すいません。
翌日、俺は昨日までニコラスの能力に当たり続けていたが、何事も無かったかのように紅魔館でブラブラ歩いていた。
国山とニコラスの戦闘の連続で気づかなかったが、この世界は雪が降ると必ず一面が真っ白に積もる。
外の世界だと今は1月ぐらいだろうか、紅魔館は意外と暖かくて快適に過ごせている。
とは言ってもこの広さだ、相当な数の暖をつけているのだろうな、この世界では家電製品らしきものが見当たらないし、何せ暖炉があちらこちらにあったから時代を感じる。
まぁこれと言ってやることも無いしたまにはパチュリーの図書館で本を読むのもいいかもな。
そう思った俺は早速パチュリーの図書館へと足を運んだ。
「よぉパチュリー、本を借りに来たぞ……と居ないのか?」
ノックをして扉を開けパチュリーを呼んでみたが、返事がなかった。
いつもは図書館に引きこもっているんだが、どこかに出掛けているのだろうか…?
そう考えていると声を聞き付けたのか小悪魔が大量の本を持って歩いてきた。
「あれ?光さんどうしたんですか?」
「あぁ…小悪魔かパチュリーは居ないか?本を借りに来たんだが…」
「パチュリー様なら今朝魔理沙さんに連れられて出て行っちゃいましたよ」
「え、マジかよ全然気づかなかった。そうか…本人が居ないなら出直すとしようかな、悪い邪魔した」
俺は小悪魔にそう告げると図書館を出た。
途中レミリアと鉢合わせた。
「調子はどうかしら?光」
「レミリアか…昨日あんな事あったのにピンピンしてるよ、自分でも気持ち悪いくらいだ」
ニコラスを倒した後、俺と美鈴にかけられた能力は解除された。
本当に何も無かったかのようにピンピンしていて、美鈴も俺も戸惑いを隠せなかった。
「それは良かったわ、これからもっと強い敵が来るだろうし貴方にはこんな事で倒れて欲しくないからね」
「……言っとくが俺はお前の駒じゃねぇからな、敵が来ようと俺の勝手だ」
「私は別にそんな事言ってないけれど、まぁ貴方の事だし、どう捉えられても構わないわ、それじゃ私は行くわね」
「おう」
俺は軽く返事をすると別れた。
その直後目の前に咲夜さんが現れ、買い出しを頼まれた。
外は積もっているが、まだ浅い方だから今行けば大きな事故もなく帰って来れるだろう。
判断した俺は了承した。
・・・・・・・・・・・・・
国山やニコラスの件で静かかと思っていたが人里は相も変わらず賑やかだった。
四方八方から店主の大きな声や、住人同士の話声、笑い声が聞こえた。
これだけ賑やかだと少し不気味に思えてくる。
だか、賑やかでも心は人間なのだろう。
国山によって殺された着物屋の跡地には墓が立てられていて、その周りには沢山の花が添えられていた。
外の世界では見ない光景だ。
とは言ってもこっちの世界は道路もなければ大きなビルもない、辺り一面が土で出来ている以上墓を立てられても違和感はない。
だが、外の世界では見なかった俺はこの光景を見て、心に違和感を感じた。
そうこうしているうちに、頼まれていた買い出しの品は揃え、後は紅魔館に戻るだけとなった。
俺はそのまま帰路に向かおうとした時、誰かが俺の名前を呼んだ。
「光さーん!」
「…妖夢か」
後ろを振り向くと大きな買い物袋を背負った冥界の庭師が立っていた。
名は
白いシャツに青緑色のベストを着て、下半身は短めの動きやすいスカートからドロワーズが覗いていて、白靴下に黒い靴か草履を着用。
胸元には黒い蝶ネクタイを付けている。
妖夢の周りに浮遊している白い玉のようなものは『半霊』である。
普段はこことは違う、冥界と言う場所で主である
紅魔館で言う咲夜さんの立ち位置である。
半霊だから俺たち人間より顔色は白い方だが、とても真面目な子だ、ポンコツだけど。
以前の宴の時に来ていたからそこで顔見知りになった。
「偶然ですね、光さんも買い出しですか?」
「まぁそうだな、雪が降ってるとはいえまだ降り始めだから今のうちに済ましておこうと思ってな」
「私も同じです、それにしても光さん、またタロットカード使いと戦ったみたいですね」
「情報が早いな、今回はちょっとダルくてめんどくさい能力だった」
「…まだまだタロットカード使いは居るんですかね」
「さぁな、相手の数も、親玉も分かんねぇ状態だ、虱潰しにタロットカード使いを倒すしかねぇ」
「何が目的で幻想郷に来てるんでしょうか…」
「
「そうですね…もし何かあれば頼ってください、私も光さんのお力になれれば」
「サンキュー、また声掛けとくわ」
「はい!」
2人で会話しているうちに雪の降りが強くなったので、俺達はその場で解散した。
妖夢はあー見えて剣術は折り紙付きの強さだ。
いずれ一緒に戦うのだろう。
まぁそうだな、妖夢の言葉が本当かどうかはこれからって事だな。
・・・・・・・・・・・・・・・
その夜、下級妖怪が住み着く森で何かを呟いている声が響いた。
「……これはあっち……あれは……こっちだな……ふむ……悪くない……」
何かを弾く音を鳴らしながらその人影はゆっくりと歩いていた。
そして、その声を嗅ぎ付けたのか、下級妖怪達がその人影を囲った。
「おいおい…ここが何処か分かって歩いてるのか?」
「ん?どういうことだ?」
「ここに立ち入ったヤツらは俺達の餌になるんだぜ?知らなかったのか?」
「へぇー怖いねー僕まだ食べられたくないよー」
「にしてもお前の身なりあまり見たことねぇな…どこの奴だ?」
「まぁいいじゃねぇか!久しぶりの生きた食料だ!捕まえちまえ!」
「シャアアアアアアアアアアア!!!!」
囲っていた下級妖怪数人は中心にいる人影に向かって飛びかかった。
「ふむ…どうやらここの妖怪は
「あ……れ……?」
その瞬間飛びかかった下級妖怪達全員肉片となって飛び散っていた。
まだ生きている下級妖怪達も何が何だか理解が出来ていなかった。
「なにが起きたんだ!」
「うん、悪くない結果だ」
「お……お前……今何をした!?」
「ん?何って…僕の
「能力……!?まさかーーー」
「ぎゃああああああああ!!!!」
更に1人、肉片になると、また1人と人影と対面している下級妖怪以外全員が次々に肉片に変えられてしまった。
そして…
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃゆ、許してくれ!」
「許してくれって…別に僕は怒ってないんだけど…」
少し困った顔をした後、腰を抜かした下級妖怪に近づくとしゃがんでニッコリと笑った。
「お前…なんなんだよ!!!」
「君だけ特別に冥土の土産に教えてあげるよ」
そして、最後の下級妖怪が肉片になる直前、人影は耳元で囁いた。
「僕は
夏ももう終わりですね、このご時世なのであまり外出は出来なかったと思いますが、とても暑い夏でした。
来年は海とか行きたいなとか、思ってます。
不定期に更新していますが、読んでくれるだけでモチベに繋がりますのでこれからもよろしくお願いします。