気が付けば目の前にいるのは体格に見合わない盾を携えた紫色の髪の少女とベルトを締めた白い服を着た少年。どっちも年下だろう。
つか、ここどこだ?確か俺はSAOでキリトと戦って死んだ……んだよな?の割りには体の感覚はリアルのソレとあんま変わんねぇし、むしろ生身の時より調子が良い気がする。
「先輩……」
盾を構えた少女の後ろへと少年が下がる。
随分と嫌われたもんだな。俺の悪名も広がってるだろうから警戒されても仕方ねぇかもだが。
「クラスはバーサーカー、装備を見る限りでは中世辺りの方でしょうか?」
「誰がバーサーカーだ!この野郎!」
人の事とやかく言える立場じゃねぇが、失礼すぎんだろ!
「す、すいません!……意思の疎通が取れてますね。ベオウルフさんやナイチンゲールさんと同じ理性のあるバーサーカー、ということでしょうか?」
ベオウルフって巨人グレンデルを打ち倒したあのベオウルフか?ナイチンゲールはクリミアの天使フローレンス・ナイチンゲール?
「あぁくそ、何がどうなってやがる」
「あ、あの……お話しよろしいでしょうか?」
特異点、英霊、サーヴァント、聖杯、人理焼却、グランドオーダー……突拍子も無い話で頭が混乱してるな。
取り敢えず
「つまるところ死んだ英雄が英霊になってマスターと呼ばれる魔術回路を持った人間が英霊の側面を喚び出すのがサーヴァント……で合ってるか?」
「サーヴァントの事に関してはその認識で問題はありません。それにしても驚きです。全く異なる世界の方がサーヴァントとして喚び出されるなんて……」
悪い人じゃなそうだ
➡並行世界ってやつなのかな?
『僕からはなんとも言えないね。【座】は成した偉業や人々の信仰によって英雄が英霊として記録される。もしかしたら彼も何か偉業を成したのかもしれない』
「むしろ逆だな。俺は俺の欲の為に多くの人間を巻き込んだ。英雄って柄でもねぇし間違っても呼ばれることもねぇよ」
アイツとの決着を着けるために多くの人間を巻き込んだ。非難されても賞賛されることじゃない。
まぁ誰かの恨みを買うなんて今更だけどな。
「まぁまぁお三方、頭を悩ませるのは後にして明日は大事な一戦が控えてるんだ。休める内に休んでおいた方がいいよ?」
「それには俺も賛同する。体力も集中力も限界がある。いざというときの判断を見誤らない為にも休める内に休んでおいた方がいい」
ダ・ヴィンチの言う通りだ。マスターである藤丸が判断を誤ればそこで何もかもが終わる。
藤丸と盾娘の背中を見送り今後どうするべきかを考える。異世界召喚とか小説の中だけの物語だと思っていたが、まさか俺が体験することになるとは思っても見なかった。
だからと言ってこいつらに手を貸す理由はない。
「さて君には色々と聞きたいことがあるんだけどいいかな?もちろん拒否権も黙秘権もあるよ」
「Give and takeだ。情報をもらった以上、俺も話すしかねぇだろ」
「粗暴な口調の割りには筋は通すタイプかな?ステータスだけじゃ個人を量れない。敵対する意思がないのなら人間らしく言葉を交わすべきだと私は思うのさ」
ダ・ヴィンチの問答は日が登るまで続いた。
サーヴァントには食事も睡眠も必要ないらしい。便利な反面、人間じゃなくなったのだと思い知らされたな。
つかこいつ、ダ・ヴィンチの癖に外見はモナリザだ。なんでも自分が見てきた中で一番美しい女性の姿に自分を改造したそうだ。
訳が分からねぇ。結局、天才の考えることは凡人には理解できない、ということだな。
藤丸と盾娘は焼却された未来を取り戻すため、各時代に配置された聖杯によってねじ曲げられ特異点と化した歴史を修正してるんだと。
聖杯を使い歴史をねじ曲げる奴らとそのカウンターとして召喚されたサーヴァントと協力し、今までで五つの特異点を修正したそうだ。
そして今、六つ目の特異点に乗り込み明日聖都へと殴り込みに行くらしい。
アーサー王とその元に集った円卓の騎士たちが今回の敵。
「悪いが俺は降りる」
「……まぁなんとなくそんな気はしていたよ。この世界は君にとって無関係だし、なによりサーヴァントとしてまだ幼い。サーヴァントに成り立ての君を連れていくのは、あまりに不安要素がありすぎる」
「だろうな。体の感覚に頭が追い付てねぇ。こんな状態で格上と戦うなんざ自殺行為だしな。藤丸と盾娘にはそっちから言っといてくれ」
「…………始まったか……」
遠目に見える白亜の城。聖都キャメロット。
砂塵に覆われ、微かに剣撃の音が聞こえる。
別にアイツらが死のうが俺には関係ない。
あれはアイツらの戦いであって無関係の俺が割り込んでいいものじゃない。
未来を取り戻す戦い。
ダ・ヴィンチはそう言った。
敵の破壊工作によってマスターは藤丸ただ一人。
まだ高校生ぐらいであろう少年に人類の未来が懸かってる。
それは規模こそ違うもののSAOクリアのため奔走する少年の影と重なる。
「キリト……お前ならきっと打算なく協力を申し出てたんだろうな。お前はお人好しすぎる」
足は自然とキャメロットへ向いていた。
「どうせ逝きかけの駄賃だ。英雄の
「これは太陽の映し身、あらゆる不浄を清める焔の陽炎」
「敵、宝具発動します!」
タイミングは最悪だ。マシュの宝具は間に合わない!
「【
もう少しなのに……!
「させるかよ!」
マシュの脇を抜けた灰色の影が円卓の騎士ガウェインへと向かう。疾走する勢いのまま右手の大剣と左手の異形の短剣でガウェインの聖剣を受け止め壁際まで押し退けた。
「よう藤丸、まだ生きてるか?」
「貴方は……」
「ここは俺が引き受けた!ボサッとしてる暇があんならさっさと進め!」
「させない!」
「つれない事言うなよ。もう少し俺に付き合ってもらうぞ!」
聖剣をその異形の短剣で裁き、お返しとばかりに右の大剣を振るう。
「アルトさん!」
➡マシュ、行こう
「……はい」
けたたましい剣撃の音が聞こえてくるけど決して後ろは振り向かない。あの人ならきっと大丈夫。
「流石、太陽の騎士ガウェイン。ここまで実力差があるとなると笑いしか出てこねぇ」
左腕は焼かれ右目を潰され満身創痍の状態。
それでも戦意は折れず、眼前の敵を見据える。
「私も無名の英霊にここまで粘られるとは、私自身思ってもみなかった」
「白々しいなバスターゴリラ。こっちは満身創痍、そっちはまだ手傷を負った程度だろ」
剣から炎を撃ち出すとか反則だろ。
「せめての
「ガラティーン……エクスカリバーの姉妹剣、か。まさか本物を見れる日が来るとはな」
サーヴァントってのも悪くねぇな。
「最後に言い残すことは?」
「騎士の矜持か?ならひとつ、手傷を負った獣を前に舌舐めずりは命取りだぞ」
宝具は英霊の生きた証であり生き様。
サーヴァント擬きの俺でもあの世界で刻んだ思いがある。
「《
「《
特異点を修正しカルデアへと戻ってきたけれど、あの人はいない。
サーヴァントとして円卓の騎士たちに劣ると言い残して姿を消したけど、自分達の危機に駆け付けてくれた。
そのお礼をまだ言えてない。
「二人とも特異点の修正お疲れ様、獅子王が残した最後の特異点の特定まで時間が掛かる。それまで二人ともコンディションを整えて置いて」
ドクターの言葉に自室へと戻ってベッドへ身を投げる。
➡眠れない……
「酷ぇ面してんな。誰か死んだか?」
➡え?
この声……
「数時間振りの再開だな。俺もてっきりガウェインと相打ちなって終わりかと思ってたが、気が付けばカルデア?にいてな。あちこち見て回ってて挨拶が遅れた」
色んな時代のサーヴァントがいて、なかなか見飽きなくてな、なんて茶化して右手を差し出してくる。
「改めて、サーヴァント・バーサーカー真名アルトだ。よろしくなマスター」
ステータス(fgo風)
真名:アルト(三神颯真)
性別:男性
属性:混沌・善・人
クラス:Berserker
レアリティ:☆4
カード配分:QABBB
Q:3hit A:2hit B:3hit ex:4hit
LvMAX時
HP:11560 ATTACK:12860
筋力:A 耐久:C 敏捷:C 運:A+ 魔力:D
宝具:C
スキル
攻勢防御:A+
無敵状態を付与(2回・3ターン)
防御力UP(3ターン)
防御力UP大(3ターン)
リチャージ:7➡6➡5
人体理解(目):A
人型特攻・特防状態を付与(3ターン)
クリティカル威力UP(3ターン)
リチャージ:8➡7➡6
双刃:A
攻撃ヒット数を倍にする(1ターン・攻撃力半減・スキルレベルに応じて威力UP)
自身に毎ターンスター獲得状態を付与
リチャージ:7➡6➡5
クラススキル
狂化:C
バスターカードの威力が少し上昇
先見:A
サーヴァントのクリティカル発生率を大きく減少
宝具
バスター宝具
《
自身に必中状態を付与(1ターン)敵単体に防御無視の超強力な攻撃(オーバーチャージで効果UP)
敵の攻撃力と防御力down(オーバーチャージで効果UP)
召喚時
「こう言うときは前口上が決まってんだってな。クラスバーサーカー、真名アルトだ。強ぇ奴がいたら俺を呼べ、損はさせねぇよ」
ステータスを考えるのが楽しかったり……
サーヴァント成り立てでギフト持ちのガウェインを抑え込む。お前、人間じゃねぇ!