グリー版アイドルマスターミリオンライブ終了に伴い、ゲーム内のドラマシアターというSSのようなものを投稿するコーナーの中で連載していた作品をこちらでも試験的に連載しています。
ハーメルン自体が初めて、小説調も初めてなのでお手柔らかにお願いします。
小説内に登場するアイドル達はアプリ「アイドルマスターミリオンライブ シアターデイズ」内に登場する子をメインにお送りしております。
ご存知ない方は是非チェックしてみてください。
知っているよ!という方、感想リクエスト各種お待ちしております!
僕には、気になる人がいます。
同じクラスの「七尾百合子」さん。
彼女は..とんでもなく可愛い。クラスで....いや、多分学校全体を探しても彼女より可愛い子はいないと思う。
あの編み込みが入ったミディアムショートの髪、金色の瞳....
教室で静かに本を嗜むその姿は…知的で聡明な人なんだなということを思わせた。
................な、なんだよ?いいだろ、見た目から入ったって。
美しいということは人を好きになる理由としては一番単純明快じゃないか。
それに....僕はまだ七尾さんとちゃんと話したことないから、性格とかよく分からないし。
彼女は、本がすごく好きだ。
休み時間は大抵図書館に篭って本を読み耽っている。
授業中と友達と話す以外はいつも本を読んでるから、話かけるタイミングが見つからない。
僕は普段唐突に人に話しかけられるほど気さくではないので、非常に難儀している。
いったいどうしたものか....
ひとまず共通の友人に相談してみた。
「ああ百合子?あの子はちょっと人見知りなだけだから普通に話しかければ話してくれるよ。」
「ん〜…その普通に話しかけるタイミングが分からないんだが…」
「しっかし、百合子とはまたマニアックなとこいったね〜」
「え?そんなに変わった子なのか?そんな風には見えないけど」
「う〜ん、そういうんじゃないけど…なんというか....」
「厨二病なんだよね、それも古いタイプの」
「厨二病…?」
(※妄想)「ククク…我が魔力を見抜くとは…其方も「瞳」の持ち主のようね…」
「う~ん…なんか違う…そんなイメージないけどな....」
「なんていうのかな~なんか突っ走ると止まらないっていうかさ~。うちらの間では「図書館の暴走特急」って呼んでるよ。」
「暴走....特急?」
「まぁあれよ、心配だったらアタシからなんか取り計らってみるからさ。そゆことで、ガンバ!」
「えっ?ちょ....まだ肝心なところがわからな....!」
行っちゃった....
それから他の友達にも声をかけてみたけど、結局これといった打開策は見つからなかった。
教室でも、特にこれといった接点もないから話し掛けられるはずもなく....
臆病な僕にできることといえば、図書館で本を読んでいる七尾さんを眺めることくらいだ。
はぁ........こうして遠目から見てもはっきり分かるくらい、可憐で........可愛い。
「............よいしょっと。」
座ってるだけじゃ怪しまれるしなんか本でも取りに行くか。
とはいえ、僕が知ってる小説なんてこれくらいしか…
その時だった。
誰かの手が、僕の手に、分厚い背表紙に触れた。
「「あっ……」」
時が止まったみたいな、一瞬の沈黙。
遅れて来た思考が、即座に僕の手を引っ込めさせる。
身体が....どんどん熱くなる。
(やべええええええええええええええええええええええ七尾さんと手重なっちゃったあああ‼︎ちょー気まずい…どうしよどうしよ…な、なんか言わなきゃ....えーっと)
「あっ、あの…ごめん‼︎ど、どうぞ…お先に!(何してんだよおお‼︎話かける絶好のチャンスなのにいい!)」
ダメだ、思考と身体が一致してない。
「いっ、いえ‼︎私はもう読んだことありますし、どうぞお先に‼︎」
だが当の七尾さんも七尾さんで、心なしか顔を赤らめながら遠慮していた。
「あっ…そ、そうなの…?(ダメダメダメッ!?これじゃ会話終わっちまう!!なんか、なんかないか?)」
「な、七尾さんこの小説、好きなの?僕読み始めたばっかりでさ…ど、どう?面白い…?」
瞬間的に思考をフル回転させて、できるかぎり七尾さんの気を引きそうな言葉をぶつける。
ど、どうだ....?
次の瞬間
「....................そうなんですか?!」
七尾さんの瞳の中に、星が瞬いた。
(うおお、めっちゃ笑顔だ…やばっ、超可愛い)
「これ、海外では大人気なのに日本に来たのつい最近でなかなか知ってる人がいなくて!」
そこから、七尾さんはものすごい勢いで本のあらすじと世界観を語りはじめた。
その様、というか勢いは....なんというか、まさに共通の友達の言っていた「暴走特急」そのものだった。
(以下長すぎるため省略させて頂きます。ご了承下さいm(__)m)
「............それでそれで‼︎ってあっ…ご、ごめんなさい!私、本の話になると止まらなくなっちゃって…ご…ご迷惑…でしたよね?」
ひとしきり話すと七尾さんは、一瞬のはっとした顔から元の大人しそうな雰囲気に戻る。
な、なんだろう........情報が多すぎて内容が頭に入らないけど....
とにかく、すごい!
「全然そんなことないよ‼︎七尾さん、本当に詳しいんだね‼︎その…出来れば…もっと教えて欲しいな。」
「…………本当ですか?!」
僕の言葉を受けて、再び七尾さんの瞳に星が流れた。
....と、そこに
「ウォッホン!!」
僕達のすぐ隣から聞こえて来る、わざとらしい咳ばらい。
「「………あっ」」
図書館の司書さんが、広がったおでこにクッキリと青筋を浮かび上がらせて立っていた。
「君たち、おしゃべりは外でやってもらえるかね?」
「「す、すいません…」」
こうして僕達は見事に図書館を追い出されたわけですが、さてどうしたものか…
「あの…」
不意に七尾さんが口を開く。
「校舎裏に私が放課後よく読書をしているベンチがあるんです。よかったらそこでもう少し…お話しませんか?」
願ってもいなかった、嬉しいお誘い。
僕の答えは、もちろん
「…喜んで。」
それから僕と七尾さんは時間も忘れていろんなことを話しました。本のことだけじゃなく、本当にいろんなことを....チャイムが鳴るのにも気づかないくらい。
僕…七尾さんのことが…もっと、好きになりそうです。