閣下改竄   作:アルカンシェル07

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エピローグ PROLOGUE

 

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□〈ヴァニリア村〉 【悪魔戦士】ローガン・ゴールドランス

 

 「おお、戻ってきおったか、大丈夫だったかの?」

 

あの【グランド・ドラゴン】との戦いのあと、疲労の為に俺は純竜を倒した後に残ったドロップアイテムである【純竜の宝櫃】を回収してから、一度村に戻ってきていた。

 

「ああ、なんとかな」

「強敵ではありましたが、主様と私の敵ではありませんでした」

 

そう言いながら、今回の戦闘における詳細を村長に伝えて、証明として【純竜の宝櫃】をみせる。

ちなみに村に入った時点でもう安全だと判断してルンペルシュティルツヒェンはアポストル形態に戻っている。

 

「なんと、純竜がこんなところに来ておったのか。それにしてもお主たちはよく無事だったの。下級が一人で倒せる相手ではないというのに」

「すげえな、おい。そのなんだ坊主、ああいやローガンだったか、朝は悪かったなあんなこと言っちまって、お前たちがいなかったらこの村は滅んでいたぜ。本当に助かったよ」

 

村長とディルグたち村人はそんなことをいって俺たちを労ってくれた。

最初は村長やディルグを悪く思っていたけど、結構いいやつらだったんだな。

たぶん、余裕が無くて余所者に対して突っかかっていただけだったのかも知れない。

 

「今日は疲れただろう、もう休むといい。3日という約束をたがえる気はないぞ、明日から1日頑張ってもらうとするからの」

「そうだな、今日は疲れた。好意に甘えさせてもらおうとするか」

「はい、そうですね今日は休ませてもらうとしましょう」

 

村の人たちに声を掛け、ありがとうといわれながら用意されている村の議会場に足を運んだ。

 

 

 「ふう、今日は疲れたな」

 

 そうため息をつき床に寝っ転がりながら、今日の戦闘を振り返る。

 あのグランド・ドラゴンは間違いなく強敵だった。

 傷つきHPが半分まで削れていたおかげで何とか倒せたが、そうじゃなかったらやられていたのは俺の方だっただろう。

 それと策がうまくはまったのも大きい。

 1回目の《ボムトルーパー》を1度の召喚で大量にだしたのに比べて、2回目はポイントとAGIを2倍加させた《ボムトルーパー》を2度に分けて召喚していた。

 その内3体をあのグランド・ドラゴンが逃げるとヤマをはって、村とは逆方向に設置しておいたというわけだ。

 残りの3体もうまく配置しようとしたんだが、その前に俺に気づかれて近寄られたせいでAGIを2倍加した意味がなくなってしまったが、その分あの純竜にAGIを強化していたことを悟らせなかったのでどっこいどっこいだと思う事にしよう。

 ちなみにあの戦闘においてグランド・ドラゴンが逆方向に逃げると考えていた理由は単純。

 あれが敗者であるからだと確信したからである。

 最初にあのグランド・ドラゴンをみた時、俺はあのモンスターが敗者か死闘を制した強者なのか区別がついていなかった。

 だが暴れているときに見えたのは、身体の前についている物より倍近い量の背中の傷だった。

 あれはまず間違いなく逃げているときについた跡。

 それがあのモンスターを敗者だと決め打てた理由である。

 そして敗者であるのなら、あの状況に陥った時逃げるとふんでいた。

 それも俺とは逆方向に、あの時俺は村側にいたので当然村とは逆の方向に逃げていくと読みそれが当たった形になる。

 もし読みが外れて向かって来た場合も問題はなかったけど、変な方向に逃げられていたら厄介だったな。

 あとは……

 

 「主様申しわけありません、思考中の所割り込むようで悪いのですが少しよろしいでしょうか」

 「うん?なんだ、まあもう考えることもほとんどないし別にかまわないが」

 「はい、つい先ほど第2形態に進化しました(・・・・・・・・・・)

 「んなぁっ!?本当かシュテル」

 

 そう返答しながらステータスを開きエンブリオの項目を開く。

 そうすると到達形態の欄がⅠからⅡに変わっており、ちゃんと進化していることが分った。

 スキルは当然というか《我は偽証より黄金を紡ぐ(フェイク・イズ・ゴールド)》のみで、新しいスキルはないが《偽証》の能力が上がっており3ヶ所3倍化になっている。

 これはいうまでもなく嬉しい。明確な今回の死闘の成果だ。

 そう思い他のステータスを確認すると……

 

 「それと、申しわけありません。進化の影響で補正が悪化しました。ステータスがさらに下がってしまっています」

 

 昨日の夜に確認したレベルよりひとつ上がった16というレベルと、昨日確認した時より下がっているステータスだった。

 

 「っちょ、まっ、はあ?」

 

 エンブリオのステータス補正の欄を見てみると、先ほど見た時は気付かなかったが確かに変わってる。

 それも悪いほうに。

 大体3/4減といったところか、ステータスがもとの25%ってどんだけ低いんだか。

 もしかしてこのまま進化していったらステータス補正がマイナス99%になったりしないよな?なんか普通にあり得そうだ。

 視界の端で「うう、すいません」という感じでうなだれているルンペルシュティルツヒェンを見てフォローしておく。

 

 「あー、シュテル。確かに驚いたけど、別に不満や怒りがあるわけではないからな?」

 

 そう別にこの状況が悪いとは思わない。

 確かにこのステータス補正の悪化は驚いたけど、それはスキルに一点特化するための必要経費だったのだろう。

 原作のローガンのルンペルシュティルツヒェンがどういう進化をたどったのかは全く分からないが、第2形態ですでに3ヶ所3倍化というのは十分におかしい性能だろう。

おそらくこの時点のスキルの性能は第3形態か、もしく上級である第4形態に匹敵する。

ステータスは重要だ、決して捨てられる要素ではない。

だがスキルも重要だ。ステータスが馬鹿みたいに高いだけなら、いくらでも対応できる。

そしてルンペルシュティルツヒェンはそっちの方向に性能の舵をとっている。

すなわちスキル特化のエンブリオ。

そして俺もこの変化は喜ばしい。ステータスは重要だが、スキルを重視したいと思っていたのだから。

もしくはその俺のパーソナルによってそっちの方向に向かったのかもしれない。

だから構わない。

 

「主様、そのように考えていただけて有難うございます。私は果報者です」

 

その言い方はおかしくないか?

まあいちいち突っ込んでいられない。

 

「さてと、こっちも確認しておくか」

 

そういって、アイテム欄から【純竜の宝櫃】を選択すると【オープンしますか?】と表示された。

そのまま売ってもある程度の金にはなるだろうが、ここは中身も気になるしYESを選択する。

 

【【純竜の長剣・ネイティブ】を獲得しました】

【【救命のブローチ】を獲得しました】

 

おお、原作でも引っ張りだこの【救命のブローチ】が落ちたのか、これはラッキーだな。

早速この【救命のブローチ】を装備して、【純竜の長剣・ネイティブ】の性能を確認する。

おお、攻撃力が200を超えているし、装備スキルも優秀だな。

と思ったが、装備制限に引っ掛かるなコレ。

どうやらレベル250以下は装備出来ないらしい。

そこまであげるのにまだまだ時間がかなりかかるので売るかポイントに変えてしまっていいだろう。

 

「こんなものか、まだ時間は余っているがどうしようかな?一度リアルに戻るか」

 

今の時間はまだ昼を少し過ぎたあたり。

モンスターを倒しに行ってもいいが、疲れたし明日にしたい。

暇なのでログアウトしてリアルに戻ることを選択する。

 

「わかりました、お戻りする時をお待ちしてます」

 

その言葉を聞きながら俺の意識は遠のいていった。

 

 

「ふう、もどったか」

 

あれから結構潜りぱなっしだったからな、腹が空いたぞ。

作ることもできるが、金は余分にあるそうだし外に食べに行くかな?

そう思い部屋を出てエレベーターを降りると、どうやら今帰ってきていたらしい外国人の美女が自分の部屋のポストを覗いている。

 

「こんにちは、おかえりですか」

「え、エエ、コンニチハ」

 

リアルではちゃんと外面ようの丁寧な言葉で挨拶をしておく。

この美女は少し片言な言葉を喋っているが、どこか知性的な感じがする。

お互いに軽く会釈をしてその美女はエレベーターに乗って行った。

さて、外に飯を食いに行くかとしようとしたがふと、あの女性の名前が気になって彼女が覗いていたポストの名前を確認して……おどろいた。

 

「へえ、フランチェスカって名前の人なんだ、綺麗だったなー……ってフランチェスカぁ???」

 

ちょ、っま、もしかしてこのマンションって主人公とフランクリンが住む、あのクマにーさんが所有するマンションだったのか?!うわぁ。

いや、まあここは確かに東京だったけどさあ。うわぁ。

 

その後、いろいろな衝撃であまり食べる気が失せて簡単に食事をした後、いくつか買い物して再び《Infinite Dendrogram》の世界にログインすることにした。

 

 

 「うわぁ」という気持ちを引きずったままログインした俺は、ルンペルシュティルツヒェンに心配されたりしながらのんびりと一夜を過ごした。

 

 その後、3日目は少し遅めの9時ごろにやっと起きて食事をしてから、《チーム》を使ってモンスターを倒していくのだった。

 3ヶ所3倍化のおかげでポイント効率がかなり改善し、3ヶ所目の強化ポイントをAGIに振ったおかげで、日が沈む頃にはあたり一帯のモンスターはほとんどいないんじゃないかというレベルまで一掃できたので、村長にクエストクリアーの証明をしてもらい、この村での3日を終わらせることにした。

 

 その後、泊まっていかないかと勧める村の人たちの好意を振り払って、夕日があたり一面を赤く染める帰り道を強行軍で帰ることにした。

 

 

 AGIと時間を3倍化した《チーム》の悪魔たちにより、来た時より短い半日で帰ることができた俺はすぐさま悪魔戦士ギルドに向かいクエストの終了を告げに来た。

 

 「おーい、もどったぞ」

 

 ギルドに入ると、前来た時より騒がしい。

 ギルドの受付の人も前以上に動いている。

 なにかあったのかもしれないが、それに躊躇もしていられない。

 前に受付をした男の所に歩いて行って声をかける。

 

 「ん?あんたもう戻ったのか、早いな。まあいい、クエストの終了だな。…ああ確認したぜこれで大丈夫だ」

 「よし、それで次のクエストはあるか?」

 「いや、今あんたに出せるクエストはねぇよ。それに今はいろいろと立て込んでいてな、しばらくはあまりクエストを受け付けていないんだ」

 

 うん?そういえば、確かにこのギルドに入ってきた時から少し様子がおかしいとは思っていたが、何かあったのだろうか。

 

 「ああ、理由は得に言わないぜ。下級が気にするほどではないからな……いや、もしかしたら何か依頼するかもしれないが、まだ問題が起こっているわけじゃあないからな」

 

 聞こうと思っていたのに早く釘を刺されてしまったな、さてさてどうしたんだか。

 まあ教えてくれないだろうし、いまは帰るか。

 

 「それじゃあ帰るけどいいんだな」

 「ああ、かまわねぇ」

 

 そう言ってギルドの男はあたふたと仕事をし始めるのを見ながら、外に出た。

 

 「さて、悪魔戦士ギルドはしばらく使えないし、冒険者ギルドでモンスターを討伐しながらレベル上げと行こうか」

 「はい、お付き合いいたします主様」

 

 そうして俺たちは冒険者ギルドにむかって歩き始めるのだった。

 

To be Next Episode

 




(=○π○=)<これにて一章終了です。
(=○π○=)<最後のほうのあれは5巻のネタばれですけどいれらずにはいられませんでした。
(=○π○=)<余談ですが、いまさらながらルビがちゃんとふられていないことに気がつきました。
(=○π○=)<後々修正しますが、とりあえずはこれでいきます
(=○π○=)<大体のところは・・・だしね、以降はちゃんとやりますが

次の章および話はなるべく早く上げたいと思います。
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