今回も主な戦闘回になっております。
国山がすり替え人形と対戦している間の光は森の中を走り回っていた。
「(アリスのすり替え人形でどうにか時間稼ぎが出来てるが…破られのも時間の問題か…とにかくこの森の中を抜け出さねぇと…!)」
光は態勢を低くして更に速度を上げる、冬特有の冷たい風が体を強く打ち付け、鬱陶しく思える。
無我夢中に走り続けていると、木々の隙間から見覚えのある建物がチラチラと見えていた。
それを目印に走り続けた。
ようやく森を抜けると見えた建物は…
「紅魔館じゃねぇか…!」
実 家 の よ う な 安 心 感
道は分からなかったんだが、身体は紅魔館の方を向いていたのかもしれないな、ついに協力してくれる人を見つけた俺は安堵の表情を見せたがそれも束の間だった。
俺はその気配が何なのかすぐに分かった。
国山がすり替え人形を破ったんだなと、このまま紅魔館の中へ入って誰かを連れていく間時間がかかる事になる。
そうなればこの迫ってくる気配は一瞬にして紅魔館に辿り着いてしまうだろう。
普通ならば再び逃げ回って隙を見て博麗神社や魔法の森に行ったりとするだろう。
だが光は紅魔館でやると決めた。
何故ならまだここで
俺はその紅魔館の門前で居眠りしている妖怪の横に立つと大きく息を吸った。
「起きろ!!!美鈴!!!咲夜さんにチクるぞ!!!」
「それだけはやめてください光さん!」
鼻ちょうちんを出していた門番はその鼻ちょうちんを割って光に迫った。
「あ、でも光さん買い出しかなり時間かかってますよね?私も貴方の弱みを握ってる訳ですが…」
「起きたか美鈴、ちょっと手を貸して欲しいんだ、詳しい話は…」
良しと見た光はジト目で見つめてくる美鈴に国山について話した。
・・・・・・・・・・・・・・
「分かりました、咲夜さんには私を良いように立ててくれるというなら喜んで協力させてもらいます!」
「悪いな巻き込んじまって」
「良いんですよ幻想郷の英雄として立ちはだかる壁です。手を貸さないわけにはいきません」
光は「そうか」と返事をして微笑んだ。
よし、これで美鈴を助っ人として出迎えられた。
国山も格闘系だ、拳術専門の美鈴なのが心強い。
さて…そう言ってるうちに迫ってきた気配が2人の前に姿を見せた。
「……見つけたぞ…雨天 光」
「俺を追うなら少し気配を消してきたらどうだ?」
「俺はお前を殺すためにこの幻想郷に来ている、気配を消す事など意味が無い」
「やけに余裕だな、こちとら最高級の協力者が居るのに」
「一人増えたところで戦況が変わることはない、俺のやることはひとつだけだ」
「ならそのやる事とやらを一瞬で折ってやるよ」
そう言うと光は美鈴を見て頷くと美鈴と同時に地を蹴った。
国山は両腕を硬化させると向かってくる2人に拳を振り下ろした。
それを2人は二手に分かれるように回避する。
しかし、国山はそれを狙っていた。
叩きつけた拳にさらに力を入れると、石礫を飛ばした。
揺れる地面と飛び散る石礫、光と美鈴はそれを上手くいなして回避するが、国山は光に拳を振り下ろしていた。
「ちっ…!邪魔くせぇ!」
光は刀を出現させて、受け止めるとそのまま体を回転させて回避し、国山の顔に斬撃を放った。
しかし国山は顔を硬化させて斬撃を弾くと背後から美鈴が回し蹴りをするも、硬化した腕で塞がれる。
ならばと美鈴は弾幕を放つが、国山は背後に生えている木を掴むと投げ飛ばして相殺する。
その間に後ろに回った光はがら空きになった背中を切りつけるが、これも硬化されてしまう。
すると美鈴は体勢を低くしてがら空きになった国山の足を払った。
バランスを崩した国山を見た光は今だとスペルカードを発動した。
〜蝶符「妖刀・千子村正」~
強化された刀でバランスを崩した国山に複数回切りつけた。
しかし、バランスが崩れて地に倒れる間に全身を硬化していた国山には全て弾かれてしまった。
光は更に切りつけようとしたが、美鈴から声をかけられ1度体制を立て直すため、森の中へ入った。
「私達の攻撃全部塞がれてしまっています、このままじゃ私達だけ一方的な消耗戦になりかねません」
「分かっているが…どうにか隙を見せられないものか?」
「私が国山を引き付けます。そこを叩いてください」
「だが、上手くいくものなのか?」
「私にいい考えがあります」
・・・・・・・・・・・
「…別れの言葉は済んだか?」
「それはこっちのセリフだ国山」
「いつまでも余裕ぶってると痛い目見ますよ…っと!」
美鈴は国山に弾幕を放った。
「無駄だ」
国山はそれを硬化した腕で薙ぎ払う。
その瞬間、薙ぎ払われた弾幕が分裂し、木々に当たると国山に向かって倒れ始めた。
国山は硬化した腕を使って払うと、発生した煙の中から弾幕が飛んできた。
なんとか回避しながら発生した煙の中から抜け出すが、真上に足を上げた美鈴が待っていた。
振り下ろされた美鈴の足を掴んでそのまま地面に叩きつけた。
そしてそのまま拳を叩き込んだ。
「カハッ!」と美鈴は言うと国山はニヤリと笑った。
更に拳を叩き込もうとした瞬間。
「背中が…がら空きだぞ脳筋野郎…」
背後から怒りの篭もった声が聞こえた瞬間。
国山は背中に熱いものを感じた。
それは斬撃だった。
硬化されていなかった国山の背中に斬撃が当たったのだ。
少し経つと激痛が全身に走り、国山はそのまま転がるようにして距離を取った。
「っあああああああ!!!」
ついに国山に攻撃が当たったのだ。
美鈴に夢中になっていた国山は光の存在を忘れてしまっていたのだ。
国山の背中からは酷く出血していて、呼吸も荒くなっていた。
光はそんな国山よりも横たわっている美鈴に駆け寄った。
「美鈴大丈夫か?」
「えぇ…1発良いのくらいましたけど…光さんやりましたね…」
「お前は少し休んでろ
「その時はその時ですよ少し経てば元に戻りますし」
「とにかくお前は安全なところで休め、ここからは俺だけだ」
美鈴は「はい」っと返事をするとそのまま大きな岩に寄りかかった。
光はそのまま睨みつけている国山を見るとゆっくりと歩み始めた。
「さっきまでの余裕の表情とは違って滑稽だな脳筋野郎」
「……」
「さて…今からお前は俺に切り刻まれながら死んでいく訳だが…その前にお前にはいくつか吐かせてもらうぞ
「……っ!」
すると国山はよろよろと立ち上がると泥だらけになったズボンのポケットから
あれは幻想郷で言うスペルカード?と比べると少し特殊な絵柄をしている。
光はそう考えていると国山は。
「……フフフ仲間の事を吐くくらいなら死んだ方がマシだ…だから俺はこのカード…
そう言うと国山のカードが光り始めた。
その光は国山を包むと、みるみるうちに背中の傷が無くなっていった。
そして包まれた光が吹き飛ぶと、そこには肉体がみずみずしい果実のような程光っていて、全身から湯気が出ていた。
この姿外の世界では「ギ○2」と呼ばれるやつだ。
これ完全にそうだ。
そして国山はそのまま顔をゆっくりとあげると光を狂気の目で睨みつけた。
「さぁ…俺とお前のタイマンだ…来い!」
そう言うと国山は地を蹴った。
地を蹴った部分は大きくえぐれていた。
マジかよ…ついにまともに攻撃が当たったと思ったら…隠し球かよ…。
光はため息をついた後地を蹴ったのだった。