東方想伝録   作:司馬懿です

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今回も日常回です。


人間不信にとって初対面は地獄である

下級妖怪が大量に殺された情報を聞いたのは翌朝の事だった。

紫と霊夢を混じえて紅魔館で話し合いをして、確証はないがタロットカード使いの仕業で間違いないだろうという結論に至った。

それが現状1番有り得る話だからな。

とりあえず朝食を済ませた俺は鍛錬をするために、紅魔館の庭に出た。

しばらく経つと咲夜さんから買い出しを頼まれたので、休憩してから人里に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

人里に着くと、まず入口に寺子屋の教師さんが仁王立ちしていた。

 

 

「光じゃないか!今日も買い出しとは精が出るな」

 

「慧音か…お前寺子屋はどうしたんだ?」

 

「今は自習にしているんだ、何せ今日は()()()()()を迎えるからな」

 

「新しい教師…?」

 

「最近幻想入りした奴らしくてな、ウチの方で引き取ることになったんだ」

 

「今まで教師やってる感じ1人で回せてるような気がするが…」

 

「人手が増えれば助かるに越したことはないさ、さて…そろそろ来るかな」

 

「……?」

 

 

すると人里の門前から青髪に白いシャツに紺色のジャケット、ズボンとこの世界では明らかに人里に住んでいる人とは異なる服装をしている男が歩いてきた。

そして、俺達の方を見ると微笑み駆け足で向かってきた。

 

 

「おはようございます慧音先生!」

 

「時間通りだな!ようこそ幻想郷へ!」

 

「はい!…それで、こちらは?」

 

「あぁ…この男は 雨天 光 君と同じく幻想郷入りした男だ」

 

「おい…あまり知らねぇ奴にベラベラ喋んじゃねぇよ」

 

「おっとすまない!自己紹介は自分でやるべきだったな」

 

「……それで、こいつが新しい教師か?」

 

「はじめまして!『カズヤ』と申します同じ幻想入りした者同士よろしくお願いします!」

 

「…………慧音から言われた通りだ。」

 

 

カズヤは俺に握手をするため右手を出したが、それを無視した。

当たり前だ、どこの者か知らねぇやつと仲良くするつもりは無いし馴れ馴れしく接するな。

 

 

「すまないカズヤ、こいつは訳あって人と関われないんだ」

 

「そうだったんですか、失礼しました。」

 

「……それで2人は寺子屋に行くんだろ?」

 

「そうだな、来たばかりで悪いが生徒達も待っている」

 

「心得ております、早速行きましょう」

 

「うむ、それじゃあ光また会おう」

 

「別に俺は会いたくないがな」

 

「連れないなぁ…暇だったら寺子屋に顔でも出すといいさ」

 

「はいはい」

 

 

そして俺と慧音達は別れた。

カズヤと言ったか、俺と同じ幻想入りした人間と言っていたが、信用出来ない。

どういうつもりかあのスキマ妖怪に問い詰めるとするか俺を英雄様にするって話だが、まさかアイツにチェンジした訳じゃねぇよな…?

 

 

「呼んだかしら?」

 

「手間が省けて助かるよ…クソ妖怪が」

 

 

俺の能力で想いが伝わったのか例のスキマ妖怪が現れた。

キレ気味の俺に対して紫はため息をついた。

 

 

「まだ一言も話してないでしょ…早とちりにも程があるわ…」

 

「お前が言うな、あのカズヤってやつもお前が連れてきたんだろ」

 

「……知りたいかしら?」

 

「当たり前だ、何の為に俺が幻想郷の英雄やらされてると思ってる」

 

「……分かったわとりあえず場所を変えましょう、ここで盗み聞きなんてされたらたまったもんじゃないわよ」

 

「おう」

 

 

俺と紫は人里を離れて、無人の森の中へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

1週間後、俺は変わらず紅魔館の庭で刀を振っていた。

咲夜さんからタオルと水を貰って、休んでいる間紫の言葉を思い出していた。

正直乗り気じゃない…本当に、ただあのスキマ妖怪が()()()()()()()いうことはよーーーく知れた。

明日にでも出発する予定だ。

慧音にも伝えてあるし、咲夜さんも同行する形で了承は得た。

あの男が敵か味方か今に分かるはずだ。

昨日…あのクソ妖怪の事を思い出すと虫唾が走る。

本当にアイツは()()()()だ。

 

 

 

 

 

 

 

ー1週間前、紫と光の会話の続きー

 

 

 

「カズヤが()()()()()()()()()()()()()だと?」

 

「恐らく、ニコラス達が幻想郷に入った際に歪んだ空間からだと思うわ」

 

「なるほど…それで?そいつを始末すればいいのか?」

 

「まだ確証はないから様子を見て欲しいのよ、それこそ()()()()()をするようにね」

 

「……お前正気か?俺が人間不信だっていうのは1番理解してるだろ」

 

「分かっているつもりよ、だけど人間不信だからこそあなたには少しでも治して行ければいいと思っているわ」

 

「ふざけんな、俺は頼んでもなければ治すつもりもない」

 

「あら残念乗ってくれると思ったのだけれど」

 

「やらせるなら霊夢とかにしろ、俺は紅魔館に戻る」

 

 

そう言い捨てて俺は帰路を辿ろうとした時、紫の言葉に足を止めた。

 

 

「そう…なら()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……あ?」

 

「あなたここに来てから紅魔館で良くされてるらしいわね?」

 

「…何が言いたい」

 

「あなたが嫌って言うのだから()()()()()()()()()()()()()()()()()という意味よ」

 

「……どうでもいいが聞いておこうその様子見というのはどれくらいだ?」

 

「簡単よ、寺子屋で授業参観のように振舞ってあの男を監視するだけよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

その瞬間俺はスキマ妖怪の胸ぐらを掴んでいた。

 

 

「お前……知ってるんだろ?」

 

「……何がかしら?」

 

「とぼけんな、あの男が()()()()()()()使()()だってことだ」

 

「私は知らないわよ、そんなに知りたいのなら駄々こねないで確かめればいいのに」

 

「ふざけんな、お前紅魔館の奴らにやらせようとしてどこまで腐ってやがる」

 

「だって人間不信のあなたを預けたのにまったく変わらないのだから責任はあの吸血鬼達にあるでしょう?」

 

()()()()()()()()()変わる変わらないは俺自身の問題だ」

 

「あら意外ね?人と全く関わらないのに思入れがあるのかしら?」

 

「てめぇ……」

 

 

俺は思わず刀に手を掛けたが、ギリギリ理性を保って制止させた。

紫の目はギラギラと光っていて悪意のある眼差しをしていた。

これが妖怪と言うやつか、なるほど、美鈴がどんだけ良い奴なのか分かる。

そして俺は舌打ちをすると、乱暴に紫を離した。

 

 

「…………本当に様子見するだけだな?」

 

「話が早くて助かるわ、安心して、もしもの事があればサポートするから」

 

「うるせぇよ偽善者が、あんな事言っておいて今更信じろと?」

 

「まぁそれはどんな捉え方をしても構わないわ…それじゃあよろしくね☆」

 

 

そう言うと紫はスキマの中へと消えていった。

 

 

 

 

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