第一話 ドライフ皇国
□ドライフ皇国皇都 ローガン・ゴールドランス
「もう少し、穏便にこのログインできないのか、ここの運営は」
激しく打つ心臓の鼓動を抑えながらそんな言葉を吐き出す。
いきなり空の上から落っことされれば、たいていの人は似たような感想を抱くだろう。
超高高度からのフリーフォールを楽しいと思える人はそうはいないはずだ。
ないとは知っていたが、少しデスペナを覚悟したぞ。
心臓を落ち着けながら、地面に立って。周囲を見渡す。
現実と同じ、光景が眼に映る。
現実と同じ、風の臭い。
現実と同じ、太陽の輝き。
現実と同じ、喧騒。音の響き。
そして現実の人間と同じ用に行動するティアンの人々。
そして空を見上げると、太陽の眩しさとともに上から何かが落ちてくる。
空からいろいろな人間が降って来る。
彼らは俺と同じ初期の〈Infinite Dendrogram〉を所得し、この世界に降り立ったマスターたちなのであろう。
あの中にベヘモットやクソ白衣なんかもいるかと思うと、すこしわずらわしくなる。
まあ気にすることでもない。
それら尻目に周囲を見渡す。
ティアンの人々が驚き、話し合っている。
おそらくマスターの大増殖に驚き、それに関して話し合っているのだろう。
その中の一人、おそらくこの国の兵士であろう軍服らしい服装を着た男性のティアンに話しかけてみる。
「すまないが、すこしいいか?」
茫然としていたのか、その言葉にはっとなると。おっかなびっくりなのか少しずつ応えていく。
「っああ。なんだろうか?」
「この国はドライフ皇国でいいんだよな?少し情報を得たくてな。時間があるならつきあってほしんだが」
「構わないよ。その通り、この国は機械帝国ドライフ皇国。その首都である皇都ヴァンデルハイムだ。ちなみに私はこの皇都の中央広場の警備を臨時で任されているものさ。今日限りではあるがね。この場を離れることは職務上出来ないが、質問に答えるくらいならいくらでも応えるよ」
そう言い、右手を差し出し左腕を腰に当て胸を張る。
いくらでも質問をどうぞというジェスチャーなのだろう。
その好意に甘えさせてもらい、いくつか質問をさせてもらおう。
「まず一つ。この世界にはジョブみたいのはあるのか?」
基本の一つ。この世界にジョブがあるのは知っている。
だが最初からジョブがある前提で話をするのは、はたから見ておかしいだろう。
内心を悟らせない特典を持つとはいえ、行動や会話の内容から俺の異質感に気づかれてはかなわない。
アリスはその性質ゆえに俺に対し何かをすることはないだろう、なにせ管理AIにとってはマスターの自由こそが何よりも重要なのだから。
だがこの世界における危険は管理AIだけではない。
すでに語られている内容から先々史文明の名工にして復讐者【大賢者】フラグマンや、妖怪とも称されるカルディアの議長ラ・プラス・ファンタズマなどティアンだけでも懸念すべき相手はいる。
マスターのなかにもその情報を得て悪用しようとする手合いはそれなりに居るだろうし、そもそもマスターの自由を尊重する管理AIとて俺の味方になりえるわけでもない。
結論から言うと、いくら特典により内心を悟らせないとはいえ、細心の注意を払い知られないように行動することは基本であるといえる。
だからと言って、その知識を知らないまま進もうとすることは出来ない。
ジョブに関してはエンブリオとおなじくらい重要なこの世界の要素なのだから。
なによりジョブについて話をしないと、俺が知りたい情報を聞き出せない。
ゆえに、面倒でありながら手順を踏んで情報を知り得なければならない。面倒だが。
「ジョブかい?ああ、もちろんあるよ。この僕も、【大戦士】のジョブについているしね」
「あるのか……。ならそれに関して簡単に聞かせてほしい」
「ジョブには下級職、上級職、超級職の3つがあるんだよ。下級職は全部で6つ、上級職は全部で二つまでつくことができ、下級職1つのレベルの上限は50で、上級職のレベルの上限は100になる。だからレベルの合計は下級・上級を全部上げたとして500になる。ちなみに僕のついているジョブ【大戦士】は戦士系統の上級職だよ。まだレベルは32しかないけどね」
なんとなく察していたが、上級職には付いているのか、そこそこ強いのか?
あと一応超級職についても聞いておこうか。
「超級職というのもあるんだよな?それについての説明はないのか?」
「ああ……。超級職は就ける人がほとんどいないからね。省いてしまっていたけど、君が望んでいるようだし簡単に説明しておくかな?」
そう言い。こちらの反応をうかがうようにして見つめる。それに対し、俺は構わないという態度をこめて沈黙し次を促す。
「そうか、なら説明しておくよ。超級職とはいわゆるバランスブレイカーというやつさ。レベルの上限はなく、つける超級職の数に限りはない。それでいてひとつひとつのジョブの性能が規格外なんだよ。ジョブに付く条件が難しいということもあって就ける人はそんなにいないんだけどね。ちなみにこの国の王である皇王陛下は超級職の一つである【機皇】を戴いているんだよ。超級職はすごいからね、いつか君も超級職に就けるといいね」
知っている情報のオンパレードだったな。まあいい、知りたいのは次の情報だ。
「そうか、俺もそうなればいいと思うよ。それで俺は悪魔を召喚するジョブに就きたいんだがそういったジョブに就くためにはどうしたらいい?そしてそういったジョブに就いている人たちの集会といったものはあるのか?」
「え…?ああ、【悪魔戦士(サタニスト)】っていうジョブがあるよ。持ち物をささげて悪魔を一定時間召喚するジョブだったはずだけど。でもあのジョブに就くのは止めておいた方がいいと思うよ、ささげるコストがきついって噂だし、あそこのギルドの人間は性格に難がある人が多くてね。見たところ最初のジョブに就くようだし、【戦士】とかの方がお勧めだよ」
酷評されているな【悪魔戦士】。まあ活動報告でもコストパフォーマンスが悪いという話は聞くが。というかギルドの連中は問題がある人が多いのかよ。
「問題ない。俺はそのジョブに就きたいんだ」
俺が原作のローガンと同じ道を歩もうとする理由はただ一つ。
この目の前の男性も言っていた〈超級エンブリオ〉と同じバランスブレイカ―である超級職に就くためである。
ジョブの完全リストなんかがあったら。ルンペルシュティルツヒェンを最大限生かせるジョブ構成にもしたが、そんなものは持っていない。
基本的な、下級・上級職のスキルさえ、現時点ではどういったものかもわからない。
ならば成功者の足跡をたどるしかない。
ローガンはたしかにプレイヤースキルがかけらも無かったが、そのジョブとエンブリオのシナジーは確かにあった。
まああのエンブリオとシナジーしないジョブの方が無い気がするが。
であるならば、超級職という最強への道の一つを得るならば、悪魔使いとしての道を行くしかあるまい。
魔将軍の条件の詳細が原作で語られることはなかったが、召喚数と一定以上の個体の召喚という条件は記されている。
条件の一切が判らないジョブを突き進んで、砂漠の砂の一粒を探すことに比べれば、遥かに簡単な道といえるだろう。
まあ、【破壊王】に関しては正確な条件を知ってはいるのだが、あんなジョブを使いこなせるとは思わないので、考慮はしないでおく。
「そうか、君がそこまで言うんだったら僕が止めるのもおかしいね。【悪魔戦士】は基本的な下級職の一つだった気がするから、そこらへんのジョブクリスタルでも就くことは出来るよ。ここから1番近いのは、この広場の出口にあるあの赤い屋根の建物の中にあるから、そこを使えばいい」
そう言い、その赤い屋根の建物を指さす。
彼が指さす方角を確認する。そこにはやはり赤い屋根の建物が建っていた。あの中にジョブクリスタルが存在するのだろう。
「それから、悪魔戦士ギルドの場所はここから少し歩いた先の裏通りにあるよ。少しわかりにくい場所だからね、地図を書いてあげよう」
紙とペンをとりだし、簡単に書いていく。
「はい、これが【悪魔戦士】ギルドへの道順だ。この広場からでて書いてある道順通りに進めば着くはずだからね。まあもし迷ったら、道すがらの人に聞いてみるといい。皇都に住む大抵の人は知っていると思うからね。悪い意味でではあるけれど」
今の短時間で書き終わったのか、B5サイズ程度の用紙をこちらに渡してくる。
そんなに悪名が街中に轟いているのか、すこしギルドに行くのをためらってしまうぞ。
「何から何まですまないな。恩にきるよ」
我ながら尊大な感謝だとは思うが、感謝しているのは間違いない。
この性格は嫌いではないし、折り目も付いているが、初対面のいい人に対してこの態度は少し悪い気がしてくる。だからと言って治す気はないのだが。
「なに、悩める若人を導くのも大人の仕事だからね。まあ、僕もこの前20になったばかりなんだけども」
その言葉のあとに、そうだ…と付け加えてこちらに質問をしてくる。
「こちらからも聞きたいんだが、君たちは〈マスター〉なのかい?」
「ああそうだ。俺は〈マスター〉だ。あと上から降って来る奴らもそうだろう。よく俺たちが〈マスター〉だとわかったな。空から降って来る不審者だとは思わなかったのか?」
その言葉に警備の男は口元を押さえて笑う。
「不審者とは思わなかったさ。まあ、何にもわからず、こんなことがあれば混乱もしただろうがね。今日この日に〈マスター〉がたくさんやって来るという事はすでに各国に周知されているんだよ、アルター王国の決闘王者を取材した≪DIN≫っていう新聞会社が、〈マスター〉がたくさんやって来るっていう記事を出したばっかりだったからね。各国も胡散くさいとは思いながらも準備は進めてきたから、君たち〈マスター〉が来ても問題はなにもないさ」
そんな事情があったのか。というか決闘王者と≪DIN≫ってあいつら、隠す気あるのか?
「そうか……。それではな、これからジョブに就いてくる。これ以降会う事があるのかどうかはわからないが」
必要な情報は得られた、クリスタルの位置とギルドの位置は把握しておきたかったからな。
もうこれで話すことはないと思い、会話を切り上げて移動しようと口にする。
「うん。がんばってね、僕はたいていこの場を任されているから。もし聞きたいことがあれば遠慮なく来るといい」
本当にいい人だなこの人は。こちらが10に行くかという年齢の少年であるというのに、この対応をできるのか。もしこの人に何か困ったことがあったら助けに来るとしよう。
その前に名前を聞いてなかったな。必要ないと思い省いてしまったが、ここまで丁寧にしてくれたのだ、名前を交換しておこう。
「そういえば、名前を言ってなかったな。俺の名はローガン。ローガン・ゴールドランスだ。そっちの名前を聞いてもいいか?」
「確かに名前も行って無かったね。僕の名前はジャック・バルトだ。よろしくね」
自然とお互いに右手を出し、握手する。
「それではな、ジャック。もし何かあったらこのローガンを頼るといい」
最後にそんな尊大な言葉を口にしてこの場をあとにする。
□■皇都中央広場 ジャック・バルト
「いったのか」
いましがた話をしていた十代に行っているのかという少年のことを思い出す。
話していた時間は数十分程度だが、彼のことは印象に残るものだった。
マスターが見た目通りの年齢ではないとは知っていた。
いまだに名高き3強時代の英雄のひとりにして唯一の〈マスター〉、かの【猫神】も十数年ずっと年をとらなかったと英雄譚で読んだことがある。
だがそれでも、彼のことは異質に見えた。
年齢にそぐわない尊大な口調。
年齢に相応の時折垣間見える好奇心。
年齢にそぐわない老練な心。
年齢に相応の世界知らずの自尊心。
まるで、50を過ぎた人間がある日突然、少年の体を取り戻し、さらにそれとはまた別の少年の体に入っていったかのようなそんなちぐはぐさ。
「これでも、人を見る目はかなりあったんだけどなぁ」
そんな言葉を口にする。
別にあの少年。ローガン・ゴールドランスと名乗った〈マスター〉が悪人だったと思ったわけではない。
善人とはいえないかもしれないが、悪人でもない。
すくなくとも、今の第一皇太子や第二皇太子の周囲にはびこっている、利権と地位を得るために、他者を落とそうとする典型的な悪徳貴族どもにくらべれば、百倍善良といえるだろう。
あくまでこの言葉は、自分が今まで見たことが無いタイプの人間に出会い、どう区別するべきか戸惑っているというだけの、そんな言葉。
「おもしろい子供だったな。あとで姫様(…)に話しておこうかな。彼見たいなタイプはお気に召しそうだし。っとそろそろちゃんと仕事をしようかな」
そして彼はそこまでの思考を打ち切り職務に励む。
自分が仕える第4皇子の忘れ形見である、皇女の為に。
□□皇都ジョブクリスタル前 ローガン・ゴールドランス
「ここか」
木でできた扉を開けて中に入る。
そこは教室一つ分といった大きさの木造の空間の中央に人間大の大きなクリスタルが威風堂々と鎮座している。
あれがジョブクリスタルなのであろう。
一応ここにも、警備らしき人は存在する。こっちに居るのは40台ぐらいの男性だ。
話しかける必要もないので、ここはスルーし目の前のジョブクリスタルへと歩いて行く。
今は人が少ないため、すぐにジョブクリスタルをつくことができた。
ティアンは今の時期に使う必要があまり無く、マスターはまだジョブのシステムのことを知らないのであろう。
行列に並び、待つのが嫌いな俺としては、すぐに使えるというのは少しばかり気持ちがいい。
「これだな」
俺は大型のクリスタルに触れる。
そうするとメニューが出てくる。その中にはいろいろな文字列が無数に出てくる。
これがジョブの一覧であろう。
「多いな」
実際多い。少なくとも百は超えていそうだ。
上級職や超級職の条件は当然満たしておらず、下級職もレアなジョブは入っていないというのに。
それにアルター王国とくらべドライフ皇国は機械系にジョブを含めて特化しているため、ある程度でてくるジョブは絞られているとは思うんだが、それでも多い。
長く続いている習得可能なジョブの一覧の中から、30秒ほどかけてお目当てのジョブを見つける。
一応、他のジョブも流し見てみたが、得に就きたいというジョブはなかったので、【悪魔戦士】でいいだろう。
また大型のクリスタルに触れて、ジョブチェンジのためのメニューを実行する。
迷わずに【悪魔戦士】を選び、そのジョブへの転職を実行する。
光や音が出るといった演出も無く、実にあっさりと終了した。
上級職や超級職ではエフェクトがすごくなるという情報だったので、これからそれらが楽しみだ。
「これで終了か。なんとも味気が無いものだな」
そう呟きながら、自身のステータスを開く。
この世界に来た時点で開いていなかったため、これが最初のステータス確認になる。
メニュー画面を開き、自身の詳細ステータスを開く。
「これが詳細ステータスか」
そうすると新たにウインドウが出現し、現在の俺のステータスを表示している。
ローガン・ゴールドランス
レベル:1(合計レベル:1)
職業:悪魔戦士
HP(体力) : 101
MP(魔力) : 35
SP(技力) : 18
STR(筋力) : 15
END(耐久力): 14
DEX(器用) : 18
AGI(敏捷) : 16
LUC(幸運) : 10
……弱いな。
自身のステータスを一目見た感想が、弱いという感想しかない。
当然と言えば当然だが、レベル1のステータスならこんなものだろう。
まあレベル1でこの世界における物理ステータスの頂点である獣王たちのようなステータスをしていたらそれはそれで問題だが。
自身のステータスを確認を終了させた後、そのウインドウを閉じ別のウインドウを表示する。
表示するのは職業のもつウインドウだ。
メニューから職業の項目を探し、見つけたその項目をタップする。
すると、それまでとは異なる新しいウインドウが表示される。
そこには自分が今就いている職業である【悪魔戦士】のジョブ名とこのジョブで使えスキルがいくつか表示されている。
そこでさらに今持っているスキルを次々にタップし、スキルの性能を全部確認しておく。
現時点で持っているスキルは4つある。
一つ目はこのジョブの基本的なスキルであろう悪魔を召喚するスキルである≪コール・デヴィル・チーム≫。
このスキルの詳細は以下の通りだ。
『≪コール・デヴィル・チーム≫:消費ポイント『100』
【レッサー・デビル】(平均ステータスは別途参照)を3体召喚し、10分間使役する。』
【レッサー・デビル】のステータスを確認すると、そのステータスはHPが150、LUCが3であり、それ以外のステータスが50しかない。
現時点では俺より強いが、レベルが50を超える頃には俺のステータスより圧倒的な核下になるしかない。
消費ポイント500がどれくらいのコストであるかはまだ試してないからわからないが、やはりこのスキルもコストパフォーマンスが悪いのであろう。
二つ目は原作で聞いた将軍系ジョブの基本スキルである≪軍団≫スキルの下位スキルらしい≪旅団≫という名前のスキル。
この≪旅団≫という名前のスキルの能力は、「パーティーが己と配下のみ」という条件で発動可能なスキル。
効果は“パーティー枠の拡張”。
その拡張数は現時点で10枠。
このスキルは【将軍】系がもつ≪軍団≫スキルと同様に、スキルのレベルが上がれば枠数も増えるのだろう。
数体・数十体の悪魔を使役し戦う悪魔戦士らしいスキルといえるだろう。
3つ目はパーティー強化スキル。
スキル名は≪エンチャント・デヴィル・パワー≫。
自身の≪旅団≫スキル枠内にいる悪魔のステータスのうちSTR・END・AGIの3つの物理ステータスを強化するスキル。
強化値は一律5%。
今俺が呼び出せる戦力である【レッサ-・デーモン】を強化しても2しかアップせず、それでいてこのスキルを発動させるために必要なMPは30も必要だ。
魔力特化の超級職ならこの程度のMP消費は問題にはならないだろう。
あの魔法最強【地神】ならこんなスキルいくつ発動しても、MPが尽きることはないかもしれない。【地神】の性能を知らないがためにあくまでも「しれない」だが、まず確実にMP切れにはならないとは思う。
1体1体ではなく、自分の≪旅団≫枠内の召喚魔全部を強化できるスキルとは言え、どう考えてもコストパフォーマンスが悪い。
これもまたこの【悪魔戦士】系列の評価が下げられる理由の一つとなりえる。
4つ目は、スキルと言っていいのかはわからないが、このジョブの根幹といえる自身の所有物をコストに、保有するポイントに変換するというもの。
スキル名としては≪悪魔生贄≫。
とくにいうことがないものであるため、ここで詳しく説明をする気はないが、簡単に言うならば、特定の文言を用いて自身の所有している物・生命をコストとしてロストさせることでこのジョブが直接行使できるリソースに変換するというもの。
一応試しにこちらへ来るときに貰った、手持ちの儀礼剣をポイントに変換してみたところ、そのポイント数は25にしかならなかった。
第一の悪魔召喚スキルである≪コール・デヴィル・チーム≫を発動させるために必要なコストの値は100であるため、このスキルを発動させるためには後、儀礼剣をさらに3つ用意しなけらばならない計算になる。
どう考えても、重いコストだ。まだ武器屋等を覗いておらず、あの儀礼剣がどれほどの値段の武器かはわからないが、初期に貰えるだけあって1000以上はすると考えてもいいだろう。もちろんそれ以下の場合もあり得るのだが、一応1000以上であるという仮定で考えを進める。
初期に貰える金額は5000リル。現実での値段だと5万円相当になる。
最初のスキルを1回1回発動するために、わざわざ1000リル以上の値段を払って発動させなければならないとするならば、効率が悪すぎる。
これもまたこの【悪魔戦士】系列の評価が下げられる理由の1つだろう。
総評すると、この【悪魔戦士】のジョブはどこまで行っても効率とコストパフォーマンスが悪い。
早く超級職に就くためにこのジョブを選んだとはいえ、もしちゃんとしたビルドを考えるのならば、もっと他にいいジョブがあったのかもしれない。
現時点でジョブを変更する気が無いとはいえ、最強への道は一つではないのだから。
ジョブのスキルウインドウを眺めながら、長々とそんなことを考えていた俺は一度そこで思考を中断し、この巨大なクリスタルがあるジョブ部屋ですることがなくなったため、場所を移動するためここからでる。
行き先は【悪魔戦士】ギルド……ではなく。そのまま外を目指す。
ちゃんと情報を収集するのなら、ギルドに行った方がいいし、【悪魔戦士】のジョブ専用のクエストなんかもあるだろう。それにジャックからもらったギルドへの経路図を無為にしかねない行為でもある。
それでも、外を目指す理由はある。
とはいっても、別にそんなに体それた理由ではなく、単に戦いの空気を知りたいというのが理由だ。
ゲーマーとしてではなく、子供としての好奇心が強い。
一応ゲーマーとしても、初期リソースの奪い合いで後れをとるわけにもいかないという理由が無いわけでもないが、一番の理由はやはり好奇心である。
時計を確認すると、今の時点でこちらに来てから1時間がたとうとしている。
それならば外に出る頃にはエンブリオも孵っているだろう。
そしておれは、この部屋に入ってきた時と同じように、木でできた扉を開け外の大通りに歩いて行った。
To be continued
(=○π○=)<原作ではまずいない第4皇子とかのことに関しては今はスルーで
(=○π○=)<聞かれても♪~としか答えられないからね
(=○π○=)<他にも色々、捏造設定やオリジナル設定あったりするけど、とりあえずはそういうものだとおもっていただけるとありがたいですー