ねつ造設定が多寡ですが、なるべく原作に近付けたいと思います。
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「と、いうわけでお主には転生してもらう」
「いや、いきなりどういうわけだよ!」
いつの間にやら、見知らぬあたり一面真っ白な世界に、俺一人と白い長髪と髭を蓄えた爺さんの一人のみしか存在しない場所に連れてこられていた。
「んで、転生ってもしかして今はやりの(少しありふれてきている)異世界転生ってやつなのか?車にひかれたとか、チートとか貰えるあの?」
おおよその想像はつくがここでよくあるテンプレものの定番があるかどうか聞いてみて確認しておくことは重要だろうな。
「まあ、大体そういう事じゃな。異世界といっても二次創作憑依転生になるが」
「ああ、オリジナルじゃあないんだ、なろう系じゃなく二次ファン系だな。あっちはもうなくなってしまったが。それで原作名と憑依先ってどこなんだ?」
「転生先は『Infinite Dendrogram』じゃな。なろう小説の。憑依先は・・・まあリアル名だと分かりにくいから、プレイヤー名でいうと『ローガン・ゴットハルト』になるの?」
『Infinite Dendrogram』かー、大好きで結構なファンだがあれって設定過多でまだ現在時点で全然情報でそろってないんだよな。まあ通常プレイでは普通分らない無限エンブリオやフラグマンの情報とかが出ている分まだやりやすいと言えるか?
そして、『ローガン・ゴットハルト』が憑依先とは、また何とも言いづらい。ローガンといえばスレはおろか、本編でさえも閣下()よびされる自身の全能性を信じた強力な力を持っただけの子供とさえいえるキャラだ。
そのエンブリオはまぎれも無く本物で、数あるエンブリオの中でも汎用性に満ち溢れたものであり、現時点で詳細を俺が知るエンブリオの中でも隠蔽の極致のアルハザードとならび強いのにうまく使われていない代表のエンブリオだ。
その、ローガンに憑依転生とはねぇ?本人ではなく、俺が扱う以上原作並みの醜態にはならないだろうがどうなることやら。
とはいってもあくまでも〈超級〉クラスにおいての雑魚であって闘技場内での戦闘では上級には太刀打ちできなかったレベルの戦闘能力はあったし、それに閣下の新戦法とやらも判らないから場合によっては本人以下になることもあり得るのか。
まあだからと言ってパーソナルで変な物が出てこられても対応に困るが。
ところで異世界(憑依)転生ならば、チートはあるのだろうか?あるとしたらどういうものになるのだろうか。
「ふむ、長いモノローグ御苦労さまじゃな?さていろいろ考察してくれていたようじゃが、まあ頑張ってくれと応援だけはしておくぞ。さて転生チートについてもはなしておこうか。まず最初に行っておくと、明確なチートがあたえられることはない。これはローガン・ゴットハルトへの転生憑依が最高のチートであるということになるわけじゃの。またそれに対するオプションが3つ与えられる。一つは原作開始時点までには確実に〈超級〉に至るという特典。これは最低限であり、お主の自由次第ではもっと早く〈超級〉に至ることができそのエンブリオの能力は強力になる。一つはリアルでの扱い。本来のローガン・ゴットハルトのリアルでは日本の小学生として学業とゲームを平行に行っていたが、お主に関しては学業を行う必要はなく、いくらでもInfinite Dendrogramを自由にプレイできるようになる。いわゆるご都合主義というやつじゃな。そこらへんの細かい設定は考えるのが面倒だったのでそういうものだったと思っておけ。一つは読心の無効化じゃな。管理AI1号などの心を読まれたらやばい相手は多いじゃろう。それらを無効化し、まったく別の読まれても問題ない心の内容に変換し偽ることでお主の特異性に気づかれないようにするものじゃ。」
なるほど、他作品の能力を得られたりするわけではないが、それでも十分すぎる特典だな。
まあ2つ目の特典はいろいろと突っ込みたいが、ここは自重しておこう。
必ず〈超級〉に至れるというだけで並みのマスターからすれば垂涎ものの厚遇だといえるしな。
「それと、特典ではなく転生憑依の際に1つ制限させてもらう。内容としてはゲームスタートの地点をドライフ皇国に限定するというものじゃ。他の国からスタートするのは禁止させてもらう。これは王国等のよその国に行かれて戦力が逆転するのを防ぐ意味合いもある。これに関しては必ず従ってもらうぞ、もっとも開始後に国をでていく分にはペナルティはないが、そのあたりはお主の自由じゃ」
「ドライフ皇国限定なのか、何も言われなかったら王国に行こうとしたんだが残念だったな。まあ王国だと狩り場に困る気もするが、初期だとフォルステラやゼクスなんかの優秀なマスターが在籍しているからな。その点ドライフだと気をつけるべきは【獣王】くらいのものだから気楽な物だけど」
「さて、それではそろそろ転生処理に移らせてもらうとするかの。ちなみに転生先は日本のとあるマンションじゃ」
そういうと、俺が立っている白い地面が光り輝き、俺自身を包んでいく。
「これが転生処理か・・・、というかそこってローガンの実家じゃないよな?本当にローガンである必要あったのかよ転生先」
「ルンペルシュティルツヒェンを他の人間が扱ってる転生ものが見たかったからの!!まぁ、まるっきり関係が無いわけではないが、それは後のお楽しみじゃな」
意味深な内容だな?何かしら理由はありそうだが、それに関して教えてくれることはなそうだ。
「それではな・・・」
そしておれの全身が光に包まれ、意識がホワイトアウトしていき・・・
□□日本・東京某所□□
気づいたらそこに居た。
「知らない天井だ・・・」
完全にテンプレなセリフだなコレ。
「さてここは一体どこなんだろうか?」
どうやらベットに寝ていたようだ。起き上がりあたりを確認していく。
自室はそれなりの広さ10畳といったところか?洋室だし、正確な広さを測れる能力なんてないが
ベットが1つとタンスとデスクトップパソコンと時計とカレンダーそして≪Infinite Dendrogram≫のハード機体と思わしきヘルメットのようなものしかない。この広さでこれだけだと聊か殺風景ではある。または、自分で好きな物を買ってここを彩れという神の思し召しなのだろうか?
カレンダーを確認すると今日は2043年7月15日、確か記憶に残る≪Infinite Dendrogram≫の開始日だったはずだ。
他の確認を後回しにして、ハード機体を起動してみる。
他の確認は後回しでも可能だが、ゲーム開始日のラッシュはその時しか味わえないからな。
ゲーマーとしてもこの時を逃したくはないし、最強厨のはしくれとしても初期のリソースの奪い合いに負けたくはない。
ハードを操作した結果、開始があと3分後であるというのが判る。
どうやら神様はギリギリにこちらによこしてくれたようだ。いや、神様を責める積りは一切なく、むしろ待つ時間が短く感謝しているくらいだが。
とりあえずは、ハード機体をかぶってベッドに横たわり、いつでもゲームを始められるように準備をしておこう。
その3分も光陰の如く、すぐに過ぎ去る。
『あと5秒・・・4、3、2、1!ゲームスタート!!』
そして、スイッチを入れ、瞬間、世界が暗転する。
◇
「はーい、ようこそいらっしゃいましたー」
転生時のような感覚のあと気がつくと、また別の場所に立っていた。
部屋は木造洋館のような書斎、そして目の前には椅子に座る猫がいる。
管理AI13号、チェシャか。
俺は知っている。管理AIの事をあの小説における前半部分の内容しか読めなかったことではあるが、彼らの目的を正体を。
しかしそれをおくびにも出さず、また特典により悟らせず、別の話を口にする。
「ここはチュートリアルまたはキャラ設定の空間・・・という事で合ってるのか?」
「その通りだよー。ここは入口―。ここでいろいろ設定してもらってから≪Infinite Dendrogram≫に入ってもらうんだよー。あ、僕は≪Infinite Dendrogram≫の管理AI13号チェシャだから―。よろしくねー」
まあ、知っているのだが悟らせないように演技はしておく。
「ああ、よろしくな」
「よーし。じゃあまずは描画選択ねー。サンプル画像が切り替わるからどの方法がいいか選んでねー」
その言葉とともに世界が切り替わる。リアル・CG・アニメとどんどん変遷していく。
すごい。その感想がまず思い浮かぶ。
これが管理AIの1体ダッチェスの力によるものだと知っていて尚、そのすごさに驚く。
だが、それに驚いているばかりでも居られない。描写選択はそれなりに重要な要素だ。後から変えられる方法があるとは知っているが最初からきちんと選んだほうがいいだろう。
選ぶのはリアル描写。
ローガン・ゴットハルト本人はCG描写にしていたらようだが、この世界を真に楽しむためにはリアル描写が一番だろう。食事に不都合が出るらしいしな。
「リアルの描写でいい」
「オッケー、じゃあこれに設定させてもらうよー。あ、後でアイテム使えば切り替えることもできるからねー」
「次はプレイヤーネームを設定してもらうねー。ゲーム中の名前は何にするー?」
さてどうするか。原作通りローガン・ゴットハルトの名前でスタートする気はない。
ローガンの名前はあるゲームの主人公の名前だったそうだからな。
そんな名前で主人公気分になってプレイする気はさらさらない。
とはいえさすがに憑依してしまった以上ローガンの名前とまったく無関係なものにするのも気が引ける。
ローガンの名前を少しもじったものにするか?
考える。名前はローガンでいいだろうか?家名はなんとしようか。
スペルをアナグラムしたものを元にするか。
「そう・・・だな。ローガン、ローガン・ゴールドランスにしよう。」
適当ではある。家名を決めるなら人名事典を借りてそこから適当に選べばいいとは思うが、俺はそうはしなかった。
その理由はただ単にローガンらしいオンリーワンでありたいというつまらない事情からであるのだが。
「じゃあそうするねー。次、容姿を設定してねー」
チェシャがそういうと、目の前にのっぺらぼうなマネキンと沢山の画面が現れた。
画面の中には「身長」、「体重」、「胸囲」等の言葉とともに並んだスライド式のバーや、目や鼻が収まった画面などがある。
これがローガンをあの英雄像()に創り替えたキャラメイク画面であろう。
「これはキャラメイク画面でいんだな?」
「そうだよー。そこにあるパーツやスライダー使って自分のゲーム内での姿(アバター)を作ってねー。あ、僕みたいに動物型にも出来るよー」
ベヘモットみたいなタイプか。
まあ、人間から離れたアバターだと最初の操作が大変らしいし、自分がどんな体格でも操れるなんてゼクス見たいに頭がおかしい性能をしているとは思わないからここは人間型一択だな。
「ゆっくり悩んでいいんだよー、時間はいくらでもかけていいからねー」
キャラメイクに一カ月もかける気はしないし、リアルモジュールでいいかな?・・・って、俺自分がどんな顔なのか見てないぞ、転生した部屋に鏡とか無かったし。
まあ一から設定する気にはなれんからものは試しにリアルモジュールから始めるか?
「設定が面倒だな。キャラメイキングってリアルモジュールでできるのか?」
出来ることは知っていてもきいておくことは大事だからな。
「出来るよー」
チェシャが尻尾をふりふりすると、目の前のマネキンだったものが見知らぬ少年の姿に変わる。
見た目は黒髪黒目の中肉中背の平均的日本男児。年の頃は10といったところか?
容姿は悪くはないが、物凄くいいというレベルでもない。
少なくともルークよりははるかに劣ると言っていいだろう。リアルで見たことあるわけではないが。
とりあえず、素体としては悪くない。これをベースにしていけばいいだろう。
「さて・・・。どういったメイクを施すとしようかね?」
悩みはする。さすがに厨二的な容姿はプレイしたくはない。悪魔使いだし黒目黒髪でかまわないかな?
一応、眼の色や髪の色をいろいろと変えてみたり、身長をいじったりしてみたが、コレジャナイ感がしてくる。
やはり、黒目黒髪を三つ網で伸ばしてみて、少し容姿をいじって終りでいいだろう。
それから20分ほどかけて俺のキャラメイクは終了する。
「これでいい」
「オッケー。じゃあ他の一般配布アイテムも渡しちゃうねー」
チェシャは空中に向けて手を振るとカバンが一つ、何もない空間から落ちてきた。
「これがローガンの収納カバン、いわゆるアイテムボックスねー。中は収納用の異次元空間だからー。ついでにローガンの持ちモノなら入るけどー、逆に言うとローガンの物以外は入らないからー」
「定番だな」
「まー、PKしてからランダムドロップしたのを拾ったり、《窃盗》スキル使って盗んだりすればいけるんだけどねー」
「ちなみにねー。《窃盗》スキルのレベルが高い人はこの四次元ポケットみたいなアイテムボックスの中からも盗めるから―。気をつけてねー」
エルドリッジ先輩とかですね、わかります。
というか四次元ポケットと素直に言いやがった。原作だと伏字だったはずなのに。
「ちなみにそれは初心者用だけど、他にも色々種類あるから―。盗まれにくいのとか、小さいのとか、容量が大きいのとか―」
「基本的にこれで十分そうだがな」
「教室一個分の容量はあるからねー。まあ、商人とかやると足りないだろうけどー」
商人になる気はないから問題はなさそうだ。足りないなら後々買えばいい。
「あ、アイテムボックスの類は全壊すると中身ばらまかれるから耐久には注意してねー」
「気をつける」
「次は初心者装備一式ねー。ローガンはどれにするー?」
チェシャは本棚から取り出したカタログを俺に見せる。
そこにはいろいろな武具がひとそろいで載っている。
「これにしよう」
選んだのは簡単な軽装だ。どことなく勇者っぽいのは元のローガンの影響だったりするのだろうか?それはこわい。
「オッケー。じゃあ初期武器はどれにする―」
カタログの別のページを開く。
木刀や刃のつぶした摸擬剣、ナイフ、弓、スリング、杖、その他もろもろの武器が乗っている。
「摸擬剣で」
やはり武器と言えば剣だろう。
すぐにポイントに変える気もするが。
「オッケー。じゃあ装備と武器を……とりゃー」
気合が入っているのかいないのかわからないチェシャの掛け声と共に俺の姿は一変した。
先ほど選択した衣装に切り替わり、腰には選んだ武器と同じ摸擬剣を携えている。
「そうそう、これ最初の路銀ねー」
チェシャは俺に5枚の硬貨を手渡す。
「銀貨5枚で5000リルねー。ちなみにオニギリ1つで10リルくらいだよー」
「最初からこんなにくれるのか……」
「うん、そのお金がなくなる前にお金稼げるようになってねー」
「了解した」
「さて、いよいよ〈エンブリオ〉を移植するねー」
「エンブリオ?」
知ってはいるが、最初だし疑問していたほうがいいだろう。うまく演技で来ているか?
「エンブリオは全プレイヤーがスタート時に手渡されるけれど、同じ形なのは最初の第0形態だけ―。第一形態以降は持ち主に合わせて全く違う変化を遂げるよー」
無限の卵。エンブリオ。
俺の場合、どんなものになるのかある程度決まっているが、それでも楽しみである。
やはりゲーマーとしてオンリーワンのユニーク要素には心惹かれる。
「千差万別だけど、一応カテゴリーはあるよー」
「へぇ、そうなんだ」
一応知ってはいるが、聞いておこう。
「おおまかなカテゴリーで言うと―。
プレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ
プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー
プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ
プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル
プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリー
かなー」
「ふむふむ」
俺の場合テリトリー系列ルールだな。
「ちなみにこれらのカテゴリー以外にレアカテゴリーや、〈エンブリオ〉が進化するとなれる上位カテゴリーもあるから―。オンリーワンカテゴリーもあるしー。なれたらいいねー」
「オンリーワンか!やはりオンリーワンはいいな。それならリセマラもありか?」
出来ないのは知っているけどな。出来たらクマにーさんや醤油みたいなマスターは生まれなかったし。
「あー。このゲーム、キャラの作り直し出来ないんだよねー。だからリセマラは無理なんだよ、ごめんねー」
「なんだと?」
「仮にもう一つ機器を買って始めても、その人は一つ目と同じキャラでログインして〈エンブリオ〉もそのままなのさー。何せこっちの方でユーザーの脳波データが登録されているからねー」
「……おい」
「もし仮にリセット出来ても結局はその人のパーソナルだからねー。同じような〈エンブリオ〉になると思うよー」
「でー。話している間に〈エンブリオ〉移植完了ねー」
「ん?……おぉう!?」
いつの間にか、俺の左手の甲には淡く輝く卵形の宝石が埋め込まれていた。
これが俺のエンブリオの始まり。最強への第一歩か。
「じゃあ最後に所属する国を選択してくださいねー」
チェシャは書斎の机の上に地図を広げる。
それは古びたスクロール型の地図だったけれど、広げ終わると変化が起きた。
地図上の七か所から光の柱が上がり、その柱の中に街々の様子が映し出される。
「この光の柱が立ちあがっている国が初期に所属可能な国ですねー。柱から見えているのはそれぞれの国の首都の様子です―」
光の柱の周囲には国の名前や説明が光の文字となって浮かんでいる。
チェシャの補足を含めて色々と説明がなされた。
かなうことならいろいろな国から始めてみたい。原作開始国のアルターや修羅の国な天地など始めてみたい国はいくつもある。
だけど・・・。
「ドライフ皇国で」
「オッケー。ちなみに軽いアンケートだけど選んだ理由はー?」
「選ぶことを強いられているんだ!!」
「えぇ・・・?」
いや、ほんとまじで。
バランスを崩したくないとかって理由で所属国を強制する神様、ひどいものだ。
転生してくれたことに感謝はしているけれどな。
まぁ、所属した後の国の移動に制限を掛けてくれなかったことはうれしいが。
「グランドストーリーはどんなのだろうか?」
答えは知っているが聞いておく。そしてなにより始まりのあの言葉のトリガーになる。
「ないよー」
そして、想像していた言葉が返される。
「は?」
「このゲームに決まったストーリーなんてないよー。プレイヤーのみんなが自分の意思でこのゲームを楽しんでもらう。あえて言うならそれがストーリーなのかなー?プレイヤーのみんな一人ひとり異なった千差万別のオンリーワンな人生(ゲームライフ)なのさー」
そしてその言葉のあとに続けて言う。
「英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、〈Infinite Dendrogram〉に居ても、〈Infinite Dendrogram〉を去っても、何でも自由だよ。出来るなら何をしたっていい」
チェシャの口調が変わった。
「君の手にある〈エンブリオ〉とおなじ。これから始まるのは無限の可能性」
間延びした喋りから、語るような口調に。
「〈Infinite Dendrogram〉へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する」
その言葉の直後、周囲から書斎が消え去った。
机も、書架も、チェシャさえも消失し、俺自身は空に浮かんでいた。
「ちょっ」
言いたいが言えなかった。今の言葉、善人と悪人の順番を入れ替えるようにと!
しかし間に合わない。もうここまで来たらあとはあの世界に移動するだけだろう。
内心思う。心底思う。あの犯罪王がサイコロで5の目をだすようにと。かなわない願いでありながら思わずにはいられない。
世界が変わり、落ちていく。
行き先は俺が選んだ国。ドライフ皇国の首都だろう。
吸い込まれるように、高速で落下している。
そして、俺は〈Infinite Dendrogram〉の世界に足を踏み入れた。
To be Continued
(=○π○=)<ニセチェシャですよー
(=○π○=)<とりあえず、一章分投稿します
(=○π○=)<今回の本物の僕の所のせりふが丸パクリですけどご容赦をー