sword art onlineー黒と灰ー   作:戒斗

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短いですが……



前話とくっつけるべきだったかと反省してます


第三章:お伽噺

……暗い……何処だここは……。

…………まぁいいか。何処であっても俺は……。

 

喉が渇いたな。腹も減った。

……ちょうど良い。ヒトガタのナニかが大勢こっちに来てるみたいだ。

 

お前ら……喰わせろよ

 

「■■■■■■■■■■!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぁあぁああ!!」

 

「静かに起きれないの?」

 

「…………あぁ悪い」

 

「随分(うな)されてたみたいだけど大丈夫?」

 

夢、だよな?内容は思い出せないけど、とても嫌な夢を見た気がする。動悸が治まらず心臓が張り裂けんばかりに脈動してる。

 

 

 

 

 

 

今日も今日でユージオの手伝い。

俺達は昼食のパンを食べ、ユージオはセルカが実はアリスの妹だということや、最近南にゴブリンの集団が現れておかしな事が多いこと、偉い人にしか使えない天命を回復させる《神聖術》の話をした。

 

「?ユージオ、なに読んでるんだ?」

 

「これ?《ラーズグリーズの悪魔》っていうお伽噺だよ」

 

ーー歴史が大きく動くとき北の海よりラーズグリーズが現れる。はじめには漆黒の悪魔として

ーーラーズグリーズはその力をもって大地に死を降り注ぎ、やがて死ぬ

ーー暫しの眠りのあとラーズグリーズは姿を現す。

ーー英雄として現れる。

 

「多分、ラーズグリーズは気付いたんだと思う。自分本意に力を振るってもなにも残らないって、だからその力を人々のために使うことにした。僕はそう考えてる」

 

ラーズグリーズ……たしか颯真が言ってたな。

『計画を壊す者もしくは戦いを終わらせる者として伝えられてるヴァルキリーの一柱だ』

……だからなんでそんなに詳しいんだよ。

 

まぁアイツの部屋で北欧神話の本を読んだ俺が質問したんだけど。

 

そしてユージオは『お伽噺と言えば』と物置小屋からあるものを運んできた。

 

「《青薔薇の剣》。これもお伽噺じゃそう呼ばれてる」

 

「お伽噺ってラーズグリーズのか?」

 

「ううん、『ベルクーリと北の白い竜』ってやつでね。果ての山脈を探検にでかけたベルクーリは、洞窟の奥深くで白竜の巣に迷い込むんだ。竜は昼寝中で、彼は巣の周りの宝のなかの白い剣を見つけて持ち帰ろうとしたら、足元から青い薔薇が生えてきて、ぐるぐる巻きにされちゃって、倒れた音で白竜が目を醒ましたってお話」

 

続きを尋ねるがユージオは長くなるから、と端折ってしまった。

 

「まあ、いろいろあって許してもらって、剣を置いて命からがら逃げ帰ったっていう他愛ない話さ」

 

「じゃあその竜は今も?」

 

「いや……六年前にアリスと探検したときにはもういなかった。あったのは宝の山だけだった。この剣は、三年前に運んできたんだ。ここまで運ぶだけで三ヶ月かかったけどね」

 

俺は暫く剣を見ていて、あることを思いついた。

 

「……ユージオ、ギガスシダーの天命を調べてくれ」

 

「この剣で斬ってみるの?……23万2315だね」

 

「見てろって、重い剣は重心の移動で振るんだ」

 

俺は《ホリゾンタル》を模倣した右中段水平斬りを見せるも、踏ん張りきれずふらつき、俺は反動で顔から大樹の(こけ)突っ込んだ。

 

「わあ!言わんこっちゃない!」

 

「……けど、剣の力は本物らしいな」

 

そこにはギガスシダーに切り込んでいる《青薔薇の剣》の姿があった。

 

「な?とりあえず天命みてみろよ」

 

頷き、ユージオは窓を食い入るようにみつめた

 

「23万2314……切り込んだ場所が悪いんだ。ちゃんと使いこなせれば、もっと天命を減らせたと思う」

 

試行錯誤しギガスシダーに《青薔薇の剣》を打ち込み続け、二万ほど天命を削れた頃には日が傾いていた。

今日はここまでにしてまた明日、とユージオと共に帰途へ着いた。

 

ギガスシダーの上から見つめる一匹の獣に気づかないまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっはあ~」

 

風呂に浸かって俺は今日の疲れを癒した。

 

もう俺がこの世界にきてから三十時間以上が経つ。今の俺は大ピンチでもあり、ラースの真の目的を探る大チャンスでもある。

 

「あれ?まだ誰か入ってるの?」

 

声が脱衣場から聞こえてきた。

恐らくセルカだろう。

 

「キリトだ。もう上がるから……あと、今夜時間あるかな?」

 

 

 

 

 

 

「……で、話って?」

 

「アリス。君のお姉さんのこと。ユージオから聞いたんだ」

 

「……そっか。ユージオ覚えてたんだ……今でもアリス姉様のことがなにより大切なのね……」

 

「セルカは……ユージオが好きなんだ?」

 

俺が言うとセルカは顔を真っ赤にして言った。

図星か。

 

「なっ、そんなんじゃないわよ!………なんだか、堪らないの。みんな私と姉様を比べる。でもユージオはそんな人じゃないけど私を避けてる。姉様を思い出すからって。……そんなの私のせいじゃない!私は、姉様の顔すら憶えていないのに……」

 

小さな背中が震える。俺はどうすればいいのかわからなかった。しばらく沈黙が続く。

 

「……ごめんなさい。なんだか、少しだけ楽になったわ」

 

「……君はセルカだ。アリスじゃない。自分は自分だから、自分にできることをすればそれでいいんだ」

 

「……そうね。あたし自分からも、姉様からも逃げてたのかもしれない………もうこんな時間。あたし戻るね。明日は安息日だけどお祈りはあるからちゃんと起きるのよ」

 

「が、頑張ってみる」

 

一瞬だけ微笑んで、セルカは部屋を出ていった。

俺は瞼を閉じてアリスの姿を想像しながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふぅん。彼も良い仕事をするね」

 

「自意識はなく破壊衝動に身を任せてるだけですが……?」

 

「それでもだよ。確かにこちらからのバックアップがあるとはいえ、ここまでの戦果を出せるのは彼の戦闘力故さ。ソフトにハードが追い付けない場合どうなるか、それは君たちもよく知っているはずだ」

 

「……そう、ですね」

 

「感情のないAIが進化するためには恐怖と痛みが必要だ。その恐怖を乗り越え、痛みから逃れるためにより人間に近い脅威判定を備え、対象を排除する。そうした脅威判定を備えることで新機軸のAIが産まれる。それこそが我々の目的なんだからね」

 




取り敢えず書き上げれたので投稿。
一気に時間を飛ばすか思案中……





ラーズグリーズの悪魔
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