(=○π○=)<最近仕事が遅くてあまり執筆できない……(ついでにゲームとか一挙とか)
(=○π○=)<やっぱりソシャゲ二つをやろうとすると時間無くなるな……
第13話 頂点への挑戦権
□〈大決闘場〉 【悪魔騎士】ローガン・ゴールドランス
ぶつかり合う。
鉄と鉄が、速さを伴う互いの一撃のもとに組み合わさり、甲高い音を奏で上げる。
ぶつかり合った鉄の名は、剣。
敵の持つ、白銀色に輝く長剣。
俺の持つ、赤黒色を放つ長剣。
この二つがぶつかり合い、拮抗した
「ぐっ」
「ちぃ」
俺も対戦者である男も同時に舌打ちをする。
対戦者は自分よりステータスがはるかに劣るはずの男と、戦いが拮抗してしまうという事実に、それを為している理由に。
俺は能力が自分より低いはずの相手に、拮抗してしまう物が何なのか理解して。
(……やはり、近接戦闘能力はあちらの方が上か。やはり、技術はあちらの方が一段上をいっている)
敵のレベルは俺よりも高いとはいえ、スキルを含めれば問題ないかと楽観もしていたのだが………
さすがに決闘ランキング2位についているだけはある。
1位が特殊すぎるせいで、2位に甘んじている物のそれでもティアンの中でも有数の実力者。
それが決闘ランキング2位【剣聖】アルバ。噂では皇国特務兵から、老年だということで退役した、元軍人でありその合計レベルは五百に迫るらしい。
皇国の中でも有数の実力者であり、熟練者。
だが、その程度で――
「後れを取ってたまるかぁぁ!」
弾かれた剣を持つ手に、再び力を入れて敵の喉元めがけて振り払う。
【剣聖】アルバはそれを軽くスウェーして避ける。体のバランスを崩さない程度に、そして次の攻撃につなげられるように、小さい動きでこちらの一撃を避けられる。
こちらの攻撃を避けたアルバは、その体制から軽く足を動かし、次に繋げる一撃を俺の首めがけて放つ。
防御手段は用意してあるとはいえ、当然こんな攻撃を喰らってやるわけにはいかない。
敵が中断から降りぬいた剣をバックステップで避ける。
同時に合図を下し、周囲を取り囲んでいた悪魔の一体に攻撃をさせる。
敵の剣戟が空を切るのと同時に、悪魔は爪を立てて後ろから振りかぶり奇襲を行う。
「っぐ、厄介な! 男なら自分の身一つで戦わんかい!」
見ていなかったというのに、背向からの攻撃を軽くいなしながら、剣を返しそのまま悪魔の喉元に食い込ませて光の塵に変えてしまう。
さすがにこの程度で沈んでくれるほど、甘い相手じゃないな。
奇襲をいなし、こちらの手を破ったというのに文句を言ってくるのには、こちらも言い返してやりたくなるな!
「悪いが俺は悪魔使いなんでな! 悪魔も使うさ!」
アルバの文句を、軽口で叩き返す。
近接戦闘だけが俺の戦いではない。むしろこちらの方が本業だが。
「“破壊者よ”《コール・デヴィル・クラッシャー》」
バックステップからの着地後すぐに、再びバックステップを行いながら敵から距離をとり、さらに《クラッシャー》を追加で呼び出す。
《クラッシャー》はSTR特化の悪魔。その数値は1000に届く。
今回は他の部分に集中させているため、STRを倍加させる余裕がないため、3000にいっていない。もしこいつらをただ突撃させるなら、これだと足りないかもしれないが、そんな手をただ打つほど甘くはない。
俺は懐からアイテムボックスを一つ取りだす。俺がいつも使っているアイテムボックスではなく、新しい戦術のひとつとして大量に購入したアイテムボックスの一つ。
そしてとりだしたアイテムボックスに向かって剣を振りかぶり、
「そらっ!!」
喧轟一閃。剣の一撃でアイテムボックスを斬り裂き……そして壊す。
「なにぃ!?」
アルバは驚くが、それほど驚く物でもないだろう。
アイテムボックスにしまった武器を、アイテムボックスを壊すことで、強制的に摂りだすなんて戦闘職なら当然の知識だろうに。
俺がアイテムボックスを壊したのも当然それが理由だ。もっとも武器と言っても、通常の剣や槍ではない。
崩れ落ちたアイテムボックスの中から落ちたのは、一本の筒。一応だが市販されている皇国独自の武器であり、特殊な性質を持った兵装である。
兵装の名は………なんだかすごく長ったらしい名前だったから、俺は【キャノン】とだけ呼んでいるが、その効果は絶大だ。
「持て《クラッシャー》」
「その武器は……、っそういえば、古くなったから一般に売り出すようになったって言っておったな! 懐かしい物を出しおってからに」
《クラッシャー》に【キャノン】を持たせる。
この武器は俺には扱えない。重すぎて、威力が強すぎて、俺の
STRが高ければ高いほど反動ダメージも当然減っていくが、3倍化した《クラッシャー》のSTRを《融合召喚》によって自分に付け加えてもなお、反動ダメージが襲ってくる。
しかも反動ダメージは《反応召喚》や《キボウバリア》をなぜかすり抜けてくるから、俺のHPでは撃つだけで瀕死または即死になってしまう。その点、召喚悪魔は使いつぶせるから最低限のSTRのままでも問題ない。
【キャノン】を反動無く使えるやつはそうはいないだろう。噂では一万を超えるSTRの超級職が反動ダメージによって死にかけたそうだしな。それこそ【破壊王】や【獣王】くらいだろうか?
もっとも反動を気にせず撃てばいいだけだが。
【キャノン】が金色に輝く。
悪魔は動き続けるアルバに向けて、筒の先頭を向け、
「撃て、《クラッシャー》」
そして、引き金を引かせる。
【キャノン】を持った《クラッシャー》に、狙いを定めさせ引き金を引かせる。
この武器自体は単純な物だ。狙いをつけて引き金を引くだけで発動ができる。そこに必要なスキルなどないし、発動の意思さえ必要がない。
スキルを持たず、意思も持たない仮初の空想生命体であろうと、引き金を引かせることさえできるのなら問題なく扱える。
「チィイ!!」
引き金を引くのと同時に、筒の後方から黒煙がものすごい勢いで噴出し、そして先端からは火花を伴って黒鉄の塊が飛び出す。
【キャノン】は筒であって大砲ではない。こんな決闘場の中で放って、万が一避けられたらその時点で結界の壁にぶつかって……場合によっては結界を破り観客席に出てしまうかもしれない。
決闘場の結界は、それ自体が強力な防御能力を備えるが、それでも超級職の奥義クラスの性能ならば突破は可能だ。
そして【キャノン】の一撃と、《ゴールド・ラッシュ》の組み合わせはその域に届きうる。
通常の戦場……俺たちのメイン狩り場あたりなら、通常の弾丸を放ってもいいのだが、今回を含めて決闘で使うのは特殊弾である
【キャノン】は
火薬と特殊な機構をもって放たれた
「だが! いくら威力が高かろうが、所詮は直線の攻撃……なっぁ!」
当然逃がすわけはない。
敵の動きを悪魔で封じる。
今、決闘場にいる悪魔たちの総数は40程。100は召喚していたが、半分以上倒されてしまっている。だがそれでも、これからの使い道としては十分な数が残っている。
「囲え!」
元々、40近い悪魔たちでアルバを包囲していた。
包囲していた理由は簡単だ。熟練の個人戦闘型相手に、目の前に百・千と並べても順次倒されるのが関の山だ。
だからこいつらは使い捨ての兵ではなく、敵の妨害等を目的とした人員として扱う。
敵の高速の移動を、前に悪魔を移動させることで阻害し。
敵の必殺の一撃を、後ろから悪魔に攻撃させることで不発にさせて。
敵の逆転の機会を、左右の悪魔たちとの連携でつぶす。
今回もまた、こちらの必殺の一撃を当てる為の包囲網として、40の悪魔たちを使用する。
包囲を狭め、悪魔たちの輪で圧殺するつもりで、命令を下す。
一体一体は弱くとも、この短時間でこれらすべての悪魔を倒しつつ、放たれたのをかわしきるのは上級職レベルでは無理だろう。
もしこれをどうにかすることができる方法があるとするなら………、一応手は打っておくか……。
「この……」
アルバは剣を振りながら、近寄っていく悪魔たちを倒していく。
数秒に一体のペースで敵を倒して言っているが、これだけだと雲霞のごとく押し寄せる敵をはねのける事は出来ない。数十の悪魔の群れは足止めと言う役割は問題なく果たしている。
四方八方は敵の群れ、それを知りアルバは敵の群れを突破することを諦めたのか、無謀な突撃を止める。
だが……、これで勝ちを諦めるほど甘くはないだろう。
アルバが光始めた剣を中段に構えたのを確認し、
『用意します。《
「ここだな。《
呼び出されたのは1体の悪魔。
亜竜級の《ナイト》と純竜級の《メガロニカナイト》の中間に位置する悪魔召喚スキルでその性能は上位の亜竜級と同等以上の実力を誇っている。
その分、召喚時間などで不利はあるのだが、俺が使う分にはさほど困らない。
《速効召喚》によって、瞬時に呼び出された《デスウォリアー》は、《スカイランサー》の持つ速効攻撃スキルによって、一瞬で距離を詰めて攻撃を行う。
モンスターに囲まれたあの状況から一瞬で抜け出せるスキルは、【剣聖】には無かったはず。もしあの状況から逆転するならば《レーザーブレード》なんかの遠距離攻撃を行ってくると思っていた。
そしてそれらのスキルを発動するのには、ある程度の時間がかかる。もっとも2~3秒ほどだが、それでもその時間の内に敵を攻撃出来れば、敵の攻撃を不発にすることができる。
《速効召喚》による瞬時の召喚と、《スカイランサー》の特攻攻撃との組み合わせなら、相手のディレイよりもなお速く攻撃を行う事ができる。
そして高速で移動する《デスウォリアー》は数瞬の間さえおかせず、
「《レーザー……ぐほぁ」
腹から槍の穂先がでることで、発動しようとしていた《レーザーブレード》が中止させることに成功した。
だが、それでもなお、あの老人は動くことを止めようとしない。
並みの〈マスター〉ならば、それで敗北を悟り死にゆくものだろうが、動き続けるのは戦う物に賭ける物があるからだろうか? もっともそんなものをこちらが斟酌してやる個必要はない。
今だ戦意は衰えず、なおもこちらに向けて剣を振りかぶって来るアルバ。だが、四方八方の軍勢を押しとどめる唯一の隙に放とうとしていた決死の一撃が中止させられるという事は、周囲の悪魔に詰めの一撃を放つ機会を与える事と同じだ。
こちらに攻撃しようとする戦意を保ったまま、悪魔たちの爪の檻にとらわれて……
『決着ゥーー!!! 決闘の勝者は【悪魔騎士】ローガン・ゴールドランス! これでローガンが決闘2位の座につきます!』
爪に無残に引き裂かれたアルバが光の塵に変わり、同時に舞台を包んでいた結界が消える。
それをもって、司会者は俺の勝利を確信したのだろう、終了の宣言を行う。
そしてこれで――
◇
「おめでとうローガン」
試合を勝利で終え、次の試合のセッティングを終わらせた俺をミックの祝いの声が迎える。
その後ろには、桜火とそしてセミイベントで勝利を修めたブルーノがたっていた。
ミックも含めて3人とも、普段の戦闘用の服装ではなく綺麗な礼服・ドレスを纏っている。
もちろんこれは戦闘で使うための物ではなく、次のイベントで使うための物。
2週間ほど前にジャックから招待された、このドライフ皇国の皇女主催のパーティーへ向かうための正装である。もっとも堅苦しいものではなく、皇女が俺たちと話をしてみたいと言うので急遽行われた非公式の立食会に近いそうだが。
ジャックは正装しなくてもいいという、皇女の言伝をいってはいたが、その顔にはちゃんとした服装に身を包んでほしいという表情が浮かんでいた。なので、ブルーノの提案でこうしてちゃんとしたドレスコートにあう正装を着こんで、簡単ながらも俺たちはパーティーの作法を学ばせてもらい準備を整えた。
俺も後で着こんでおこう。なお俺と違って、すでにアポストル形態に戻っていたシュテルは、執事服の様な正装なので問題ない。
「それで、いつ会場に行けばいいのです?」
「あとで、ジャックが迎えに来るそうだから。それまで待つことになるな……」
「ジャックさんって、皇女様のお付きのひとだよな。離れてこんな所にきていいのか?」
そういえば、ジャックは皇女のいちばんの股肱の部下らしいな。
クラウディア・L・ドライフも部下に四苦八苦していたが、あの朱紗・I・ドライフはそれ以上に大変そうだな。クラウディアには【
頼れるというだけで重宝できるほどに、人材がいないんだろう。
「それくらいしか、頼れる人間がいないんだろう。そしてそれくらい俺たちのことを歓迎してくれているということだ。それと皇女は今回の決闘見に来ているらしいぞ?」
「そうだな。ワシらを思って主催してくれたんだ、楽しまなければ罰が当たるという物だ」
「え? 決闘見に来ていたんですか? それならジャックさんが迎えに来るのもわかるのです」
パーティーの誘いを受けてから知ったことだが、どうやら朱紗皇女は決闘が大好きなようでよく内外の決闘戦を観戦しているようだ。今回も高位ランカー同士の決闘と言う事で観戦しに来ている。
すぐにこちらに来ることができないのは、継承権が最下位とはいえ皇女と言うVIPな立場の所為でいろいろとやらなくてはならないことがあるからだとか。
「まあ、来るまで待つか……」
ミックがそう言い、俺たちも了解して30分程度待つことにしたのだった。
「お待たせしました、みなさん」
服装を黒い正装に変更して、ジャックをのんびりと喋りながら待っていたら、ようやく来たようだ。
「遅かったなジャック」
「ジャック殿、もうそちらの用はよろしいのですかな? ワシらはもう問題ないですが」
ジャックとブルーノは所見のはずだったが、俺の言葉で把握したのだろう。
ブルーノは丁寧なあいさつをして、右手を差し出す。
「ええ、こちらこそ。姫様のお誘いを受けていただき有難うございます」
ジャックも返礼をしながら右手を出して、握手を行う。同時に4人(+シュテル)の顔をみて全員そろっていると分ったのか、続けて口を開く。
「外に用意してある馬車で姫様がお待ちです。そちらに移動しましょう」
ジャックはそう言いながら手振りで外へと続く扉を指す。
「そうだな。ここでずっと待っているのも何だし移動するか」
とくに用事はないしな。俺たちは連れだってジャックの案内の元、外へ向かう。
◇
「すごい……普通だな!」
なんというか、本当に皇女が乗っているのか? と疑問に思うような馬車だった。
ぼろいとはいわないが、すごい素朴な馬車だった。というかそこらにあるような馬車なんだが。
「あはは、姫様が余りお金をかけたがらないからね……、姫様にはもうすこしそこらへんにも金をかけてほしいんだけどね」
貧乏性なのか?
末端とはいえ皇女ならもう少し金を持っているだろうしな。
「それじゃあ、後ろに乗りこんで。狭いけど、自由に座っていいからね……姫様に失礼がないように」
俺たちはそんなに失礼な態度をとるように見えるのか?
だが、この大きさだと……
「一つ聞いていいですか、ジャックさん? この大きさだと全員乗れなそうですけど」
「いえ、乗れると思うよ。僕は前で業者をするし、一応この大きさでもつめれば6人乗ることはできるからね。キツイかもしれないけど、姫様も含めて子供もいるし大丈夫だよ」
「そうかそれならいいけど」
子供の大きさならつめれば結構入ることができるしな。最悪シュテルには合一形態をとってもらう事になるか?
疑問が解けたので、ミックは馬車に乗ろうとして、
「あー☆ミック、用事があると言っていたのに何をしているのですかー?」
聞き覚えのある声に中断させられる。
声に反応し振り返った先に居たのは、見覚えのあるピンク色の髪をした魔法少女風の女の子と後二人。
「キャロル! どうしてこんなとこに居るんだよ。モンスターを狩りに行くんじゃなかったのか?」
「もう暗いので☆戻ってきたのさ。そういうミックこそ☆どうしてそんなかっこで馬車に乗りこもうとしているのかな!」
ミックとレオンがすごい気まずい反応をしているな。というか……
「ミック、今回の事話してなかったのか?」
「他はともかくキャロルに行ったら絶対うるさく付いて行く!っていいそうだったから……、内緒で行こうとしたんだけど」
「ごめんミック。僕ももう少し外で狩りを続けていたかったんだけど、キャロルがもどるといってきかなくてね。ミック達ももう終わった頃だと思っていたんだけど……」
「どんぴしゃでぶつかったってわけだ」
それから、諦めてもらうために説明をしたのだが……
「私も行く」
結局、その一言でキャロルの意思が固まってしまったことがわかってしまう。
やはり、女だけあってパーティーとかにあこがれるんだろうか?
さすがに、主催者である皇女側の事情である、給仕や食事を作る人間の不足を聞かされ、キャロルもさすがに引いたんだが……
またしても乱入者が現れる。その男は、
「おやおや、お久しぶりですな、みなさん。こんな道端でどうされましたか?」
あの渓谷でもあった【偽神】ルパン・ジ・アシッドだった。
2度会った時と同じように、シルクハットをかぶりモノクルをつけた奇術師風の衣装をまとったルパンは、杖を地面につきながらにこやかにこちらに挨拶をかましてきた。
俺を含めて5人は再びあった年齢・出身・経歴・身元諸々が不詳の男がなぜいるのか、そして俺たちになぜ声をかけてきたのか疑問に思い。
ルパンに初めて会ったキャロルたちやジャックは、あからさまに不審者な男に身構える。
「ルパンか、久しぶりだな。いやな……」
不審者じみたルパンが自分たちの知り合いだと暗に含ませて、ミックは軽く経緯を説明する。警護上の理由もあるだろうからと、皇女がかかわっていることには触れずに、あくまでもジャックに家に招待されたという嘘ではないレベルにまで簡略化した説明を行っていた。
説明の段階で、キャロルたちが参加できない、『給仕と食事を作る人手が足りない』という理由を話した時点で、ルパンは「うむふむ?」と頷き首を傾げ数秒の沈黙後、口を開く。
「なるほどなるほど。そういった事由でしたか。それならば私にいい考えがあります」
いい考え?
俺たちの疑問を晴らすように、ルパンは自信たっぷりに自分の考えを口にする。それは……
「簡単です。私がやりましょう。給仕と食事を作るのを、そして諸々の雑事すべてを引き受けましょう。なに、私は恐れ多くも【偽神】の座を戴いたもの、【超執事】や【特級廚師】のジョブスキルを保有する私なら見事お役目を勤めてみせましょう」
「いや、そう言ってくれるのはうれしいんですが………、今回の招待はやんごとない御方によるものなので、防衛上の意味も兼ねてお断りさせていただきたく……」
「かまわんぞ、じゃっく!」
ルパンの自己推薦を断ろうとしていたジャックの言葉を、小さく可愛い声が中断する。
その声は小さくとも、綺麗に響き耳に一言たがわぬほどに残る。こういうのが、威厳のある皇族の資格と言う物なんだろうか?
「姫様?」
「せっかくじゃし、そのるぱんというのをやとってやろう! なにわるいにんげんじゃないのは、みればわかる。ここは、こういにあまえよう。みっく・ゆーすのなかまたちもしょうたいしたいしの……。ほかのけっとうらんかーたちにはかわいそうじゃが、こっちもしょうたいしてみたいのじゃ!」
「……よろしいのですか? はぁ、姫様がそういうのでしたら。そうですね、確かにルパン殿は姫様に対して悪意を持っているわけでも恐怖を覚えているわけでもなさそうですしね」
「………ふむふむ。そうですか? こちらの申し出を受けていただき有難うございます……皇女様」
びっくりしていたなルパンのやつ。やっぱり、皇族の食事を作るのはいきなりで驚くか。
「それでは、みなさま全員パーティーにお誘いしますが……、さてこの人数だと全員馬車に乗るわけにもいきませんね」
「ふむふむ。それなら私は走っていくとしましょう。なにこれでも超級職、いくらステータスがひくい私でも馬車に付いて行くだけの速度は出せますからな」
「それなら俺も走って行くよ。うちのパーティーメンバーの我ままの所為で迷惑かける事になるしな」
「それなら☆私も走って……」
「いやキャロル。お前、典型的な魔法使いタイプでAGIめちゃめちゃひくいだろう。ここは俺が走るよ」
「なんか悪いなミック。あとで埋め合わせはする」
キャロルがミックに対して、すこしすまなそうに頭を下げる。最後のキャロルのセリフだけなんかいつもと調子が違っていた気がするけど、気にしないほうがいいのか?
「それでは、みなさん。馬車に乗り込んでください」
ジャックが扉を開けて、中に入るように言ってくる。
俺たちはその言葉に従い、一人そしてまた一人と順々に中に入っていき、そして全員が入り終わった頃、朱紗は一度頷き口を開く。
「さて、それではみなのもの。これより、わらわがしゅさいするぱーりぃーのかいじょうである、わらわのやしきへいくぞ!」
そうして、朱紗の号令をもって走りだした馬車は、会場にむけて轍を残していくのだった。
To be continued