人。

 

 彼女のそれよりは不明瞭かもしれないが、同族を感じとる能力は彼の方が上手であるようだ。

 感覚の片隅で、最近になって『触れて』くるそれ。

 

 人当たりよく微笑む彼に、中年の社員が手を振った。

 その了承の意を読み取り、作業衣を小さなロッカーへと放り込む。

 

 ポケットから時折聞こえるキーの金属音。

 それはまるで物語の序章の終わりを思わせ、どこか冒険の始まりを感じさせる。

  

 風におどる黄金の毛先にバイザーを直し、社用車のエンジンをかけた。

 小躍りするかのように車道へ飛び出たその行く先は、前方に見える街ただ一つ。

 

 

 

 「ふむ、どうだろうね

 

 ……このざわつきは」

 

 

 

 

 出会いは近い。

 

   

 

 




違います!メインカメラが故障して書けなかったんですー!
え?メインカメラがやられただけ?

バウ!
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