私が書いてもらった地図を見ながらガレージハウスの住宅地を歩いていると元居た施設に沢山居た青年のゲノム兵が一人入り口で立っている家があった。もし見つかったら連れ戻されてしまうかもしれない。そう思って古着のフードを被って通り過ぎようとした。しかし飛び出す前に目的地に向かうにはどの道を選べば良いか複雑な地図を見たまま固まっていた。
(ここが目的地…?いや、だったら何でゲノム兵がいるの?きっと隣とかだよね…?)
「おい、さっきから何見てるんだ。」
「ひっ!?」(見つかった!?もう当たって砕けろだ!)
「あの、ここってミリアムさんのお家ですよね?」
「…何しに来た。」
「わ、私もミリアムって名前で、恋人を探しているんです。この町に私と同じ名前の恋人を探してる男の人が来たって聴いたからっ…」
「…はは、…ははははっ。勘違いも甚だしいな。…お前はミリアムじゃないよ。」
「えっ!?何を言って…?」
「お前は、ミリアムじゃない。子供に渡されたメモを見なかったのか?お前は何もかも無かった事にして好きに生きれば良かったんだ。」
「メモ?あれって貴方が書いたの?あの筆跡、ラルフじゃなかったんだ…あれに書いてあった偽の記憶に騙されるなってどういう事?ずっと混乱してるのよ?」
「お前が今覚えている過去の記憶全てだ。お前に恋人なんか居ない。それなのにこんな所まで来るとは…」
「何それ…だって、嘘かどうか確かめなきゃ騙されてるか分からないじゃない!」
「良かったな、分かって。これからは恋人なんか探さないで好きな場所で隠れて暮らせば良いんだ。」
「そんなの…じゃあ何で貴方はここに居るのよ!」
「それは受け入れてもらってるから。」
「おい、どうしたんだ?」
ドアを開けてラルフが出てきた。
「あっ…!」
その後ろからミリアムも顔を顔を出した。
(あ……思い出した…あの顔……私の顔…!)
「ひっ…あ、あぁ……」
ラルフも全く面識がないので顔を顰めて警戒していた。
(ここに私の居場所なんか無い…彼と一緒になんて…)
「いやああああああああああああああっ!」
何もかも忘れたくて走った。全てから逃げたかった。惨めな姿を見られない様に暗くて誰も居ない場所を求めて。
「あの子どうしたんだ?」
「人違いだ。」
「にしては様子がおかしかったが。」
「なんか色恋沙汰の匂いを感じたわ。私が顔を出した途端顔色が変わったもの。ちょっと?ラルフどういう事?」
「俺は全然知らない。」
「全然信用ならない。あれ以来貴方の判断なんて全く当てにしてないから。慰めに行ってあげれば?このスケコマシ!」
「いてっ蹴るな!…締め出された。せっかく話し合いに来たのに…」
「今日は帰れ。また機嫌直した時に声かけてやるから。」
「うん…」
「あの子の所に行く気か?」
「だって慰めに行ってこいって言われたし。…やっぱり俺の考えはお見通しか。」
「罠かもしれないぞ。背中に機銃が付いてたし強力な義手も両腕に付いてた。銃は持っていけ。」
「お前とほとんど一緒じゃないか。大丈夫だよ。何回もお前と組手とトレーニングしてたから。泣いてる女の子に銃を突きつけろって?」
「そうだ。良いから持っていけ。お前が死んだらミリアムの為にならない。」
「…分かったよ。全く捻くれた奴だな。」