すいません
では、どうぞ
「俺も食欲が無くなったみたいだ」
やはりおかしい、原因としてはストレスや疲れから食欲が無くなることが多いが、俺自身この世界に来て咲夜さんのお陰で不自由無く暮らせてもらっているし、ストレスや疲れも溜まらなくなった。
美鈴と同じ状況だ。
さぁ困った、俺が放った一言で現段階であんなに賑わっていた紅魔館の空気は一変しちまった、フランは心配そうにしていて、レミリアとパチュリーは目を丸くしていて、美鈴は青ざめていた。
おそらく自分と同じ状況になってしまったからだろう。
咲夜さんはずっと黙ったまま俺の方を見つめていたが、これが1番怖いんだよなぁ〜何言われるのやら…要らないなら食べなくていいとか言われるんかな…。
そう思っていると咲夜さんがため息をついて
「やっぱりですか…」
と言ってきた。
「…はい?」
「美鈴の件から怪しいとは思ってましたけど早めに対策しておいて良かったです」
「どういう事ですか?」
「私が本日作った料理を見れば分かりますが、今回食欲が無くても栄養が取れるように野菜スープを作りましたので、大丈夫だと思いますよ」
咲夜さんはそう言うと微笑んだ。
確かに俺の前にある料理の中には野菜スープがあった。
美鈴の方にもあり、パチュリーの所にもある。
パチュリーは黙々と食ってるから恐らく身体が弱いという咲夜さんの配慮だろうな。
フランとレミリアはいつも通り高そうな料理だけど、こう考えると咲夜さんって周りを見れてるというか流石メイド長というか、とにかくこういう事態にも対応出来る所はとても心強い。
そうこう考えている内に俺の身体は止まることを知らず、スープを掬い、そのまま俺の口に運ばれた。
なんかこのパターン見た事あるな…。
「あ…」
「お、お口に合いませんでしたか?」
「いや…むしろ助かりますこれなら今の状態でも全然大丈夫です!」
「…!良かったです!」
人参やじゃがいも、キャベツまで柔らかく、しっかり煮込まれている事が分かる。
すごく美味しい、食欲が無いと言ったが、これなら何杯でもイケるかもしれない。
咲夜さんは安堵の表情を見せ、にこやかに笑っていた。
静寂に包まれた一同も一気に明るくなり、いつも通りの食卓を囲めた。
「ほんと…咲夜さんは凄いなぁ…。」
・・・・・・・・・・・・
紅魔館に潜伏して数週間、1人目の
俺の能力 XIV.
幻想郷の住民はどれくらいで効き目が出るか実験するために数人殺したが…早くて2週間と言ったところか。
国山が英雄候補とその仲間を引き付けてくれたお陰で上手く紅魔館に忍び込み、まずは英雄候補とその仲間から始末しようとしたが、まさか英雄候補が不在だったのは予想外だったが…もう1人の方は予定通り能力をかけることが出来た。
結果は良好、食欲も低下し、疲れも取れない、気力もほぼ無いだろうし身体はボロボロだろうな、あとはこちら側からこっそりと一刺しすればこちらの勝ちは間違いない、俺の能力は無敵だ。
効果が発揮するのに時間はかかってしまうが、相手はまさに給油口が無いガソリンタンク。
ガソリンが無くなればエネルギーも無くなる。
それは能力者も同じだ、疲労が蓄積すれば思うように能力を出せなくなる訳だ。
さぁて…そろそろ時間だ。
明日にでも結果は出てくるだろう。
・・・・・・・・・・
次の日、妖怪の山で起きた異変についてパチュリーと現場まで来ていた。
そこで俺は殺された奴らの想いを読み取るため、集中した。
…読み取れた想いは「食欲が無い」「すぐに疲れる」「やる気が起きない」「身体が重い」だった。
やはり予想は当たっていた。
美鈴の症状、俺の昨日の事も含めると合点がつく、おそらく妖怪の山で殺された天狗達は、これが原因で殺されたのだろう。
「やっぱり美鈴の症状と同じ内容の想いが浮かんだな」
「となると敵はこれを使ってあらゆる手で殺した…でも肝心の『あらゆる手』はどうやってやったのかしら」
「うーん…」
確かに、殺された奴らの中には
食欲が無いとかで殺されるんだったら今頃俺も死んでるはずだし、美鈴なんかもっと早くに殺されてるかもしれない。
もしかすると何かを基準にしているのかもしれないな…。
俺はもっと想いを探ってみようと思ったが、残念ながらこの4つの単語だけしか読み取れなかった。
「仕方ない、とりあえず美鈴の症状の原因が分かったわけだし、一旦紅魔館に戻るか?」
「そうね、私も太陽の下では長く居られないから」
「あれ、光さん?」
紅魔館に戻ろうとした時後ろから声が聞こえ、そのまま振り向いた。
「…椛か」
そこには、白髪に 頭襟を頭に乗せていて、上半身は白色の明るい服装、下半身は裾に赤白の飾りのついた黒いスカートに剣と紅葉が描かれた盾を腰に付けて立っている白狼天狗
椛とは射命丸繋がりで知り合い、この妖怪の山で起こった異変の第1発見者でもある。
「光さんじゃないですか、やっぱりここで殺された仲間達の想いを読み取りに来たんですか?」
「まぁ…そうだな、結果的には今紅魔館側でも起こってる問題と繋がったってとこだ」
「そうですか…」
「それで、どうして椛はここに?」
「……光さんに話したい事がありまして」
「俺に?」
「妖怪の山で起こった異変に関係する話です」
「…パチュリー、キツいなら戻っててもいいぞ」
「大丈夫よ、その話私にも聞かせて欲しいわ」
「…分かりました今から話す事は
・・・・・・・・・・・・・・
決行日、目の前に門番をしているターゲット。
そろそろ後ろから奇襲をかけても大丈夫な頃合だ。
しかし、やはり様子が変だ。
彼女の身体は確実に疲れ切り、顔に出てもおかしくないはずだ…
だが、どうしてだ?
どうして
俺の能力にはデメリットがある、それは
何か原因があるはずだ…。
早く見つけなければーーーーー
「あら今日も居眠りしていないのね美鈴」
「…!」
「あ!咲夜さん!そうなんです!お陰で疲れも取れてきましたし、順調に回復してます!」
「それは良かったわ、それじゃあ私は昼食を持ってきただけだから戻るわ」
……なるほど原因はあのメイドということか。
俺の能力が劣っている理由もそれか。
確認したところ英雄候補と紫の魔法使いは不在。
今この館にいるのは吸血鬼2人とあのメイドということか。
「なるほど…
ニタァと笑った節制使いは徐ろに立ち上がると懐の短刀を手にし、一気に咲夜の後ろに付くと、そのまま短刀を咲夜に振り下ろした。
「死ね!メイドーーーーー
「そこまでよ!」
「なっ…!?」
しかしそれはひとつの弾幕により弾かれてしまった。
節制使いは後ろを振り向くとそこには魔法陣を展開したパチュリーと刀を構えた光が立っていた。
「お、お前らは…!」
「椛から話は聞いたけど、まさかここまで来てたとは思わなかったわ」
ー時は遡ること妖怪の山にてー
「異変の犯人?」
「はい、殺された仲間達から以前、
「それは確証できるのか?」
「あの時私達白狼天狗で唯一怪しい人物を見たというのはその男だけで、ここ数日間は見かけてなかったんです」
「確かにそいつが犯人だとすれば合点がつくな」
「あと、その男
「カード……!やっぱり関係していたか」
「その男も例のタロットカード使いなのかもしれないわね」
「そうだな、とりあえず紅魔館に戻って美鈴からも詳しく話を聞こう」
「分かったわ」
「お二人共気をつけてくださいね」
「あぁ、ありがとうな椛」
ーーーーーーーーーー
「あの白狼天狗共……!!」
「さて、自ら姿を晒してくれて嬉しい限りだがここで洗いざらい吐かせてもらおうか!」
「ちっ…!」
すると男は紅魔館の庭を走り抜けるとそのまま逃走した。
「逃がすかぁ!」
光もあとを追うように走り出した。
「私も行くわ、咲夜紅魔館は任せたわよ」
「承知しましたパチュリー様もお気をつけて」
パチュリーは頷くと走り出した。
次回から戦闘回に入りますね、結構のこの能力長い期間考えた挙句ダサいという結論ですね、なんでこれになったんだろ…。
まぁ序盤の敵なので弱い方にしようと考えすぎた結果ですね。
次回も長い目でお待ちください。
皆さん良いお年を!!