東方想伝録   作:司馬懿です

38 / 60
あけましておめでとうございます!
2022年一発目の投稿です。
投稿ペースは以前と変わりませんが、なるべくいい作品に仕上がるように頑張ります。


VS 憎悪の執事長②

 

 

突然持っていた刀が爆発した事で爆風に巻き込まれた光はそのまま吹き飛ばされて木に強くぶつかった。

肺の空気が全て口から出る感覚を味わいながらも何とか失いかけた意識を保ち、立ち上がると次に見た光景は…

 

 

「パチュリー様!パチュリー様!」

 

 

爆風を受けたが、能力を使って回避した咲夜とその手にはボロボロのパチュリーがいた。

俺の刀が爆発する直前に庇ったからだ。

 

 

「パチュリー様……何処までも悪に染るおつもりですか!」

 

「っ!……悪に染ったのは貴方です静夜さん!どうしてこんなことをするんですか!?」

 

「どうして…?僕は皆さんの迎えに来たんですよ?それなのにどうしてそちら側に肩を持つのですか!僕達の…あの幸せだった紅魔館はどこに行ってしまったのですか!?」

 

「私は…私達は幻想郷(この世界)で生きると決めたんです…!お嬢様もパチュリー様もみんな同じです!」

 

「………」

 

 

静夜は俯き、溜息をすると咲夜に冷たい目線を送った。

 

 

「これは…お仕置が必要ですね…」

 

 

その瞬間、静夜からおぞましい殺気を感じた。

まさにその姿は憎悪そのもの、近づくだけで吐き気を催そうだ。

 

 

「咲夜さんも、お嬢様も、皆…皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆皆!!!!己がどれだけ愚かなのか理解させてやる!!!!!」

 

 

静夜は拳を握ると一気に咲夜に飛んでかかった。

しかしその拳を光が刀で防いだ。

 

 

「光さん!」

 

「大丈夫ですか咲夜さん」

 

「貴様ァ……!!!」

 

「まるで駄々をこねるガキだな丑満時 静夜、見苦しいぞ」

 

 

光は静夜の拳を弾き飛ばすと、静夜は距離を取った。

そして光は刀を触れられたので能力の警戒をしたが、静夜の表情を見て理解した。

 

 

「なるほど…お前の能力は1()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()使()()()()()()ようだな」

 

「チッ…!」

 

 

ならば好都合、思う存分刀を触れるわけだ。

しかし能力を使えないのはそれだけ、警戒する状況は変わらない。

光は後ろを見て咲夜さんと気を失ったパチュリーの状態を確認した。

幸い爆発で手足等が吹っ飛んだわけでは無さそうだが、重傷なのに変わりはない。

 

 

「咲夜さんパチュリーを連れて永遠亭に行ってください」

 

「それでは光さんが…」

 

「大丈夫、心配はいりません必ず勝ちますので」

 

「ですが…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なら()()()()()()()()()()()

 

「っ!?」

 

 

何か気配を感じた静夜は明後日の方向を構えた。

すると瞬間、鋭い斬撃が通った。

そして光の前に立つとそいつは光の方を見た、輪刀を持ったあの男が立っていた。

 

 

「平田 和也…」

 

「大丈夫かい?光くん、助けに来たよ」

 

「……俺は助けろと一度も頼んだ覚えはない」

 

「まだ僕の事は信頼出来てないって所かな?まぁ仕方ないね、だけどここで争うのは都合が悪いだろ?」

 

「……分かったそのかわり妙な動きしたらこのクソ執事長と一緒に死んでもらうぞ」

 

「交渉成立だね♪」

 

「平田 和也…!あの御方の御恩がありながら何故寝返る!?」

 

「すまないね静夜くん、あの人の恩を忘れた訳じゃないけどそれ以上にこの世界の人達には借りがあるから」

 

「借りだと?貴様は私達よりこんな腐った世界の方が大切だと言うのか!」

 

「もちろん」

 

「貴様ぁ……!」

 

 

すると静夜は更に殺気を放つと、獣のような表情で俺達を睨みつけた。

まだ信頼していないとはいえ、平田が来たのは都合がいい。

咲夜さんにはパチュリーを任せてもらおう

 

 

「そういう事です、咲夜さんお願いできますか?」

 

「……分かりました。どうかご無事で…光さんにはまだ伝えられていないことがありますから」

 

 

そう言うと咲夜はパチュリーを抱えて飛んだ。

まだ伝えられていないことがあるって告白みたいだなおい…まぁ俺には無縁の話だが。

さて…これで俺が気にかけるものは全て無くなった。

 

 

「さぁ来いよ元執事長、お前にこの世界を汚させねぇ!」

 

「雨天 光ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

 

 

静夜は獲物を見つけた猛獣のように飛びかかると拳を振り下ろした。

先に反応したのは平田で、静夜の動きを予測して輪刀で弾いた。

その様子じゃ既に能力を発動するための準備はしていたのだろう。

次に静夜は弾かれた勢いに乗って後ろに下がると同時に足元にある石を拾ってそれを投げるとスイッチを押す構えに入った。

光達は左右別々に飛んでそれを回避すると光と共に大きな爆風が発生した。

予測して距離を取ったつもりだったが、黒煙が光達を包んだ。

幸い少し皮膚に触ったくらいで、大怪我とまでは行かなかったが油断すれば即死は免れない。

俺が最初に食らった爆発、おそらくパチュリーが魔法を使って防御してくれたのだろうが、その分パチュリーに…。

 

 

「光くん早く煙を払うんだ!次の攻撃が来る!」

 

「……!」

 

 

黒煙の外から静夜が現れると片手に包んでいた無数の小石を光に投げた。

そして、スイッチの構えに入る…が平田のコインが静夜に反応して静夜を後退させるが、その二人の横で小石が爆発し、今度は黒煙だけじゃなく爆風も二人を襲い、吹き飛ばされる。

刀を地面に引っ掛けて減速すると、斬撃を放って追撃を防ぐ。

あのくらいの石でさえこの爆発、やはり紅魔館の元執事長をやっていただけある。

霊夢と戦ったと言っていたが、これには霊夢も苦戦したのだろうな。

刀に付いた土を払って平田の方を見ると既に準備万端という表情で頷き、同時に地を蹴った。

平田が接近して二刀の輪刀を振るい、静夜の両手を塞ぐと、後ろに回り込んだ光がそのまま静夜に向かって刀を振るうが、静夜は平田の攻撃を弾いたあとそのまま後ろに下がって光の方を向くと刃を掴んで、平田の方へ投げ飛ばした。

平田と光が衝突しかけたが、光が直前に体勢を立て直して平田の輪刀を土台に空中へ飛び上がると斬撃を放った。

それを爆弾に変えた小石で相殺すると、再び二人との距離を詰めて平田に拳を振るった。

平田は身体を回転させて上から振り下ろすように静夜の拳を足で振り落とすと、そのまま前のめりになった静夜を蹴り飛ばした。

飛ばされる直前、爆弾に変えた石を投げてそれを点火すると、平田の目の前で爆発した。

黒煙が上がる中、輪刀を回転させて黒煙を払った平田は致命傷とは行かなかったが、かなりダメージを負ってしまった。

 

 

「これはなかなか効くね…」

 

「当たり前だ、貴様は私には勝てない」

 

「それはどうかな?」

 

「何処見てんだクソ執事長」

 

 

その間、隠密していた光が一気に後ろに回って刀を振るった。

後ろに振り返りながら拳を振るう静夜、しかしそれは空を切る。

光が刀を振るったのは地面であり、その勢いのまま静夜の頭上を超えて、再び刀を振るった。

反応に遅れた静夜は左腕に切り傷を負った。

痛みに表情を歪めながら、光に小石を投げて後ろに下がると再び点火した。

既に距離を取っていた光は爆風に乗るように後退した。

 

 

「……いい囮だったぞ平田」

 

「ははは、君なりの褒め言葉として貰っておくよ」

 

「そんなボロボロの身体でも口だけは達者だな」

 

「それが僕の取り柄だからね」

 

「……まだ戦えるか?」

 

「問題ないよいつでもカバーは出来るさ」

 

「なら、()()()()()使わせてもらうぞ!」

 

 

 

 

 

 

〜記符「アブソリュート・イメージ」〜

 

 

 

 

 

 

平田から想いを読み取り、そのまま静夜に近づいた。

静夜も対抗するように接近した瞬間、静夜の動きが鈍くなった。

平田のワイヤー能力だ、光は一瞬だが平田のワイヤーで敵を拘束する能力を得る事に成功した。

一瞬でも相手を怯ませることが出来れば、こちらに有利な状況になりやすくなる。

 

 

「っ!?身体が…!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

光は勢いのまま刀を振り続ける。

あらゆる方向からワイヤーが静夜を襲う上に斬撃の嵐、流石の静夜も手一杯だった。

そしてその間に後ろに回り込んだ平田は静夜の背中に向かって輪刀を振るった。

静夜は光の隙を狙って一度刀を弾くと負傷した左手で輪刀を止めたが、振動が負傷した左腕に響き、力が緩むのを感じた平田は一気にその輪刀を振り抜くと静夜がバランスを崩した。

そして光が静夜の頭目掛けて刀を振るった…が、足を踏み込んでいた静夜に間一髪刃を掴まれてしまう。

その隙に平田が輪刀を振るったが、もう片方の手で掴まれてしまう。

更にもう片方の輪刀でがら空きになった胴体に振り下ろしたが、その前に二人を地面に叩きつけた。

そこへ石を拾って投げつけるとスイッチを押した。

爆発し、爆風と黒煙に二人とはそのまま飲まれてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

その頃永遠亭に到着した咲夜は鈴仙に案内されて永琳のもとへ運んだ。

 

 

「パチュリー様…」

 

「安心しなさい気絶してるだけよ、ただ損傷が激しいから治療に時間が掛かってしまうけれど」

 

「良かったです…」

 

 

パチュリーの無事に安堵した咲夜に永琳は言葉を続ける。

 

 

「安心するのはまだ早いわよ、貴女は光の所へ行きなさい」

 

「私が…ですか…」

 

「当たり前じゃない彼に一番寄り添ってきたのは貴女じゃない、貴女が行かなかったら誰が彼を助けられるの?」

 

「……!」

 

「この娘の事は私達に任せて、頼んだわよ」

 

「……分かりました」

 

 

不安そうだった咲夜の表情は引き締まった表情に変わり、そのまま姿を消した。

鈴仙に治療薬を頼み、パチュリーの傷の状態を見ながら永琳はため息を着いた。

 

 

「さて…()()()()()()()()()()()()()()()()()楽しみにしておきましょうか」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。