sword art onlineー黒と灰ー   作:戒斗

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注意書きにもあったように、作者のファランへの愛が爆発した結果の作品です。
今更感、何番煎じ、酷評はあるでしょうがご容赦を



アインクラッド編
第1斬:七十四階層迷宮区攻略ー前哨ー


このゲームがデスゲームとなってから二年に差し掛かろうという今日この日。閉じ込められた一万のプレイヤーも六千人を切るのも時間の問題だろう。

 

「この調子で百層到達時には何人残ってることやら」

 

「そんなこと言わないでくれ。気が滅入る」

 

俺ことアルトの呟きにゲンナリとした調子で、隣に座るキリトがぼやく。

 

基本ソロで動くことの多い俺たちは、七十四層主街区の転移門前でとある少女と待ち合わせをしているのだが、一向に姿が見えない。

何度か転移してくる奴も居るが、待ち合わせ相手じゃねぇから一瞥して終了。

 

立ち上がり背負った背丈程ある両刃の【大剣】を揺らしながら周囲を見渡すも(くだん)の相手は見つからず。

 

俺が背負ってる【大剣】は【両手剣】のエクストラ(上位)スキルである。火力こそ高いものの必要STR値が高く、武器自体も【両手剣】よりも重い。だから出現条件が開示されても、【大剣】を使っているプレイヤーは少ない。

使ってる奴も、パーティを組んで遊撃役だろう。

だが俺は、チマチマと攻撃するのも性に合わねぇからコイツ(大剣)を使ってる。

 

それはそれとして

 

迷宮区の探索がしてぇつーから待ってんのに音沙汰すらねぇってのはどーなのよ。

 

ガジガシと黒味の強い灰色の髪(染色ではなく自前)を乱暴に掻き、俺ら二人を待たせてる相手にメッセを送ろうとした時だった。

 

「きゃあぁぁ!?ど、どいてぇぇ!?」

 

「わぶっ!!」

 

転移の光と共に飛び出てきた白い影(影なのに白とは此如何に)がキリトを押し倒し、揉みくちゃのまま地面に倒れ込み数秒。

 

「......っ!嫌ぁぁぁ!!」

 

「げふぅ!!」

 

白い影ー面倒だからアスナーの実に見事な平手打ちがキリトの頬に炸裂し、砲弾の様にぶっ飛ぶキリトを受け止めることはせず、転移門を取り囲む支柱にぶち当たったのを確認、アスナに視線をやれば自身の体を抱き締め、顔が赤い。

 

あぁ、いつものあれか(ラッキースケベ)

 

「ようアスナ。胸でも揉まれたか?」

 

「アルト君!!デリカシーがないよ!!」

 

茶化すように声を掛ければ、烈火の如く切り返される。

 

キリトもキリトで右手の感触を確め「や、やぁ」と(ども)りながら声をかける始末。

 

正直に言おう、変態かと。

 

このままだと埒が明かねぇから、キリトの首根っこを猫のように掴み上げようと手を伸ばしかけた時、再び転移エフェクトが現れ光が収まれば白い鎧ー血盟騎士団(kob)の鎧ーに身を包んだ三十代後半から四十代半ばほどの男。

 

......なんと言うか不健康そうと言うか、神経質そうと言うか、粘着質、ストーカー気質、まぁそんな属性を盛り込んでそうな男は周囲を見渡し、俺とキリトの後ろに隠れたアスナを見つけヒステリック調を声をあげた。

 

「アスナ様、勝手なことをされては困ります。さぁギルド本部へ戻りましょう」

 

「嫌よ!今日は活動日じゃないし、それよりもどうして朝から私の家の前に張り込んでるのよ!団長からはそんな指示はありません!」

 

「勿論、団長の指示がなくとも私の判断でアスナ様の護衛の為、一ヶ月前から張り込みの任務についております」

 

現行でストーカーだよ、コイツ。しかも判断じゃなくて独断な。

珍しくアスナもキレ気味だし、これ以上予定を先送りにするのもあれだ。

 

「そこまでにしとけよオッサン。今日一日、オタクの副団長殿は俺ら二人の貸しきりだ。団長殿にもそう伝えてる筈だがな」

 

「そ、そうよ。団長からも許可は貰ってあります。ですのでクラディール、貴方の護衛は要りません」

 

俺の意図に気付いたアスナの同調にストーカーもといクラディールは頬を引き吊らせて、アスナの腕を掴むという強行手段に出ようとするが、俺ら二人相手じゃ遅すぎる。

 

「アルトも言っていただろ?今日一日貸しきりだって。アンタよりもレベルが十は上の俺たちの方が護衛に向いてるんじゃないのか?」

 

「キリトー、独占欲バリバリじゃん?」

 

「茶化すな!」

 

コントしつつもクー、クラ?クラゲ?の足を俺が払い、キリトが体勢を崩した奴の腕を絞め上げながら、拘束する。

 

立ち上がろうともがいているようだが、STR値は俺程振ってないにせよ、相手はキリトだ。拘束を振りほどくことも出来ねぇだろ。

 

「不意討ちとは汚い真似をォ、正々堂々と出来ないのか!」

 

「意表を突くは勝負の常。そんなこと言ってんなら武器なんぞ使わねぇで男らしく素手で来い」

 

「お前のSTRで殴られたら首から上が無くなりそうだよな」

 

まぁ確かにほぼSTR極振りと言える俺のステータスで殴れば確かに首が飛んでいくだろう。リアルならな。

 

まぁそんな事どーでもいいんだよ。

 

「まぁそういう訳だオッサン。金輪際アスナの前に現れるなよ?」

 

「アルト君?」

 

「アスナ、結婚する相手はちゃんと気を付けろよ?独占欲が強い奴は、例え顔見知り程度の男でも近くに居るだけで爆発すっから。あんな風に」

 

「何の話!?俺とアスナはそんな関係じゃないからな!?」

 

キリトを指差しながら言ってやれば、キリトが噛み付いてくる。

アスナは「結婚?キリト君と?」なんて頬を染めてトリップしてる始末。

 

我ながらどうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は流れて、迷宮区のマッピング中。

あの後、激昂したクラゲ野郎とキリトが何故か決闘。

【両手剣】の突撃スキル【アバランシュ】をキリトが軌道をずらしたソードスキルで迎撃。

クラゲ野郎の武器を破壊して終了と相成った。

 

クラゲ野郎はアスナ直々に解任命令を受け本部待機。

プライバシーの侵害等でペナルティを与えなかっただけ温情だろ。

個人的には黒鉄宮にぶち込んで欲しかったが。ああいう奴は逆恨みしやすいし、今回のが原因でボス攻略中に後ろからグサリは嫌だしな。

 

「腹ぁ減ったなぁ」

 

「もう、アルト君ったらさっきからそればっかり」

 

「せめてボス部屋が見つかるまで、我慢してくれ」

 

「もうやだこの効率厨。脳死プレイヤーでも可」

 

「喧嘩だな?喧嘩売ってるんだな?」

 

文句タラタラだが、マッピングはほぼ八割方出来たと言ってもいいだろう。今歩いてる道もRPGお馴染みのボス部屋までの一本道。

 

周りの風景の変化からそうアテをつけるが、(あなが)ち間違いじゃねぇだろ。

 

ボロボロに擦りきれた赤い外套を宙に踊らせ、右腕一本で振るった横一閃の一撃は容易く《デモニッシュ・サーバント》の盾受けを崩す。

アスナが防御の崩れた相手の体勢をさらに崩し、キリトがトドメ。キリトが仕留めきれない場合に俺が備える事もあるが、大抵は初撃の崩しで終わっちまうから、ぶっちゃけ暇。

 

ソロの方が経験値ウハウハだが、パーティを組んでマッピングが目的だし楽が出来ると言い聞かせる。

 

因みに俺の装備はとあるボスのドロップ品で、革製の防具の下にチェインメイルを着込み、肩当ては左だけ、籠手も着いているが右籠手に至っては肘から手首までという軽装。防御力よりも動きやすさに重点が置かれているそれは、やはりダメージカット率はさほどよくはない。

だがAGI値の補正が高く、さほどAGIに振ってない俺でもキリトと渡り合えるのだから、レベルだけじゃなく装備の組み合わせも重要なんだろう。

 

それと外套がボロボロなのは最初からで耐久値の限界と言うわけではない。

 

....誰に言い訳してんだろ。

 

そんなこんなで、如何にもな扉の前。

この中のボスの強さは如何程か、知らずのうちに口角が上がってしまう。

 

クォーターポイント(二十五階層)毎に強力なボスが配置されていることから、七十四階層という事を考えても他の階層主よりも手強いことは確かだろう。

 

討伐が目的じゃないが、最低でもボスの使用武器と行動パターンの収集、攻撃時の癖など確かめる必要があるため、軽い交戦は仕方がないだろう。

 

まだ誰も戦ったことのない相手と一戦交えるというのは、不謹慎だがワクワクするな。

 

「行くぞ」

 

キリトが彫刻の掘られたボス部屋への扉を開け放った。




いかがでしたでしょうか?
今回が初投稿なのでおかしい部分もあるでしょうが、見逃してください。

因みにアルトは装備はダークソウル3のボスファランの不死隊装備の兜無しです。逆手短刀は二刀流と出す予定です。
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