第8話 人形と炎の蛇
□■300年前
ある一人の天才がいた。
当時、超級職にたどり着くことこそできなかったが、条件さえ合えばソレを狙えるレベルの能力をもった実力者として世に名を知られていた。
その能力は、これより300年後に現れるある人馬族の【大死霊】と同等と言えるほどだった。
その天才は、時の皇王の命を受けて1つの難題に挑む事になる。
受けた難題は「帰還したものが、一人もいない死地へ情報収集用の傀儡を送る」と言うもの。
敵が強く、昔に伝えられる〈UBM〉の影響が色濃く残る地。
そんなところに情報収集用の傀儡を送り込むという、皇命を受けた一人の【傀儡師】系統の術者はその手段をいろいろと模索することになった。
ジョブスキルを無効化されるという、〈クリエラ渓谷〉最大の難点をクリアする方法は最初から決められていた。
それは術者に寄らない、造り出した人形に与えたスキルによる
傀儡というよりは、人形型のモンスター制作に近い。
だが、その術者は完成するに至った。
無論、それは簡単な物であったわけではない、幾度もの挫折を越え、絶望的な結果を覆し続けた。ああ、それは〈マジンギア〉という傑作を創り上げた、〈叡智の三角〉に匹敵するプ○ジェクトX並みのブレイクスルーだった。
◇◆◇
そして術者は〈クリエラ渓谷〉へと人形を送り出した。
いつもなら、造り出した人形に名前などつけなかった彼は、このときだけは唯一自ら考えて名前をつけた。
その名はアルヴィニオン。
1000年前に、ある地方で使われていた言語で、彼の一族が元々住んでいたと伝えられていたレジェンダリアのとある部族のもの。
その訳は『終わらないもの』。いつまでも動き続けるようにと、願われてつけられたその名は、彼の思い通りにいつまでも動き続けた………良くも悪くも。
〈クリエラ渓谷〉に送り込まれたアルヴィニオンは、彼が設定した通りに【職害魔晶 クリスタルエラー】の影響を受けずに動き続ける事に成功した。
彼が与えた命令を最優先事項として、ルールを刻まれた彼は〈クリエラ渓谷〉で命令を果たすべく異形の足を前に進めた。
ただし動き続ける事は出来たが………肝心の情報通信能力がエラーを起こし、彼とのつながりが断ち切れてしまう。
もっとも当然と言えば当然だったかもしれない、他のスキルと異なり、通信能力のみ彼とアルヴィニオンがつながるモンスターとジョブスキルの合わせ技。
そんな方法をとっていたがために、この〈クリエラ渓谷〉のギリギリまでを可動範囲とする【クリスタルエラー】の見えない手に捕まってしまい、ジョブスキルの影響を改変されてしまう事態に陥ってしまったのだ。
自身を作り出した術者との影響が途切れたアルヴィニオンは、それからも途切れることなく動き続けた。
こうも動くことができたのは、内臓リソース……ではなく永久に続くであろう外部リソースを用いた《エラー・ジェネレーター》という固有のスキルを持つためだ。
このスキルはその名の通り『エラー』を集めて、アルヴィニオンが動くための動力とし、さらにステータスまで高める事ができる優れものだ。
そして集める『エラー』とは、本来と異なる性能を発揮するジョブスキルの変化リソースのこと。【クリスタルエラー】の影響が色濃いこの地で、稼働させ続ける為に造られた永久機関なのだ。なお改変リソース確保のためにアルヴィニオンにはジョブスキルもいくつか取り付けられている。モンスターであるアルヴィニオンには使用不可能な類いだが、あくまで動力源としての運用なので問題はない。
そしてアルヴィニオンは生き続けた。
創造主が寿命によって死んだ後もなお。
元より高いステータスと、複数の強力なスキルをもって他のモンスターに倒されることも無かった。
契機は訪れた。
〈エラー・ジェネレーター〉が駆動し続けて、貯蓄しつづけた
強弱さまざまなモンスターを倒し続けて、奪い取り続けた
ありとあらゆる鉱物・鉱石を肢体へと、変更し改造し続けてきた
それらすべての力が認められた。
『ありとあらゆるものを肢体に造り変える』という逸話が認められた。
さらに……この時点で誰にも操作されず、また製作者以外の誰にも知られずに造られたということを認められた。
そして何より、
その結果は〈UBM〉への認定。
こうして逸話級UBM【肢造傀儡 アルヴィニオン】は誕生した。
〈UBM〉になってからも、【アルヴィニオン】は戦い続けた。
弱いモンスターだけではなく、純竜級のモンスターまでも。
そして戦い続けること100年ほどが過ぎた頃、再び契機が訪れる。
それは貯め込んだリソースが再び一定値を超え、新たなスキルを獲得したということ。
そのスキルの名前は《グレイヴアームズ》。自分の領域に腕の墓標を突き立てる、墓守の力。
そして新たな力が増えたことによる進化。逸話級ではなく、次のステージである伝説級に至ったのだ。
それからさらに百年の時をアルヴィニオンは生き続けた。
モンスターを倒し、時には逸話級の〈UBM〉を倒しながらも、生きて胸の内の狂った使命感を遂げ続けようと、〈クリエラ渓谷〉を徘徊し続けた。
そしてさらに100年が経過して、新たな契機にして……最後の終着が訪れる。
それはある日の事。
奈落の底を歩いていたアルヴィニオンは、強大な力の発露を感知する。
その力は、発動点より数キロメテルも離れたアルヴィニオンを取り込み……
気がついた時には、大きな広間の中に立っていた。
アルヴィニオンにはわからないことだが、これはもちろん【偽神】が造り出した
魔天楼の最上階を守護する存在として、呼び寄せられ取り込められたのだ。
そして、この塔の最上層に設置されてから、待つこと1日半。
彼の前に五人と一匹の来訪者が訪れる事になる。
◇◆◇
□■百層
四人の〈マスター〉ともう一人、そして犬のガードナーが百層からなるこの迷宮塔を登りきった先にあったのは、豪華絢爛な闘技場であった。
黄金に彩られた装飾品の数々と深紅の垂れ幕、ここが迷宮なんてものではなく、ひとつの祭典の舞台であると錯覚させるような威容。
ここまでの階層では石工で形作られたものであったのだが、ここではそのパターンに当てはまらない。
さらにその中心にて、挑戦者を挑む体で立っている一体の王者もまた、この層が今までとはまるでかけ離れた場所であることを指示している。
立つのは一体の人形。
ただしその姿かたちは通常のビスクドールや、等身大の人形などとはまるで異なる。
それは多種多様な形の腕と足が組み合わさった奇形の人形。
二足歩行どころか十と一の足を持ち、腕は肘に当たるであろう部分からさらに別の腕が生えている。胴体も手を組み合わせて、なんとか人体の身体を模そうと努力したような、ある意味醜悪な身体。
唯一まともなのは、頭であろうか?
よくある人形の頭と同じ、長髪の美少女を模した頭。ただしその頭の後ろに片手がひっついているのが著しくマイナスであるだろうが。
そして、姿かたちと同様に、威容を放つのはそのモンスターの頭上に現れているひとつの名前。
その名前こそ【肢造傀儡 アルヴィニオン】。
言うまでも無く〈UBM〉特有の表記で書かれている、一体のモンスター。
その姿を四人の〈マスター〉は目撃した。
階段を上って来る
自身のスキルにとらわれた常識外を【偽神】は把握した。
動くのを、動き方を決めたのは同時。
【偽神】は手を出さないことを決めた。
たとえ相手が強くても、これは彼らが自身の力で倒すべきだと。
もちろん、死なれては困るから、もしものときは手を貸さないわけにはいかないが。
◇◆◇
「ギギギ……、テキセイタイショウノコウゲキイシヲカクニン。コレヨリゲイゲキス」
【アルヴィニオン】は敵を排除することを決めた。
もとより彼は〈UBM〉で
人と共存を選ぶ者もいるだろうが、彼は選ばない。創造主からの探索の命に反しないのであれば、当然人と敵対するのも吝かではない。
アルヴィニオンは手を伸ばす。
奇形なれど、異形なれど、それでも右腕と定義することはできる、右肩より繋がる二房の木を素材として造りだした腕を敵に向ける。
無論手を伸ばすだけではない。さらにアルヴィニオンは代名詞とも呼べるある1つのスキルを発動する。
スキルの名前は《クリエイト・ザ・イリーガル・オブ・ユース・ハンド》。
自身が定めた発動部位に、素材をもとにした四肢または頭を作成するスキル。
これで手のひらに腕を構築する。
作成スキルでありながら、高速でかつ低コストで手足の形をした、分体の従者モンスターを生み出す。
作り出された手はそれで終わりではない。造り出した腕の手のひら……さらには手の甲・前腕よりもさらに腕が生み出される。
ひとつの苗から、葉が生い茂る枝分かれする木の幹のように、それはさながら、手と腕でできた無限の
「そんなもの……、燃やしてやるのです!」
幾つもの手と腕が組み合わさってできた、怖気が奔る醜悪な樹。
それに嫌悪を覚えながらも、桜火は剣を伸ばし、炎を纏わせて、己の〈エンブリオ〉である炎の蛇で手腕の樹を燃やしつくそうと、この闘技場内をはしらせる。
空間を這いずりまわる炎の蛇は、ぶつかった手腕の木の枝を切り取り、通過した木の枝を燃やしつくす。
だが相手は〈UBM〉。
並みのティアンでは勝ち目がない存在であり、〈マスター〉であろうとも勝ち目が薄い強大な存在。しかも相手は後に、準超級とさえ互角といわれた伝説級。
これで――終わるはずもない。
「ソセイヘンコウ……タイネツショリセイノウフヨ」
樹が換わる。
もとよりこの手腕の樹は、【アルヴィニオン】が制作したモンスターの群れ。
初めに制作した素材……木材ではダメだというのなら、それ以外の素材にすればいい。
【アルヴィニオン】は自身に内蔵された特殊なアイテムボックスから、これまでに採取し続けてきた石材と鋼材を取り出す。
取りだした素材をもとに、《クリエイト・ザ・イリーガル・オブ・ユース・ハンド》で新たなるモンスターを生み出す。
これより生み出されるのは今までと異なる、鉄色とねずみ色で形作られる無機質な樹。
下級の出力では決して燃やしつくすことが、不可能なもの。
だがそれでも、炎の蛇は這いずりまわる。
例え燃やすのが不可能でも、その剣先のアギトをもってすれば噛み砕くことは不可能ではない。
だが……それを込みでアルヴィニオンは組成を変更している。
石の枝を噛み砕き、締め付けていく蛇に対し、樹の枝がはずれる。蛇の攻撃でそうなったわけではない。
あくまでそれはアルヴィニオンのスキル、もしくは特性によるもの。
ひとつの手のひらから生み出されていた、鉄の腕が……発射される。
腕は高速で宙を飛ぶ。
炎の蛇をめがけて発射されたそれは、蛇に突き刺さり……そして胴体を両断する。
これでもう終わりだろう。
なにせ、彼女の〈エンブリオ〉がこうして破壊されてしまっているのだ。
ティアンと異なり〈マスター〉の大部分が、その戦力の過半を〈エンブリオ〉で占めている。
それは彼女も例外ではない。彼女が選択したジョブも〈エンブリオ〉とのシナジーを考えて就いたもの。これ単体で戦えるわけはない。
自分にとって
だが、知らねばならない。
彼女の〈エンブリオ〉のモチーフを。
そして、火と蛇が一体何を象徴しているのかという事を。
そして、この状況においても、なお諦めるということを知らない、彼女の自身の有り様を。
そう、彼女の〈エンブリオ〉、その名は―――
□桜咲
私がこの〈Infinite Dendrogram〉というゲームを始めたのはただの幸運。
誕生日が7月15日という、このゲームの開始日と同じだったからにすぎないのです。
誕生日がもうすぐ来るという事で、何を買おうかずっと悩んでいました。
可愛いぬいぐるみや、綺麗なお洋服、もしくは少しおしゃれに化粧道具なんかも。
私もそろそろ少女ではなく、女にかわるお年頃。
買いたいものは多く、だけど買えるのはどれか一つのみ。
どうしようか、どうしようかと悩み続けて、気がついたら朝になっていたのです。
結局決められないまま、私は学校に向かいました。
6-2の教室にたどり着いてから、私の友達にも誕生日でほしいのは何か聞いてみました。
それでもやっぱり決まりません。みんな、ぬいぐるみや洋服や化粧なんかでばらばらだったのです。
ただひとり違う答えを出したのは、私のお友達の中でもすこし変わった子。
ゲームが大好きで、学校の中にまで携帯ゲーム機を持ち込んで、あまつさえ授業中にまでゲームをやっていました。
もちろん、私たちの学校は、ゲームは持ち込みさえ禁止です。なので見つかった端からゲームを没収されたりしていましたが、それでも飽きることなく幾つものゲーム機を持ってきていました。
私のあるひとりの友達曰く、「剛の者」。
私のある一人の友達曰く、「カミニーサマ系廃神」。
そして彼女自身曰く、「身体はゲームで出来ている」とのこと。
意味が全く分からないのです。
そんな彼女が、誕生日プレゼントとして勧めてきたのがとあるVRMMO。
そう、それが私とこのゲームの出会いの第一歩。
勧められたゲームを、興味の赴くままに買いました。
親にねだって、これ以降の月々の料金も含めて払ってもらったのです。
……だからといって、さすがに半年分のお小遣いカットはひどいと思うのですが。
宿題やらなにやらを片付けて、ようやくゲームを開始しようとなったのは、もう8時になってしまってからです。
少しで遅れた感はありますけど、それでも意気揚々とゲームを始めました。
猫さんが受付のチュートリアルで、名前を決めた私に待っていたのは所属国の選択です。
ここは少し悩みましたが、ドライフ皇国に決定しました。
その理由は、私にゲームを勧めてくれた彼女も一緒にゲームをプレイするからです。
所属する国が分れるということをしらなかったので、どこから彼女が始めるのか分らないので、彼女が一番初めにプレイしそうな、ゲームっぽい世界を選びました。
……ちなみに、後日彼女に所属国を聞いたらレジェンダリアに決めていたそうです。残念ながら別々の国でのスタートになってしまったのです……しゅん(泣き)。
そこからはいろいろありました。
私の〈エンブリオ〉が第一形態に進化したり。
ジョブにつかないまま、モンスターに突っ込もうとして、道中の他の〈マスター〉の方に助けていただいたり。
それから私の〈エンブリオ〉にあうジョブはどれだろうかと、NPCに聞いてみたり。
それから、いくつかのパーティーに助っ人として参加し続けながら、レベルを上げていきました。
そして、決闘と言う物に惹かれ、決闘に全力を向けて、そして今日決闘仲間の人たちに誘われて……この塔の最上層にいます。
◇
相手のモンスター……話には聞いていた、このゲームにおける強大な力を持った存在が、私の〈エンブリオ〉を破壊するのが分った。
私の〈エンブリオ〉が破壊されて……無くなってしまうと思ったのだと思うのですが、ミックさんとブルーノさんが共にこちらに駆け寄って来ます。
ローガンも呼び出した百近い悪魔の内、半数近くをあの〈UBM〉の手でできた軍団の間に差し向けようとしているのも、見えました。
でも……残念ながら遅いです。
ブルーノさんはかなり速いですが、その分スタートダッシュで敵の近くまで走っていた分、戻るのも遅くなります。クーちゃんも同じですね。
ミックさんも全力で戻ってきていますけど、ミックさんのAGIはそこまで早くありませんし、どうしても時間が足りません。
ローガンは……純粋に遅いのもありますが、あれはたぶん私を助けるかどうか一瞬悩んだっぽいですね。強力な装備を落とす〈UBM〉を倒すのを優先するか、仲間を救出するかというのは、ゲーマーとしても当然の悩みどころだとは思うのですが。
〈エンブリオ〉が消えてしまったのであれば、もう私に打つ手はありません。
でも諦めることはありません、必要ありません。
〈UBM〉に壊された、私の〈エンブリオ〉が燃えていくのを見ながら、私は踊り続けます。
踊り続けながら、全員が私を助けようとしてくれているのをみて……私は、
「《炎華再生》」
申しわけなく思ってしまいました。
私の手に握った剣の柄から炎が噴き出し、そして宙に舞う剣の燃えカスへとつながる。
柄から伸びた炎の導線は、燃えカスへと火をつけて……再び新たな蛇へと生まれ変わる。
私の〈エンブリオ〉は壊れても終わらない。
死と再生を象徴する蛇というモチーフ。
破壊と再生、生命力と死を象徴する火というモチーフ。
この二つをモチーフとしている私の〈エンブリオ〉の特性は、『炎蛇腹剣』と『破壊再誕』。
それが私の〈エンブリオ〉、【再誕炎蛇剣 ネフシュタン】の能力。
だから、そう――
―――武器破壊は私にとって、致命打にはならない。
よみがえったネフシュタンは、《燃え盛る蛇》のスキルで燃え上がりながら、地面を宙を這いずりまわり、ネフシュタンの剣先で、数十の手をうち砕き、剣鞭で手を切り裂かれる。
でも、再び蘇っても、このままならまたあの石と鉄の腕に破壊される……という心配は無用なのです。
なぜなら先ほどまでとは異なります。ネフシュタンの力は先ほどまでは砕くのも大変だった石でできた腕をやすやすと砕き、歯が立たなかった鉄の腕を砕くことができるようになっているからです。
そうなっている理由は〈エンブリオ〉のスキルではなく、ジョブによるものです。
私の就いたジョブは【
踊りながら、踊るように剣を持って戦うジョブ。
純粋な【剣士】とも、踊ることに特化した【踊子】とも異なる、舞うように剣を切り結ぶためのジョブ。
それを象徴するかのように、【
自らが踊り続ける限りにおいて、一秒ごとに自身の攻撃力をひとつ上げ続けるパッシブスキルをもっています。
ただし踊ることを止めた時点で効果は終了し、攻撃力の強化値もリセットされるという欠点はあるのだけれど。
ちなみに、このスキルによって強化できる強化値の上限は合計レベル*100までで、現在のジョブレベル合計が100なので最大10000が時間と攻撃力強化の上限になる。このままなら上限までに2時間半以上、踊り続けなくてはならないけど、【剣舞士】のパッシブスキルに踊り続ける時間を少なくするスキルもあるので、実質50分程度で終わらせることができるのは救いだと思います。
現時点で、私が踊り続けた時間は1分程度でしかないです。
ですが、それでも攻撃力に200の上乗せが加算されるので……この腕の雨を倒すことができます。
踊り続ける判定がややこしくて、いまだに基準が良く分からないのですけど、それでも1カ所にとどまってくるくる回って、ネフシュタンを操っていれば、その制約に引っ掛からないのは幸いなのです。
◇
踊り続けながら、舞い続けながら、私は〈UBM〉との戦いの状況を知ろうとしました。
今はミックさんとブルーノさんがどちらも〈UBM〉に突進しながら、腕に阻まれてうまく攻撃ができないようです。地面からいきなり手と足が生えてくるのは、あの二人でも大変なのでしょう。
この場で効率よくダメージを稼ぎ貢献しているのは私とローガンの二人だけ。
私は踊り続けながら攻撃力が上がり続けるネフシュタンを振るい、腕や足をなぎ払い続けています。
ローガンもまた大量の悪魔を呼び出し続けながら、悪魔に突進させて腕と足を道連れにしていってます。ローガンはどうやらあの爆発する悪魔は呼ばないようですね、いつも呼び出している、《バタリオン》とかいう悪魔しか呼び出していません。
私とローガンはどちらも離れている所為か、あの地面からいきなり生えてくる気色が悪い攻撃を受けずに済んでいますが……
この時にも、私の攻撃力は上がり続けています。ですが、だからと言っていきなりこの大量の手と足をどうにかすることができるわけもないのです。
このままでは前衛で敵を引きつけてくれている、あの二人の
「《速効召喚》“速き悪魔よ”《コール・デヴィル・スカウト》」
近くにいたため、聞こえたのはローガンが唱えた新しい悪魔召喚スキルの呪文。
そして悪魔が呼び出されるのと同時に、
ローガンがいつの間にやら取り出していた、変なアイテムを呼び出した悪魔に持たせながら、その悪魔は最速で敵に飛びかかるのが見えました。
なぜ、悪魔を消したのか? という疑問は、すぐさま無くなりました。
理由は単純です。あの大量にあった手と腕と足の軍勢が、ここからあの〈UBM〉への道筋までまるっきりいなくなっていたのです。
消した理由は、邪魔だったからなのでしょう。道を切り開くために突撃させながら、道をつくり、敵にまで到達したと見るなや否や、機を見るに敏とばかりに、最速で敵を打破することができる悪魔を呼び出した。
剣を振るう事も、踊り続ける事もやめませんでした、それでも悪魔の行く末を見届けました。
高速で動く悪魔は、〈UBM〉に近づくことに成功したその悪魔は、手に持った正体不明のアイテムを敵に近付け……金色に光ったかと思うと、大きな音を立ててそのアイテム……パイルバンカーが発射されました。
そのアイテムは敵を貫通し、その威力は〈UBM〉の身体を粉々に打ち砕いて……
To be continued
(=○π○=)<やったか!
余談1:アルヴィオン
(=○π○=)<ハナハナの実の能力者。さすがに相手に生やすことはできない。
(=○π○=)<ちなみにアルヴィオンのスキルに、小学生は最高だぜ! とかルビ振りたくなってしまった。
(=○π○=)<もしレジェンダリアの〈マスター〉のスキルなら振っていた。