閣下改竄   作:アルカンシェル07

49 / 52
(=○π○=)<奇遇?なことに、僕も風邪でダウンしてしまい、しばらくかけませんでした。遅れてすいません。(それでも10日かかってはいたけど)

(=○π○=)<前回から話は変わってジャックサイドです。

(=○π○=)<ちなみに構成は、序ジャック1ジャック2破ローガン1ローガン2ローガン3急エピローグ123になりそう。もしかしたら変わるかもしれないですけど。

(=○π○=)<ちなみに今日は連続投稿です。


第23話 そ■は改■■れし■憶

第23話 そ■は改■■れし■憶

 

□■【大戦士】ジャック・バルト

 

 機械の兵隊や、姫様をさらった敵に味方する〈マスター〉との戦いをくぐりぬけ、【偽神(ザ・フェイク)】ルパン・ジ・アシッド殿の案内に導かれて、進んだ先にあったもの。

 それは………

 

 「こ……れ、は……」

 

 壁……だった。

 

 「見事なまでに、行き止まりですね」

 「ええ、ええ。壁ですとも」

 

 そんな!無駄足だったというのか。

 っく、こうしている間にも、姫様がどんな思いをされているのか……

 いや、今こうして悔いている時間さえ惜しい。

 

 「ルパン殿、レオン。仕方がありません、引き返しましょう!」

 「はい、そうですね。ミック達が頑張っているとは思いますが、だからと言って僕たちが無駄な時間を過ごしていいというわけではありませんから」

 「………おや? おやおや?」

 

 踵を返し、来た道を戻ろうとする私とレオンだったが、それをまるでおかしいものを見たというように、ルパン殿が疑問の声をあげ首を傾げた。

 ルパン殿の態度に疑問はあるが、それは戻りながら内容を聞けばいいと、進もうとする私の肩を誰かに掴まれた。あまり時間はないだろうに、ここで時間を浪費されることに、僅かばかりの苛立ちを覚えながら、振り返る。

 どうやら私の肩を掴んでいたのは、レオンだったようだ。

 私は彼に、どうして肩をつかんで、早く戻ろうとするのを邪魔するのか、問いただそうと口を開こうとして、その前にレオンが口を開く。

 

 「まあ、待ってくださいジャックさん。ルパンさんが何か言いたそうですし、効いてあげましょう」

 「む……先に進みながら、話を聞きたかったのですが………。まあ、いいでしょう。それで話となんでしょうか?」

 

 先に進もうとしていた私を、無視されていると感じていたのか、すこし悲しそうにしていたルパン殿だったが、私がちゃんと向いてから声をかけたことで嬉しそうにする。いや、姫様ならともかくあなたのようなアラフィフにそういう風に喜ばれても、こちらにとってはいやなもの以外のなにものでもないのですが。

 心の中に浮かんだ、ルパン殿に対するぶしつけな感想を押しとどめ、彼の言葉を聞く姿勢にする。

 ルパン殿はそんな私の態度を見て、うむうむと満足げにうなずいた後、ルパン殿は行き止まりである壁を手に持つ杖で指して………そして私たちの勘違いを正す。

 

 「いえいえ、ただこの先に道があると言うのに、戻ってしまうと言うので、それはどうなのかな? と思ってしまった次第でして」

 「……どういう事ですか? 見たところただの行き止まりにしか見えませんが」

 「そうか! もしかしてこれは、この地下通路に来るための入口によく採用されている、開く岩壁と同じなのか!」

 「ええ、そういうことです。よくお気づきになりましたね、レオン」

 

 なんだって!

 もう一度行き止まりの壁をあらためて見るが、やはり変わったところがないように見える。

 ルパンは私たちの反応を楽しんだ後、私たちに背を向けて岩壁に向けて歩きだし、岩壁の一部を手に盛った杖で「コンコン」と2度たたく。

 叩かれた場所の石がへこんだかと思うと、岩壁が次々にへこみ地面の下に沈み、やがて人一人が通れるほどの空洞が出来上がった。その空洞の先にはランプではなく電気による明かりがあり、整備されている道を明るく照らしていた。

 

 「なんと、こんな道があったなんて」

 「……こんな隠し通路、知らなかったよ。でも、どうしてだろう?」

 「ふむ。そういえば、レオンも皇都の地下通路の事はご存知でしたかな?」

 「うん。前に受けたクエストの報酬でね? でもこんな通路に関してはまったく知らなかったけど」

 「ほうほう? そんなクエストを受けられたことがあると! ですが、こういった隠し通路の事を知らないとなると、あなた方が受けられたクエストの報酬とは、ずいぶんと古いものだったのですかな?」

 

 ………いや、二人揃って話し合うのは別にかまわないですけど、とりあえず先に進みたいんですが。

 姫様の事が心配ですしね。

 開かれた通路の奥から、入口の所で喋っている二人に「早くいきましょう」と文句を言ったことで、二人も先に進む気になったようだ。

 私の後をついて行きながら、なおもそのクエストの事に就いて話し始めてた。いや、先に進むのなら止める気はないが、もう少し必死になってほしいと少し思ってしまった。

 

 「――それで、やっとのことでボスモンスター倒したら、壁が壊れてそこに迷路の地図が貼ってあったんですよ」

 「なるほど、そんなことが。私もこの地下通路の構造を把握するのには時間がかかったのですが、持つべきものは幸運ですかね?」

 

 本来この地下通路を知る者は、皇国に在籍している者の中でもそうはいないはずなんだけどね?

 この地下通路は皇族の緊急時の避難通路と言うサブの役割も持っている。だからそこまで知られていいものじゃない。

 国に関係ない〈マスター〉と放浪者(いっぱんじん)に、このことが知られていると皇王やその周囲の人間が知ってしまったらどう思うのか。その結果を創造するだけで恐ろしい。

 私は姫様を虐げる皇王やその周囲の人間が嫌いだし、姫様を一緒に巣くってくれる知人を関係や上の人間に突きだそうとするほどこの国に愛着を持ってない。私が姫様の力になろうとするのは、姫様のことが……

 

 「おやおや? これは分かれ道ですかな?」

 「小部屋か、皇都(うえ)で見たことがないような機械が幾つか置いてあるな」

 

 ルパン殿が開いた道をすこし進んだ先に小部屋があり、そこからさらに3つの通路が続いている。

 この小部屋は通路を少し改造したような跡があることから、もともとあったものじゃないんだろう。十字路の中心を無理に広げて機械をおいていったようだ。

 いくつかモニターらしいものと、用途がわからない機械がおいてある。

 

 「なんだ、ここは? いや、まあいい、それでルパン殿? 姫様がいる場所への道はどっちなんですか?」

 「ふむ? すこし探ってみますか………、おや? ああ、どうやらこのまままっすぐ進めば朱紗皇女のもとにたどり着きそうですね」

 

 そうか、このまままっすぐか。

 さあ、いこうと足を進めようとした私を、続くルパン殿の声が止める。

 

 「それと、現状を確認しましたが、のこりはすくないですな。残っている敵は朱紗皇女をさらった【山賊王】とその周りにいる〈マスター〉が数名、それと別の場所で暴れている〈UBM〉が一体ですな」

 「〈UBM〉だって! ばかな、なんでこんな地下通路にそんなものがいるんだ!」

 「どうせ彼らが巻いたんでしょう。敵をモンスターで足止めする。戦い方としてはなにも間違ってはいませんね」

 

 確かにそうかもしれない。だが………

 姫様の事を放っておくわけにはいかない。だが、〈UBM〉を放っておいて皇都に被害が出てほしくもない……

 どうすれば……

 

 「ああ、ちなみに、すでに【山賊王】とはローガンが、〈UBM〉とは残りの〈マスター〉全員で戦っているようですよ?」

 「え?」

 「なに?」

 「このままだとどちらも厳しいでしょう。ここで提案です、別れましょう」

 「ばかな、こんな所で別れるのか!」

 「他に敵がいませんしね、わかれても彼らと合流するまでは安全です」

 

 それは………

 

 「よし、別れましょう。僕はミックたちと合流します。お二人はローガンのところに行ってあげてください」

 

 なに?

 レオンはそういうと走りだす。ルパン殿に道を聞いて、その通りに彼らのもとに向かってく。

 私はそれを見ながら、素早いなとおもった。おそらく、彼はルパン殿の言う通り、別れた方がいいと思ったのだろう。

 その判断力の高さ、速さはすごい。

 

 「ふむふむ、やはり彼が〈UBM〉の方に行くのですな。では我々も………おおーっと! しまった、私としたことが」

 

 レオンを見送った後、ルパン殿がわざとらしい口調でいきなり語る。

 

 「申しわけありません、ジャック殿。どうやら急用が入ってしまいまして、あとはお任せしても構いませんな? いえ、朱紗皇女に関しては心配は無用でしょう! もう解放されました(・・・・・・・)。ローガンは思った以上に活躍していますね。これなら心配はいらないでしょう。もっとも、今だ【山賊王】は健在なので、早く助けに行った方がいいとはおもいますが、ね?」

 

 早口でルパン殿はそんなことをいう。

 その言い分にすこし頭に来てしまうが、だがここでいうことはできない。

 むしろ、この役割は本来私のみの物だ。他の人たちが手を貸してくれるとしても、私がそれを強要することはできない。

 なにより、そんな状況だと言うのなら、口論する時間が惜しい。

 

 「………わかりました。それでは私は先を急ぎますので」

 「ええええ。申しわけありませんね? ですが、あなたはよくやりますね? あなたは弱い。ここにいる全ての存在より弱いでしょう。そんなあなたが超級職という、頂点の一つに挑んでも死んでしまいますよ? あなたをそこまで駆り立てる理由は何です?」

 

 そんなもの決まっている。

 だが、口に出しはしない。言ってはいけないことだし、言う気もない。

 この想いは、墓場まで未来永劫持ち続けると決めている。

 

 答えを拒否するように、私はルパン殿に背を向けて、走りだす。

 私の愛する(・・・)姫様をお助けするために!

 

□■ジャ()ク・バルト

 

 私が姫様にお会いしたのは、幼少の頃。

 私が父に連れられて、皇族の方が開いたパーティーに参加した時のことだ。

 私はそのパーティーで一人の赤ん坊と■■(であ)った。もっとも、あくまで皇族の方々に拝謁した時にちらりと見ただけの事だが。

 今は亡き、第4皇子クリストファー・A・ドライフ殿下と、その妃である東方の国出身の東 夢(あずま ゆめ)殿に抱かれていたのが、私が末永くお仕えすることになる、朱紗姫だった。

 

 私はそこで一目■■(惚れ)した。

 なぜかは分らない。だが、一生あの方についていこうとその時思ったのだ。

 もっとも私は騎士爵である父の子。今だ何の役職にも付いていない、ただの子供が、継承権が低いとはいえ皇族の子供に就くなんてできるはずもない。

 だから私はその時の想いをあきらめざるを得なかった。

 

 しかし、運命は私に味方をし、そして運命は姫様やその両親の方々・そして私の父に対して敵意を向いた。

 起こったのはただの他愛のない事故。ただ道が崩落し、たまたまそこを通過していた一台の馬車が土と岩に埋もれてしまっただけ。犠牲者も10人程度で、本来ならそこまでおおごとにするものでもなかった。

 だが、他愛がないのは、それによって犠牲になられた人。この事故によって犠牲になられたのは、クリストファー皇子とその妃、そしてそのお世話をしていたメイドと護衛をしていた私の父を含む数人。

 それによって皇国に小さいながらも騒動が起こった。そう、ちいさかったのだ。

 皇王は事故に巻き込まれると言う弱さを嘲笑(あざわら)い、第一皇子と第二皇子はともに悲しみつつも対抗馬が少なくなったことを喜んだ。第三皇子もまた、ほぼ同時期に死んでしまったため、姫様を守る人も慰める方もひとりもいないという状況になっていた。

 

 だから私は手を上げた。

 あの小さくも可愛い姫様を私が守らなければならないと、周囲にいた本当に姫様のためになるのか疑問しかない連中をはねのけて、私が姫様の護衛兼教育係になることにした。

 

 そこからはいろいろと大変だった。

 一度もしたことがない、赤ん坊の世話。時折襲い来る姫様を狙う者の排除。父君であられる皇子が残された数々の遺産の整理、およびそれらをねらう貴族や商人の相手。

 本当に頼れる味方は、その時点の皇国には存在しなかった。

 だから私は、国に使える物ではなく、市井の人間に協力を仰いだ。

 皇国で料理店をしていた女傑を料理番に雇い。

 皇国のスラムで自警団をしていた連中を、姫様付きの護衛として雇い。

 皇国の裏社会で会計士をしていた人間を、私の補佐として雇い。

 

そうして、姫様を守ることができる大勢を手に入れた。もっとも、騎士爵の私が率いる身分の低い連中ということで、周りの貴族たちからはずいぶんと小言を言われたり、見下されたりしたものだが、それは無視したり、行動ではねのけたりしていたものだ。

 一番の問題点であった姫様の養育も、それほど手間はかからなかった。姫様が子供のころからおとなしく夜泣きなど一度もしたことがなく、勉学もまるで最初から答えを知っているかのようにすらすらと答えを導かれ、道徳と言う物を教えるまでもなく物の良し悪しを知っていた。

 あえて姫様の問題点をあげるとするなら、姫様がめんどくさがりやだということ位だろう。勉強を嫌い、運動を嫌い、他者との交流すら最低限に押しとどめようとする。

 もしそういう超級職があれば、もしかしたら条件を満たしているかもしれないとおもう程のめんどくさがりやだった。まあ、噂にきく【怠惰魔王】は条件が条件なので習得は無理だろうが。

 

 超級職と言えば、姫様は少し特殊だ。

 姫様はジョブには就かれていない。特殊超級職でなければ、幼少の時にジョブにつけるはずもないのだから、あたりまえだが。

 しかし、姫様は本当にジョブに就いていないのか?と疑問に思うほど、特殊な力を保有している。

 その特殊な力は記憶を消す力。

 皇都に構えた屋敷を囲む、結界は姫様が造り上げたものだ。正確には、姫様が植えた白い花の花壇に敵対者の記憶を消しつつ、敵を追い出すという効果が含まれていた。

 そこから、皇都の著名な知識人、果ては王国の【大賢者】殿にも見てもらい、その花壇が有する効果を調べてもらい、花壇と忘却結界が連動しているという事から、花壇が万が一なんかあった場合にすぐさま対応可能なように、屋敷に警報装置を取り付けてもらったりもした。

 いろいろなことがわかって、私としても喜んでいたが、姫様はかなり不機嫌な顔で、機嫌を取り戻されるのにかなりの時間がかかってしまった。

 姫様が不機嫌だった理由はわかる。最初、姫様が植えた花壇の能力がわかった時、『面倒だから誰にも言わなくていい』とおっしゃられていたのを、私がわからないモノに頼りたくないという一心で、姫様を振り払い調査する人を集めたことを起こっているのだろう。

 人を集めたと言った時点で、かなり不機嫌な顔をされていたし、【大賢者】殿が来られた時なんか、すごい笑顔で不機嫌になっていたから間違いはないと思う。

 もっともなんで不機嫌になったのかは、今になってもわからないが。

 

 

 それからも、いろいろと問題はあったが、こうして姫様とともに楽しく生きている。

 それも全ては、あの時スラムで孤児だった自分を拾ってくれた………

 

■■(アレ)

 

 

to be continued

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。