挟み結ぶ鉄鋏使い   作:葵・Rain

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 これで最後です!
 では、どうぞ!


夢現の鉄の華

 K.P.A.Italiaとトレスエスパニアを退けた武蔵はステルス飛行間中にP.A.ODAの鉄甲艦と航路接触があったこと以外問題はなかった。

 ブルーサンダーでホライゾン・アリアダスト救出作戦の成功を祝い、宴をしていた。

 そんな中、宴の中には優頼の姿がなかった。

 優頼はブエルアスタリスクの格納庫で寝ていた。

 本日二度目の夢を見ていた。場所はいつもの赤い大地に夕日の光景だった。ただ違うのは自分の服装が普段の服装であること、もう一つは二人の青年がいることだった。

 一人はワインレッドのシュトールを首に巻いている前髪が特徴的な青年。

 もう一人は青年の頭一個分小さい無表情の青年。

 

「……オルガ、三日月」

「よお久しぶりだな」

 

 優頼が二人の名前を言うとシュトールの青年オルガが声をかけてきた。それに釣られて腕を上げた小柄な青年三日月。

 二人の方へ歩き出した。二人も歩き出した。近くまでによるとオルガが覚悟しとけと、拳を引き優頼を殴った。殴られた反動で尻餅を着くと次に三日月が殴った。

 

「なんで殴ったかわかるか?」

「まあな」

 

 仰向けになりながら答えた。

 

「悪かった守れなくて」

「それはいい。あの状況でお前以外が助かったのは良かった……わけねぇえだろ!?」

「言ったよね。オルガの命令は絶対だ」

「引き摺りすぎだろ」

「けじめはついた。だが、ミカがまだって言っているからな」

 

 その言葉と共に三日月が優頼を殴り始めた。顔を腫らすどころではすまされない顔になった。死んでいても殺すとは思いもよらなかったと心の中で思った優頼だった。

 

 三日月からの殴りの応酬からなんとか生き残れた。優頼は自分が死んでからどうなったかを聞くことにした。

 

「お前が死んでからか。とりあえず言えることはお前とギャラルホルンで死んだ奴等以外は無事だ。

 あの後の顛末を話すとな、マクギリスが率いる革命軍残党がラスタルたちアリアンロッドへ特攻をして両者死亡した。それによってガエリオが俺たちに停戦を求めてきた。それに応じた俺たちはアーヴラウで終戦の話し合いをし、各経済圏と話し合いもした。それによってギャラルホルンは解散。各経済圏も平等とまではいかなかったけど改善はした。そして火星も一つの国として認められた。火星の王にはなれなかったけど、鉄華団は火星の軍になった。

 あの戦いの話はこれで終わりだが、お前はどうだった?」

「俺は、記憶を無くした。お前らの記憶を戦いの記憶も、名前すら忘れた。怖かった、自分が何者なのか。寂しかった一人だと思ったから。だけど、お前らみたいな仲間に会えた。夢でお前らに会えた。それに無くしてもこいつがいてくれた。だがらだろな、お前らにまた会えた」

「優頼……」

「ねえ優頼、俺たちみたいな仲間って?」

「一人は馬鹿だ。お前らとは違う馬鹿だ、だけどあいつは王になりたいと言った。王になってみんなの夢を叶えられる、そして夢を持てない女のために王になりたいとな。

 もう一人は優しいやつだ。自分よりも他人に優しさを振りまく。だけど、そいつは夢を持つことができない。だから、みんなの夢を叶えてほしいってほど優しすぎるんだ。

 まだいるけど、全員が馬鹿の夢を叶えたいと動いている」

「ふ~ん」

 

 興味無さそうな反応をするが、それが三日月だと改めて思う。オルガは少し複雑そうな表情を見せていたが、それがお前の進む道なんだなと思っている。

 優頼は立ち上がり、着くずれた服を直した。そして、二人に向かってお辞儀をした。

 

「世話になった」

「もう行くのか?」

「ああ、また会おう」

 

 優頼は後ろに向き歩き出した。後ろにいるオルガが喋りだした。

 

「俺たちはここで道を別れる。けどな、その道には俺はいない。戻ってきたくなったら戻ってこい。行くも去るも俺は気にしねえ。俺は俺たちはまた何れ会う。会うまでは止まれねえ。だからよ、止まるんじゃねぇぞ!」

 

 オルガの声が、応援が聞こえた。それが道を違える優頼に向けて喋った言葉だった。

 

「ああ、分かっている。じゃあな、鉄華団!じゃあなオルガ、三日月!」

 

 歩きながら後ろに手を降る優頼。

 少し歩くと地面に膝待ついているブエルアスタリスクに手を触れる。すると、白く光、ホワイトアウトした。

 

「行っちゃった」

「ああ。よし帰るか」

「そうだね、アトラとクーデリア、それに暁が待っている」

 

 二人も光の粒子になってその世界から消えた。

 赤い大地には一輪の鉄で出来た花と白い布を縛った刃こぼれした刀が突き刺さっていた。

 

 

 

 戦いが終わってからの朝は自然とホライゾンの歌では目覚めず、それでいて機嫌がよかった。制服は袴のみ着て、黒のタンクトップに白の着物を右腕のみ開いていた。そして棚に立て掛けたいた血華鋏を二つに分離し腰に付けた。

 行ってくると鎮座されているブエルアスタリスクに言うと倉庫から出ていった。

 朝食を買うためブルーサンダーへ向かう。道行く人々にはその格好に驚くが本人は気にしていなかった。

 ブルーサンダーに着くと面白い光景が目に入った。

 隅の窓際にトーリとホライゾンが朝食を食べていた。二人揃って首を傾げながら不味いと食べていた。

 

「早起きはなんととかと言うが面白いものを見せてもらったよ。

 宇治金時パン極を一つ」

 

 全員がこちらを向きながら。

 

「「「前から思っていたけどそれ人の食いもんじゃねぇよ!?」」」

 

 多数のツッコミを貰いながら買ったパンを一口食べた。

 

「この濃厚な甘さ格別だ」

 

 また、日常が始まりを告げた。

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