「今日はなんだかプレイヤーの数が少ない?」
フィールドに出て最初に感じた違和感。
グロッケンの方もざわついてたと言うか、いつもより落ち着きが無いように見えた。
狩りに出てるプレイヤーも心なしか少ないし、モンスターを狩り終えてもずっと周りを警戒してた。
「なんだろう?」
いつもとは違う雰囲気に《
その時に岩影の向こう側から銃声と共に男性の声が上がった。
「ッ!出やがった!【ミヌアーノ】だ!!」
「弾幕張れ!近付けさせるな!」
「クソッ!よりによってこんなときに!」
え?ええぇええ!?
銃弾の雨の中、ただ真っ直ぐに疾走する人影。
弾道予測線を掻い潜り、直撃弾だけをその手に持った赤い刀で斬り落としていく。
【ミヌアーノ】
噂程度なら聞いたことがある。
フィールドで見かけた場合、近ければ息を潜めて見つからないことを祈れ。遠ければ急いで引き返せ。
鉢合わせたのなら、諦めろ。
銃が支配するこの世界で刀をメインで使うプレイヤーは数少ない。
一時期、第三回BoBの影響で刀剣使いのプレイヤーが増えたらしいけど、挫折して銃を握り直したプレイヤーも少なくないとか。
一刀の元に斬り伏せられ四散していくプレイヤーを見届けながら、近くの岩影に身を投げた。
気付かれてる可能性もなくはないけど、奇襲を仕掛けるなら気を抜いた一瞬を狙うしかない。
相手の実力は未知数。
少なくても三人のプレイヤーを無傷で切り抜けるほどの猛者。
正面からやり合えば、まず勝ち目はない。
セーフティは外してある。あとは相手が背中を見せた瞬間に引き金を引けばーー
「おいチビ助、こんなとこでなにしてんだ」
頭上から降りてきた声。
反射的に銃口を向け引き金を引いた。
「おいおいヒデェ挨拶だな」
避けられた……!この距離で……!10mもないのに!
「その銃……FN P90か。防弾チョッキを貫通する5.7×28mm弾薬……至近距離で人様に向けるモンじゃねぇな」
紅い光が視界の隅で煌めき、咄嗟に仰向けになりながら飛び退く。着地を気にせず飛び退いた結果、眼前を紅い刀身が横切った。
「チビ助め……的が小さい分、殺りにくいな」
物騒なこと言ってる!?
だらりと下げた右手に持った刀をそのまま掬い上げるように斜めに振り上げたのだと気付いたのが、背中から倒れてそのまま後転してピーちゃんを構え直したとき。
「まっピンク……目が痛ぇな」
「か、可愛いから良いじゃないですか!」
「程度ってもんがあるだろ。アイツじゃあるまいし、全身単色で揃えるか?普通」
アイツ?
「……まぁいいか。
「ヒッ!」
目の前に瞬間移動もかくやのスピードで迫られ、左手でピーちゃんを抑え込まれ、刀が振り上げられた。咄嗟にナイフを引き抜いて、降り下ろされた刀を受け止める。
けどその拮抗も一瞬、まるで熱したバターのように切り裂かれ左腕が宙を舞った。
「高周波ブレード……」
「ご明察。コイツを防ぎてぇなら同じモンを持ってこい」
ピーちゃんを抑え込んだ左手で胸ぐらを掴み上げあげられ、そのまま地面に叩きつけられた。
右手首を踏みつけられ構えられた刀に咄嗟に目を閉じる。
「……あれ?」
斬られた感覚もキルされたウィンドウも表示されないことに恐る恐る目を開けてみれば、刀の切っ先が眼前で止まっていた。
「ーーいや?辻斬りの途中だ。そっちに合流するか?」
左手を左耳に当てて……あれはインカム?誰かと話してる?
「それは面倒だな。分かった。すぐ行く。あんまウロチョロすんなよ?……ハッハッ!悪かった悪かった」
刀を鞘に戻して踵を返した【ミヌアーノ】に銃口を向けーー
「運が良いなお前。今殺してもいいが、仲間のとこに行く方が優先順位が上なんでな。次会うことがあれば今日の分も含め確実に殺る。理解できたか?脳内ピンク」
そう言い捨て、まるで風のように遠ざかっていく。
ーーって言うか!
「脳内ピンクってなんだこの野郎~~!」
いろんな意味で失礼なプレイヤーに向け、負け犬の如く吠えたのだった。
フィールドに出たら辻斬り注意。
これGGOの不文律。
ミヌアーノの正体は誰なんでしょうね(すっとぼけ)
本編でなく申し訳ない。
只今行き詰まっておりまして、息抜き代わりに執筆しました。
活動報告に伝言板を作りました。
詳しくはそちらをご覧ください。