閣下改竄   作:アルカンシェル07

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第4話 小山狩り

 

第4話 小山狩り

 

□〈エディア丘陵〉 【悪魔戦士】ローガン・ゴールドランス

 

 あれから俺たちは、12時間程を掛けて《偽証》の対象をポイントと召喚数に固定しながら進んでいった(いちいち《偽証》の対象を変えるのが面倒になっていったという理由が大きい)。

 目の前にはそれなりの大きさの山丘がみえる。地図はないのでここが皇都からどれくらい離れた場所にあるのかは不明だが、12時間ほどかけて走りも含めて移動したのだ、それなりに遠くに来ているだろう。今のところ倒せない様な敵には出合っていないため、そこまで遠くでもなさそうだが。

ほぼ12時間モンスターを倒し続けていたが、そろそろ疲れととある問題が見えてきたため、山のふもとにある人が寝そべることも可能な程の大きさの切り株の上に座り休憩することにした。

12時間の成果を確認するため、ステータスを開きどう変わっているか見てみる。

 成果はというと、どうやらレベルが10まで上がり、《旅団》のスキルレベルが2に上がり、【悪魔戦士】のスキルも2つほど増えていたようだ。

 スキルの詳細としては、以下の通り。

 

 一つは《コール・レッサーデヴィル》。

 これは名前で察することも可能かもしれないが、《コール・デヴィル・チーム》で召喚される悪魔を1体のみ召喚するスキルである。

 《チーム》が3体を同時に召喚可能なのに比べてこっちはデメリットが多い。

 召喚に必要なポイントが《チーム》の半分でしかない50ポイントも必要であり、当然1体しか召喚されない。一応、利点として召喚時間が《チーム》より5分ほど長いが、15分の間召喚できるとしても、このスキルを使う必要が無いため、基本死にスキルである。

 

 二つ目は《コール・デヴィル・ビギナースカウト》。

 これは特殊な性能の悪魔1体を30分間召喚可能なスキル。

 これは《スカウト》の名前の通り、【斥候】をもした悪魔召喚スキルのようだ。

 《スカウト》のステータスは、AGI以外は《チーム》とほとんど変わらないステータスだが、AGIは大きく異なる。

 そのAGIの数値は150。その速度はかなり早く、AGIを2倍化すれば他の下級を相手にしても速度で劣ることはすくないだろう。

 スキルも優秀なスキルを2つ持っており、《罠感知》と《気配察知》の二つをレベル3で習得している。

 これだけ優秀でありながら必要なポイント数は80ポイント程度であるため、安くて強力な戦力である。《コール・レッサー・デヴィル》もこのスキルを見習った方がいい。

今現在は雑魚狩りを優先しているため、《チーム》しか使用していないが、ダンジョン探索やボスモンスターが相手ならこのスキルの出番だろう。

 

ポイントのやりくりも少しずつ余裕が出始めてきているので、このままならいくらでもモンスターを討伐することが可能だろう。

少し前から出てきていた、とある問題を無視すればだが。

 

ぐぅと腹の虫がもう中に何もないという事を告げるかのように音を奏でる。

ちなみにこの音が奏で始めたのは現時点からではなく、もう1・2時間まえからその存在を主張していた。

そう、その問題とは腹が空いたことによる飢餓状態である。

別に食糧が奪われたとか、食糧が食べられなくなったとかそういった特殊な事情はなく、この事態に陥ったのは単に、食糧を買わずに連続で戦闘を行ったからである。

このゲームを始めてから、ジョブに就くことや、スキルを発動するために必要なポイントを得ることや、戦ってレベルを上げることに集中しすぎていたせいで、初心者がもつべきアイテム一式を購入することを思いつかずにまるまるスルーして戦闘を始めてしまったわけだ。

 

「腹が減ったな……。なんで食糧類だけでも買わなかったかなぁ?12時間前の俺は」

 

腹が減ったことにより、少しイライラとした気持ちを愚痴という形で放出する。

一応、スキルを発動させるためのポイントを貯めるために、4000リル使用したことについては、それほど悔んではいない。

ただし、残りの万が一の保険として残しておいた1000リルで食糧は買っておくべきだと、いまさらながらに思った。

 

『申しわけありません、主様。私も主様との戦闘で自分の力をアピールしたいとしか考えておらず、遠征に必要なアイテム一式をそろえるという発想に至りませんでした。自身のエゴで主様を困らせてしまうとは、私は従者失格です』

 

戦闘の連続のせいで12時間ずっと俺と同化したままの、ルンペルシュティルツヒェンはそんな言葉を口にして自虐する。

そんなことを考えていたのか、こいつは。

〈マスター〉とアポストルは内で繋がっているから、心話でいくらでも話しのやり取りができるけど、エンブリオが〈マスター〉からは一方通行的に感情や記憶そして思考を読み取れるけれど、〈マスター〉はエンブリオ側からは感情や記憶そして思考といったものは読み取れないのだ、口にして初めてこいつらの意思を感じることができる。

雰囲気で気持ちや秘めた感情を感じ取れる、某みたらしとかは例外なのだ。

だからルンペルシュティルツヒェンがこの言葉を口にして、自身のことを自虐し責めているとこの時知りことができた。

いやアポストルの性質的にこういう事を考えてしまうのは、当たり前のことなのかもしれない。

だけどそれは勘違いだ。

 

 『食糧のこと(こんなこと)を持ち出した俺が言うのもなんだが、お前が自分を責める必要は一切ない。お前が進化してから、すぐに戦闘をしようと思ったのは、誰よりも一番でありたいという俺が選んだ自分の自由だ。たとえ何者であろうとも、この思いを改竄(かきかえ)させはしない。食糧を忘れたのは俺のドジで、俺のミスだ。そこにシュテルが犯したミスは一つたりともない』

 

 そんなすこしクサイ科白をはき、ルンペルシュティルツヒェンの勘違いをただす。

 口に出して言うのが恥ずかしいため、心の内の会話にとどめて外部には一切知らせない、知らせるものか。

 うん、本当にどうしたのかね?今日の俺は。

 こんなクサイ科白をはくようなタイプじゃないだろうに。

 こういうのは某みたらしの役割だろうに。

 

『はい、ありがとうございます。そういっていただけてうれしいです。主様の自由の行く道であるならば、もう私は自虐したりしません』

 

 

 「さて、休憩が長すぎたな。食糧の問題に関しては、死にそうになるかポイントがつきたらログアウトして皇都に直接戻る。そうすれば、移動の時間は関係ないだろう。それまではモンスターを狩る時間だ。今日の最後の目標は俺たちの前にあるこの丘にする。この小山を山狩りするとしようか。装備やアイテムを購入したいからな、ここからはポイントに変換せず、ドロップを収集しておこうか」

 

 狩り場の独占はMMOにおいてルール違反であるが、俺たちが先行したのか、もしくは狩り場がばらけているのか、周囲にほかの人間は一人もいない。

 それならば、狩りを終えるまで独占しても文句をいう人間は一人もいないだろう。管理AIの中にはいるかもしれないが、それは俺の知るところではない。

 問題あるか?という意味を込めて内に存在するルンペルシュテルツヒィエンに問いかける。

 

 『はい、今日中にこの山を更地にしてやりましょう』

 

 ルンペルシュティルツヒェンもまた、「いいえ、ありません」という意図を込めてこちらに返事する。

 広域殲滅型でないし、山を焼き払う気も無いから更地にはならないとは思うがな。

 ポイントを全消費するのに、現在のポイント数が判った方がいいと思い、『詳細ステータス』からジョブを開き、今何ポイントあるか確認しておく。

 

 「いまあるポイントは合計1590ポイントか」

 『結構たまっていましたね』

 

 ほとんど流れ作業同然に、モンスターのドロップ拾いとドロップのポイント変換を行っていたため、今どれくらいあるのか全然把握してなかったが、結構ポイントがあったのに驚いた。

 一応、一度の召喚で十数体ずつぐらいのペースで倒していたんだが、倍加を除いた分の50ポイントに加えて余分に20ポイント程度を稼いでいたようだ。

もしかしたらレアアイテムなんかも変換してしまっていたのかもしれない。もしそうなら少しもったいなかった。

 《偽証》による倍加を含めると、合計3180ポイント。

 単純に《チーム》を31回分も召喚することができる。

 今日の狩りの締めとしては十分だろう。

 

 「シュテル、いくぞもう一度雑魚狩りタイプだ。〈チーム・N〉」

 

 今日何度も発動してきた定番のセットをルンペルシュティルツヒェンにオーダーする。

 ポイントと召喚数の2倍化設定。すでに設定してあるだろうが、指定しておく。解除している可能性が無いわけではないからだ。

 

『はい、設定はすでに完了しています』

 

もっとも俺の心配は全く無用だったようだが。

ルンペルシュティルツヒェンもすぐに完了の知らせを届ける。

それならばいい。あとは悪魔どもを呼びだすだけだ。

 

 「“地獄より来たれ、三位一体の小さき悪魔”《コール・デヴィル・チーム》」

 

 これまた今日何度も見てきた光景が眼に映る。

 ただし泡の中から現れた6体の悪魔たちに、この時点では命令を下さない。

呼び出した悪魔を待たせて、俺はいままでに行わなかった方法をとる。

それは悪魔の二重召喚。

別にそれ自体は特殊な物ではない。原作でもローガンは《コール・デヴィル・レジメンツ》で2回に分けて2000の悪魔を召喚していたのだ。

俺が今までしなかったのは単に移動を兼ねていたためであり、道中にそれほどモンスターがあふれていたわけではないからだ。

だが今は違う。これから行うのは一点にとどまりながら、ポイントを全消費して行う広範囲の制圧戦だ。まだ広域制圧と呼べるほどには力が備わっていないが、未熟な卵なりにやってやろう。

 

 「もう一度だ“地獄より来たれ、三位一体の小さき悪魔”《コール・デヴィル・チーム》」

 

 そしてまた6体の悪魔が呼び出される。

 だがこの時点でもまだ命令は下さない。

 なぜなら今の俺の《旅団》スキルのスキルレベルは2である。

 これにより、俺のパーティーメンバー枠は15まで拡張している。

 そう《旅団》枠はあと3枠開いている。消費戦なのだ、残りの枠すべてを使いつぶしてみてもいいだろう。

 

 「最後だ“地獄より来たれ、三位一体の小さき悪魔”《コール・デヴィル・チーム》」

 

 そして三度、地面より黒い泡が吹き出す。

 《旅団》の3枠と俺がもともと持つ残りの5つのパーティーメンバー枠の内、3枠を使用しその悪魔たちが現れる。

 

 総勢18体の悪魔たちが、俺が王であるかのように跪き命令を待ちながら礼をとる。

 うん、これは気分がいい。原作のローガンのことも馬鹿には出来ないな。

 その悪魔たちに命令を下す。

 

 「悪魔たちよ、そこの丘にいるモンスターをすべて倒せ」

 

 殲滅の為の号令を下す。そして。

 

 「倒したモンスターからドロップが落ちたらそのアイテムを、倒した悪魔が俺に届けろ」

 

 荒野でならドロップが見えるから拾いやすかったが、この木々が生い茂る小山の中でドロップしたアイテムを確認するのは至難の業だ。

だから呼び出した悪魔にアイテムの回収も命じる。

 その命令を聞き届けると、悪魔たちは四方に飛び立ち、モンスターたちと戦闘をし始める。

 

 『壮観ですね。あれだけの悪魔が主様に傅く様を見るのは気持ちがいいです』

 

 いや、まあ俺もそう思っていたけども、他人に指摘されると恥ずかしいな。

 自分の中の厨二心とか大人げない部分とか指摘されているような気もしてくる。この身体は子供だが、心は大人だからな。

 それにこのくらいまだまだだ。あれだけの悪魔といってもまだ18体程度、いつの日か万を超える悪魔が傅くようになるさ。

 そう思いながら、戦闘の状況を確認する。悪魔の姿は見えないが、耳を澄ますといろいろな方向から戦闘音と思わしきものが聞こえてくる。

 

 「どうやら、順調のようだな」

 『はい、このくらいのレベル帯であれば、あの悪魔たちの能力を持ってすれば問題はないでしょう』

 

 移動中に簡単に検証していたが、どうやら《チーム》によって呼び出される悪魔たちの1体の性能はレベル1のモンスターと同等ではなかったらしい。

 最初はステータスを見てレベル1モンスターと同じくらいだろうと思っていたが、確かに敵のモンスターのステータスは確認できないからな。《鑑定》スキルはとってないし。

 ステータスはレベル1より上回り、現時点でのレベル帯のモンスターよりわずかに劣る程度。

 そしてステータスが僅かに劣るのに戦える理由もある。それが《チーム》が保有するスキルである《三位一体》である。

スキルと言っても、ステータス画面に表示されていたわけではない、それなら最初の時点で気付けたし。これは「三位一体の悪魔」という召喚文言から推測したものだ、スキルというより特性に近いかもしれない。

 それは、他の悪魔が危機に陥った時に、その危機を周囲に知らせる物だ。

 テレパシーのように、会話をするのではなく。《気配察知》スキルのように、察することができるもののようだ。

 移動中に《チーム》の悪魔が、2対1に追い込まれた時、姿が小さく見えていた悪魔たちがすぐに駆けつけてきてくれたから知ることができた特性だ。

2対1なら劣勢になるが、2対3になればこちらが優勢になる。《チーム》に備わっているのは、その数の優位性を生かすための特性である。

他の悪魔ともこの特性が有効に働くかはわからないが、とりあえず今はこれでいいだろう。

 

そうしているうちに、悪魔が数体こちらに戻ってきていた。その悪魔が持つアイテムを受取りアイテムボックスにしまうと、再び悪魔は飛び立ち狩りを継続する。

 

 これの繰り返しを続けて、1時間半後。

前のセットで呼び出した悪魔が消えるのが判る。

続けて最後のセットである悪魔の召喚をしようと《チーム》の召喚文とスキル名を口にしようとした。

しかし、その途端俺たちの後ろにある藪からガサッと云う音とともに、何者かが吠えながらこちらに突進してきた。

 

「ガウッウ」

 

それは、1体のティール・ウルフだった。

 

「なっ!」

『くっっ』

 

 不意を突かれ、予想だにしないモンスターの攻撃に、俺もルンペルシュティルツヒェンも対応することができず、体が硬直してしまう。

 その隙をつき、ティール・ウルフは俺の目の前にまで近づきながら、こちらをかみ殺すとばかりにアギトを開け―――

 

 「があぁあアア」

 

 そして俺の喉に食らいつく。

痛覚設定をOFFにしてあるため、痛みこそないが喉を噛みつかれたが故の衝撃と呼吸ができない苦しみは受けてしまう。

ティール・ウルフに喉に噛みつかれたまま、その噛みつかれた反動で俺は後ろに仰向けで倒れこんでしまう。

 

 『主様っ』

 

 ルンペルシュティルツヒェンもこの事態に驚き、主が噛みつかれたことに動揺する。

 だが、動揺したままでは困る。

 自分のHPバーを確認すると、がりがりと削れてしまっている。

 小山のふもとで確認した時、俺のHPは150近くあり、ENDも30あった。

 最初の半減した状態から、ここまであげられたのはよかったが、この程度は初期のステータスにエンブリオの補正が加わることでもクリアしてしまう位、低いステータスだろう。

 この数秒の間にも、HPバーの1/3が削れてしまっている。時間の余裕はない。

 召喚スキルを唱えられず、今の俺の攻撃力でこいつが離れてくれるとは思わない。

 だから、この状況を打開すべく俺に残された唯一の方法をとる。

 

 『シュテルっ。融合を解け、アポストルの状態でこいつを引き剥せ』

 

 そう、命令する。

 戦闘中におけるテリトリー系列の融合解除。

 ガードナーを除き、エンブリオはメイデン・アポストルの状態では本来の力を発揮できない。

 特に俺のエンブリオである、ルンペルシュティルツヒェンはアポストルの状態では、その能力の一切を行使できない。

 基本的に戦闘中においては悪手といえる一手。

 しかしこの状態ではその一手を選ばざるを得ない。

 

 『っはい!かしこまりました。モード・アポストル』

 

 ルンペルシュティルツヒェンも俺の言葉に答え、アポストル形態に移行し始める。

 俺の身体の中から光の粒がいくつも現れ出て、それが一つにまとまり男の形になる。 

 その男、ルンペルシュティルツヒェンは俺に駆け寄り、俺の上にのしかかるティール・ウルフを引きはがそうとする。

 

 「離れろっ、この離れてくださいっ」

 

 ルンペルシュティルツヒェンもティール・ウルフに手をのばし引き剥そうとする。

 だが、それでも離れない。俺のステータスは初期のステータスとほとんど同じくらいであるし、ルンペルシュティルツヒェンはガードナーではないので、そのステータスは貧弱なものだ。最もおれよりは高いが。

 ステータスが低い二人の力を合わせても、俺たちよりステータスの高い俺の喉深くに牙を埋め込んだティール・ウルフを剥すことは出来ない。

 HPももう2/3以上が削られていて残りが少ない。

 引き剥がすためには力押しだけでなく。手を凝らす必要がある。

 それならば……

 

 『シュテルっ。顎だ、上あごをもち上げろ。俺は下あごを下げる』

 

 牙が食い込んでいるなら、その牙を引きはがさないといけないだろう。

 ルンペルシュティルツヒェンが俺とティール・ウルフの上にまたがり、両手で上あごをもち上げる。同様に俺も二人の重さを感じながら、ティール・ウルフの下あごに何とか片手を挿しこみ口を広げる。

 二人の力をもってしても、すぐにはティール・ウルフの口は開かないが、それでも諦めることは出来ない。

ここで諦めてしまうと、デスペナになってしまう、3日間のログイン不可によって、その強くなる時間を奪われてしまう。

それはだれよりも強くなりたいと願う俺には受け入れられない選択だ。

 デスペナになってしまう事もあるだろう。絶対に死なない、なんて思わない。強くなるためには死線を何度もくぐる必要があるだろう。

逃げて逃げてその先にあるものが最強だとは思わない。

 だからここではあきらめない。

 残りのHPがどんどん削れて行って後、数センチの所でようやくティール・ウルフの顎が外れる。

 

 「がぁっ“地獄より…来だ…れ、三位一体の…小ざ…き悪魔”《コール・デヴィル・ヂーム》」

 

 掠れながら、ところどころ間のあいた声で何とか悪魔召喚を実行する。

 ルンペルシュティルツヒェンと融合していないせいで、《偽証》による2倍化がなされず、通常の100ポイントを消費して召喚された悪魔たちは呼び出されるやいなや、俺の命令を待たず、俺の上にのしかかるティール・ウルフとついでにルンペルシュティルツヒェンを引きはがす。

 

 「グワッウ」

 

 『そこにいると、悪魔どもの攻撃に巻き込まれる。俺の中に入れシュテル』

 

 その言葉をきいたルンペルシュティルツヒェンは光の塵になり、俺の中に入っていく。

 それと同時に悪魔たちは引き剥がしたティール・ウルフを遠方に投げ、のこりの2体が跳びかかり襲う。

 そしてティール・ウルフはさほど時間をおかず、HPを全損させ光の塵となって消えていった。

 

 「がはっ」

 

 『ここまでだな、シュテル。俺は一度ログアウトするぞ』

 

 HPも残り少なく、腹の状態も最悪に近い。

 俺はティール・ウルフのドロップの回収も、ルンペルシュティルツヒェンとの融合解除もせず、すぐにメインメニューから『ログアウト』を選択した。

 

 【ログアウトします】

 【次回ログインポイントはセーブポイントと現在位置のどちらかにしますか?】

 

 『セーブポイントだ』

 

 【承知しました】 

 【またの御帰還をお待ちします】

 

 そうして俺の体がこの世界から消失し、この〈Infinite Dendrogram〉からログアウトした。

 

 

 

 「帰って来たのか」

 

 時計を見てみるとまだ4時間しかたっていない。

 時間を3倍化する【無限時間】の凄さに驚く。

 まだ現実世界で腹は減っていない。

 移動の為なのだ。すぐにログインしよう。

 そしてログアウトしてから30秒もたたずに再び、〈Infinite Dendrogram〉の世界に足を踏み入れた。

 

To be continued

 




(=○π○=)<まあ悪魔召喚ジョブが近寄られたらこうなるよねーって話だね
(=○π○=)<襲って来たティール・ウルフは本当に雑魚だったけどあの状態からどうにか出来るステータスじゃあないからね
(=○π○=)<ちなみに《レッサー・デヴィル》は本当に使い道が無い。こっちのローガンなら余計に。多分今後でてくることはないんじゃないかな?
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