大分詰め込んだからかな?
では、どうぞ。
大きな光に包まれ視界が悪くなった光達は後ろに下がった。
そして辺り一面に広がっていた光が消えるとそこには
「ここからが本番だ、先程のような手口はもう通用しないよ」
余裕な表情をしながら左手でクイクイと挑発するような仕草をする平田だが、光はそんな事はどうでもいいと言うような表情になり、刀を構える。
「武器が変わったところでお前の弱点はわかったんだ、もう一度ぶちのめせばいいだけの話だ!」
地を蹴る光に合わせるように他の5人も各自攻撃態勢に入った。
四方八方から放たれた弾幕は平田の能力の制限距離である15m以上にも広がる程の規模だった。
例えこれを回避するとしても光や妖夢の斬撃によって能力の範囲外に押し出されてしまうだろうし片手で持っていた輪刀も両手で支えるのがやっとのようなくらいの大きさになり、防御は出来ても全てを防ぐにも限界があるだろう。
そして、光よりも先に平田に弾幕が接触しそうになった瞬間、光は目の当たりにした。
「なっ……!?」
何百にもなる弾幕は
それは輪刀を盾にしたとかではなく、平田を避けるかのように弾幕があらぬ方向へ飛んでいた。
奴のタロットカードを光らせた効果は輪刀が大きくなっただけでは無い
そして少し遅れて光の刀が接触した時、ようやく背負っていた輪刀を出した。
やはり交えただけで分かるほどスピードも力も違う。
身体をしなやかに動かして1番輪刀に力が伝わるように対応している。
こいつは国山と違って技術的では圧倒的に上だ、一度後ろに飛んで距離を置き斬撃を放つと平田はそれを身体を回転させて輪形の斬撃を作り相殺させてみせた。
そして発生した煙によってお互い視界が悪くなると…
「妖夢!咲夜さん!」
光の背後からナイフと2刀を持った2人が煙を払った光に合わせるように平田に接近した。
少し驚いた表情を見せた平田は輪刀を持ち直すと…
「…っ!?」
「残念だったね、元々輪刀は2つあったんだ、それが合わさっただけであって1本化した訳じゃないんだよ!」
それで2人の斬撃を防いでみせると力任せに2人を弾き飛ばした。
すると正面から光、背後から霊夢が接近すると、身体を後ろに倒してその流れで先に攻撃してきた霊夢のお祓い棒を弾いて光の斬撃を回避した。
ならばと光が回り込み平田の胴に切りかかるが、もう片方の輪刀で塞がれる。
光は1度刀を弾くと再び刀を振るうも能力で体勢を戻した平田に簡単に弾かれる。
何度も火花が飛び散り、そして何かを悟ったのか大きく横に飛んだ瞬間。
「マスタースパーーーーーク!!!」
「操符『乙女文楽』!!!」
魔理沙とアリスの強力なレーザービームが2本放たれた。
しかし平田は
輪刀を元の形に戻し背負うと、そのまま一歩も動かなかった。
そしてレーザービームが平田に接触する手前、どこからか警告音が聞こえると再びワイヤーが出現したが、そのワイヤーは2人のレーザービームではなく
「な…!?」
「僕の能力はねこうやって自分の為に扱うことも出来るのさ!」
そのワイヤーは平田を捕まえると勢いよく後ろへ引っ張り、その直後に大きな爆発音が響きわたり、地面にはクレーターが出来たと同時にその少し向こう側に
「そ、そんな…」
「あまり僕を舐めない方がいいよ!」
2人にとっては渾身の一撃だったのだろうが、それでも平田の能力に封じ込まれてしまった。
「もう打つ手はないかな?それなら…!」
平田は一度輪刀を背負うと、瞬間、魔理沙達の方へ接近し輪刀を振り下ろした。
「うわああああ!!」
「魔理沙!!」
「おっと追撃はさせないよ」
「ぐっ……!」
魔理沙は斬られ、アリスは首元に蹴りを入れられて、力なく倒れてしまった。
ここで2人が脱落、そして…
「次は…」
「はあああああ!!!」
平田が振り向くと同時に妖夢と霊夢が互いに武器を持った手を振り下ろしていた。
しかし、ワイヤーで引っ張られることでスピードアップしている平田に軽々といなされ、妖夢は背中を見せてしまった。
「しまっーーーーー」
「させません」
平田に攻撃される前に咲夜が時を止めてナイフで応戦すると輪刀で弾いた。
そこへ光が接近し足元を払うが、ジャンプして輪刀を光に振り下ろす。
刀で防いだ光の後ろに妖夢が回ると弾いたと同時に妖夢の渾身の一撃を放つ。
〜人符「現世斬」〜
強力な斬撃が何本も放たれ、平田を襲う。
平田もこれには考えなければ行けなかったのか露骨に能力を発動させて回避して距離をとると、ニヤリと笑って再び斬撃に接近した。
そして平田はそれを輪刀で防ぐのではなく警告音が鳴ったのと同時に接近し平田の目の前で軌道を変えると、後ろの木々に当たり砕け散った。
最後に妖夢が楼観剣を振り下ろしたが、平田の輪刀であっけなく防がれてしまった。
平田は鼻で笑い妖夢を睨みつけると力を入れて、少しずつ前へと進んだ。
そして警告音が鳴ったと同時に妖夢が怯むと輪刀を振り上げ、大きく弾かれた反動で胴がガラ空きになった妖夢に即座に割った輪刀の片方で妖夢に斬りつけた。
防ぎ切れなかった妖夢はそのまま後ろへ吹っ飛ばされた挙句再び謎の警告音が鳴り、ワイヤーが妖夢を捉えると地面に強制的に叩きつけられトドメの一撃を食らい地に伏せた。
これで3人が脱落した。
しかし、平田にかなりの距離を移動させていた為、一か八か賭けるチャンスが訪れた。
「もう出し惜しみは無しよ!」
「分かってるわ」
「へいへい」
残った霊夢、咲夜、光の3人が同時にスペルカードを発動した。
〜霊符「夢想封印」〜
〜幻象「ルナクロック」〜
〜蝶符「妖刀・千子村正」~
3方向から様々な種類の強力な弾幕が放たれ、平田を襲う、魔理沙達のように対応するものなら必ず何処かでスキが生まれる。
以前真ん中で立っている平田は目を瞑ると2つの輪刀を元に戻して構えると……
「やはりこうじゃないと、それじゃあ僕も…本気を出させてもらう!」
瞬間、平田が大きく両手を広げて空を見上げるとそのままの姿勢で弾幕を迎え入れた。
普通ならここで全て食らい原型を留めないはずだが、平田の能力はあらゆる方向からまたしても警告音が鳴り、今までとは比べ物にならないほどの無数のワイヤーが弾幕に向かって、衝突すると
「な……!?」
「うそ……」
「……これが僕の全力だよ、かなり消耗するけどこれくらいなら簡単に防げるのさ」
平田は額の汗を拭いながら続けてこう語る。
「僕の能力は対象をワイヤーで捉える能力、全力で使えばこうやって広い範囲で全ての敵を拘束させ、弾幕の軌道を変える、そして……」
深呼吸して再び前を向くと平田はニヤリと笑い。
「僕本体が戦うまでもなく…君達を
輪刀で輪形の斬撃を放ったと同時に、
そして、輪刀を背負い直した平田は地面に刺さった咲夜のナイフと1本抜き、光に向けた。
「これが僕のタロットカード『運命の輪』さ、見ての通り大勢で戦っても僕には通用しないと言うことだ、それじゃあ…」
平田は向けていたナイフと振り上げると……
「楽しい戦いだったよ!雨天 光くーーーー」
「本当に勝った気で居るのか?平田 和也」
「?」
「まだ気づかないのか?お前が俺達の弾幕に意識が向けられていた間に、
「…………」
振り上げたまま平田は少し考えると何かを察したのか後ろを振り向くとそこにはーーーーー
「うそ…だ…何故君が立っていられるんだ!あの時確かにーーー」
「確かに私は貴方に気絶させられたわ、直ぐに起きられるはずもない…だけど」
アリスは一度言葉を止めてイタズラが成功した子供みたいな笑顔でこう告げた。
「
「活用……!?」
平田は再び魔理沙が倒れている場所に目をやるとその正体が分かった。
そこにはアリスの形をした
アリスは光に国山戦で渡したものと同様のやり方で平田から難を逃れていたのだ。
そして
「光のお陰であなたの弱点も調べさせてもらったわ!」
「まさか…お前!!!」
アリスは何も無い木々に攻撃を向けると思いっきり弾幕を放った。
平田も焦りを見せてアリスの周りから警告音を鳴らせたが、それと同時に木々から落ちた
それを見た平田は青ざめた。
「そう…お前は
「くっ……!!!」
光は立ち上がると刀を持って平田に急接近した。
もちろん能力を見破られた平田はコインで止めようとするも、警告音が鳴ったと同時に近くにあるコインをアリスに尽く破壊されてしまい拘束させることが出来なくなると平田も対処出来る訳もなく、一瞬にして形勢逆転した。
「な、何故だ……どうして僕の能力の仕組みが分かった!!!」
「それはな…」
・・・・・・・・・・・・
遡ること咲夜が平田にナイフで応戦した際の話。
「何か分かりましたか?咲夜さん」
「やはり
「コイン?」
「彼の能力の源となる品物だと思います。」
「平田は無意識のうちにコインが設置されている所に攻撃が行かないように上手く場所を移していたんですね」
「そういう事になります、そしてそのコインからは至近距離でないと見えないくらいの薄さですが確かにレーザーの様なものを放っており、それを辿ると反対側の木に同じようなコインが配置されておりました、その距離はおよそ30mはありました、それに触れる事で警告音が鳴った後にコインからワイヤーが出現し対象を拘束させるのだと考えられます」
「やはりタロットカードを発動したことで距離も伸びていたのか」
「私事ながら設置されたコインを破壊しようとしましたが、時を止めている状況でも警告音が鳴ってしまい破壊までとはいきませんでした」
「そうだったんですか、そうなると…やっぱり
「念の為にあの人形を持ってきておいてよかったわ」
アリスの名前を呟くと光の背後からアリスがやれやれと言う表情で現れた。
元から彼女は戦闘に参加しておらず、化け人形に全て任せていたのだ。
「どうだ…やれそうか?」
「分からないけれど、私の火力なら木の一本や二本は倒せると思うわ」
「わかった、俺達があいつに意識を向けさせるからその間に配置について置いてくれ」
「りょーかい!」
・・・・・・・・・・・・
「元からお前は彼女の藁人形と遊んでいたわけだ、まったく情けない寺子屋の元教師だな平田」
「………殺れよ」
「あ?」
「僕は君達の敵だ、敗北を認める」
「言われなくても…楽に殺してやるよ!!!」
「待ってくれ!」
刀を振り下ろそうとしていた光は誰か分からない声に手をとめられた。
光はため息をして後ろを振り向くとそこには…
「
…と平田が呟いた。
「平田、ひとつ聞かせてくれ、どうして私を、生徒を
「それは…」
「君の能力ならあの寺子屋で授業をしている時に殺れるチャンスは沢山あったはずだそれなのに何故」
「あれはただの情報収集であって殺す時ではなかっただけです」
「ならどうして光と咲夜が来た時、寺子屋にコインを張り巡らさせていなかったんだ?」
「…………」
「何かほかに理由があるはずだそうだろ?」
平田は詰め寄られる慧音の前に沈黙した。
そしてもうダメだという表情になると、口を開いた。
「………楽しかったんです」
「楽しかった?」
「僕は最初皆を殺すつもりだった…でもこの1週間、慧音先生と、生徒達と授業をしていくに連れて楽しいと心の底から思えたんです、この子達を立派な大人にさせたい、皆に愛される教師になりたいと昔教師をしていた時に抱いた夢が…捨てたはずなのにこんな形でまた…」
「それが…君の本心かい?」
「……はい」
平田は返事をすると再び俯いてしまった、敵同士なのに敵地なのに相手に情けをかけてしまうという平田側の組織からしたら禁止行為をしてしまったのだから。
その時の表情は死を覚悟していた。
しかし、慧音は平田の話を聞いて微笑むとこう告げた。
「なら
「………え?」
「君は私と、生徒達と一緒に授業をしたいと思ったのだろう?なら良いじゃないか!そうだろう?
そう言いながら辺りを見渡すとそこには
「傷は大丈夫なのか?」
「全然大丈夫だぜ!平田が手加減してくれたからかすり傷で済んだ!」
「だったらあのまま気絶しないでよね」
「それはあの場の空気ってやつだぜ」
「……これが答えです」
何もかもをバラされた平田は再び口を開いた。
ため息と共に仰向けになると快晴の空を見ていた。
「……この世界は…空が綺麗ですね」
「そうだろう?これからもこの空を見られるわけだ!」
「……ふふ」
「……悪いが俺は帰らせてもらう、こんなことに付き合ってる程俺もお人好しじゃねぇからな」
「そうか、ありがとう光」
「……ハッ」
「では私もそろそろ失礼しますね」
「あぁ、ありがとう咲夜」
光は唾を吐き捨てて去るのに対して咲夜は慧音に一礼して去っていった。
場の空気を読んだのかアリスと妖夢は既に立ち去っていた。
残った霊夢と魔理沙はそのまま慧音の後ろで見守っていた。
「こんな僕でも、信頼してくれる人がいるんですね」
「勘違いしないで、しばらくは私があんたを監視するから何か変なことでもしたら直ぐにでも潰すから」
「はは…その方が安全ですね」
「これからよろしくな!私は霧雨 魔理沙!あんたは?」
仰向けになった平田に魔理沙は手を差し伸べると平田は笑ってその手を握り返した。
「平田 和也、タロットカード『運命の輪』を持つ、ただの寺子屋の教師だよ」
というわけでこんな形ですが、平田君がこっち側につくことになりました。
いやぁ結構な数の敵を出そうかと考えてたので少しくらい仲間に入れても問題ないかなとは思いました(まる)
これからも何話か彼が出ると思うのでその時はよろしくお願いします。