東方想伝録   作:司馬懿です

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今回も戦闘回です。
なんか3回に分けて作る必要あるのかなと思い始めてます。
もう少し短めに作れるよう努力します


VS 憎悪の執事長③

 

 

発生した黒煙を刀で払うと、静夜に急接近し刀を振った。

それを右手で抑えて左手で石を押し付けようとしたが、後ろに回っていた平田が同時に輪刀を横に斬りつけていた為、光の刀を弾いた後体勢を低くして回避すると持っていた石を平田の身体に押し付けた。

そして後ろに下がって点火するも、警告音が鳴りワイヤーが静夜の腕を掴み、点火が遅れてしまい平田を殺り損ねる。

すると静夜は自ら平田に接近し拳を振り下ろすと、合わせるように平田が輪刀で防ぐも、その輪刀を使って後ろに回り込み頭を掴もうとするも横から光に刀で塞がれてしまう。

 

 

「平田!今だ!」

 

「りょーかい」

 

 

平田は振り向きざまにタロットカードを光らせると輪刀が大きくなり、半分に割って二刀流へ変える。

そして光が刀を弾いて静夜との距離を取ると、斬撃を放った。

それを平田の能力で斬撃の軌道を変えさせると、四方八方から光の斬撃が静夜を襲ったが、静夜も冷静に一つまた一つと消し飛ばし、本体が急接近すると二刀を両手で防いだ。

背中がガラ空きになった所を光が仕留めに行こうとしたが、両手を大きく振り上げて平田の胴体をがら空きにさせると、蹴り飛ばした後身体を回転させて光の斬撃を軽やかにいなした。

そしてそこへ木の枝を投げ入れ点火を試みるも、平田のコインが反応して無理矢理軌道を変えると不発に終わった。

ならばと再び接近して拳を振り上げると平田は二刀をクロスする形で防いだ。

火花が飛び散りクロスさせた二刀が一瞬だけ平田の死角になり、それを静夜は見逃さなかった。

瞬間もう片方の手で平田の輪刀に触れると後ろに下がって距離をとった。

そして…

 

 

「平田!今すぐその武器から手を離せ!!」

 

「っ!?」

 

 

スイッチが押され点火すると平田に爆風と黒煙が襲いかかった。

大きく広がった黒煙が晴れると爆発を食らいボロボロになった平田が倒れていた。

静夜は小石を大量に握って構えに入ると、光の方へ投げた。

拡散した大量の小石の前に静夜は点火のボタンを押すと、為す術なく光は一段と大きな爆風に飲み込まれた。

静夜はトドメを刺そうと黒煙の方へ歩み寄り拳を大きく振りかぶって黒煙を晴らすと、そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()

 

 

「……咲夜さん!?」

 

「あのメイド長…!永遠亭から戻ってきたのか!?」

 

「お待たせして申し訳ありません光さん加勢に参りました」

 

「あの爆発…どうやって!」

 

「爆発する直前に時を止めて光さんごと後ろに下がりました。少し服が焦げたかもしれませんが、まぁ美鈴にでも弁償させましょう」

 

「この状況でも余裕なんですね、ほんと」

 

「…やはりそう易々と見てるという訳には行きませんか貴女も」

 

「私にとって紅魔館はお嬢様がくれた居場所なんです、それを例え静夜さんでも手を出す事は断じて許しません」

 

「…いいでしょう私も元とはいえ紅魔館の執事長、あの戦いからずっと煮え滾るこの憎悪を貴女にも思い知らせてあげましょう!」

 

「来ます!光さん構えてください!」

 

「言われなくても…!」

 

 

咲夜は空へ飛ぶと時を止めてナイフの弾幕を展開した。

静夜は構えて石を中に投げ飛ばし、スイッチを押すと相殺した。

二人は接近して先に静夜が拳を振り下ろすと咲夜は時を止めて後ろに回り、弾幕を張る。

地面に刺さっているナイフを拾い上げて投げつけるとスイッチを押して点火、爆風が弾幕の軌道を変えそれに生じた隙間に身体をねじ込んで回避するとそのまま咲夜の方へ突っ込んだ。

そこへ光の斬撃が静夜を妨害し再び距離を取られると、今度は光が静夜に刀を振り下ろしたが、後ろに回避しながらそこへ木の枝を投げ込み、スイッチを入れる。

爆発する寸前に光は地面を蹴って後ろへ下がり、黒煙が広まる前に刀で振り払い、静夜に斬りかかる。

それを右手で掴み、後ろへ投げつけると光の身体は木々の方へ飛ばされた。

飛ばされる中体勢を整え木々にぶつかる直前、足でバウンドするように蹴り飛ばし再び静夜に接近すると、光の背後から咲夜のナイフも応戦した。

再び木の枝を掴んで、投げ入れようとした瞬間背後から咲夜の気配を感じ、回し蹴りをしたが空を切りそのまま身体を回転させた勢いで光の方へ木の枝を投げ点火したが、直撃したのは咲夜の弾幕だけだった。

そしてふと上を見上げると黒煙から刀を構えた光が現れ、強烈な斬撃を与える。

これには静夜も両手で押えたが、負傷した左腕が痛み表情を歪めると更に圧を掛けられ弾いて引くしかなかった。

 

 

「チッ…!」

 

「今です!咲夜さん!スペルカードを!」

 

「分かりました!」

 

 

静夜との距離が離れた瞬間光の頭上に咲夜が現れスペルカードを発動した。

 

 

 

 

〜幻符「殺人ドール」〜

 

 

 

 

赤と青のナイフを投げた直後時を止め、更にそこへ緑のナイフをばら撒き静夜を完全に囲む。

流石の静夜もこれには目を見開いた。

 

 

「これは…!やはり共に苦楽を共にしただけあります…ならば私も()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

すると静夜はポケットに手を突っ込むと、ひとつのカードを取り出した。

タロットカードを使うということか、奴は更に今の状態から強化されるというわけ……いや待て、奴はタロットカード使いではないはずだ…確か『触れた物を爆弾に変える程度の能力』だった…はず…?まさか…!

 

 

 

〜憎符「アウトバースト」〜

 

 

 

静夜はそのスペルカードを咲夜の弾幕に投げ入れ、スイッチを押すと瞬間、大きな爆発が起こった。

しかもそれは一度ではなく二度、三度とリズムをとるように爆発し咲夜の弾幕を相殺していき、爆発がおさまった時には咲夜の弾幕も木っ端微塵に消えていた。

更に静夜は間髪入れずにスペルカードを取り出した。

 

 

 

〜追符「ホーミングボム」〜

 

 

 

静夜の両手から球体のようなミニカーが生成され、それを転がすと自力でタイヤを回し始め、咲夜の方へ飛んで行った。

時を止めて回避すると、軌道を変えて後ろに回り込み、十分な距離感になるとスイッチを押す音が聞こえた。

 

 

「咲夜さん!」

 

「くっ!」

 

「私のスペルカードを味わってもらおうか!」

 

 

光は足を動かし咲夜の元へ向かおうとしたが、その前に爆発が先に起きてしまった。

一段と強烈な爆風と閃光に光も腕で顔を覆った。

大きく広がる黒煙を振り払うと、咲夜が倒れていた。

 

 

「大丈夫ですか咲夜さん!」

 

「………光さん…」

 

「後は俺に任せて安全な場所へ避難してください」

 

「……すみません」

 

「これで一対一になったな雨天 光」

 

 

再びホーミングボムを生成する静夜はこちらへ歩み寄ってきた。

光は咲夜を安全な場所へ避難させ、再び振り返ると霊力を放った。

 

 

「……決着をつけよう丑満時 静夜」

 

「……良いだろう、貴様の想いか私の憎悪かどちらが大きいか決めようじゃないか」

 

 

ピリついた空気の中静夜はホーミングボムの生成が終わり光の方へ転がした。

ホーミングボムは標的を定め接近すると一気に加速し、仕留めに入る。

光は静かに深呼吸するとスペルカードを取り出す。

 

 

 

「咲夜さん貴方の想い貰います…!」

 

 

 

〜記符「アブソリュート・イメージ」〜

 

 

 

光は咲夜から想いを貰ったが、それに少し違和感を感じた。

 

 

 

「(今まで貰った想いより、何か温もりを感じる…?なんなんだこの感覚は…?いや、今はそんな事を考えている暇はないこの想いを…刀に注ぎ込む!)」

 

 

そして光は刀に能力を注ぎ込むと段々白く光り始めると思いきや青く光り出し、自然と周りの草花が舞い始めた。

 

 

「(平田より一段と能力が活性化されている…?これなら!)」

 

「……!」

 

 

静夜は何かを察知し、すぐさま小石を大量に握り光の方へ投げ入れた。

そしてスイッチを入れようとした瞬間、目の前に刀を構えた光が現れた。

 

 

「なっ!?」

 

「これで……終わりだあああああああああ!!!」

 

 

静夜はすぐさま防御の構えに入ったが一振で体勢が上がり、胴体ががら空きになったところを光は更に斬りつけた。

斬りつけた部分には青白く光る切り傷が残り、ひとつまたひとつと六つまで増え最後は静夜の背後に周り、刀を鞘に納める体勢に入った。

この瞬間光に新たなスペルカードを発現させた。

 

 

「まさか…!貴様ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伝符『想集六連斬(そうしゅうむれんざん)』!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がああああああああああああああ!!!!!!!」

 

 

刀を鞘に納めた瞬間静夜の身体に残っていた斬撃が一斉に弾け飛び、静夜はそのまま宙を舞った。

 

 

「認められない…こんな事で私の…憎悪は…復讐は…消えない…消させない…消えて…なるものかあああああああぁぁぁぁぁ……!!!」

 

 

そして静夜の身体は次第に光の粒となり散った。

光は急いで咲夜の元へ走り出した。

 

 

「咲夜さん早く永遠亭に向かいましょう、肩貸します」

 

「ありがとうございます、私は大丈夫ですそれより平田さんの肩を貸してください」

 

「わかりました」

 

「すまないね」

 

「……言っとくがこれはただのお礼だ……助かった」

 

「どういたしまして」

 

 

三人で永遠亭へ向かおうとしたところ空から魔理沙とアリスが駆け付けてくれた。

 

 

「光!無事か!」

 

「魔理沙…それにアリスも来てくれたのか」

 

「大きな爆発音が聞こえたから急いできたのだけれど…遅かったみたいね」

 

「いや、肩を貸してくれるだけでもありがたい…永遠亭まで連れて行ってくれないか?」

 

「まぁ…全員とまでは行かないが一人くらいなら乗せてやるぜ」

 

「じゃあ…平田を頼む」

 

「良いのか?光も消耗してるだろ?」

 

「俺よりこいつの方が重傷だ、永琳達には大勢で押し掛けて悪いがな」

 

「まっそこは英雄様に免じて許してくれるだろ!」

 

「おいおい…」

 

 

光は溜息をつきながら咲夜の肩を持って永遠亭へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

「クソが!!!!」

 

 

水晶から様子を見ていたエゲリアは荒々しく椅子を蹴り上げた。

それもそのはずエゲリアにとっては片腕的存在の男だからだ、それを失うとなると大きな損失になる。

 

 

「静夜君も頑張ったね〜お陰で新しい必殺技を練り出したみたいだけど♪」

 

「折神ぃ…!貴様!!!」

 

「エゲリア!これは静夜のミスだ!責任は奴と主であるお前にある!」

 

「くっ…!」

 

「それで?あの執事長が死んだことでエゲリア…君の配下は全滅と言ったところだが…次はどうするんだ?」

 

「まぁ…光くんも種から芽が生えたようだし更なる刺激が欲しいかもねぇ〜」

 

「刺激などどうでもいい…俺の配下を向かわせる」

 

「おぉ〜やる気だねぇ〜やっぱりーーーーーー

 

「…それ以上言ったらお前の首を跳ねる」

 

「へぇ〜?やれるものならやってみてよ?」

 

「待て……その前に俺があの世界に行ってくる」

 

「えぇ〜!?エゲリアくん自身が?大事な大事な執事長さんが死んで血迷っちゃったのかな?」

 

「そうじゃない、奴がいる世界の実力者と当たってみるだけだ、なに…ほんの少しの嫌がらせだお前が普段やってるような事を…な」

 

「嫌がらせって言い方悪いなぁ……まっ!そこは君に任せるよ!吉報を待ってるね♪」

 

 

折神に手を振りながら見送られると、エゲリアは闇の中へと消えていった。

 

 

 

 

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