今年最後の投稿としてなんとか間に合いました…汗
結構自分の知識を絞ってこの話にぶち込みましたね…w
あまり期待はできないんですけどね
ではどうぞ!
朝食を終えて、紅魔館の中を案内したもらった後に玄関と思われる大きな扉を開いて外に出た。
幻想郷に入って一番最初に目にした光景が紅魔館の中だったし、外を見ていなかった。
そこには俺が元々いた世界とは裏腹に草木が生い茂っていた。(木の葉は冬のため全部下に枯れ落ちてた)
あまり自然とは無縁だったため、凄く新鮮な気分になった。
…とここで深呼吸をしてみた。
「……空気がおいしいですね」
「光さんにとっては初めてなのでしょうか?」
「まぁ…俺が住んでたところ自然が無かったですからね」
ふと咲夜さんに言われて俺はこんなに空気が良い世界があったことを実感した。
そして、咲夜さんと共に門前の檻を開けてレミリアから言われた例の神社へと足を運んだ。
・・・・・・・・・・・
……何時間かかっただろう。
あまり気にしていなかったが、ものすごい距離を歩いた覚えがある。
そして咲夜さんに『この階段を登れば到着です』と言われた時には足が笑ったよ。
天まで続くかのような長さの階段を俺は目にしてしまった。
とりあえず泣きそうになりながらも階段を渡りきり、ようやく神社に着いた。
神社の大きな鳥居に『
左右に木が生えているにも関わらず枯葉が一つもなく綺麗に掃除されていることが分かる。
ここで一体何をするのだろうか。
すると咲夜さんが神社のお賽銭箱と共に建てられている寺に向かって特定の人物の名を呼んだ。
「
俺をお客様と言う貴女もお客様だと思うけどな。
というか参拝客と言うべきか…細かいことを気にしないでおこう。
しかし、返事は一向に無かった。
咲夜さんはため息をつくと、メイド服のポケットから一つのお金だろうか、小銭に似たものをを取り出した。
…ていうかよく見たら江戸時代の貨幣じゃねえかよ、俺もしかしてタイムスリップしたのか!?
いやでも紅魔館みたいな建物は無かった…はずだし…まぁいいやとりあえず咲夜さんはその貨幣をお賽銭箱に入れた。
すると寺の中からドタドタと足音が聞こえたと思うと勢いよく障子が開かれた。
「お賽銭の音!参拝客かしら!?」
目をキラキラさせてこちらを見たのは黒髪に袖が無く肩・腋の露出した赤い服とスカートに後頭部に結ばれた模様と縫い目入りの大きな赤いリボンが着いた少女が現れた。
この人が霊夢なのか?
少し経つと咲夜さんだと認識したのか、キラキラした目は一瞬にして消えた。
「…何よ咲夜じゃない」
「感謝しなさい、ちゃんとお賽銭入れたのだから」
咲夜さんは呆れ顔で返事をした。
というか神頼みするためにお賽銭するんじゃないのか?
「分かってるわよ…それよりその横にいる男は…もしかして 天雨 光という人かしら?私は
「なんで俺の名を知ってるんだ?」
俺は初対面の相手に自己紹介もしてないのにフルネームで呼ばれた俺は身構えた。
それもそうだろう初めて会社に勤めて自己紹介しようとしたら社長や身分の高い人はともかく、普通の社員に名前を特定されたら誰だって警戒する。
しかも博麗神社の巫女してるのかよ、露出度やばすぎだろ、俺が知ってる巫女は手以外一つも肌を見せていないと思うんだがな。
「
「紫…?」
俺はまた新しい人物の名を聞いて困惑した。
すると霊夢の後ろの空間が開かれた。
そこから金髪の少女が姿を現した。
「はいはーいここまで来てくれてありがとう 天雨 光さん 私は
金髪に大きなリボン、特徴的な帽子を被り、 紫のドレスを着ていて初対面にも関わらず、凄いはっちゃけた口調で自己紹介した八雲 紫という女…しかもこの幻想郷を創り上げた人物…つまり国でいう王様みたいな立場の人だろうか…?そんな人がなんの目的で俺をここに連れ出したのだろうか?
そして先程の行い…普通の人間ではありえないものだ。
一体この人は何者なのだろうか?
「紫…お前は何が目的で俺をここに連れ出した、そしてこの幻想郷は一体何なんだ」
「幻想入りして最初の質問かしら?」
「当たり前だ。じゃなきゃどうして俺をここに連れ込んだんだ?」
「それもそうね、貴方をここに連れ込んだ理由はちゃんとあるわよ、とりあえず立ち話も疲れるし話しやすい場所で話しましょう」
紫は博麗神社の寺の縁側に座ると紫は俺の方を向いて口を開いた。
「貴方をここに連れ込んだ理由は…この幻想郷を救ってもらうためよ」
「……はい?」
俺は紫から聞いた理由に思わず素っ頓狂な声で返事をしてしまった。
「……すまんもっと細かく説明してくれ」
「そのつもりよ『救ってもらう』だけの言葉で頭を縦に振る馬鹿だったらここに呼んでないもの」
……なんか若干癪に触った気がする。
そんなことをともかく、紫は会話を続けた。
「まずこの幻想郷について話すとこの幻想郷は…貴方の世界…外の世界と繋がっているのだけれど、この世界は『忘れられた存在』の最後の楽園よ、もちろん人間離れした人種も集うのよ、そのため外の世界でその人種と共にしたら大騒動になるわよね?だから私は外の世界から入れないように強い結界を貼って守っているの」
「なるほどな…」
紫から幻想郷について説明を聞いて察しがついた。
俺が22年間お世話になった世界から捨てられたのだと。
ついに日常からも見捨てられる日が来るなんてな…
内心考えながら紫の話を聞いた。
「私は忘れ去られた人たちが平和に暮らせるようにこの幻想郷を作り上げた。だけど、現実はそうもいかない、先日幻想郷とは異なる力を確認したの、私も霊夢と一緒に長く調査を進めていたのだけれど一向に手掛かりがない、分かったことはこの幻想郷には存在しない力だけよ、これは幻想郷の者だけでは解決出来無いと判断した。そしてこの異なる力が滞在し続けるとどうなるか、それは幻想郷の者達に悪影響を及ぼす事になるわ、つまり確実に
「なるほど…その厄介事を俺にやらせて、幻想郷を救ってくれと?」
「ええそうよ…だからーーーー」
「断る」
「…そういう返事が来ることは分かっていたけれど一応理由を聞いておくわ」
「…まず何故俺が初対面であるお前らの住んでいる幻想郷を救うんだ?それをして俺になにか得するものがあるか?そしてその話にしては出来すぎている。既にお前ら自身攻撃されているというのなら話は別だが…まだその様子すら見当たらない、正直に言うと馬鹿馬鹿しい、まるで俺を馬鹿にしているドッキリのような感覚だ。紫や霊夢や咲夜さんが能力者なのは紫のスキマをみて信用せざる終えないさ、だが俺以外にも能力者は居るはずだろ?例えばレミリアとか、この幻想郷には少なからず俺より強い奴らが居るはずだ。幻想郷の奴らで手に負えるとはまったく考えられない。ましてや外の世界で俺が能力者なら今頃世界征服してるしそんな奴に幻想郷を救ってくれとか頭狂ってるんじゃないのか?」
俺の発した言葉に紫は表情一つ変わらなかったが、霊夢と咲夜さんは悲しそうな表情をしていた。
そんなことは知ったこっちゃない、信用出来ないからだ。なぜ俺がそんなめんどくさい事をしなければならないのか?それをして得するのか?得したとしてもどうせ俺だけ辛い思いをして救ったらさようならで火炙りにしたり幻想郷から追い出したりして切り捨てるのだろう。
結局はこいつらの自己満足だろう自分達が生き残れば良いと、そう思っているに決まっている。
「正義の味方ごっこなら他の奴に頼んでろ。俺は先に帰らせてもらう」
「光さん…」
咲夜さんから悲しそうな声で呼ばれたがそんなのどうでもいいと思いながら縁側から立ち上がり、鳥居に向かって足を進めた。
…しかし数歩進んだ瞬間紫から掛けられた言葉に足を止めた。
「なら少し話し方を変えましょう…それがもし、既に攻撃されていて
「…なに?」
「確かに貴方が信用出来ないことは予想していました…ですが事は一刻を争っているんです。それは
「例外ではないとは…どういう事だ?」
「人里での連続殺人…全員血を吸われて干からびていて、最初はレミリアかと思ったのだけれどその当時、被害者が何者かに拐われて行くのを人里に足を運んでいたレミリアが住民と目撃しているから犯人ではないし、その妹も一緒にいたからこの幻想郷に住んでいる吸血鬼の仕業ではないことが明白、それに貴方なら知っていると思うけれど外の世界でも同じ事件が起こっているはずよ、そうなると犯人は幻想郷とは関係ないとは言いきれはいわよね?そしてそれを貴方が放棄すれば分かるわよね?貴方の世界もこの幻想郷も、最悪の場合2つの世界とは違う
「……」
「決めるなら今よ、どうするのかしら?もっとも、
そう言われれば合点がつく所があるこの世界に来る数日前、俺が住んでいた世界で全身の血液が全て抜かれていて干からびている死体が住宅から発見された事件があった。
血液を吸う為に使われた道具も無ければその吸引口も発見されず、もちろん未だに犯人は見つかっておらず捜査は難航しているとテレビで流れていた。
…だがどうすればいいのだろうか、ここまでが演技で本当は俺を絶望に陥れる可能性だってまだなくなった訳では無い。
だが、俺の決断で全ての世界を滅ぼす事になると言われると正直その十字架を背負いたくても背負う事になるし、俺自身耐えられないだろう。
どうしてこうなってしまったんだろうか、何故俺なんだ?
憂鬱に思っていた生活がもっと最悪な形で迎えてしまうとは、もしかしたらこれが俺の人生の末路だったのかもしれないなぁ…
はぁ…もうどうでもいいか、それならいっそ世界救って潔くくたばれかいいか。
「……いいぜその話乗った。だが…無意味だと思ったら即座に撤回するからな、覚悟しとけよ」
こうして俺はまんまと幻想郷を救う物語を始めてしまったのだった。
今年もあと2日!
今年はみなさんどんな年でしたか?
私は受験の年でしたw見事に突破しましたがw
次回は来年の…いつになるんだろう
また不定期に更新しますが、気長にお待ちください。
それではみなさん
良いお年を!