とても短いです。
行き詰まった。
ロスリックを倒し、ロスリック城を探索してみたけど先に続く道はなく、最後の《薪の王》への手掛かりもない。
それに、ここまで進んでいるのは俺たちだけで、アルゴの情報網もアテになりそうもない。
「アルトも考えてくれよ」
「ロスリック城を全部探した訳じゃねぇだろ」
「いや、行ける場所は全部行ったろ?」
「踊り子と戦って降りた梯子を上った脇に道があったろうが」
《Oceiros,the Consumed King》
「邪魔だ!犬っころ!」
アルトの咆哮と共に放たれた一閃は容易にレッドゾーンまで減っていたHPを削り、その命を刈り取った。
なんの感慨も感じさせず大剣を背に戻し、奥へと進んでいくアルトの後を追った。
奥には座禅を組んだ竜人のような像。
「これって……」
「地下牢の奴と一緒だな。何でここにあるかは知らねぇが、何かのヒントか?」
ヒント……地下牢とここの銅像との関係性……?
オスロエスは竜の力とか言ってたような……。
「あそこで銅像と同じポーズをしろってことか?」
確かに遠くに巨大な竜が山にもたれ掛かっていたから、多分あそこには探索できるエリアがあるかもしれない。
「あっち行ったりこっち行ったり、振り回されてんなぁ」
「少ないヒントから自分の力で新しいエリアを発見する。RPGの醍醐味だろ?」
「移動するのが面倒なのは変わらねぇけどな」
「
「いっぺん死んでみるか?新しい発見があるかもしれねぇぞ?」
やめて!乱暴しないで!
「死に晒せ!」
「ーーってことがあったんだ」
「キリトも兄ちゃんも、二人だけでボスに挑むとかズルいなぁ!」
「3時間くらい掛かったけどな」
ヒーラーがいないから絶えず動き回り、隙らしい隙を見つけてからそこを突く。
それを繰り返すこと数十回、ようやく倒れたんだっけ?
やっぱりボスに二人で挑むのは無謀の一言に尽きた。
それでも倒せたのは互いの役割をハッキリと理解し、互いをフォローし合い最高効率で動けていたからだ。
もちろんパーティが増えればそれだけ楽ができるけど、ヘイトが分散して暴れまわる可能性もある。
絶えずヘイトを集中させ、こっちに攻撃が向いたときも割って入ってくれるタンクがいるだけで随分違う。
でも受け流した攻撃が俺に飛んでくるのはどういう了見なのか、きっちり問い詰めたい。
イルシールの地下牢に転移して右へ。
あらかじめ解放していたショートカットの扉を潜り、エレベーターを降りる。
ショートカットのお陰で地下牢の中を歩き回らなくて良いのはありがたいよな。
「……やっぱりな。ロスリック騎士と同じ鎧。コイツらはここからどっかに行こうとして、ここで力尽きた。そう見るのが自然だな」
座禅を組んだ竜人の像。その周りには半ば朽ちかけた鎧の数々。
その鎧の造りからロスリック騎士と同じだと判断したアルトは竜人の像が見据える山へと視線を向ける。
そこには力尽きた竜がもたれ掛かっている山脈。
けどそこへと続く道はないし空も飛べない。
ロスリック城から不死街へと連れていってくれたデーモンを呼ぶ小環旗も使えない。
「あのさ、この像と同じポーズをしてみたら?」
「ハナからそのつもりでここに来たんだ。話聞いてたか?」
「ボス戦のところだけ!」
アルトが頭を抱えてるけど、それを無視して像と同じように座禅を組む。
これでなにもなかったら頭が痛いどころじゃないな。
そう考えてる内に意識が遠のいて行く感覚、そして竜の声が聞こえた気がした。
肌を撫でる風邪の感触に意識が覚醒していく。
目を開けばそこは雲を眼下に見下ろす山の上。
岩場の向こうには遺跡のような人工物も見える。
慌ててマップを開いて確認すれば、【古竜の頂】の文字。
「多分ここが最後の《薪の王》がいるエリア……」
《薪の王》は3人倒していて玉座は5つ。
1つは既に埋まっていたから残っているのは最後の1人になるはず。
《火継ぎ》について話を聞くはずなのに倒してどうするんだ、と言うツッコミは無視する。
「アルト?ユウキ?」
声が聞こえない2人に声を掛けながら後ろを振り向くけど誰もいない。
……え?もしかして俺だけ?
古竜の頂ってストーリーに無関係な上にノーヒントだから気付けた人でないと行けないという。
最後の薪の王はあの方。
強さ的にも問題ない……と思います。
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……喪主って大変。